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第18回北米小原流カンファランス開催:
小原流研美会会長、工藤亜美氏が実演

• ノース・アメリカン・小原・ティーチャーズ・アソシエーション(NAOTA)の第18回カンファレンスが6月9日から12日までネイパーヴィル近くのライルで開催された。そして、今年で45周年を迎えた生花小原流シカゴ支部がホスト役を務めた。
• 9日にはライルにあるモートン植物園で、工藤亜美氏による小原流のデモンストレーションが行われた。工藤氏は1972年に小原流に入門し、現在小原流研美会会長、小原流研究院助教授、小原流東京支部幹部などを務める。

• 司会を務めたラッセル・ バワーズ氏によると、生花は600年以上前に仏前の供花として供えられたものから始まり、修道僧によって生花の原型が作られた。年月とともに開発・洗練され、茶道や書道などにも取り入れられ、近世には一般の人達の間でも実践されるようになった。
• 小原流は19世紀終盤から20世紀初めにかけて、彫刻家でもあった小原雲心氏によって創設された。それまで背の高い花器に生けられていた生花だったが、初めて浅い水盤に花を盛る、盛花を開発したのが小原雲心氏だった。

• 挨拶に立った伊藤直樹在シカゴ総領事は、小原流シカゴ支部がカンファランスのホスト役を務めるのは9年前に続き2回目だと話し、生花の普及に努め45周年を迎えたシカゴ支部の活動を称賛した。伊藤祥領事は「シカゴランド地区を始め北米に亘って、より多くの人々が生花の美しさを味わい理解を深め、更には日本文化のファンが増えるように、今後益々の成功をお祈りします」と祝賀の言葉を述べた。

• NAOTAのプレジデント、イングリッド・ルーダーズ氏は、シカゴ支部のプレジデントのアニカ・アウ氏やメンバーを始め、カンファランス開催のために多くの時間を割いてくれたアソシエーション関係者に感謝の気持ちを表した。

工藤亜美氏、小原流生花を実演

• 工藤亜美氏は色彩盛花、写景盛花、文人調、琳派調、花意匠、フリースタイルなど10点を実演した。

盛花

• 工藤氏によると、開国後の明治時代に西洋から丈の短い色とりどりの花が入って来たが、立花や生花(せいか)の様式では西洋の花を生かすことがなかなかできなかった。浅い花器、水盤を使ってそれを生かし、盛花という様式を打ち出したのが小原流の始まりだった。盛花には色彩盛花と写景盛花がある。

色彩盛花

• 多くの花を取り合わせて生ける時には、花の形が違うものを組み合わせると生けやすい。
• 生花は西洋のフラワーアレンジメントと違い、左右非対称形をとる。また、同じ長さや同じ間隔をとらない。同寸や同間隔を嫌う日本の美意識は、日本の庭と西洋の庭を比較すると良く分かるのだという。

写景盛花

• 写景盛花は景観を描写する盛花で、同時期、同環境にある植物を一緒に生けて行く。
• 景観を描写するが、虚実等分と言って、本当と嘘が半分ずつという言い方をする。例えば、50cmぐらいの所に5種類の花が自然に育つのは不可能だが、あたかもそんな風景があるかもしれないとイメージして、本当のことを混ぜて生けて行くのだという。例えば、植物の元々の高さの順番を護って生けて行く。

• 写景盛花では、花が育っている環境を作り、風が通る枝の位置や風の向き、陽が差し込む場所などをイメージして背景を作って行く。その中で、陽が差し込むところでは花が高く伸び、枝と枝の間に出て来た花はまだ小さいというように花を生けて行く。この様に自然の景観が生花で描写されている。
• 工藤氏は、対岸のお花畑をイメージした、もう一つの写景生花も実演してくれた。

文人調生花

• 小原流では各代の家元が、時代時代に合わせて表現を広げている。文人調生花は小原流三世家元・小原豊雲氏が広めた小原流の表現で、中国の文人趣味の花とされている。文人調生花は3種、5種など、奇数の花を好むが、中国の四君子を表したものがあり、4種の花も悪くはないという事で、工藤氏は4種類の花で文人調生花を生けた。

琳派調生花

• 琳派調生花は、琳派絵画に描かれているような草花を生花で装飾的に表現するもので、小原流のオリジナル。
• 琳派絵画ではかきつばたや花しょうぶなど、アヤメ科の植物が良く描かれており、尾形光琳が描いたかきつばたの花の絵が国宝になっている。その絵は、葉の中に花が埋もれているような、グリーンの葉の中に紫色があるという風に表現されているのが特徴。

花意匠

• 花意匠は、四世小原夏樹氏が広げた小原流の表現で、コンポート状の花器に、左右に開くように生ける生花。

フリースタイル

• フリースタイル2点は工藤亜美氏自身の表現で生けるもの。エキゾチックな花器にアーモンドの枝や枝垂れるように咲く花などを組み合わせた、重厚感のあるダイナミックな作品を見せてくれた。
• もう一つの作品はホワイトライラックを使い、茶褐色の植物がグリーンを引き立てる、素晴らしいコントラストのある作品を見せてくれた


写景盛花を説明する工藤亜美氏


写景盛花


文人調


琳派調


花意匠


フリースタイル


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