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全日校で「双葉フェスティバル」
引き込まれる生徒のパフォーマンス

シカゴ双葉会日本語学校全日校の双葉フェスティバルが10月6日、同校体育館で開催された。今年のスローガンは「咲かせよう!  輝く仲間と 笑顔の花を」。会場には小学部から中学部までの全校生徒や保護者が集まり、劇やコーラスなどを披露し合った。

浅井利眞校長は「美しい絵を見たり素敵な音楽を聞いたりした時に、素敵だなとか身が引き締まるという感じになる事があるが、これを情操と言う」と生徒達に語りかけた。
校長は、教育基本法第2条1で豊かな情操と道徳心を培うことが教育の目的の一つとして付加され、双葉フェスティバルも情操教育の一つと説明。文化的行事の活動を通して生徒が、「人間関係を作りながら、クラスのため、学部のため、学校のためという帰属意識を高めながら、みんなでするというところが大事」だと述べた。
双葉フェスティバルはそれだけでなく、生徒が練習を重ねることによって自信を持ったり、上級生が自分の役割と責任を自覚するなど多くの学びがあり、達成感や自己実現など豊かな人間性を身につける場だと語った。

双葉フェスティバルは中学部の「ソーラン“鳴子”・太鼓“風の舞”で始まった。続いて小学部2年生の劇「まほうを忘れたまほう使い」。魔法が使えなくなってしまったメルリックは魔法を取り戻せるのか。児童が考えた魔法の効果音も見どころだった。

続いて小学部3年生の劇は「ア・イ・ウ・エ・オリババ」。ペルシャの国の5つ子が盗賊達から奪った宝物を町の人達に分けてあげるが、隣のカシムと奥さんは欲張り。自分達だけたくさん宝物を取ろうとして海賊達に見つかってしまう。さて、二人は助かるのか。

続いて動物が大好きな英語科の小学部1、2年生の合唱「動物の世界へようこそ」。"What does the Fox say?"と"Going to the Zoo"を元気よく歌った。

小学部5年の劇は「ライオンキング」。アフリカのサバンナに広がる動物の王国「プライドランド」で次の王様となるやんちゃなライオンの子シンバ。魔の手が伸びるプライドランドの運命はどうなるのか。親子の絆、仲間の大切さ、そして生命の繋がりの大切さを劇で描いた。

英語科の小学部3、4年生の合唱は"Do Re Mi"と"It痴 a Small World"を英語と日本語で歌った。

 午前の部の最後は小学部1年生の劇「はだかのおうさま」。おしゃれな王様にこの世で一番綺麗な服を作った者は褒美をもらえるが、一体どんな洋服ができ上がるのか。「それはきっとあなたの心の中を見せてくれるでしょう」と一年生が元気いっぱいに演じた。

昼食後はPTAと教職員によるコーラス「気球に乗ってどこまでも」と「結(ゆい)」。浅井校長や富永教頭も子ども達に負けないぐらい大きな口を開けて「星をこえて宇宙をはるか  星座の世界へどこまでも行こう そこに輝く夢があるから」と歌った。

 小学部4年生の劇は「西遊記」。元気いっぱいの孫悟空はいたずらが過ぎて岩山に閉じ込められてしまう。様々な困難を乗り越えて、孫悟空は仲間と一緒に天竺に行き着けるのか。みんなで作った岩山のセットも本物のように見えて素晴らしかった。

小学部6年生の劇は「ユタと不思議な仲間達」。東京から東北の村に転校して来た勇太は、村の子ども達に仲間はずれにされる。そこへ座敷わらしが現れ、自分達の身の上話をする。彼らは300年前の貧しかった村に生まれ、間引きされた子ども達。「誰も恨むじゃないが、一度は生きてみたかった。生きているって素晴らしい。友達っていいもんだ」と歌う。そして勇太を元気づける。小さな事件を切っ掛けに、子ども達はよそ者を受け入れられない心の葛藤、悩み、苦しみを吐露して分かり合って行く。「私達の日常にもある身近な心を演じたい」と、生徒達が熱演した。

大詰めは中学部の生徒による合唱「この地球のどこかで」。合唱の前には中学部全員で歌うことになった経緯を、劇で演じた。セリフは自分達で考えたもの。
卒業を前にした3年生が、想い出作りに合唱コンクールに出ようと話し合う。そして、中学部全員が出場しなければ意味がないと、中学部1年生と2年生に「一緒にやろう」と呼び掛ける。だが、1、2年生は反対意見もあってなかなかまとまらない。3年生が1、2年生を集めて一緒にやることの意味を話すと、「先輩方のために歌う、自分のために歌う、みんなのためにもなる、途中で転出した友達のことも思いながら歌おう」と一致団結する。
服装を改めて舞台に並んだ中学部の生徒達は「あの日語った夢はいつまでも色あせることはない。歩いて行く道はきっと違うけれど、同じ空見上げているはず、この地球のどこかで」と美しいハーモニーを聞かせてくれた。

 椎名崇人PTA会長は「劇も踊りも合唱も、どれも本当に見事で、いつの間にか閉会の時間を迎えていた。劇の世界に引きこまれた」と感想を述べた。また「これだけ素晴らしい演目を披露できたのは、先生方のご指導のたまもの。そして生徒達の努力の結果」だと双葉フェスティバルの成功を称賛した。

 最後に全校生徒はエンディングテーマ「世界がひとつになるまで」を大合唱して、双葉フェスティバルは幕を閉じた。

 双葉フェスティバルでは演目を演じるだけでなく、道具の入れ替えや舞台設置も生徒達が行う。浅井校長によると、練習期間は15日間で、全体練習をしたのは2回だけ。校長は「限られた状況の中で最大限の効果を出すのが教育。双葉校では生徒が先輩達を見ているから自然にそうなる伝統がある」と語った。


小学部4年生の劇「西遊記」


小学部6年生の劇「ユタと不思議な仲間達」


小学部6年生の劇「ユタと不思議な仲間達」


PTAと教職員によるコーラス「気球に乗ってどこまでも」と「結(ゆい)」


中学部の生徒による合唱「この地球のどこかで」


中学部の生徒による合唱「この地球のどこかで」


全校生徒による大合唱、エンディングテーマ「世界がひとつになるまで」