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思い出を抱きしめて、補習校卒業式


• 近づく春を思わせる明るい日差しが降り注いだ2月28日、シカゴ双葉会日本語学校補習校の卒園式と卒業式が行われた。午前中に行われた幼稚部の卒園式では67人が卒園した。午後から行われた小学部・中学部・高等部の卒業式では、それぞれ48人、29人、4人が卒業した。
• 卒業式会場となった同校体育館には卒業生の家族がブリーチャーいっぱいに座り、入場してくる卒業生を拍手で迎えた。
• 厳粛な雰囲気の中で尾崎信幸校長から一人一人に卒業証書が授与され、生徒の表情は達成感に輝いていた。補習校の生徒は現地校に通い、級友が休んでいる土曜日に勉強する。このため、生徒のやる気と家族の応援がなければ継続が難しい。卒業証書の授与が終わると、尾崎校長は一日も休まず、遅刻もしなかった卒業生に皆勤賞を贈った。受賞者は、小学部:島村紗生、齊藤彩花、ジェスキー  笑茉、中学部:神麻風佳、島村莉於、森島陸。

• 尾崎校長は式辞で「現地校と補習校の両立を強い意思で成し遂げた」と卒業生を労い、「卒業は終着駅ではなく、新しい世界への始発駅でもある」と、二つのはなむけの言葉を贈った。
• 一つは夢を強く持って、日々努力を続けること。しかし、夢は持っているだけではいつまで経っても夢のまま。「夢を持つことで努力が生まれ、確かな成長が遂げられる。向かい風の時こそ高く上がる凧ののように、失敗や挫折を恐れず、夢の実現に積極果敢に挑戦して欲しい」と卒業生を鼓舞した。
• 二つ目は国際社会の架け橋になること。海外に進出したり外国人を採用する日本企業が増えており、グローバルな人材の育成が課題となっているが、卒業生は日々を日米社会で過ごし、グローバル人材として最も近いところにいる。「豊かな国際性を身につけた皆さんならば国際社会の様々な問題に正面から向き合い、輝かしい未来を築くことができるはず。国際社会に力強く羽ばたいて欲しい」と卒業生に未来を託した。

• 来賓の柳井啓子首席領事は、中学生の頃に国際社会で働いてみたいという夢を持ち米国に留学し、貧乏学生ではあったが夢を持ち続け、今は夢に近い仕事に就けたと思っていると自らの経験を語った。そして「夢の具体的な目標を持ち毎日少しずつ前進することで、挫折があっても夢を実現する日が必ずやって来る。シカゴで学んだことや経験したことを最大限に生かして、一歩ずつ前進して欲しい」と卒業生を励ました。

• 川合敏生シカゴ双葉会会長は「先輩や後輩の支えと協力があって卒業式を迎えることができたことをしっかりと心に留めて、感謝の気持ちを持ち続けて欲しい。現地校と補習校の宿題で大変だったが、この頑張りが皆さんを一回りも二回りも大きくし、これからの力になる。目標達成のためには、いつも元気でいること、積極的に対話すること、何事にも最善を尽くすことが基本。補習校での経験と培った友情を支えに、3つを基本としていろいろな事にチャレンジして欲しい」と卒業生に言葉を贈った。

• 森辰也PTA会長は「充実感を感じるには一生懸命にやったということが必要不可欠。宿題や部屋の掃除もただやるだけでなく、一生懸命にやること。それがやがて大きな自信に繋がる。いつか社会へ出た時に困難を乗り越えられるかどうかは、どれだけ自信があるかにかかっている。現地校と補習校を両立させた皆さんは一生懸命にやって来た。これからも充実感を持ち、自信を積み上げていって欲しい」と卒業生を激励した。

• 送辞で中学部2年の大谷祥之君は数々の補習校の行事の楽しさを語り、「クラスのみんなが協力し合う、一つのことを作り上げるという行事は、現地校にはない。高等部になったら自分も先輩のようになって、みんなが一つになる力を発揮したい」と話し、「先輩が築いてくれた校風と精神を受け継いでいくと誓います」と述べた。

• 米国で生まれ、幼稚部から13年間補習校に通った高等部3年の奥田葉月さんは、答辞で楽しかった補習校の土曜日の日々を振り返った。反抗期もあったが、高等部になると大人として扱われ、自由を与えられる代わりに責任もあることを学んだ。生徒会長にも立候補し、全校の取り組みにも挑戦した。
• アメリカ生まれのアメリカ育ちだが「日本に行きたい。日本に住んでみたい。日本の大学に行かないと一生後悔する」という思いに駆られ、日本の大学を受験することに決めた。そして、「日本で英語の教師になって、生活に根付いた英語を教えたい。また、自分の意見をしっかりと言える、リスクをとっても挑戦する勇気、アメリカで教わった大切なことを伝えて行きたい」と語った。

• 最後に高等部の卒業生4人が全員で、ピアノ、クラリネット、フルート、ヴォーカルを担当し、卒業ソング「YELL いきものがかり」の素晴らしい演奏と歌を聴かせた。

• 中学部を卒業した山本しゅん君の父親、山本啓資さんは「お疲れさまと言ってあげたいですね。苦労した分、逆に返ってきますから羨ましいですね。僕らみたいに英語で苦労しなくていいですから」と話す。

• 山本さんは米国に16年余り。しゅん君は米国生まれの米国育ち。
• 外では英語だが家では日本語で話すという。

• 補習校は中学まで。山本さんは「やりたいことがあるんだったらそっちへ行ってもいいが、ないんだったら補習校にと言っていたんですが、他にやりたいことがあるみたいですね」と語った。

• 小学部を卒業した藤木利一郎君の父親、藤木利幸さんは「あっという間に大きくなって卒業だと思うと・・・。 次も中学も高校もありますから。中学生の送辞や高校生の答辞は感動的でした。こういう補習校の場で成長して欲しいと願っています」と語った。

• 小学部を卒業した前田海君は昨年9月にニューヨークの補習校から転校して来た。母親の瑞恵さんは「こちらの方が運動会も卒業式も盛大で先生方のご指導も素晴らしく、いい経験ができて、最後の半年ぐらいですが、良かったと思います。これからは日本で普通の中学生活が始まるので、こちらで経験した現地校と補習校の生活は大変だったけれども、この先自分の強みになると思うので、忘れないで頑張りなさいと伝えようと思っています」と語った。

• 小学部を卒業した戸田祥大君は、去年の夏にロンドンから引っ越して来た。それまではロンドンで全日校に通っていた。母親の麻衣子さんは「初めての両立だったので、宿題などよく頑張ったねと声を掛けてあげたいですね。サッカークラブのチームに入っていたので最初の頃は大変でした。英語の壁もあったと思います。でもよく頑張っていました」と語った。戸田君は補習校で中学も続けていく。麻衣子さんは「ロンドンには3年ちょっといました。こちらで卒業できるかどうか微妙ですが、頑張ってくれると思います」と語っ


尾崎信幸校長から卒業証書を授与される卒業生


皆勤賞を受賞した卒業生。受賞者は、 小学部:島村紗生、
齊藤彩花、ジェスキー 笑茉、中学部:神麻風佳、島村莉於、森島陸。

全員でピアノ、クラリネット、フルート、ヴォーカルを担当し、卒業ソング
「YELL いきものがかり」を演奏する高等部の卒業生。