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第62回銀座ホリデー
食・技・パフォーマンスで盛況

• シカゴの夏の風物詩、中西部仏教会の「銀座ホリデー」が8月11日から13日までの3日間、同仏教会の境内で開催された。
• 地元の人達に日系コミュニティや日本文化を理解してもらおうと始まった銀座ホリデーは、今年で62年周年を迎えた。名物の照り焼きチキンの香ばしい匂いが人々を誘い、呼び込みに言葉は要らなかった。今ではシカゴ市の人気イベントの一つとなり、出店でショッピングを楽しんだり、食べたり飲んだり、舞台で終日繰り広げられる武道実演、和太鼓演奏、日本舞踊、邦楽演奏などを見ながらお祭りを楽しむ人達が多い。また、家族が集まり、旧友との再会を楽しむ場所でもある。

• 銀座ホリデー運営会長のアルバート・ソラ氏によると、最初は雨の予報が出ていたが、天気好転の予報が出たため、リスクを取っても多くのチキンを仕入れたという。絶好のお祭り日和となって多くの入場者が訪れ、最終日の午後までチキンの追加注文をするという盛況ぶりだった。今まで最高の来客数だったという。
• チキンの他うどん、寿司、焼きトウモロコシ、スパムむすび、照り焼きベジー・バーガー、ハワイアンかき氷、金時、枝豆が揃い、生ビールや酒を片手に銀座ホリデーならではの食べものを楽しむ人がテーブルを埋めた。これらの食べものはすべてボランティアの手で作られている。

• 色とりどりの提灯が並ぶ出店では、着物や古美術品、瀬戸物、陶芸品、浮世絵、掛け軸、折り紙アート、アクセサリー、スナック菓子などが販売された。

• 浮世絵を販売していたロン・ヴァレさんはシカゴ生まれ。二十代初期に横浜に3年、東京に3年住んでいた時に、浮世絵を安く入手することができた。以来、浮世絵について調べ、少しずつ日本で浮世絵を買い集めるようになった。
• 「ここに出している浮世絵の殆どはこの15年から20年に集めたものです。値段は正直言って、とても安くしています。なぜならば、みんなが買いやすい値段にしておきたいからです。そうすればみんなが浮世絵を所有できるでしょう。私の好きな浮世絵を広げたいんです」とヴァレさんは話す。
• ヴァレさんは現在、上海在住。「だから日本へ行きやすい。江戸時代の浮世絵の本も集めています。日本の版画に関するものなら何でも好きですね」と語った。

• 銀座ホリデーの楽しみの一つは日本の伝統技職人と話をしたり、説明を聞きながら技職人の作品を直に買ったりできること。今年は東京染小紋の岩下江美佳さん、江戸切子ガラスの山田真昭さん、市松人形の山崎明咲さん、陶芸家の木下英二さんが日本からやって来た。

• 木下英二さんは三十数年前から銀座ホリデーに参加し始め、この10年ぐらいは毎年参加している。木下さんの陶芸作品を心待ちにしているファンも多く、初日に大きな作品の大半が売れてしまったという。

• 11月にデトロイト美術館に日本館が新設されることになり、木下さんと、銀座ホリデーでお馴染みになっている市松人形の藤村光環師匠、染絵てぬぐいの川上千尋さん、木彫刻の横谷光明さんの4人が、木下さんの人脈でオープニング式典に招聘されることになった。銀座ホリデーが結んだ縁だった。この他、職人仲間の和菓子作り職人も参加する。

• デトロイト美術館は経営に行き詰まり、所有作品を売りに出したことがある。それを日系企業が助け、一つの作品も失うことなく、民間運営の美術館として再建した。その縁で昨年、大阪、名古屋、東京でデトロイト美術館展が行われ、人気を集めた。その様なことから、同美術館内に日本館を新設することになったという。

