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シカゴマラソン
雨の中で大迫選手が日本新記録!

• 断続的な雨と寒さに見舞われた10月7日、第41回バンク・オブ・アメリカ・シカゴマ・ラソンが開催された。主催者発表によると、今年は全米50州と世界100カ国から4万人以上が参加した。

• 悪天候にもかかわらずレースは速いペースで進み、雨足が強くなった午前9時半過ぎ、モー・フェラ選手(英国)が1位(2時間5分11秒)でゴールした。昨年の1位(2時間9分20秒)よりも4分以上早いタイムだった。続いてムジネ・ジュリミワ・ベイ選手(エチオピア)が2位(2時間5分24秒)でゴールした。

• にわかにざわめき立ったゴールに、大迫傑選手が3位、日本新記録の2時間5分50秒で飛び込んで来た。大迫選手はしばらく呼吸を整えると、メディカルテントに入って行った。

• すぐに藤本拓選手が9位(2時間7分57秒)でゴール。鈴木洋平選手が12位(2時間12分18秒)でゴールした。

• ゴールラインを越えると、その場でうずくまる選手の姿が多く見られ、雨風と寒さで過酷なレースだったことが伺える。

• 今年4月のボストンマラソンで優勝した川内優輝選手が悔しさを滲ませながら19位(2時間16分26秒)でゴール・ラインを駆け抜けた。

• 今年2月の京都マラソンで優勝した久本駿輔選手が54位(2時間26分16秒)でゴール、木滑良選手は後半でリタイアした。

• 車椅子マラソンでは、大阪の西田宗城選手が4位(1時間33分27秒)、吉田竜太選手が9位(1時間36分9秒)だった。

選手インタビュー

大迫傑選手

• 大迫傑選手(27)は東京都町田市出身。現在はナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属し、オレゴン在住。
• 初マラソンとなる2017年ボストン・マラソンで3位、同年12月の福岡国際マラソンでも3位でゴールし、東京オリンピック出場選考レースとなるMGC(Marathon Grand Championship)の出場権を獲得している。

• 今回のシカゴマラソンで日本記録を2時間5分台で更新したことにより、日本実業団陸上競技連合・西川晃一郎会長から1億円が大迫選手に贈られた。
• 西川会長は「大迫選手が3位に入ってくれて、日本記録・2時間5分50秒、去年出した2時間6分11秒から30秒近く縮めてくれた」と大迫選手を称賛した。

• シカゴマラソン主催者の共同記者会見で1億円の使い道について訊かれた大迫選手は「難しい質問ですが、残念ながら私のコーチには賞金がありません。ですから10万ドルほどコーチに差し上げようと、今考えを決めたところです」と英語で答えた。

Q:走り終えてメディカルテントに入られましたが、大丈夫ですか?

• 大迫:寒かったので中に入ってちょっと暖まると、大分だいぶましになりました。

Q:日本新記録を出されました。シカゴマラソンでも早いペースでしたね。

• 大迫:前半ちょっと遅かったのでどうなるかと思ったんですけど、ペースは余り意識していませんでした。後半30㎞を過ぎてからペースが上がったので、最後の2、3㎞になってから(新記録に)いけるかなぁというのは出て来ました。
• 前回のレースで、30㎞から他の選手のペースが上がって(先頭集団から)離れてしまい、凄くきつい思いをしました。ですから今回は離れない方が楽じゃないかと思って、ついて行きました。最後の7マイルから8マイル位は、あと2マイル頑張ったらいい、あと何マイル残っていると考えて、それを繋げて行ってゴールできました。

Q:気象条件はきつかったですか?

• 大迫:風が強かったのと、ペースの上げ下げが大きかったので、本当に自分の力を出し切ってしまうとその後落ちてしまうので、集団につく中でもなるべく最小のエネルギーで行こうと心掛けてきました。今回はしっかりとねばってゴールできればいいなという感じで(気持ちを)切り替えて走っていたんですけど。

Q:ナイキ・オレゴン・プロジェクトに参加されて如何ですか?

