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今年も盛況アニメ・セントラル
ジェリー・ジュエル、咲紗花、亜咲花インタビュー

 アニメやマンガ、ポップ・カルチャーの祭典「アニメ・セントラル2019」が5月17日から19日までの3日間、ローズモントにあるドナルド・スティーブンス・コンベンション・センターとハイアット・リージェンシー・オヘアで開催された。1997年に始まったアニメ・セントラルは中西部最大のアニメ・コンベンションとなっている。

 開催者の発表によると、2年目の1998年のコスプレイヤーは1,203人だったが、2018年には32,653人に膨れあがり、総入場者数は91,609人を数えた。

 アニメ・セントラルの魅力はコスプレイを楽しむだけでなく、日本のアニメやマンガのキャラクターのクリエイターやアーティストと触れ合うことにもある。今年もアニメ・ソング・シンガー、アニメ・ソングライター、アニメ声優、キャラクター・デザイナー、アニメTVスタジオ「キネマ・シトラス」やVRノベルやVRマンガを製作するトーキョー・クロノスのメンバーなど、50を超える特別ゲストのうち少なくとも25の個人やグループが日本から参加し、コンサート、サイン会、パネル・ディスカッション、Q&Aなどが行われた。

 シカゴ・コミュニティからは日本文化会館による合気道実演や日本文化紹介、在シカゴ総領事館による鎧兜の試着、司太鼓による和太鼓演奏、藤間流・秀舞会による日本舞踊などが行われた。

アーティスト・インタビュー

声優ジェリー・ジュエル氏

 ジェリー・ジュエル氏は大ヒットしたアニメ、フルーツ・バスケットの草摩夾や名探偵コナンの工藤新一など、多くのアニメキャラクターの英語版の声優を担当している。また、海外アニメの吹替や配信大手のファニメーションのアフレコ・ディレクターも務めており、日本アニメの米国上陸には欠かせない人物の一人。
ジュエル氏は1976年7月生まれ。温厚で気配りを忘れない魅力ある人物でもある。

ジェリー・ジュエル氏

Q:なぜ声優に?

ジュエル:私はミュージシャンの家庭に生まれ、子供の頃からエンターテインメントの世界に興味を持っていました。その頃からエンターテイナーになることを決めていたんです。学校に行くようになると、スピーチやドラマのクラスなら何でも取りました。

 20年近く前になりますが、テキサスでファニメーションのオーディションを受けました。以来、ずっとこの世界で仕事をしています。

Q:フルーツ・バスケットの草摩夾役になる経緯は?

ジュエル:フルーツ・バスケットのオーディションを受けたのは2001年でした。
アニメを見て、とても良いショーだと思いました。その時はまだリリース前で、どれぐらい人気が出るのかも分からない頃でした。

 驚いたのは完全新キャスト&スタッフによるフルーツ・バスケットの全編アニメ化決定が発表された時です。日本では4月から既に放送が始まっています。
すべて新キャストですから、吹替も新しい声優がやるのだろうと思っていたら、オリジナルの英語吹替の声優全員に戻って欲しいと依頼されました。

あれから十数年経っていますから、十代の声を演じられるか心配になりましたが、草摩夾のキャラクターも好きですし、新しいフルーツ・バスケットは以前のものより良く出来ているし、ストーリーを続けてくれることにエキサイトしています。とても楽しみです。

Q:日本語と英語の感覚の違いを感じますか?

ジュエル:それはありますね。例えばジョークを言っているシーンがありますが、それは英語に翻訳されていない。だからアニメの画面を見て、何かピッタリ来る英語の表現を見つけないといけない。

 ゴロ合わせやシャレも研究していますが、日本語と英語は同じではありませんから限界があります。だからクリエイティブにやる必要がありますね。

Q:日本側とのコネクションは?

ジュエル:もちろんありますよ。時々日本側の声優と連絡を取ることもあります。互いに質問し合ったりするわけです。これは非常に役立ちますね。同じキャラクターを演じる者同士で話せば、日本の声優の解釈も分かりますから。吹替では半分日本語を聞きながらやるので、日本の声優の声の抑揚で感情を察したりしながら、最大限にオリジナルに近づけています。

Q:口の動きと言葉の長さを合わせるのは難しいのでは?

