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インディ500タイトル2連覇を狙う!
佐藤琢磨選手インタビュー

昨年5月のインディカー500を制覇した佐藤琢磨選手が、ディフェンディング・チャンピオンとして今年5月27日のインディカー500で2連覇を狙う。5月9日にシカゴを訪れた佐藤氏にお話を伺った。

Q:昨年優勝したアンドレッティ・オートスポーツから、なぜ今年はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍されたのですか?

佐藤:僕にとってレイホールというチームは古巣でもありまして、2012年にこのチームでレースをしているんですね。
その後にA.J.フォイト・エンタープライズに4年間在籍して、それから去年アンドレッティに移籍したわけですけども、これからの自分自身のステップを考えて移籍しました。
レイホールチームのオーナーのボビー・レイホール自身が、僕と1年間レースをしていました。僕らはお互いにそれぞれの道を行かなければならなかったのですが、彼は常に僕にエールを送ってくれ、常に僕に戻って来て欲しいという話がありました。
去年インディ500を勝った後、彼から熱烈なラブコールがありました。今年車が新しくなることや、いろいろな条件を考えて、レイホールチームと契約するという経緯に至りました。
自分にとってはステップアップですし、もちろんレースなので何があるか分からないんですけど、更に高い所を目指していくための一つの選択肢だと思いました。

Q:今年のインディカー・シリーズは、新しい空力パーツを導入した、新しい車でレースが行われているそうですね。

佐藤:エアロパッケージですね。車がもの凄い高速で走るものですから、エアロダイナミクスと言って空力の特性を生かすことが非常に進歩しています。飛行機は空気の力を使って揚力生み出して飛びますが、僕らはその正反対で、空気の力で車を地面に押さえつけて滑らないようにして、そして速く走るんですね。今年はこのための空力性能が大きく変わる年なんです。
車の外観も大きく変わりましたし、車のパフォーマンスも変わるので、それに対するメカニカルサイドの足回り、サスペンションのセッティングなどについてもフィロソフィーが大きく変わる可能性があるんです。
ですから、2018年シーズンはどのチームに対しても非常にチャンスになるだろうと言うのが僕たちの見方ですね。

 もう一つは、2015年から2017年までの3年間は、マニュファクチャラーと言って、例えば僕は今ホンダエンジンを使っていますけども、メーカー毎のエアロパッケージがあったんです。ですからコースの特性によっては得手不得手が出ていました。それが今年から統一、ユニバーサルのエアロパッケージになると言う事で、どのチームでも大きなチャンスがあるし、ある意味、大きなチームだけじゃなくて、小さなチームでも上位に立つことができる可能性があると言う事で、このスポーツ自体が非常に盛り上がっています。
Q:3月に開幕戦が行われたセント・ピーターズバーグで、佐藤さんはコントロールを失ったスコット・ディクソン選手に当たられて、スピンしてパンク。もっと上位で終わっても当然のレースだったのに12位で終わったそうですね。
また、第3戦のロングビーチでもコントロールを失ったライアン・ハンター-レイ選手が佐藤さんに接触、ピット・インを余儀なくされ、21位に終わりました。佐藤さんが優勝できるレースだったのに、後方を走っていたアレクサンダー・ロッシ選手が優勝しました。
今年は不運続きですね。

佐藤:そうですね。開幕戦では予選が非常に良くて、トップ5に入っていたんですけど、レースで後ろから追突されてしまいまして、大きく順位を落としてしまったんですけど。その後もいくつかいいレースがあったんですが、その度に不運に見舞われました。今シーズンはかなりフラストレーションがたまるレースになっていますが、スピード(の実績)は見せてきているので、この5月のレースで大きく流れを変えたいですね。

Q:昨年優勝されたインディ500で、残り5周の時にカストロネベス選手を抜いて首位に立たれました。残り4周の時に解説者が「今、佐藤はエンジンのバイブレーション、エンジン音の変化の全て感じている」と言っていました。やはりマシンの状態の全てを把握されていたのですか?

