Chicago Shimpo
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ファンタジー・ノベルの世界
インタビュー:馬場隆博さん、
折戸伸治さん

• 小説を読みながら、ストーリーの展開をプレーヤーが選びながら読み進めていく「ファンタジー・ノベル」のゲームソフトウェア・アプリケーション制作で有名なビジュアルアーツのCEO馬場隆博氏とクリエイター折戸伸治氏の共同記者会見が行われた。
• ビジュアルアーツはゲームソフトを提供する一方、自社傘下のKeyやフランチャイズ提携しているクリエイターらが制作したアドベンチャー・ゲームを販売している。
• 物語を読み進めるのは本の小説の様だが、そこにはイメージがあり音楽がある。アドベンチャー・ゲームはアニメとして制作されるものも、あり人気を博している。

• Q:アメリカのファンは日本とどう違う?

• 馬場:一緒過ぎて驚いているぐらい。目を輝かせて「この作品を見ました」と近づいて来る様子が日本のファンと同じなので驚いています。

• Q:Keyの作品はいつもユーザーを感情的に取り込むところが素晴らしいと思いますが、それはどの様に?

• 馬場:ビジュアル・ノベルは元々モノローグと会話で成り立っていて、心の中をたくさん表現することができるメディアなんですね。
• だから作品の中でもキャラクターが考えたり感じたりしている事をたくさん表現することによって、その心情を感動的に表すことができているんだと思います。
• 特にエンディング付近ですと、半分以上をそのキャラクターの心の中の描写に使っていたりしますね。
• たぶんそういうメディアというのはビジュアル・ノベルしかないと思いますし、それと同じような表現をアニメーションの方にも取り入れています。

• Q:ハルモニアはなぜ英語版を日本語の前にリリースするのですか?

• 馬場:世界の方々、特に英語圏の方々の反応を先に知りたかったからです。
• ハルモニアのリリースはだいぶ遅れています。ゲームは既に完成しているんですが、効果音が私はまだ気に入らなくて、修正を何度もさせているので。もうすぐ完成するはずです。

• Q:クリエイターの独立支援もあってフランチャイズ提携をされていると思いますが、彼らの難しさは?

• 馬場:自分達が制作できる範囲が分からなくなることですね。
• 自分がプレーして感動したゲームを作りたがるが、自分たちにその能力があるかという事です。実は作れない場合が多く、段階を経て良いものを作れるように導くのが一番のポイントだと思います。
• また、ゲームを作る人達は、作ることだけに集中させてあげる事も重要ですね。彼らがいろんな事に手を出してしまったり、雑音がたくさん入って来るので、なかなか集中できない。

• Q:1999年にKeyから発売されたKanonは2002年と2006年にアニメ化されています。なぜ何度も?

• 馬場:アニメはこの15年位で技術的に進歩して、我々が満足できる技術に進んできています。過去は満足できない部分がたくさんあって、Kanonも省略されてしまった所がありました。技術革新でちゃんとしたことができるようになった、それが何度も作り直している理由ですね。

• Q:ゲーム「リライト」のアニメ作品では、原作にないヒローインが出て来るそうですね。

• 馬場:リライトは凄く難しくて、最後までプレイした殆どの人も、物語に実はこういう意味があったという事が分かっていない。
• アニメではそれを分かり易くするために新しい表現を足したり、新しいキャラクターを作ったりしています。

• Q:今回のアニメ化に併せて、ビジュアル・ノベル版の英語化の予定はありませんか?

• 馬場:あります。アニメのリライトの新しいストーリーに則したビジュアル・ノベルを「リライト・プラス」というタイトルでリリースします。それが完成したら英語版にして皆さんに提供しようと思っています。

• Q:日本のアニメやゲームが世界的に人気になっていますが、制作に当たって工夫されているところは?

• 馬場:今のところはまだ世界を意識して物語を作るところまで至っていないですね。僕らが作るものは基本的にファンタジーなので、作りたいものを作っているみたいですよ。
• ただ日本の学生生活など日本にしかないものは、ちゃんと説明しないといけないなぁというのは感じていまして、今後作品に生かしていきたいと思っています。
• 逆にアメリカのライターにお願いして、どんな学生生活を描くのかというのは見てみたい気がします。ただ、ビジュアル・ノベルというのは凄く根気がいる作業なので、我慢強い日本人でも作るのは大変なんですよ。なので、英語のライターに大量のビジュアル・ノベルが作れるかというと凄く心配ですが、一度是非依頼してみたいと思っています。

• Q:どの様にして今の仕事に?

• 馬場:私はシナリオライターでした。自分の作品を発表したこともありますが、自分に余り才能がないことが分かっていますので、もっと才能のある人にお願いしています。

• Q:他のクリエイターが折戸さんの「AIR」の主題歌「鳥の詩」を越えることを目標にしているそうですが、折戸さんにとって完璧な作曲とは?

• 折戸:完璧な作曲はないかなと思っていますね。自分の中でこれ以上のものはないと思ってしまうと、自分の能力がそこまでだと決めてしまうことになるので、常に上を目指すためには限界というものを持たずに、磨いていくという意識は常にあります。

• Q:作曲に当たって、難しかったのはありますか?

• 折戸:鳥の詩はそこまで難産ではなかった。曲をたくさん作っていくと、どんどん自分の引き出しを開けて行っている感覚があって、使えるネタが減っていくというのがあるんですよね。割と難産だったのは、ビジュアルアーツ20周年のテーマソングだった「オルフェウス」。20周年という大事な曲なのでプレッシャーがあって、書き直しはかなりしました。作詞は馬場社長がやっております。

• Q:これから開発される可能性のあるものは?

• 馬場:我々が作っているビジュアル・ノベルは、ゲームよりもノベルに近い。
• 主人公の性別や年齢がプレイヤーによって変化する、そういったビジュアル・ノベルは今のところないので、そういったものは可能性としてあると思います。

• ありがとうございました


Takahiro Baba, CEO of the VisualArt’s (R) and Shinji Orito, Creator of the company