ジュエル:が開く時にセリフを言い始め、閉じる時に言い終わる訳ですから、非常に難しいです。今は必要であれば口を開けている時間を少し延ばしたり縮めたりするプロ用のソフトの助けもありますが。

Q:アフレコのディレクターの仕事は?

ジュエル:今、ミリオン・アーサーというアニメ・シリーズを2シーズンやっています。ファニメーションの各ディレクターは2つのショーを同時に受け持ちますから、12週間の1シーズン中に18のショーをリリースします。

 かなり速いペースです。例えば日本語のアニメが送られてくると、翻訳事業部が1日か2日で英語に翻訳します。それをライターが2日から3日をかけて脚色し、1週間で録音します。受け取りからリリースまで2週間ですが、2つのショーを受け持つので毎週リリースですね。

Q:翻訳はアメリカ人ですか?

ジュエル:そうです。彼らは日本語をかなり勉強していて、日本に住んだ人もいます。でも情熱ですね。彼らは日本文化や日本語が大好きで、彼らにとって完璧な仕事ですよ。4、5人いると思います。

Q:かなり忙しいですね。

ジュエル:だからこのようなコンベンションに来るのが息抜きなんです。私に会いに来てくれるファンもいるので、楽しんでいます。もちろん仕事は代わりのディレクターがやっていますので、大丈夫ですよ。

Q:ありがとうございました。

アニソン歌手インタビュー

 日本のアニメには複数のテーマ曲があり、アニソン(アニメ・ソング)のシンガーやソングライターが職業として人気を集めている。
共同記者会見ではアニソン歌手でソングライターでもあるZAQさん、Trueさん、佐咲紗花(ささき・さやか)さんら3人によるインタビューが行われ、作曲のプロセスや実際に歌う難しさなどについて語った。

左からアニソン歌手の佐咲紗花さん、Trueさん、ZAQさん

佐咲紗花さんインタビュー

Q:アニソンって耳新しいですね?

紗花:私は今年37歳になりますが、20を過ぎた頃からやっと「アニソン・シンガー」という言葉が流通するようになりました。日本のアニメが人気になって、やっとアニソン・シンガーという一つのジャンルができました。昔はマンガの歌手って言われて、裏方の仕事でしたけども。

Q:人気だからこそ競争が激しいのでは?
高校時代からアニソンのコンペティションに出て、遂に最後に1位になったそうですね。

紗花:そのオーディションは、優勝すればCDデビューできるという大会でしたので幸運でした。

Q:オーディションで勝つための努力は?

紗花:若い頃にオーディションを受けた時はアイコンタクトもできなくて、今のように歌いながらアピールすることができなかったんです。だから趣味で歌うだけにしようと思って会社員をしていました。

 良い仕事に就けて安泰でしたが、やはりアニソン・シンガーになりたいと思った時に、母が「やりなさい。人生は一回しかないから」と背中を押してくれて、オーディションを受けました。

Q:優勝してから道が開けたのでは?

紗花:そうでもないんです。デビュー後、事務所に所属していなかったので、自分の事は自分で守らなければいけない。凄く大変でした。
今はリスペクトできる先輩がいる事務所ハイウェイスターに入っているので、たくさん教えて頂いています。

Q:どんな教えを?

紗花:誰のためにステージをするのか、すべて来てくれるお客さんのための目線で考えることなどです。私は小さなことにクヨクヨしていたので。

Q:アニソン・シンガーだけでなく、作詞・作曲や女優もやっているんですね。

紗花:アニソン・グシンガーの道を極めるためです。女優や声優など他の職業をすると、いろんな視点からシンガーのあるべき姿を考えることができて、自分のライブパフォーマンスや作詞作曲にいい影響があります。

 また、新しいことをするとファンが喜んでくれます。紗花が挑戦しているから、自分も頑張ろうと思ってくれるので、いろんなことに挑戦して行きたいです。

Q:今後の活動の抱負を。

紗花:もともと英語は大好きだったんですけど、ここのところより一層英語に力を入れています。もっともっと英語を流暢にしゃべれるようになって、世界中にもっとジャパニーズ・アニメソングを広げる架け橋なりたい。もっともっと、overseas fanをゲットしたいと思います。

Q:ありがとうございました。

亜咲花さんインタビュー

 亜咲花(あさか)さんは1999年10月生まれの19歳。3歳より5年間をミシガン州で過ごした新世代のアニソン・シンガー。

亜咲花さん

Q:小学校の時からアニメファン?