• 大迫:他の選手がいることで、モチベーションになっていますし、彼らがどういう練習をして、どう強くなっているか軌跡が見えるので、それによって僕がモチベーションを受けていると思います。今回しっかりとトレーニングできたのも彼らの存在があったからだと凄く思っています。

Q:これから五輪メダルへの期待が膨らむのでは?

• 大迫:そこまでは全然考えてなくて、やはり僕達が(練習を)やっていく時には、他の選手の練習をしっかりと、どう現実的に見て行くかですね。ただ凄いじゃなくて、彼らはどういう練習をしているのか、自分達はどんなことをしなければならないかと言うことをしっかりと練習に落とし込んで、(最高のコンディションに)持って行くべきではないかなと思っています。

Q:タイムと言うよりも勝つことが一番大事ですか?

• 大迫:そうですね、仮に東京マラソンやオリンピックに出られるとしたら、記録というのは何の意味もなくて、いくら速く走ろうが遅く走ろうが、その順位が大事だと思っているので、まず、勝負できる力、イクオール速く走る力ではあるんですけど、それを今後高めて行きたいと思います。

Q:ありがとうございました。

大迫選手のお母さん

Q:大迫選手の走りを、どんな気持ちで見ていらっしゃいましたか?

• お母さん:ハラハラと言うよりも、応援を楽しんでいました。レース後はおめでとうと一言話しただけです。時間ができたら、良かったねって言って上げたいです。
• いつの間にか、たくさんの方々に応援してもらっているのが嬉しくて、幸せだなぁと思います。

Q:ありがとうございました。

川内優輝選手

• 川内優輝選手(31)は埼玉県庁に所属し、埼玉県立久喜高校で教えている。今年4月のボストンマラソンでは2時間15分58秒で優勝し、瀬古選手の優勝から31年ぶりにボストンマラソン・チャンピオンのタイトルを奪還した。今年3月の台北マラソン、2月の北九州マラソンでも優勝しており、MGC出場権を獲得している。だが、県庁職員としてのフルタイムの仕事があり、また夏場は猛暑埼玉での練習に苦戦していた。

Q:ボストンも雨でしたが、シカゴも雨でしたね。

• 川内:今日は私の好きなコンディションだったので、もう少しいい状態で走れたら良かったと本当に思っています。
• 最後の直線でかなりの向かい風がありましたけど、あとの部分はどうと言う事はなかったと思います。
• これだけいいコンディションの中で他の選手がいい記録を出している、そう言う中で私のこういうタイムというのはちょっと・・・。早く夏場しっかり練習を積める環境にしないといけないなぁと思いました。

Q:最後の上り坂は大丈夫でしたか?

• 川内:途中からずっと二十数キロを一緒に走っていた選手がいたんですが、最後の上り坂で彼に勝ったということがありました(笑)。

Q:ペースメーカーなしと発表されていましたが、ペースメーカーが付いたことで自分のペースへの影響は?

• 川内:本当はそのペースでしっかりと行きたかったんですけど、なかなか上手くつけることができなかったので、そこら辺もやはり夏場の練習不足ですね。もう少し行けるかなと言う気持ちがあったので、本当に悔しい方が大きいです。

Q:ボストン・チャンピオンというプレッシャーもありましたか?

• 川内:かなりいろんな人からボストンとかカワウチとか言われましたので、応援してもらってこう言う結果というのは、すごく恥ずかしいですね。やはりボストンに勝ったと言うことで注目されていたことがシカゴに来て改めて分かりましたので、それに相応しい力を付けたいなと思いました。

Q:来年からプロに転換されるそうですね?

• 川内:そうすればこういう風な醜態をさらさなくて済むと思うので。夏場しっかりと練習を積んで、こういう恥ずかしいことにならないようにやっていきたいと思います。

Q:今まで練習で苦労されていた事は?

