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柳家さん喬師匠・林家正蔵師匠
シカゴ寄席二人会


• 柳家さん喬師匠と林家正蔵師匠による「シカゴ寄席 さん喬・正蔵 二人会」が7月18日、ハーパー・カレッジのJシアターで開催され、大入りの人気を博した。
• 毎年バーモント州にあるミドルベリー大学の夏期講座で落語を通して日本語を教えているさん喬師匠が、その帰りにシカゴに寄って落語を聞かせてくれる。今年は正蔵師匠もミドルベリーで教え、シカゴに来てくれた。シカゴ寄席は毎年M Square, Inc. が主催している。開演前には巻きといなり寿司の助六弁当が配られ、寄席の雰囲気が会場に広がった。

• 「時差ぼけが取れたと思うと、日本に帰ってまた時差ぼけ。トロトロとした気分がいい」と枕に話したさん喬師匠は「天狗裁き」に入った。
• 昼寝中にニヤニヤ笑っていた八五郎に、「夢の話しを聴かせて」と女房がせがむ。「見ていない夢の話しはできない」という八五郎と喧嘩に。そこに色々な人が入って来て、やはり「何の夢?」と訊く。その度に喧嘩になって、遂にお奉行所の御白州に引き出されてしまった八五郎の運命はどうなるのか・・・。

• 次の演目は正蔵師匠による「お菊の皿」。井戸からスーッと出てきて「一枚、二枚、三枚・・・」と数えるお菊。九枚まで数える声を聴くと取り憑かれるというが、怖いもの見たさで2人の男がお菊を見に行く。鬼火に照らされたお菊は非常に美しかった。

• 噂が噂を呼び、番町皿屋敷には出店も並んで押すな押すなの人だかり。人気の土産は10枚入りのお煎餅。ゴーンと鐘が鳴ってお菊が現れ「一枚、二枚・・・」と数えていく。「七枚、八枚」の声を聞いて必死に逃げる2人だが、人がひしめいて身動きができない。身を縮める2人に「九枚」というお菊の声が・・・。

• 中入りを挟んで、さん喬師匠の噺は「井戸の茶碗」。貧乏長屋に住む律儀な侍が、暮らしに困って古い仏像を八文でくず屋に引き取ってもらう。そのくず屋から仏像を買った細川藩の若侍が仏像を洗うと、底の紙が剥がれて50両の大金が出てきた。若侍はくず屋に頼んで50両を侍に返させるが、律儀な侍は受け取らない。それではくず屋に10両を渡して残りは半分ずつとい
• うことにして侍に受け取ってもらうようにした。侍はただでは受け取れないと、日頃使っている湯飲みを若侍に差し出した。若侍が殿様に茶碗を見せると、名器であることが分かった。殿様から300両をもらった若侍は、半額の150両をくず屋に頼んで長屋の侍に届けるのだが、さて話はどこに落ち着くのか・・・。

• シカゴ寄席のトリは正蔵師匠の「ねずみ」。仙台城下に入った旅人は12歳の男の子にせがまれて、立派な旅館「虎屋」の前にある小さな家「ねずみ屋」に泊まることになった。
• 腰が立たない父親を助けて、男の子が一生懸命に宿の仕度をしている。訳がありそうだと旅人が聞いてみると、父親は元々虎屋の主人だった。妻を亡くして女中頭のおこんを後添えにしたが、客の喧嘩の仲裁中に階段から転げ落ち、腰が立たなくなった。そうこうしているうちに虎屋を番頭とおこんに取られてしまった。
• 訳を聞いた旅人は、飛騨の匠として知られる彫り物師・甚五郎。薪を1つ所望して部屋にこもった甚五郎は、ねずみを彫り上げてねずみ屋の親子に授けた。このねずみを見たさに宿泊客が押しかけ、ねずみ屋は大繁盛に。妬んだ虎屋も有名な彫物師を呼んで何やら始めたが、さてどんな落ちが待っているのか・・・。

さん喬師匠、正蔵師匠
インタビュー

• Q:今年はミドルベリーにお二人で行かれたそうですね。

• さん喬師匠:正蔵師匠がね、いつも「何かやりたいですね」っておっしゃって下さってたから、実は毎年ミドルベリーで・・・と話したら「ぜひ行きたい」とおっしゃってね。
• 正蔵師匠は初めてですから緊張なさっていたんですよ。アメリカ人ばっかの前で、しかも授業をやるというのは大変でね。でも学生さん達は大喜びで、最後はスタンディングオベーションになって、素晴らしかった。

• 正蔵師匠:日本語で落語をやって、字幕で英語が出て生徒さん達が笑うんですよ。落語って言うのは通じるんだなぁというのを確認しました。古典落語の「味噌豆」をやったんですけどもね、(登場人物は)どこか間が抜けていたり、失敗したり。そんな人間に共通した落語の面白味を分かって下さる。それが落語が持っている世界共通の魅力と言いますかね。
• 日本にはたくさん外国の方がお見えになっているんで、イングリッシュでもって落語をやってみたいなぁと、正直なところそう思いました。

• Q:今年の夏期講座はいかがでした?

• さん喬師匠:毎年学生さんが変わりますでしょう。でも毎年学生さん達が一生懸命に日本語を勉強して下さっている上に、その言葉を楽しんで下さっている。いつもそれに感激して帰って来ます。今年も同様でした。

• Q:学生さん達が楽屋に訪ねて来られますか?

• さん喬師匠:ええ来ますよ! 去年なんか4人で浅草演劇ホールに遊びに来てくれて、一緒にお蕎麦を食べたり、楽屋を見せて上げたり、いろんなことをして。
• 外国の方というより、どこか接点があってね。外国の方を楽屋にお招きするんじゃなくて、みんなが勉強したことがここだよという風に言えるのが何とも楽しいなぁと思います。

• Q:正蔵師匠は来年もミドルベリーに行かれますか?

• 正蔵師匠:はい、もう、ご要望があればぜひ行きたいなぁと思っています。ジャズが好きなのでシカゴにもまた来たいと思います。

• Q:ご自分でも楽器をされるのですか?

• 正蔵師匠:はい、トランペットをやります。

• どうもありがとうございました。


インタビューに応える、柳家さん喬師匠(左)と林家正蔵師匠


柳家さん喬師匠


林家正蔵師匠