日本語メインに戻る
努力したから今日の日が
希望を胸にシカゴ双葉会全日校卒業式

 春の陽ざしに粉雪が舞う中、シカゴ双葉会日本語学校全日校の卒業式が3月13日、厳粛な雰囲気の中で行われた。この春、小学6年生13人と、中学3年生11人が卒業した。

 卒業式は中央にステージが設置され、それを囲むように卒業生と、在校生や保護者が向かい合う形で行われた。

 登壇した卒業生には浅井利眞校長から一人一人に卒業証書が手渡され、証書を受け取った卒業生は1人ずつ保護者席に向かい、「スティーブ・ジョブスのように誰もが快適に使える電子機器を作ります。そのために数学、科学、英語を人一倍努力します」、「僕はこれから高校に進学しますが、ここで学んだことと支えて下さった皆様方と、そのことを忘れずに将来に向かって努力して行きます」などと、それぞれに抱負や感謝の気持ちを述べた。

 浅井利眞校長は卒業証書の最終番号が小学部で942号、中学部で407号となり、今までに合わせて1400人以上が全日校を卒業したことになると述べ、同校が保護者の信頼を得、責任を果たして来たことを物語るものだと述べた。

 また、浅井校長は卒業生に2つの言葉を贈った。
一つは将来の具体的な目標を持って行動し、努力すること。

 もう一つは常に感謝する気持ちを忘れないこと。「様々な人から有形無形の恩恵を受けて皆さんは成長し、力を蓄えて行って欲しい。必死に努力し、勉強し、人を幸せにできる力を身につけて欲しい。夢と希望の実現の為に感謝・努力・協力を決して忘れずに胸を張って前に進むたくましい人間になって下さい」と浅井校長は卒業生を激励した。

 伊藤直樹・在シカゴ総領事は「自分にできそうなことを積み重ねて行かないと、遠くにある大きな目標は近づいて来ない」というイチロー選手の言葉を紹介し、「努力を積み重ねて目標を自分の方に近づけると言う事は、なかなかできる事ではありません。大事なことは、小さな事を毎日の生活の中で積み重ねて行くことだと思います」と説明し「一歩一歩前に進んで行って下さい」と卒業生を励ました。

また伊藤総領事は、米国で生活しながら日本と同じ教育を受けたことは貴重な経験だと話し、「学んだことを大事にすることで将来の人生に必ず生きて来る。世界を舞台に国際人として活躍される事を期待したい」とはなむけの言葉を贈った。

 澤木信宏双葉会会長は、「失敗を恐れない、失敗しても復活できるたくましい人間に育って欲しい」と卒業生に語りかけた。

 サッカーのボールを蹴ってガラスを割ってしまったのに「知らない」と嘘をつくのは失敗を恐れるから。叱られるから、サッカーができなくなるかも知れないからと嘘をつくいても解決に向かわない。澤木氏は「大人になって思うのは、失敗してもいくらでもやり直しがきくし、失敗に正面からぶつかって解決して行くことが余程大切だ」と卒業生にアドバイスを贈った。

 更に澤木氏は「覆水盆に返らず」という言葉の本来の意味を説明し「その言葉には明るく前向きに取り組めば良いことがある。解決に向かうというニュアンスが含まれている」と話し、「失敗を恐れず大きく羽ばたいて欲しい」と卒業生の勇気を鼓舞した。

 椎名崇人PTA会長は、「学校生活では辛いこともあったと思うが、先生、家族、仲間に助けられ、自分でしっかりと考えて行動し、課題を解決してきたからこそ今がある」と卒業生の努力を労った。

 また椎名氏は、「新学期になって見知らぬ所に足を踏み出すのは勇気が必要だが、皆さんは1人ではない。家族や先生、仲間がいる。そして自分の力を信じることで以前よりも前進して行ける。躊躇することなく思い切り、最初の一歩を踏み出して欲しい」と卒業生を励ました。

 送辞で小学部5年の野口滉太君は、6年生はいつも僕たちのリーダーであり、目標だった。皆さんが示してくれた優しさやリーダーシップをしっかりと受け継ぎ、僕たちも下級生の目標になれるように頑張ります」と語った。

 中学部2年の渡邊陸君は「何事にも懸命に取り組む先輩の背中に導かれ、私達はここまで来ることができた。先輩としてあるべき姿を学んで来た。先輩達に近づけるよう、第一歩を力強く踏み出すことを約束します。そして、先輩達が築いて来た優れた伝統を受け継ぎ、この場所がこれからも世界に誇れる良い学校となるよう努力することを誓います」と送辞を述べた。

 答辞で小学部6年の塩見晏奈さんは「6年間で学んだことは、①自分から人に訊くこと、②自分から誘うこと」と話し、知らなかったことや未来に役立つことなど多くのことを教えてくれた先生達に感謝の気持ちを述べた。
また、6年生を送る会を準備してくれた在校生に礼を述べ、勉強に付き合ってくれたり積極的に行動することを教えてくれた両親に感謝の気持ちを述べた。

中学部3年の川路まゆさんは、先輩の姿を見ながら中学生としての振る舞いを身につけ、クラスメートと過ごす時間が掛け替えのないものだと学んだと話し「先輩達の背中を追い、努力して来たからこそ今の私達を作り上げることができた」と語った。

 また、「これからはあなたたちの番」と下級生を鼓舞し、先生や両親、クラスメートに感謝の気持ちを語った。

 最後に卒業生と在校生は様々な思いでの言葉を織り込みながら「別れの歌」を合唱した。

 尚、浅井利眞校長は定年を迎え、今回が最後の卒業式となった。


卒業証書授与式


「別れの歌」を歌う、卒業生