佐藤:そうですね。自分の指先の神経がタイヤの先まで届いているような感覚です。そういう車と人間の一体感を持って走れなければ最高のパフォーマンスは出ないですね。特に去年のインディ500はチームも素晴らしかったし、車も素晴らしかったし、ピットストップでのチームクルーの手際も素晴らしくて、本当に僕たちの勝てる環境が揃っていました。それを本当に最大限生かせたと思いますしね。
最後の5周を、エリオ ・カストロネベスという偉大なドライバーとバトルすることができて、それを僕としては誇りに思うんですけども、リードを保ったままチェカーフラッグを受けられたというのは、本当に最高の経験になりました。

Q:最後の3周の時、2位のカストロネベス選手がリードを奪いに来ましたが抜けませんでした。どのような防御を?

佐藤:それがレースの駆け引きだったり、レースの醍醐味だと思うんですけど。その6周か7周前に、彼は僕を抜いているんですよね。だから物理的には抜くことは可能ですね。
抜きつ抜かれつというのはありますけども、本当に最後はチェスや将棋のように、駒をどう動かして行って、どういう風に自分のラインを護り、どういう風に戦って行くかを常に考えながら走らなければいけないですね。レースリードしてからの走り方、そこに至るまでの走り方というのは、やはり自分なりに合わせ込んで行ったつもりですね。

Q:表彰式後はどの様に?

佐藤:いやぁ、もう凄かったですよ。その日の夜にもう喉が枯れてしまいました。(笑)
まず、チェッカーフラグを受たのが午後4時過ぎでしたね。そこから4時間ぐらいレーシングスーツも脱げなかったぐらいなんですよ。
というのは記者会見から個別インタビュー、11局に亘るサテライト・インタビューというのも世界回線でやっていて、ようやく午後8時過ぎにモーターホームで着替えることができました。汗も全部乾いちゃいました。
その後すぐにインディアナポリスのダウンタウンに行って、アピアランスがいくつかあって、チーム全員の祝勝会があって、最終的にモーターホームに戻ったのは夜中の3時でした。
次の日は朝の7時からライブテレビがありました。その後はバンケットがあって、その日の夜中のうちにニューヨークに飛んで、次の日に11時間のメディア・ツアーがありました。テキサスにまた夜中に飛んで、翌日にまた10時間のメディア・ツアーがあって、それからまたデトロイトに飛んで行って。勝ってからは本当に自分の身体じゃなくなっていましたね。

Q:日本に帰られて如何でした?

佐藤:そうですね、6月に帰ることが出来たんですけども、オリンピックのメダリストが帰ってきた時のような感じでした。ファンの方もたくさん待っていてくれたし、報道の方達もフラッシュをたくさん焚いて、テレビもあってという、そういう記者会見を空港でやるって言うね、なんか本当に夢のようなサポートを受けて、本当に素晴らしいサポートを受けました。

Q:インディアナにお住まいですね、ご近所の方は?

佐藤:みんな喜んでくれましたよね。マネージャーの家族や友達も、みんな本当に一緒になって泣いて喜んでくれたし、それから祝福の声というのが1年間止まることなく、本当に幸せだと思います。それもここまでずっと協力してくれたりサポートして来てくれた方達のお陰なので、本当にその人達にたくさん感謝したいですね。

Q:もうスーパーなんか行けないですね。

佐藤:いえそんなことないですよ。普通に生活は出来ます。

Q:もうすぐですね、インディ500。

佐藤:あれから1年経つというのは信じられないような気がします。今はエキサイティングな気持ちと、緊張感と、いろいろ入り交じっていますが、ともかくこのインディ500にディフェンディング・チャンピオンとして帰って来られるのは本当に名誉なことだし、自分自身も大きなチャレンジになるので楽しみにしています。

Q:今年のストラテジーは?

佐藤:もちろんレースなので、やってみなきゃ分からないですけど、去年の自分の経験を生かしつつ、新しい車をいち早く自分のものにしたい、あるいはチーム全体としてのレベルを上げるための作業をしっかりとプラクティスで作って、予選でやはり上位にいたいですね。そうすることで車の完成度が上がりますから、レースに向けて更に上位、或いは二連覇というのも決して夢ではないと思うので、それに向けて挑戦したいですね。

Q:どうもありがとうございました。

インディ500タイトル2連覇を狙う!
佐藤琢磨選手インタビュー

昨年5月のインディカー500を制覇した佐藤琢磨選手が、ディフェンディング・チャンピオンとして今年5月27日のインディカー500で2連覇を狙う。5月9日にシカゴを訪れた佐藤氏にお話を伺った。

Q:昨年優勝したアンドレッティ・オートスポーツから、なぜ今年はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍されたのですか?

