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日本を懐かしむ、JET同窓会の新年会
日本での経験を生き生きと語る人々も

• JET帰国者の新年会が1月17日、在シカゴ総領事館の広報文化センターで開催された。日本で英語を教えたり地方自治体の国際部門で働き、米国に帰国したJET参加者に、日本を懐かしむ機会を提供し横のつながりを深めようと、シカゴJET同窓会が企画しているもので、今回で12回を数える。
• 会場には浴衣の着付け、カルタ取り、服笑い、書道、折り紙などのブースが設置され、餅つきも行われた。シカゴJET同窓会のレスリー・ジュリアン会長の挨拶に続き、舞台では真心会による合気道や居合い道の実演、日本のポップ・カルチャーに触発されたフンク/ヒップ・ホップ・ダンス、日本についてのイエス/ノー雑学トーナメント、現金獲得ジャンケン大会、チャリティ抽選会などが行われ、大いに賑わった。

エヴァン・チアーズさん

• 甚平を着こんでやって来たエヴァン・チアーズさんは2011年にJETに参加し、2014年8月末に帰国した。
• 伯父が日本の武道や文化に興味を持ち、日本人の血を引くいとこがいるというチアーズさんは、子どもの頃から日本へ行きたいと夢見ていた。大学時代の友人達に誘われJETプログラムに応募、受け入れられたのはチアーズさんのみだった。かくして夢が叶い、茨城県水戸市の高校で英語を教えることになった。

• 初めてのクラスに出る前に、日本人の先生から「生徒はみんな、恥ずかしがりやだから」と言われた。そんなこともあろうかと、チアーズさんは日米の有名人のお面を作っていた。お面をかぶれば顔が見えないから、恥ずかしがらずに英語を話すだろうと思っていた。
• ところが、お面を出して「これは誰ですか?」と聞いても、誰も返事をせず、教室は静まり返っていた。アート専攻だったチアーズさんはその技術を生かし、生徒らに人気があるポップ・スターの写真やグラフィックを使って生徒とやり取りができるようなパワーポイントのプログラムを作り、生徒を巻き込んで行った。

• 水戸と言えばナットウ。チアーズさんは控えめに「思っていたよりも好きでした。でもまだ惚れ込んだというほどでもありません」という。居酒屋ではナットウ・アイスクリームに出くわした。「あれはもの凄かった。ちょっと経験したことのない味でしたね」と語った。

• 夏休みには日本を旅して回った。その中で、印象的だったのは広島だった。「平和記念資料館に展示されているものを見ると、当時の酷さがよく分かりますね。でも現在の広島を歩くと、とても美しい街です。広島の人々がどの様に復興を遂げたのか、とても興味を感じます。それはきっと日本人の苦境を乗り越える精神だと思います。とても感動的でした」と語った。

• 最も思い出深い出来事は、帰国間際になって起きた。帰国の準備を手伝いに来た母親を成田空港に送って行くと、テレビのクルーにインタビューされた。話しているうちにチアーズさんを数週間追っかけ取材をすることになり、かくして東京テレビの「Youは何しに日本へ?」に出演することになった。
• 当時、チアーズさんは大きなアフロ・ヘアだった。帰国前に友人達が集まり、アフロ・ヘアを友人達が少しずつカットする断髪式が行われた。テレビではそのシーンが放映された。
• 「とても感動的な体験でした。なぜならば、私は大学を卒業してからすぐに日本へ行き、日本で大人になったわけです。だから日本を離れるのは非常に辛いことでした。その最後の経験を取材してくれて、テレビの人たちはとても良い仕事をしてくれたと思います」と語った。

シャノン・カップさん

• シャノン・カップさんは2006年から2008年まで滋賀県愛知川町の中学で英語を教えた。
• 大学で日本文化と仏教を学んでいたカップさんは日本行きに興味を持っていた。「本で読む日本と、実際に住んでみる日本は大いに違うと思いました。だから本当の日本を見てみたいと思ったんです」とJETプログラムへ参加の動機を話す。プログラムに申し込みを済ませたカップさんは、戦う僧侶がいた延暦寺のある滋賀県を希望していたという。
• 英語を教えるに当たり350人の生徒により興味を持たせるため、「英語はアングロ・サクソンの言語であるだけではなく様々な国で話されている国際語であり、皆さんが外国に行くつもりがなくても他の国々のことを理解するツールなんですよ」と教えた。

• 休みの日には自転車に乗り、周辺の寺を訪ねた。「一つのお寺から10分自転車に乗れば、他のお寺に着く。もう最高でした。私が世界で一番好きなお寺は石山寺です」と語った。夏場は琵琶湖に行き、ピクニックも楽しんだ。住まいもキッチンが広く、6畳が2間あり、駅からも近く、最高の場所だったという。

• シカゴを発って東京に着くと、初めての食事にたまたま牛丼とナットウを頼んでしまった。カップさんは「体験は勉強ですよね」と笑う。最初にナットウでつまずいたカップさんだが、日本食は大好物となった。コンビニで買えるおにぎりやコロッケを楽しんだカップさんは「ここではセブン・イレブンにお昼ご飯に行こうとは思わないでしょう。でもあちらでは普通のことですよね。それが食べられなくなって淋しいです」と語った。

• 帰国はカップさんにとって辛いことだった。「JETでは地元と人と仲良く、親密になるというのが一つあるでしょう。私も凄く親密な友達ができました。だから、ここに帰って来るとみんな英語を話すし、親密な友達がいる所からそんなに親しい友達がいない所に帰ってくるのは辛いことですね。慣れるまで大変でした」と話す。
• カップさんは帰国後大学院で学び、卒業後はシカゴ大学に採用された。現在は同大学内の学生進路推進部門のアシスタント・ディレクターを務めている。「JET同窓会のボランティアを積極的にやっています。この新年会が一番好きなんですよ」と語った


かるたを楽しむ参加者


正月の思い出「餅つき」も


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エヴァン・チアーズさん


シャノン・カップさん