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第31回日本語弁論大会
日本語学習を通して
様々な経験や考え方を発表

• 「僕の彼女はアメリカ人。彼女と付き合う事はとても啓蒙的で、新しい物の見方や考え方を教えてらった。彼女と北京で育った自分とは価値観や道徳観が全く違い、最初はよくぶつかり合った。特に男女平等については考え方に大きな違いがあった。女性が社会に出ることが多くなったが女性の社会的地位が余り進歩しないのは、男性達が社会の変化を理解していないから。自分自身も『女性が子どもを育て夫の世話をする。女性の生活は、外で仕事をする男性よりも楽に違いない』と思っていた。最初は彼女が伝えようとする男女平等の理念を受け入れるのは難しかったが、彼女は文化の違いに気付いて辛抱強くなり、僕のことを理解しながら話してくれるようになった。彼女の努力に気付いた自分も頑固になるのを止めて、彼女の男女平等の理念を受け取れるようになった。そして、今生きる社会を再び理解し直し始めた。寛容の心を持ち、他文化の人々から見た世界の姿を理解し直す努力をすれば、もっと良い自分になることができる」
• 以上はグランド・プライズを受賞したイッケン・テイさん(ウィスコンシン大学)のスピーチ「国際恋愛で身につけた寛容の心」。テイさんにはJALによる日本行きの往復航空券が贈られた。
• テイさんは高校時代に日本の戦国時代をテーマにしたゲームから、その時代の日本の歴史に興味を持った。日本の歴史についての本を読み、最後は現代文学を読んだ。好きな作家は太宰治。この様な読書を通して、日本語と東アジアの研究に進路を決めた。
• テイさんは受賞後にインタビューに答え、日中関係について「やはり僕にとって政治などの問題と文化や交流の問題は別々なものです。でもやはり、東アジアの国の人々は結構反日感情や反中感情を持っています。別の国の人と交流の時に偏見を持たないように、そうするといいと思います」と語った。

• 「カンザス育ちの私は自分の世界を広げるために留学を目指し、日本語の勉強を始めた。留学が実現し、京都に観光旅行に行った時のこと。友人達とある店に入ると『ジャパニーズオンリー!』と入店拒否され、人種差別が実際に存在することに気付かされた。カンザスでは単一的な環境で、人種差別解決に必要な話し合いはできない雰囲気がある。犯罪学を専攻している友人は、人種差別について絶対に意見を言わないと話した。その友人は少数民族でありながら、意見を言えばどんな目に遭うか分からないからだという。なぜこのような風潮になってしまったのか。この状態を変えるには、人種差別を受けている人達の気持ちを分かろうと努力をすべき。それには意見が違う友達を作り、他人の意見を良く聞くこと。そして、あらゆる人は偏見を持っているものだということを認めること。そうすれば他人の意見がもう少し分かるようになると思う。私達が平和に共存するには、もっと遠慮無く話したり聞いたりできる社会を作っていくことが最初の一歩になる」
• 以上は大阪姉妹都市賞を受賞したライアン・ケニーさん(カンザス・ステイト大学)のスピーチ「話せばわかる、何事も」。ケニーさんにはシカゴ姉妹都市インターナショナル大阪委員会より大阪への往復航空券と2週間のホームステイが贈られた。

• 第31回日本語弁論大会が3月25日、在シカゴ総領事館広報文化センターで開催され、第一次審査を勝ち抜いた30人が堂々と日本語で熱弁をふるった。同弁論大会は毎年、在シカゴ総領事館、シカゴ日本商工会議所、シカゴ日米協会、シカゴ姉妹都市インターナショナル大阪委員会が共催しており、日本語を学ぶ生徒や一般社会人にとって一つの大きな目標となっている。同弁論大会は小学生・中学生、高校生、大学生のカテゴリーに分けて行われ、それぞれのカテゴリーで1位から3位までが選ばれる。その他にも多くの賞が用意されている。
• シカゴ新報賞を受賞したニンイ・リューさん(グリンネル大学)は、スピーチ「ホルモン焼きと日本人」の中で、複雑なことを簡単に判断してはいけないという経験を語った。
• リューさんは夏休みに3回目の訪日を果たした。日本食と言えば寿司や刺身、素材の味を大切にするのが日本料理だと思っていた。しかし、名古屋で食べた赤味噌のホルモン焼きは、それまでの日本食のイメージとは全く違う物だった。些細なことだと思ったが、後日に思い返すことになった。
• 茶道に興味を持つリューさんは京都の茶道具店を訪れた。笑顔で迎えた店主はリューさんが中国人だと分かると「中国人は出て行け!」と形相を変えた。リューさんは怒りを覚えたが、次の茶道具店に行ってみた。そこでは「そんなことを言うなんて」と親切だった。他の店の人達もみんな親切で、心温まる思いだった。
• 最初、リューさんは「日本人は民族としての憎しみを持ち、中国人が大嫌いなのだ」と思った。しかし、「一人の言葉によって日本人全体の性格として判断してしまった。寿司と刺身を日本食と思い込んでいたのと同じ事だ」と気が付いた。複雑なことを簡単に判断してしまうのは先入観や偏見があるから。これは変えられない訳ではない。次に勘違いしそうなことがあったら、このことを思い出して冷静に考えたいと話した。

• リューさんは最初の茶道具店に戻って、「出て行け」と言った店主と40分ほど話した。インタビューに答えたリューさんは「それは中国の民族に対する態度を表したことですね。私は理解できない顔をしましたので、その店主は憎しみを持つ理由を教えてくれました。それはたぶん主観的な、感情的な理由と思います。(店主の言葉は)今は正確には覚えていないですね」と話した。そして「私は日本人が好きですね」と語った。
• 日本語弁論大会は、日本語を勉強する人達がその勉強を通してどの様な体験をしているか、日本をどの様に見ているかを直に知る貴重な機会でもある。生徒に関係の無い一般の人でも自由に発表を聞くことができる。来年はぜひご参加下さい。


All the participants pose with the judges and supporters.


From left: Consul General Naoki Ito, Grand Prize Winner
Yixuan Cheng, and Yuji Oka, Vice President and Regional
Manager of JAL


Ryan Kenny, Sister City Osaka Award winner (L) and
Kaori Eguchi Stearney



Chicago Shimpo Award Winners from left: Sydney Goreishi,
Ningyi Lyu, and Yoshiko Urayama, President of Chicago Shimpo