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日本の風情が漂う
第59回銀座ホリデー

• シカゴ市の人気行事の一つとなって久しい中西部仏教会の銀座ホリデーが8月8日から10日までの3日間、同仏教会の境内で行われた。日本の縁日を思わせる銀座ホリデーは今年で59回を数える。境内には所狭しと出店が並び、小物や瀬戸物、きものや装飾品などが販売された。
• また、境内の左手奥にはテーブルが設置され、名物の照焼きチキンや寿司、うどん、焼きトウモロコシ、スパムむすなどびを楽しむ人々で賑わった。

• ステージでは和太鼓、剣道、柔道、空手、合気道、日本舞踊や民謡などが終日行われ、設置された椅子はいつも満席だった。室内の社交室では盆栽で有名な伊藤シゲオさんの作品やリンダ・ロズマスさんの墨絵、未生会の生徒による生花、毛筆画や日本風のバッグや小物、ガラス細工など多くの展示・即売が行われた。

• 銀座ホリデーのハイライトは日本からやってくる技職人の実演と作品の即売。今年は古布を使ったミニチュア家具や吊り飾りなど作る石川微美さん、市松人形メイカーの山崎明咲さん、江戸手拭いの川上マサヒロさん、十数年間皆勤の陶芸家・木下英司さんがやって来た。

• エイミー・レイエスさんはデイヴィッド・パシュートさんに誘われて銀座ホリデーにやって来た。「本当にたくさんのパフォーマンスが行われていて、和太鼓演奏を楽しみに待っているところです。さっき柔道の実演を見ましたが、子どもにいいんじゃないかと思いました」と語った。
• パシュートさんは2007年に日本に言ったことがあり「驚くべき経験だった。また行きたいと思う」と語った。「赤坂に泊まり、銀座に行き、秋葉原にも行って楽しかった」と懐かしげに話した。

• ナンシー・トーレスさんは国際的な友達を連れてやって来た。
• トーレスさんは中西部仏教会の近くに住んでいる。「銀座ホリデーは知ってますよ。毎年ここであるから。今年で59回目になるんですよ」と話してくれた。
• トーレスさんの母は朝鮮戦争に看護婦長として派遣されていた。休暇で東京にいった時にミキモトの真珠を買ったという。
• トーレスさんは40歳の誕生日に、母が持っているような真珠が欲しいと思い日本を訪れた。「ミキモトに行ったけども、母が持っているような真珠は今は見つけることができなかった」と語った。
• また、「きものの反物も見ました。とてもきれいだったけれど、あんなに高いものだったんですね。いつか、子ども達にきものを着せてあげたいと思っています。京都や奈良にいった時に神前結婚を見ました。とても貴重で特別な体験でした。日本への旅は今までに行った旅行の中でも最も素晴らしいものの一つです」と語った。

• 日本の技職人

• 石川微美さんは「古布」と呼ばれる江戸、明治、昭和初期のきもの布地を使ってミニチュアの家具、吊り飾り、懐紙入れ、箱などを作っている。古布は掛け軸や茶器などと同じように、アンティークのコレクションの一種だという。昔のきものは手の込んだ刺繍が施されており貴重なものだが、きもの自体は虫食いやシミなどで傷んでおり、きれいな部分だけを切り取って古布として取引されているのだという。
• 石川さんがこの仕事を始めたのは、姉が江戸時代や明治時代の市松人形を集め始めたのが切っ掛けだった。古い人形のきものは傷んでおり着せ替えてあげたいとは思うものの、やはり人形が作られた時代のきものでなければしっくりと合わなかった。
• 古布を集めて人形のきものを着せ替えた石川さんは、端布を使って何かできないだろうかと考え始めたという。懐紙入れを分解して構造を調べた上で、人形用の懐紙入れを作ったところ非常に好評を得て良く売れた。こうしていろいろな小物に展開していった。
• 日本ではひな祭りや節句、祝い事などの時に部屋を飾る吊り飾りが流行っている。また季節感を出した吊り飾りを家に飾って楽しむ人も増えているという。「200年以上前の布が一つの作品としてよみがえるのが嬉しいですね」と語った。

• 今年は親方の藤村師に替わり、山崎明咲さんが銀座ホリデーにやって来た。ブースには表情豊かな山崎さん作の市松人形が並んでいた。
• 山崎さんは京都の美術高校で彫刻を専攻した。卒業後は東京で怪獣や人体、ポケモンなどのキャラクターのフィギュアを作っていた。たまたま石川さんの姉が出版した「人形のきものができるまで」を表した本を読み、市松人形ときものに魅了された。いつか人形館に行ってみようと思っていた山崎さんは、半年後にやっと時間ができて人形館を訪れた。その時に声を掛けてくれたのが石川さんで、藤村光環師による市松人形のクラスに参加することになった。
• 十代の頃から造形を学び基礎を付けていた山崎さんを、藤村師はすぐに認めてくれた。ニカワなど伝統的な素材の扱いを学ぶために4年間修行を積み、藤村師の許しを得て独立した。
• 山崎さんは「本を読んですぐに人形館に行っていたら、藤村師に出会うことはありませんでした。運命的なものを感じます。振り返ると自分が歩んできた道筋は、いろんな方向に行ったこともありますが、最終的にはこの人形に向かって歩いていたという感じがします」と語った。また、「市松人形を作る職人の家は全国で10軒足らずになってしまっています。でも後継者も育っています」と語った。

• 毎年銀座ホリデーに来ている陶芸家の木下英司さんは、7月7日から12日まで行われた「平成中村座NY公演」について報告してくれた。
• 木下さん、市松人形の藤村さん、手拭いの川上さんら7業者が、公演が行われたリンカーン・センターにブースを出した。中村座のチケットはもちろん完売だったが、木下さんらが大量に用意した製品もすべて完売だった。
• 歌舞伎公演では中村勘九郎が早変わりで3役をこなす「会談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」が演じられた。素早い早変わりに観客は度肝を抜かれ、非常に盛り上がったという。歌舞伎人気は非常に高く、シカゴから見に来た人々もいた。ホールに飾られた父親・勘三郎さんの写真をじっと見るアメリカ人の姿もあり、木下さんは胸が熱くなったと語った。

• フルストーリーはシカゴ新報9月12日号でお読み下さい。


古布を使った作品を作る石川微美さん


市松人形の山崎明咲さん


陶芸家の木下英司さん


盆栽家・伊藤シゲオさん


石川さんの作品


銀座ホリデー名物、伝統のタレで焼き上げた照焼きチキン


オーストラリア、シドニーから来た友人を連れてきた
ナンシー・トーレスさん