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シャンバーグ・滑川市
姉妹都市提携20周年を祝う

• シャンバーグと滑川市(富山県)が姉妹都市提携20周年を迎え、滑川市から中学生20人とビジネスマン8人を含む39人の派遣団が8月17日から22日まで、シャンバーグを訪問した。

• 両市は、滑川からシャンバーグに進出していたスギノコープ社が縁となり、1997年7月4日に姉妹都市提携を結んだ。以来、シャンバーグ側からアル・ラーソン市長を始め、市関係者、シャンバーグ・ユース・オーケストラ、市民などが滑川を訪問し、滑川側からは市民や中学生の派遣団がホームステイしている。2008年からはデューリー小学校と滑川の東加積小学校との間で文通交流が始まり、現在も継続している。今年6月にはシャンバーグの17人の児童と保護者が滑川市を訪問した。

• 17日に到着した滑川一行は、シャンバーグのパフォーミング・アーツ・センターでシャンバーグの歓迎を受けた。20日には滑川から上田昌孝市長が到着。ルネッサンス・ホテルで姉妹都市20周年祝賀会が行われ、伊藤直樹・在シカゴ総領事も出席した。

• ラーソン市長は、姉妹都市提携以来20年間、様々な交流から互いに学び合い、異なる文化背景を持つ人々と仲間になることで、共に楽しめるようになると話し、「滑川の皆さんがシャンバーグに来て、居心地が良いと感じてくれたら」と語った。また、ラーソン市長は2017年8月を「滑川の月」と宣言した。

• 2011年に初めてシャンバーグを訪問した上田昌孝市長は、アル・ラーソン市長との再会を喜び、20人の中学生のホームステイを引き受けてくれたデューリー小学校の「親の会」に深謝した。
• 滑川では子育て支援に力を入れており、2015年にはシャンバーグ図書館の子どもコーナーを参考にして、滑川に子ども図書館をオープンした。

• 両市の姉妹都市関係は、解消の危機に瀕したことがあった。2010年に市長に就任した上田氏は、翌年にシャンバーグ訪問を実現させた。インタビューに答えた上田市長は「両市の関係は特別、そのために来ました。市のカギをもらって、滑川月間の指定を頂いて、もう感激ですよ。アメリカ人の心は温かいですね。子ども達の交流が彼らの世界観を大きくしてくれます。ビジネスの交流もこれから始まると思います。今回は経済人の若手に無理を言って誘って来ました。きっと収穫があると思っています」と感動の気持ちを語った。

• 上田市長によると、自然に囲まれ、ホタルイカで有名な滑川の人口は3万3000人。工業も盛んで「物作りの町」として発展しており、一人当たりの工業製品出荷高は844億円と富山県で一位、二位の525億円を大きく引き離している。

• 今回、滑川青年会議所や滑川商工会議所のメンバー8人が訪問団に含まれている。上田市長はこれに触れ、多くの日本企業が進出し、イリノイ州でシカゴに次ぐ経済ゾーンとなっているシャンバーグと経済交流をができれば大変意義深いと述べた。

• 姉妹都市20周年を機に青少年交流だけでなく経済交流ができないかと、滑川地元企業の経営者8人がシャンバーグを訪れた。職種は建築業、廃棄物処理業、工作機械販売業、造園業、解体工事業、家庭薬・サプリメント会社など。

• 一行はシャンバーグ・ビジネス・アソシエーションとミーティングを持った他、サンスター社、現在はアイタスカに移ったスギノコープ社などを見学した。

• 滑川青年会議所理事長で建築業を営む喜中勇作氏は「日本ではなかなか見られない建物や施設を見て驚いた」と述べ、「自分達の同じ職種に興味があります。たぶんやり方が違うと思うので、そういうところを体感したいと思います」と語る。

• 「自分は土建業なので、駐車場の工事をしている所をちょっと見ていました。やはり日本に無い機械で工事していたので興味を持ちました。同じ業種のお宅にホームステイすれば楽しいかも知れませんね」と喜仲さんは語った。

• 工作機械販売会社・広野商会の広野幹夫氏は「シャンバーグという町は凄いなと思いました。
• まず、私達を受け入れてくれる心の広さをすごく感じました」と語る。

• 「(進出している)日本の企業が頑張っているのが初めて分かりました。我々もどんどん海外に進出して、世界のために交渉したいなと思うようになりますね」と感想を述べた。また、サンスター社が利益を追求するだけでなく、地域のために貢献していることも初めて知り「我々は滑川におりますが、全力を挙げてこの心を大切にして、世界の平和のためにお手伝いができればいいと思っております」と語った。

• 滑川中学と早月中学の3年生20人がホームステイやシャンバーク施設見学、ウッドフィールドモールで買い物、シャンバーグ・ブーマーズ野球観戦、シカゴ見学などを体験した。

