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多賀城高校生徒6人がシカゴを訪問
始まるレインテック高校との交流

 次世代を担う東日本大震災の被災地の子ども達にアメリカを経験してもらおうというトモダチ・イニシアティブを通して、宮城県の多賀城高校の生徒6人が9月3日から9日までシカゴを訪れ、シカゴ日米協会委がホスト役を務めた。
一行は、シカゴの優秀校として知られるレインテック・プレップ高校と交流した他、ホームステイ先のホストファミリーと共にアメリカ生活を体験した。また、シカゴ大学、シカゴ美術館、オムロン社、モーレックス社、ボートによるシカゴの建築物を見学した。
9月7日には今後多賀城高校の交流校となるレインテックの生徒や教員などの関係者や支援者が集まり、カークランド&エリス社でレセプションが行われた。

 シカゴ日米協会のプレジデント、デイヴィッド・ジョンソン氏は「トモダチ交流プログラムの目的は、よりアメリカのことを知り、アメリカ人側はより日本のことを知ることであり、友情と理解が重要なことだ」と述べ、シカゴ日米協会の理念と重なると語った。
また、日本に5年間住んだことがあるジョンソン氏は、日本滞在が人生最良の日々の一ページだったと話し、「シカゴで過ごした経験を日本に持ち帰り、シカゴで会った友人を思い出し、もっと国際的な人生が送れるのではないかと考えてみることが大切だ」と語った。

 伊藤直樹在シカゴ総領事は「アメリカ独特の魅力、中西部の人々の温かさを発見したことと思う」と多賀城高校の生徒に語りかけ、「世界情勢が不透明なこの頃、日米同盟がより重要となっている今、草の根交流が両国関係を維持して強める強力なものになっている」と述べ、「皆さんの交流は日米関係の長い歴史の一つになって行く」と交流の大切さについて語った。
伊藤総領事はレインテック高校との交流に触れ「各々の文化や背景への相互理解が新し友情を生むことに疑いはなく、その効果は長年続く」と話し、レインテック高校の生徒や関係者には「多賀城の生徒の復興努力や勇気などから刺激をもらってくれれば」と述べ「来年の日本訪問時には多賀城の生徒達が歓迎してくれるに違いない」と語った。

 レインテック高校のダミール・アラ教頭は同校について、非常に特異性を持つ高校であり、シカゴ市のみならず全米でも良く知られている学校だと説明した。また、「多くの子ども達が一生懸命に勉強して入学願書を出している。皆さんは明日、レインテックの生徒が懸命に取り組んでいる様子を体験するだろう。ワクワクするような興味深いことを見つけられるかどうかは、皆さんの冒険心にかかっている」と生徒を鼓舞した。
アラ教頭は2年前に日本を訪れた。文化の違いを目の当たりにし、ポジティブな経験を持ったという。レインテックで日本語クラスを取り入れたのは近年のことで、アラ教頭にとっても新しい取り組みだという。アラ教頭は多賀城高校との交流が進展したことは自らの予想を上回ることで「この伝統が継続することを望んでいる」と述べた。

 多賀城高校の蜂谷加代子英語教諭は、ホームステイでアメリカ生活を知り、企業訪問では日本人がどの様な世界観を持って仕事をしているかを学び「トモダチ交流プログラムが生徒の視点を広げ、その影響は未来に続く」と述べた。
また、2011年の震災以降、世界の人々から受けた親切や寛大な思いやりは目に見えないが、それらが我々を鼓舞し目に見える形の結果を形作りつつある。シカゴでの経験が、その様なことを思い浮かばせてくれた」と語った。

 シカゴ日米協会の馬場光圀事務局長から、多賀城高校の校長からのメッセージがあると報告され、6人の生徒に忘れられない経験をさせてくれたシカゴ日米協会とレインテック高校への2つの組織に対する佐々木克敬校長の礼状が蜂谷教諭によって読み上げられた。

 レセプションでは多賀城高校6人の生徒が各々、学校生活や日本の伝統などについてプレゼンテーションを行った。

生徒によるプレゼン

 滝口芽愛理さんは生徒会の活動について語った。
震災発生時10歳だった滝口さんは「あの日は少し雪が降っていた」と話し始めた。地震が起きると、机の下に隠れた。家族は全員無事だったが、海や川近くに住む親戚の人達が何人か犠牲になった。震災の日から電気・ガス・水道が止まり、何日か非常食で暮らした。現在は平生の日常生活に戻り、笑い声も戻って来ているという。
この経験から多賀城高校の生徒会の活動に参加した。他校の生徒と共にワークショップを開き、予防対策や被害を少なくすることについて話し合った。多賀城はビルがあることから、不特定多数の方向から津波が押し寄せるアーバン津波に襲われたという。

 滝口さんは「将来はツアー・コンダクターになりたい」と述べ、英語が話せるようになるために1年以上は外国に滞在したいと語った。
この他、星聖亜さんはクラブ活動について、千葉桃子さんは日本の伝統的な食べものについて、尾川彩佳さんは多賀城高校の年間イベントについて、柴﨑千寛さんは七夕など地元のイベントについて、黒渕沙弥さんは夏祭りなど日本の伝統についてプレゼンした。

生徒達の経験

 星聖亜さんは「私は英語が好きですけど上手に話すことがあまりできないんです。でもホストファミリーの方がフレンドリーに話して下さって、頑張って話そうとすればコミュニケーションが取れるんだなあと実感しました」と語った。

 黒渕沙弥さんは「シカゴ美術館は、教科書でしか見たことのない絵がたくさん飾ってあって、それを近くで見ることができて嬉しいし、写真では分からないところがよく見えたから良かったなあと思います」と印象に残っていることについて話した。また「ホストファミリーのお母さんは少し日本語が話せる方で、分からない事も一緒になって考えてくれるいい人で、過ごしやすいし楽しかったです」と語った。

 滝口芽愛理さんは「ホストファミリーの方々と殆どの日を一緒にいられたことがとても想い出になりました。日本のように、おもてなし精神ですごく親切にして頂いたことがとても嬉しくて、一生の想い出になりました。英語の単語や発音の話し、スポーツの話などをたくさんさせて頂きました」と語った。


Damir Ara of Lane Tech (L), David Johnson of Japan America Society of Chicago (R2), Kayoko Hachiya of Tagajo High School, and the students fron Tagajo High School




Imagesfrom students' presentation