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ミッドウェスト刀剣会“刀ショー”
着物や骨董美術品も展示・販売


ミッドウェスト刀剣会の“刀ショー”が4月27日から29日までの3日間、シャンバーグにあるハイアット・リージェンシー・ウッドフィールドで開催された。会場には日本刀を始め、鍔や目抜きなどの装剣具、鎧兜、骨董美術品などが展示され、売買も行われた。

 同刀ショーはミッドウェスト刀剣会のマーク・ポポラ氏によって2005年に再開され、2013年からマーク・ジョーンズ氏が開催主催者になっている。
刀ショーには収集家やディーラーが出展するだけでなく、日本から日本刀鑑定家や専門家が訪れ、鑑定やアドバイスなどを行っている。

 ミッドウェスト刀剣会の主催者マーク・ジョンソン氏によると、今年はNPO日本刀剣保存会から8人が訪れ、鑑定や相談を行った。このため多くの人が刀ショーを訪れ、非常に成功しているという。

刀ショーの人々

オーストリア出身のマーカス・セスコさんは刀に関する本を15冊出版している。その中には「日本-新刀史」、「拵え(こしらえ)」、「日本刀のレジェンドとストーリー」、「試し斬り」等がある。

セスコさんはオーストリアで18歳の時に初めて日本刀を購入した。だがその時は日本刀について殆ど知識が無く、サルツバーグ大学に進学後、日本語の勉強を始めた。在学中の2002年に京都大学に1年間留学し、サルツバーグ大学卒業後、10年前にドイツ語、英語、日本語の翻訳会社を設立した。その後、毎年日本を訪問しているという。

セスコさんは日本刀の魅力について、「エレガントな反り、それに惹かれました」と話す。その後、鋼(はがね)や刀鍛冶について学んだという。

セスコさんが好きなのは鎌倉時代の刀で、良い刀鍛冶集団があったという。特に好きなのは京都の山城など、古い刀派。鎌倉初期には刀工が鋼から作っていたが、江戸後期には鋼を買うようになったと語った。

 セスコさんは3年前からノースカロライナに住み、翻訳会社を運営している。現在日本刀は所有していないという。

セスコさんをシカゴに呼んだのは、ボブ・シュライマーさんだった。セスコさんの本を読み、連絡を取り、シカゴの刀ショーに呼んだのが去年の事だった。ショーで楽しいひと時を過ごし、セスコさんは今年も来てくれたのだという。

シュライマーさんが日本刀に興味を持ったのは1980年代の事だった。ノースウェスタン大学教授のシュライマーさんはアレルギーに関する薬理学が専門で、東北大学で6週間、客員教授として教えたことがある。帰国時に土産として買った脇差しがコレクションの切っ掛けとなった。

現在は60から70本の日本刀を所有している。今回は審査を受けるために数本を持参した。また、コレクションの質を上げるために別の数本を売りたいと話す。

 刀の収集はオンラインやコレクターのオークションなど様々。時にはまがい物もあるが、ラッキーな買い物もあるという。「無名の刀を買って審査で見てもらうと、非常に良い刀だったことがある。要はバランスだ」と語った。

ロサンジェルスから来たディーラーのジョン・クラタさんは、月山(がっさん)のコレクションを展示販売していた。鎌倉時代から室町時代に繁栄した月山派は明治時代に貞吉によって復活され、現在も続いている。一派には有名な貞勝や貞一などがいる。

 これは月山愛好家のコレクションだったもので、1800年代から大正時代の刀を集めていた。高齢になるに連れ、コレクションを残して世を去れば夫人が困るだろうと、コレクションを売り始めたのだという。

今年はオハイオ・キモノのオーナー、ケリー・マッカートさんにより、着物や骨董品の販売も行われた。

オハイオ・キモノは1000枚以上の着物を倉庫に置いている。オンラインで販売するほか、金座ホリデーやアンダーソンガーデンのサマー・フェスティバルなど、様々なイベントに出かけて販売している。

多くの着物は京都から仕入れている。京都には家族ビジネスを営む所があり、京都のオークションやクロージング・セールで仕入れた着物をオハイオ・キモノに送ってくれるのだという。

 ケリーさんが着物ビジネスを始めたのは2009年。着物を販売するだけでなく、教育にも重点を置いている。振り袖、訪問着、色無地など、着物の種類やTPO、また、着物に敬意を払う着物文化も説明している。着物を買う人に説明すれば、もっと知りたいと言うのが殆どだという。

ケリーさんの父は米空軍に属しており、ケリーさんは生まれてから17歳になるまで、あちこちの空軍基地に住んできた。その影響で、国際的な環境の中で育ったのだという。

まだ小さい頃、近所に日本人の夫人を持つ家族が引っ越して来た。ゆかたを着て、入り口で靴を脱ぎ、床に座る日本女性のエレガントな姿に釘付けになったという。その後、自分のキャリアを決められる年齢になると、もっと着物について学びたいと思うようになった。

自分で学んでいるうちに、何人かの日本人のメンターに出会い、着物の着方や着物について多くを学んだ。新しい着物を買った時には、生地や絞りなどの技術についても学んだ。着物について学ぶことが大好きで、それが大きな原動力になったという。

 ケリーさんはかつて着物を着ていたが、度重なる腹部の手術を受け、今は着ることができなくなった。しかし、着付けはできるので、要望があれば着付けもしているという。

ケリーさんはインターネットは驚きだと語る。いろいろな着物を見て買うことができ、知識も増やせる。

 また、日本には「キモノでジャック」という着物愛好家の会が設立され、今や世界に支部ができているという。ケリーさんは「民族背景、人種、宗教を越え、着物を着て出かけ楽しむという、着物を奨励するイベント」だと語った。
オハイオ・キモノのウエブサイトはwww.OhioKimono.co


マーク・ジョーンズ氏


マーカス・セスコさん(右)とボブ・シュライマーさん


ジョン・クラタさんによる月山コレクションの展示販売


「オハイオ・キモノ」のケリー・マッカートさん