亜咲花:日本に帰って来てから、涼宮ハルヒの憂鬱っていうアニメを見るようになって、こんな面白いアニメがあったんだと衝撃を受けました。

 日本のアニメには、アメリカにはないキャラクター・ソングがあって、日本の文化としてアメリカにもどんどん伝わっていて、それを見て衝撃を受けたのが始まりですね。小学5年生の頃にオタクになりました。

Q:それでアニソンシンガーになりたいと?

亜咲花:アニメの歌を専門的に歌う職業があるのを初めて知って、絶対になろうと決めたんですけど、元々は通訳になりたかったんですよね。

アメリカに住んでいたので自分は英語ができると過信してたんです。でも、中高一貫のインターナショナル・スクールに入って、入学式当日に、英検一級持ってます、TOEFL満点ですという子がたくさんいて、夢を挫折したんです。

 もっと自分に合う夢があるんじゃないかと探していた時に、アニソン歌手を知ったので、その夢を追いました。

Q:中学の先生が歌を褒めてくれたんですって?

亜咲花:音楽の授業で独唱する時間があって、先生が「君は才能があるから歌を伸ばした方がいい」とおっしゃって頂いて。でもその一年後にその先生が急に亡くなってしまって、やっぱりその先生の言葉がずっと胸に残っていたので、本格的に歌を習い始めたのが中学3年生、15歳の時でした。その2年後に17歳でデビューしました。

Q:早かったですね。

亜咲花:かなりいいペースで、ありがたいことに。

Q:NHKでアニソンの「のど自慢」があるんですって?

亜咲花:実は父が見つけてくれたんですよ。ゲスト審査員が私が尊敬するアニソン歌手のメインさんだったので応募し決勝戦に出場しました。デビュー前だったので、人生で一番と言っていいほど緊張しました。自分の名前も歌う曲も忘れるほど頭が真っ白になって。

 でもあの時の経験が今のアーティスト活動にもの凄く生かされているので、良かったなと思います。

Q:17歳でデビューした時、どうだった?

亜咲花:最初お話を頂いた時に信じられなくて、ともかく一番最初にお母さんに電話をしました。でも、やっぱりお話を頂いた時よりも、実際にアニメソングとしてアニメで放送された時が一番うれしかったですね。実感がわきました。

Q:2年間の活動はどうでした?

亜咲花:当時は高校生アニソンシンガーとして学校と音楽活動を両立をしていましたが、今は一人の社会人として、アニソン歌手として時間をさけるようになったので、この一年間でステップアップできたと思います。

 アニソンも凄くリスペクト心が大事な世界で、例えばメインさんを尊敬しているからこそ、今の自分のステージがあります。アニソンというのは、先輩が積み上げてきたものを後輩が受け継いで、またその後輩がさらにその後輩に受け継ぐっていう、伝統文化に近いと思ったりもしますね。

 やはりアニソンはアメリカやいろいろな世界で愛されている文化になりつつあるので、私はアーティストとして、いろいろな国々に歌声を積極的に届けに行きたいなと思っています。

Q:ありがとうございました。


カンザス・シティから来たSavii Harisさん (左) とJacky Sahnさん (右)。コスチュームは手作り。アニメセントラルには8年連続で参加している。


左より、Matt Groboskeさん、 Julia Larichさん、イチゴ・ミヤザキさん(自称)、Rebekah Perkinsさん。12歳か13歳の時にコスプレイを始めたJuliaさんのコスチュームの羽の部分は、針金に薄いプラスティックを張り付けて自分で作ったもの。 Mattさんのジャケットは、おばあさんが縫ってくれたもの。


Jillian Snyder (左)とサマンサ・レインズさん。レインズさんは
横浜で英語教育関係で働いている。5年ぶりにシカゴに戻り、
アニメセントラルに参加した。



以下はコスプレイの人々