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三味線と和太鼓「新しい日本の響き」
伝統楽器でジャンルを越える
山口晃司&笛木良彦

• アメリカのロックンロール“ニルヴァーナ (Nirvana)”からギターのようなアルペジオがロマンチックな即興曲「晴れ渡る空、見上げればはるか」、もちろん津軽じょんがら節などの民謡まで、三味線界の若き獅子と呼ばれる山口晃司氏と和太鼓の笛木良彦氏によるコンサート「新しい日本の響き」が4月18日、シカゴ市にあるアライアンス・フランチャイズ・デ・シカゴで開催された。シカゴ日米協会の主催によるもの。

• 笑顔が清々しい山口氏は英語なしでも客席とのコミュニケーションには困らない。軽快な三味線さばきとウィッティなジェスチャーで客席の手拍子を誘い、乗りの良いエキサイティングなステージで観客を大いに楽しませた。
• このステージに欠かせないのは笛木氏の和太鼓。大小の和太鼓やシンバルをドラムセットのように並べ、長髪を風に揺らしながら小気味良い独特のリズムと太鼓サウンドで三味線と和太鼓の新しい音楽の世界に観客を惹き込んだ。

• 山口晃司氏は5歳の時から三味線師匠の祖母から三味線を習い、津軽三味線全国大会で優勝するなど多数の賞を受賞している。様々なミュージシャンとの共演や個人演奏活動のほか、作曲を手掛けるなど広範囲に亘って活動している。吉田兄弟の弟・吉田健一がプロデュースする津軽三味線ユニット「疾風」のメンバーとしても活躍している。

• 笛木良彦氏は幼少より琴や三味線などに触れ、15歳で和太鼓を始めた。名古屋のプロ和太鼓邦楽演奏集団「打歓人」の旗揚げに参加し、プロデビューした。作曲も手掛け、ソロ・コンサートのほか、ロックバンドのツアーにも参加、谷村新司、五木ひろしなどとも競演している。ジョージタウン大学に特別講師として招聘されるなど、世界中に和太鼓の魅力を伝えている。

伝統楽器で新しい音楽を伝えたい
山口晃司氏インタビュー

• Q:演奏曲がロックっぽいですね。

• 山口:僕はロックが大好きなので、ロックっぽいペースでやっています。従来の日本の音楽だけには留まらないモダンな感じにと思ってやっています。

• Q:おばあさんが三味線のお師匠さんなのだそうですね。

• 山口:伝統的な古典芸能という形で教えてもらっていました。12歳の時に津軽三味線を経験して、そこからいろんな形でやっていくようになって。
• 本格的にやり出したのは20歳を超えてからですけど、津軽三味線と言うだけではないんですよ。ジャンルレス。三味線と言う楽器を使って、いろいろ表現できたらいいなと言う思いです。三味線は自分の音楽を作るツールですね。

• Q:どんな音楽を聴いてきたのですか?

• 山口:小学生の時に当時日本で流行り出していたミックスチャー・ロックにはまりました。ヒップホップとロックを混ぜたり、いろんな形のロックが流行って来ていたんです。
• 小学校6年の時にラルク・アン・シエル(L'Arc-en-Ciel)が凄く好きになって、他のロックもいっぱい聴いてという感じですね。

• Q:作曲のイメージはどんな時に湧いてくるのですか?

• 山口:僕の場合はフレーズフレーズが浮かんできて、そのフレーズを組み合わせたり、そこから展開したりすることが多いですね。

• Q:新しい挑戦を、おばあさんはどう言われていますか?

• 山口:それに関しては何も言っていませんが、三味線を弾いて、いろんな形で活躍しているのを純粋に喜んでいるかなと思います。

• Q:十代の人達が憧れるのでは?

• 山口:三味線と言う音楽を知らない世代や、ちょっと知っていても面白くなさそうと思っている世代に対しては凄く受け入れられ易いですね。三味線が楽しかった、面白かった、カッコ良かったという風に言ってくれるので、それが何よりかなと思います。もちろん、若い世代だけではないですけど、そういう反応を一番望んでいます。

• Q:日本全国で教えているそうですね。

• 山口:はい、三味線教室をやっていますので。月1回行っている所もあれば、名古屋出身なので、その場合は生徒さんに自宅兼稽古部屋に来て頂いてお稽古をしています。

• Q:若い方が多いのですか?

• 山口:30代、40代の方が一番多くて、あとは60代、50代、10代の方々です。
• トラディショナルばかりではないですよ。洋楽、Jポップ、僕の曲を弾きたいなど本当に幅広いです。もちろん民謡を弾きたいという人もいます。

• Q:カナダで多く公演されていますが、いかかでした?

• 山口:カナダはとても楽しく思いました。やはり盛り上がり方が凄くストレートで柔軟性があって許容性があって。やはり日系の方々がいらっしゃると思うので、その人達のDNAに響くものがあるのではないでしょうか。
• やはり外国で(三味線を)鳴らしてみて皆さんのルーツに響くものがあるというのは、日本伝統芸能ならではですし、やっている醍醐味かなと思いますね。

• Q:笛木さんずっと一緒に?

• 山口:日本では機会があれば一緒にやるという感じです。
• 昔から互いに知っていて、4年前にイベントで再開しました。以来、演奏機会があれば一緒にやって来ました。

• Q:三味線と太鼓は音の大きさが違って、難しくありませんか?

• 山口:僕は基本的にマイクを使って音を拡声しているので、笛木さんの方がそういったバランスを見てやってくれているのかなと思います。
• 同じ楽器ではないので、僕がメロディを担当しているというと、笛木さんがリズムを担当しているという感じなので、音楽の基本的なベースラインに立ってみるとメロディとリズムが存在する楽器の組み合わせかなと思います。

• Q:地元に日本文化を伝える一方、地元の雰囲気を吸収することはありますか?

• 山口:そうですね。文化を吸収して帰って、日本で伝えられるといいなと思います。
• やはり僕が海外に来るというのは、僕たちのステージを通して日本の人達が外国の人達のフィードバックに気付く部分ってあると思うんですよ。海外からのフィードバックはいろんな形で僕達に入って来て、音楽にいろんな幅を見せることになると思うので、そういうのを大事にして行きたいと思います。

• Q:いつも和装ですが、衣装へのこだわりは?

• 山口:着物は型があって、それを基に作ってもらっています。今回の着物は自分達で揃えたものです。この着物は藍染めに色が入れてあって、夜桜みたいに見えるように染めてあるんですよ。
• 着物で演奏する、ここは譲れないところですね。トラディショナルな姿でやっているということが、たぶん新しいと思うんですよ。着物を着ている、日本の文化を背負っているという部分に関しては譲れないと思っていつもやっています。

• Q:最後に、好きな食べ物は?
• 山口:卵焼きです。

• Q:ありがとうございました。


山口晃司氏


笛木良彦氏