• 木下さんらは、日本の職人の作品を美術館で一般の人に紹介したいと考えていた。シカゴ美術館とも掛け合ったが、上手く行かなかった。その夢が今回デトロイト美術館で叶うと木下さんは喜ぶ。デトロイト美術館ではオープニングだけでなく、日本の展示を続けようと、3年先までの予算取りができている。60余年の歴史を持つ銀座ホリデーの様子を、同美術館幹部の人達が見に来たという。

• 木下さんらは式典後、ミシガン州の大学や小・中学校、企業などを訪問し、実演などを含めて交流活動を行う。

東京染小紋

• 着物好きから東京染小紋の道に入った岩下江美佳さんは、銀座ホリデーに始めてやって来た。日頃製作するのは着物と帯だが、銀座ホリデーのお客さんが買いやすい小物を作って来た。
• 東京染小紋には大柄のものもあるが、小さい緻密な柄の江戸小紋は江戸時代の武士のスーツ、裃(かみしも)から始まったものだという。江戸城にはいろいろな藩の侍が集まる。どの藩の者か分かるようにするために、各藩の柄を決めて染めさせたのが江戸小紋の始まりとなった。かくして、江戸小紋は各藩のユニフォームとして使われた。江戸小紋を女性が着るようになったのは明治以降で、更に模様が発展することになった。

• 江戸小紋は藩のユニフォームとして使われたことから、同じものをたくさん作るという歴史背景がある。このために、型紙を作って染めるようになった。同じ型紙を何度も置き換えて、13メートルの布地を染める。どこで繋いだか分からないようにするのが東京染小紋の職人技だという。

• 岩下さんは美術大学でテキスタイルを専攻した。しかし、どうしても着物の染をやりたくて、家族の反対を押し切って型染職人として修行に入った。京友禅を扱う呉服屋の孫ではあったが、修行に入る時は手描きの京友禅と型染めの違いも知らず、ただ着物を染める仕事がしたいという一心だった。
• 型染めは元々男性職人の世界だが、女性でもやる気があればと受け入れてくれた。しかし、腰を折り曲げる姿勢を続けたり重いものを持つことは、女性の体にはきつい仕事だった。岩下さんは14年間修行し、独立して岩下工房を開いて10年になる。

江戸切子ガラス

• 江戸切子ガラスの山田真昭さんも始めて銀座ホリデーにやって来た。東京墨田区の職人の繋がりから、市松人形の藤村師に奨められたという。
• ガラスはガラス職人が作る。透明なガラスの器にブルーやアンバーの薄い色ガラスを貼り付けた二重構造になっている。色の部分をいろいろな形のダイアモンドホイールで削り、模様を作っていく。
• 伝統的な模様には「菊繋ぎ(きくつなぎ)」「菊籠目(きくかごめ)」「矢来(やらい)」などのパターンがあり、一つのパターンは四角形になっている。これを組み合わせてデザインして行く。
• 細かい手仕事であるため、模様が複雑なものは1日に2、3個しか作れない。従って値段も高いが、銀座ホリデーでは紹介も兼ねて、日本よりもずっと安い値段を付けているという。インタビューの間にも160ドルのグラスがポンと売れた。
• 日本では、スカイツリー内で販売されている。その他、百貨店の催事やインターネットで販売されているという。

• 山田さんは江戸切子の家に生まれて三代目。家を継ぐつもりはなかったと言うが、成人してから習い始め、以来23年になる。
• 「同じ事を毎日やるので、技術的なことは慣れである程度できます。どちらかと言えばデザインが大変ですね、簡単な模様ではなくなってきているので。いろいろな模様のパターンを組み合わせてデザインを決めていく。枡(四角形のパターン)の交差の仕方で全部模様が変わるんですよ」と山田さんは語った。




Famous teriyaki chicken in Ginza Holiday


Emika Iwashita, a fabric designer of Tokyo-some komon


Masaaki Yamada, the Edo-kiriko glass maker


Eiji Kinoshita, traditional Japanese pottery maker