佐藤:僕にとってレイホールというチームは古巣でもありまして、2012年にこのチームでレースをしているんですね。
その後にA.J.フォイト・エンタープライズに4年間在籍して、それから去年アンドレッティに移籍したわけですけども、これからの自分自身のステップを考えて移籍しました。
レイホールチームのオーナーのボビー・レイホール自身が、僕と1年間レースをしていました。僕らはお互いにそれぞれの道を行かなければならなかったのですが、彼は常に僕にエールを送ってくれ、常に僕に戻って来て欲しいという話がありました。
去年インディ500を勝った後、彼から熱烈なラブコールがありました。今年車が新しくなることや、いろいろな条件を考えて、レイホールチームと契約するという経緯に至りました。
自分にとってはステップアップですし、もちろんレースなので何があるか分からないんですけど、更に高い所を目指していくための一つの選択肢だと思いました。

Q:今年のインディカー・シリーズは、新しい空力パーツを導入した、新しい車でレースが行われているそうですね。

佐藤:エアロパッケージですね。車がもの凄い高速で走るものですから、エアロダイナミクスと言って空力の特性を生かすことが非常に進歩しています。飛行機は空気の力を使って揚力生み出して飛びますが、僕らはその正反対で、空気の力で車を地面に押さえつけて滑らないようにして、そして速く走るんですね。今年はこのための空力性能が大きく変わる年なんです。
車の外観も大きく変わりましたし、車のパフォーマンスも変わるので、それに対するメカニカルサイドの足回り、サスペンションのセッティングなどについてもフィロソフィーが大きく変わる可能性があるんです。
ですから、2018年シーズンはどのチームに対しても非常にチャンスになるだろうと言うのが僕たちの見方ですね。

 もう一つは、2015年から2017年までの3年間は、マニュファクチャラーと言って、例えば僕は今ホンダエンジンを使っていますけども、メーカー毎のエアロパッケージがあったんです。ですからコースの特性によっては得手不得手が出ていました。それが今年から統一、ユニバーサルのエアロパッケージになると言う事で、どのチームでも大きなチャンスがあるし、ある意味、大きなチームだけじゃなくて、小さなチームでも上位に立つことができる可能性があると言う事で、このスポーツ自体が非常に盛り上がっています。
Q:3月に開幕戦が行われたセント・ピーターズバーグで、佐藤さんはコントロールを失ったスコット・ディクソン選手に当たられて、スピンしてパンク。もっと上位で終わっても当然のレースだったのに12位で終わったそうですね。
また、第3戦のロングビーチでもコントロールを失ったライアン・ハンター-レイ選手が佐藤さんに接触、ピット・インを余儀なくされ、21位に終わりました。佐藤さんが優勝できるレースだったのに、後方を走っていたアレクサンダー・ロッシ選手が優勝しました。
今年は不運続きですね。

佐藤:そうですね。開幕戦では予選が非常に良くて、トップ5に入っていたんですけど、レースで後ろから追突されてしまいまして、大きく順位を落としてしまったんですけど。その後もいくつかいいレースがあったんですが、その度に不運に見舞われました。今シーズンはかなりフラストレーションがたまるレースになっていますが、スピード(の実績)は見せてきているので、この5月のレースで大きく流れを変えたいですね。

Q:昨年優勝されたインディ500で、残り5周の時にカストロネベス選手を抜いて首位に立たれました。残り4周の時に解説者が「今、佐藤はエンジンのバイブレーション、エンジン音の変化の全て感じている」と言っていました。やはりマシンの状態の全てを把握されていたのですか?

