日本語メインに戻る
惜別と旅立ちの日、シカゴ双葉会補習校で卒業式

厳しかった冬にも春の兆しを感じる3月2日、シカゴ双葉会日本語学校補習校の卒園式と卒業式が行われた。午前中に行われた幼稚部の卒園式では72人が卒園した。午後から行われた小学部・中学部・高等部の卒業式では、それぞれ72人、35人、13人が卒業した。

卒業式会場となった同校体育館には卒業生の家族がブリーチャーいっぱいに座り、入場して来る卒業生を拍手で迎えた。

厳粛な雰囲気の中で島袋克校長から一人一人に卒業証書が授与され、生徒の表情は達成感に輝いていた。

 卒業証書授与後、一日も休まずに通い続けた小学部の関野大遥さん、福田沙彩さん、高橋南帆子さん、高松勇斗さん、中山蒼大さん、中学部の福村陸さんには皆勤賞が贈られた。
また、幼稚部から高等部まで13年間補習校に通い続けたアレン啓太さん、大谷祥之さん、音頭里緒さん、高祖武男さん、武本健さん、藤木真利さんには双葉賞が送られた。

 式辞で島袋克校長は、現地校と補習校を両立させて卒業の日を迎えた卒業生を誇りに思うと述べ「これまでの努力がいつか開花すると確信する一方、激変する社会に飛び出せば思い通りにいかないこともある」と話し、「逆境の中でも、その時に自分ができることを一生懸命愚直にやり抜く人間であることを希望する」と卒業生を激励した。そして、「意志、創造力、情熱があれば人は老いない。理想を失う時、人は初めて老いる」というサミュエル・ウルマンの詩をはなむけの言葉として贈った。

 来賓の伊藤直樹在シカゴ総領事は、日本では天皇の退位と皇太子の即位という節目を迎え、アメリカでも来年の大統領選挙に向けて国や社会の変化を感じる日が続くだろうと話し、「世界が変わる中で、幅広い環境に対応できる力、適応できる力を身につけてもらいたい。現地校と補習校の2つの学校に通う選択をしてやり遂げた皆さんにはその力がついていることと思う。世界を舞台に国際人としてご活躍を頂きたい」と卒業生を励ました。

 山田賢哉双葉会副会長は、アニメ映画「君の名は」の音楽を担当したバンド、ラッドウィンプスの「正解」という歌の歌詞を紹介した。  歌詞は、答えがあることばかり学んできたが、僕たちが知りたかったのは「一番大切な君と 仲直りの仕方」や「悔しさで滲んだ 心の傷の治し方」などというもので、若者の気持ちが織り込まれている。

山田氏は「人の2倍の勉強や経験を積んだ皆さんは、それを土台にした価値観を持って、自身の正解を探しに行って下さい。皆さんにはその力が備わっている」と卒業生を鼓舞した。

 徳田竜一PTA副会長は「補習校で経験したこと、培った友情は皆さんの財産。様々な国籍や文化を持った人との交流、その中で改めて感じた家族の絆、これは日本ではなかなか経験できない貴重なもの。これからの皆さんの大きな武器になる」と述べ、「今日は自分に『良くやったね』と言ってあげていい、お父さんお母さんにも一言「ありがとう」と言ってみてほしい」と卒業生に言葉を贈った。

 送辞で中学部2年のランベール・夏姫さんは、補習校は大切な場所だと述べ、①現地校にはない日本文化や学校行事ができること、②友達ができる場所であること、③クラスや学年が一つにまとまり、目的に向かって協力することができることと、3点をあげた。

 そして「在校生は皆さんが築いて下さった補習校の良き校風をしっかりと受け継ぐことを誓います」と送別の言葉を述べた。

 答辞でアレン啓太さんは「13年間の補習校生活を終えて、達成感と名残惜しさで胸がちぎれそう」だと述べ、数々の想い出を振り返った。

 現地校で勉強に苦労することは余りなかったが、補習校のレベルは高かったというアレンさんは「補習校を続けることで計り知れない知識や経験を培ってきたことに改めて気づかされました。これらは私にとって一生の糧になるに違いありません」と述べ、「13人の仲間たちと今日卒業できることを誇りに思います」と答辞を結んだ。

 最後に卒業生全員がブリーチャーに座る保護者に向かい「旅立ちの日に」を歌った。 

 卒業式後には勤続32年の岸本まゆみ先生と、勤続30年の花岡節子先生の補習校における教育への尽力と、地域の日本人社会と日米相互理解促進への貢献を称え、伊藤直樹総領事より「在外公館長賞」が授与された。

伊藤直樹総領事(中央)から「在外公館長賞」を受けた岸本まゆみ先生(左)と花岡節子先生


卒業証書授与授与式


皆勤賞を受ける小学部と中学部の卒業生


幼稚部から13年間通い続け、双葉賞を受賞する高等部の卒業生


保護者に向かい「旅立ちの日に」を歌う卒業生たち