• 川内:練習時間と言うよりも練習の環境ですね。今年は埼玉が凄く暑い状況でしたので、涼しい所で合宿ができたり、ふだん20キロを走りたいんだけど18キロで終わってしまっている部分など改善できるでしょう。また、仕事があるからとか、そういった言い訳できない環境に追い込めばもう少ししっかりやれると思うので。
• あとリカバリーの時間があまりなくて疲労を抜くことがあまりできなかったので、来年プロになったら、そういう疲労をしっかり抜きながらやっていきたいと思っています。
• 当面は福岡マラソンを目標にやっていくと思いますが、自己ベストに近い状況に持っていきたいと思っています。

Q:沿道の応援は如何でした?

• 川内:前半ペースメーカーに付いていた時は凄いなと思って、本当に皆さんが熱狂的に応援をやってくれていて、吸水の所でも皆さん手をこういう風に出してやってくれていたので、シカゴの街でシカゴマラソンというのは本当に大事な大会だなぁと思いました。

Q:ありがとうございました。

藤本拓選手

• 藤本拓選手(29)は8位(2時間7分57秒)でゴールを切り、MGC出場条件の2時間8分30秒を突破し、出場権を獲得した。

Q:MGC出場権の獲得、おめでとうございます。皆さん、速いペースで走られたのでは?

• 藤本:昨日のテクニカルミーティングで、大体これぐらいのペースで行きますというふうに言われましたが、それよりもだいぶペースが遅かったので、気持ち的な余裕はありました。

Q:ペースメーカーはあったほうがいい?

• 藤本:あるにこしたことはないと思うんですけど、結構レースの中でもペースの上下があったので、力がないと(先頭集団について行くために)しっかりと対応していけないと感じました。

Q:シカゴは曲がり角が多いのでは?

• 藤本:ああそうですね。橋の鉄網などは結構きついなと思ったんですけど、沿道から凄い歓声とか応援を受けて、もう凄く楽しかったです。
• こちらに来てからもう、凄いビッグシティで、わくわくしていました。これを走れるんだと思って。応援のお陰ですよ。

Q:オリンピックに向けて、これからどの様に?

• 藤本:監督としっかりと話し合って、次のターゲットをしっかりと決めて、日本は駅伝が大切になってくるんで、駅伝をしっかりと押さえながら、その中で次の目標を決めたいと思います。

Q:是非またシカゴに。

• 藤本:ほんと、楽しかったです。

Q:ありがとうございました。


鈴木洋平選手

• 鈴木洋平選手(24)は初めての海外マラソンで12位(2時間12分18秒)で元気にゴールに飛び込んで来た。

Q:初めての海外レース、如何でした?

• 鈴木:前半は流れに乗って走れたので、凄く走りやすかったんですけど、後半(先頭集団から外れて)一人になってから風も強くて上手く走れませんでした。そこを修正して次に望みたいなと思います。

Q:日本と比べてどうですか?

• 鈴木:コースは特に思うことはなかったですけど、やはり初めての海外レースなので自分の想定と違うことがありました。例えば試合までの日数が5日間など、日本と同じようには出来ないとは思っていたんですけど、なかなか上手く調整できなかったので今回の経験を次ぎに生かしたいと思います。

Q:シカゴの道は荒れていませんか?

• 鈴木:そうです。橋の鉄網は走りにくかったですけど。
• 沿道の応援は嫌いじゃないので、凄く楽しんで走れました。

Q:今後の予定は?

• 鈴木:冬に日本でマラソンを走ろうと思っているので、そこでしっかりと結果を出して、もう一回海外レースにチャレンジできるように頑張っていきたいと思っています。

Q:今年の琵琶湖マラソンのタイムよりも速かったのでは?

• 鈴木:今回、上位の選手がいいタイムでゴールしているんで、もう少し記録が狙えたかなぁと言う悔しい気持ちもちょっとあります。

Q:ありがとうございました


3位でゴールした大迫選手



日本実業団陸上競技連合・西川晃一郎会長(左)から1億円の目録を受け取る大迫傑選手


藤本拓選手が9位(2時間7分57秒)でゴール


鈴木洋平選手が12位(2時間12分18秒)でゴール


川内優輝選手