佐藤:そうですね。自分の指先の神経がタイヤの先まで届いているような感覚です。そういう車と人間の一体感を持って走れなければ最高のパフォーマンスは出ないですね。特に去年のインディ500はチームも素晴らしかったし、車も素晴らしかったし、ピットストップでのチームクルーの手際も素晴らしくて、本当に僕たちの勝てる環境が揃っていました。それを本当に最大限生かせたと思いますしね。
最後の5周を、エリオ ・カストロネベスという偉大なドライバーとバトルすることができて、それを僕としては誇りに思うんですけども、リードを保ったままチェカーフラッグを受けられたというのは、本当に最高の経験になりました。

Q:最後の3周の時、2位のカストロネベス選手がリードを奪いに来ましたが抜けませんでした。どのような防御を?

佐藤:それがレースの駆け引きだったり、レースの醍醐味だと思うんですけど。その6周か7周前に、彼は僕を抜いているんですよね。だから物理的には抜くことは可能ですね。
抜きつ抜かれつというのはありますけども、本当に最後はチェスや将棋のように、駒をどう動かして行って、どういう風に自分のラインを護り、どういう風に戦って行くかを常に考えながら走らなければいけないですね。レースリードしてからの走り方、そこに至るまでの走り方というのは、やはり自分なりに合わせ込んで行ったつもりですね。

Q:表彰式後はどの様に?

佐藤:いやぁ、もう凄かったですよ。その日の夜にもう喉が枯れてしまいました。(笑)
まず、チェッカーフラグを受たのが午後4時過ぎでしたね。そこから4時間ぐらいレーシングスーツも脱げなかったぐらいなんですよ。
というのは記者会見から個別インタビュー、11局に亘るサテライト・インタビューというのも世界回線でやっていて、ようやく午後8時過ぎにモーターホームで着替えることができました。汗も全部乾いちゃいました。
その後すぐにインディアナポリスのダウンタウンに行って、アピアランスがいくつかあって、チーム全員の祝勝会があって、最終的にモーターホームに戻ったのは夜中の3時でした。
次の日は朝の7時からライブテレビがありました。その後はバンケットがあって、その日の夜中のうちにニューヨークに飛んで、次の日に11時間のメディア・ツアーがありました。テキサスにまた夜中に飛んで、翌日にまた10時間のメディア・ツアーがあって、それからまたデトロイトに飛んで行って。勝ってからは本当に自分の身体じゃなくなっていましたね。

Q:日本に帰られて如何でした?

佐藤:そうですね、6月に帰ることが出来たんですけども、オリンピックのメダリストが帰ってきた時のような感じでした。ファンの方もたくさん待っていてくれたし、報道の方達もフラッシュをたくさん焚いて、テレビもあってという、そういう記者会見を空港でやるって言うね、なんか本当に夢のようなサポートを受けて、本当に素晴らしいサポートを受けました。

Q:インディアナにお住まいですね、ご近所の方は?

佐藤:みんな喜んでくれましたよね。マネージャーの家族や友達も、みんな本当に一緒になって泣いて喜んでくれたし、それから祝福の声というのが1年間止まることなく、本当に幸せだと思います。それもここまでずっと協力してくれたりサポートして来てくれた方達のお陰なので、本当にその人達にたくさん感謝したいですね。

Q:もうスーパーなんか行けないですね。

佐藤:いえそんなことないですよ。普通に生活は出来ます。

Q:もうすぐですね、インディ500。

佐藤:あれから1年経つというのは信じられないような気がします。今はエキサイティングな気持ちと、緊張感と、いろいろ入り交じっていますが、ともかくこのインディ500にディフェンディング・チャンピオンとして帰って来られるのは本当に名誉なことだし、自分自身も大きなチャレンジになるので楽しみにしています。

Q:今年のストラテジーは?

佐藤:もちろんレースなので、やってみなきゃ分からないですけど、去年の自分の経験を生かしつつ、新しい車をいち早く自分のものにしたい、あるいはチーム全体としてのレベルを上げるための作業をしっかりとプラクティスで作って、予選でやはり上位にいたいですね。そうすることで車の完成度が上がりますから、レースに向けて更に上位、或いは二連覇というのも決して夢ではないと思うので、それに向けて挑戦したいですね。

Q:どうもありがとうございました


Reigning Champion Takuma Sato