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那須美恵子さんが
総理大臣から百歳表彰

• 那須美恵子さんが安倍晋三総理大臣から百歳表彰を受賞し、10月3日に総領事公邸で授与式が行われた。昨年9月に100歳の誕生日を迎えた那須さんは、今年101歳でお元気。那須音楽教室を開いて長年ピアノを教え続けて来た那須さんは、かつて公邸にもピアノレッスンに通ったと懐かしそうに語った。
• 那須さんは音楽教育の他、数々の日米交流促進事業に献身して来た。その功績により、昨年は吉田総領事から在外公館長表彰を受賞した。在外公館長表彰は、国際関係の様々な分野で活躍し、日本と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をした人に贈られる。

• 那須美恵子さんは、シェイクスピア研究で知られ米国で邦字新聞を発行していた父親と、日本政府に選ばれ英国で日本文化の普及に努めていた母親との間に、ロサンジェルスで生まれた。9歳の時に日本の神戸に戻り、神戸女学院及び同校大学院の音楽部を卒業した。卒業後は同校大学院でピアノを13年間教え、また英語の語学力を生かして神戸在住米国人の子供達にもピアノを教えていた。
• 戦後、那須さんは妹の佑子さんと共にシカゴに移り住み、ノースウェスタン大学院で再度ピアノを学んだ。一方、佑子さんはルーズベルト大学の音楽院でバイオリンを学んだ。
• 卒業後、那須さんは佑子さんと共に「那須音楽教室」を開き、那須さんはピアノを、佑子さんはバイオリンを、2010年頃まで60年の長きに亘り教え続けた。生徒の出身国は69ヵ国に及び、一日に2人で50人の生徒を教えることもあった。生徒の中にはホワイトハウスでピアノを演奏したヘング・コーテッド氏や世界的なバイオリニストのアーネスト・ブラウシャー氏などもいる。

• 音楽教室に加え、那須美恵子さんは母校・神戸女学院と米国の交流プログラムである「神戸カレッジ・コーポレーション」にも長年貢献し、同校の学生の米国への派遣や、米国教師の同校への招聘などにも献身してきた。
• 2008年に神戸女学院の音楽部の生徒がシカゴと中西部を訪問した折には、那須さんが世話役となりスコーキー図書館の音楽ホールでコンサートを開いた。当日は各所で道路閉鎖になるほどの大雨に見舞われたが、那須さんを慕う人達が集まり、満席の中でコンサートが行われた。
• また、那須さんは佑子さんと共に、シカゴ産業科学博物館で毎年開催される「Christmas Around the World」というイベントの世話役を長く引き受け、地域の慈善・文化活動にも積極的に関わって来た。

• 那須美恵子さんは以前のインタビューで「教えると言うことは、辛抱することだと思います。『先生に習ってから音楽が好きになった』と言われると本当に嬉しいです」と語ったことがある。音楽への興味を維持させるためには叱らないことだという。また、音楽レッスンを通して、言葉遣いや作法なども教えていた。

• 尚、那須美恵子さんの百歳表彰は、吉田雅治総領事、柳井啓子首席領事、野依幸広領事の尽力により実現した。
• 因みに米国における百歳表彰受賞者は、ハワイ47人、ワシントン1人、NY1人、シカゴ1人、サンフランシスコ2人、ボストン1人、ロサンジェルス1人となっている。受賞者数が多いのはブラジルで221人。そのうちの106人がサンパウロとなっている