• 早月中学の3年生小幡真夢さんはシカゴでエアショーを見て感激した様子。多民族が往来するシカゴで「街を歩いてアメリカが多国籍文化だなぁと改めて感じました。日本ではないことですので、とても新鮮でした」と語った。ホームステイでは新しい友達ができ、今後もEメールで交信を続けるという。「学校の授業では文法やアクセントばかりを習うが、単語を並べるだけでもアメリカの人達は分かってくれたし、来る前は不安でしたが、チャレンジすればできると言う事をすごく感じました」と語った。

• 同校の丸野愛斗君はウッドフィールドの買い物で「割引券を見せて、割引してもらう会話などをしました。しっかりできました」と英語実体験を語った。また、多民族社会について「いろんな人種の人がいて、みんなが英語を使っているわけじゃなくて、看板もハングル文字があったり。みんなそれぞれの言語を上手く使って共存しているのかなぁと思いました」と語った。

• 同校の生徒で銃好きな高田哲平君はホストファミリーにアメリカの銃事情について聞いてみた。「この州は、特にシャンバーグは安全だから、銃を持っている人は少ないけど、私の家はけっこう右翼派で、銃はけっこう賛成派みたいな話を聞かせてもらって、興味深い話だなぁと思いました」と語った。

• 英語について高田君は「英語は、あまり壁というものを感じませんでした。頑張って伝えようとすれば、思いもしっかり伝わるので、苦ではなかった」と話す。高田君によると、滑川は教育に力を入れており、台湾の生徒とスカイプを使って会話するプログラムがあるという。「ALT先生(JET)が教えに来られるので、ネイティブな英語を日本にいても体感できるのがいいと思います」と語った。

• また多民族社会について、「日本って、狭い国だと思いました。アメリカはいろんな人がいて、いろんな文化があって、日本ってけっこう閉鎖的と思うんですよ。これからグローバルな社会があるので、そう言う文化を日本も取り入れていかなければならないと思いいました」と語った。

• 谷川伸治・滑川市会議員は1987年から6年間、YKKの勤務でアトランタ・ジョージアに駐在した経験を持つ。
• 今回は20周年記念事業の一環として中学生20人のシャンバーグ訪問が実現したが、定期的な事業として生徒達が交流訪問できるようにするのが人生最後の仕事だと語る。

• 「資金的なことで市も難しいので、ライオンズクラブのボランティアも仲間に入って、基金を作ることを考えています。私の娘達も駐在時は小学校5年と2年でした。その経験を滑川の子ども達にさせてやりたい。人生観が変わると思います」と語った。

• 滑川派遣団が到着した8月17日、アル・ラーソン市長と滑川の石川忠志副市長との会談がシャンバーグ市役所で行われ、経済開発主任のマット・フランク氏からシャンバーグについての説明が行われた。

• ヴィレッジ・オブ・シャンバーグは1956年にヴィレッジとして成立した。1961年に指導者が集まり、開発計画を立てた。その中核にあったのは、住宅地だけというコミュニティにしたくないということだった。
• オヘア空港があり、高速道路が建設され、シカゴ市から郊外にビジネスの地という拡がりを見せている時期でもあり、それを利用した。

• 工業・商業用地を提供すると同時に、公園の整備、教育施設も発展させた。住宅・オフィスビル・産業でバランスの取れた開発を促進し、シャンバーグは1960年代・70年代、全米で最も急成長する都市の一つだった。現在のシャンバーグの人口は7万5000人で、30軒のホテル、200軒のレストラン、大小含めて70のショッピングセンターがある。ウッドフィールド・モール、メディーバルタイムズ、コンベンションセンターなど、他州からも人が集まる施設がある。

• シャンバーグに大きな影響を与えたのは、1960年代後半から70年代初めにかけてやって来たモトローラだった。技術者や数学者など高等教育を受けた人達が働き、その子ども達の教育のために学校区が急速に発展した。また、モトローラと関係を持つ様々なテクノロジー分野の企業がやって来た。モトローラが本社を置いてくれたことで、シャンバーグは大きく発展することになった。

※ シャンバーグは正式名をヴィレッジ・オブ・シャンバーグと言うが、「ヴィレッジ」は日本で言う「村」ではないことを知っておこう。ヴィレッジと呼ばれる自治体はその地域全体から議員を選出する。ヴィレッジでは議員の事を「trustee」と言う。
• 一方、「シティ」と呼ばれる自治体は、その地域内に選挙区を設け、その選挙区から一人ずつの議員を選出する。シティでは議員の事を「alderman」という。
• シティは選挙区を持つため、シカゴ市のような大きな町に向いているが、City of Park Ridge、City of Des Plaines などヴィレッジよりも小規模なシティもあり、日本の「市」と「村」の定義とは全く異なる。


上田昌孝滑川市長(左)と、アル・ラーソン・シャンバーグ市長


ラーソン市長から上田市長に贈られたシャンバーグの鍵


滑川ビジネスマングループ


早月中学の生徒達


滑川中学の生徒達


ラーソン市長やシャンバーグ議員らと会談した石川忠志副市長(中)