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秋のコンサート-ハープシコードと
ヴァイオリンの共演

• ハープシコーディストの平林朝子氏とヴァイオリニストの田辺恵美氏を迎え、「秋のコンサート」が9月27日、シカゴ市ノースサイドにあるバプティスト教会で開催された。同コンサートは新シカゴ日米会の主催、シカゴ双葉会日本語学校の協賛で、春と秋に行われている。
• 片山理恵・新シカゴ日米会会長は、平林氏が同コンサートのためだけにミネソタから足を運んでくれたと紹介、「夢のコンサートが実現した」と語った。
• 坂井正和全日校PTA会長は、双葉校ではアメリカ文化との交流に力を入れており、音楽コンサートなど文化イベントの支援をすることも交流の一環だと話し、特別ゲストを迎えてハープシコードの貴重なコンサートを聴くことができると語った。
• 来賓の中村真一郎在シカゴ領事は、平林氏と田辺氏を迎えて素晴らしいコンサートを聴く機会を作ってくれた新シカゴ日米会の労をねぎらった。

• コンサートはヴァイオリンとハープシコードのデュオ、フランツ・ビーバーのロザリー・ソナタNo.1で始まった。ビーバーは17世紀後半に多くのソナタを書いた人で、タイトルのAnnunciationはエンジェル・ガブリエラのアナウンスメントを表したもの。

• 続いてハープシコードのソロ、バッハのChromatic Fantasy BWV903、ヴァイオリンとハープシコードのデュオ、Archangelo Corelli作曲のLa Foliaが演奏された。

• ハープシコードはエバンストン在住の演奏家が「平林さんが演奏するのならば」と貸してくれたものだった。ハープシコードは1つの鍵盤に同じ音階で音の大きさが異なる3本の弦が張られている。室温や湿度で音が変わるため、調弦が難しいという。
• 曲の合間には田辺氏がバロックと通常のバイオリンの違いや、演奏曲について説明してくれた。

• 後半は平林氏作曲のSonatina for Violin and Harpsichordで始まった。同曲は平林氏がヴァイオリンとハープシコードのために書いた曲で、後にハープシコードのソロ用に書き直したものがコンクールで優勝した。楽譜でハープシコードのパートはコードのみしか書かれておらず、演奏家が即興で演奏することが多いという。平林氏は多くを作曲し、コンクールで一位を獲得している。
• 最後の曲「ストリート・ミュージック」はヴァイオリンとハープシコードのデュオで、平林氏がスペインを旅した時に聞いた多くのストリート・ミュージックに触発されて作曲したものだという。

• 秋のコンサートは、夏から秋に移る9月の寂しさを癒やすように聴衆の心に響いた。

• プロフィール
■ 平林朝子
• 作曲家&ハープシコーディスト。自作の曲をハープシコードで演奏したCDをアルバニー・レーベルからリリースし、ミネアポリス・スター・トリビューンにより2010年のクラシックCDのベスト5に選ばれた。
• カーネギー・ホールでデビューし、ハープシコーディストとして国際的な舞台で活躍している。また、ジュリアード音楽院のダイヤモンド奨学金やマックナイト・フェローシップ賞など多くの助成金や賞を受賞している。
• 作曲家としては、エイリノア国際ハープシコード作曲家コンクールやNHK国際作曲コンクールなどで数回に亘って優勝している。ジュリアード音楽院で博士号を取得しており、国際的に活躍している。初めてのオペラ作品「雪女」は今年初上演された。
• 愛知学泉大学やIchimura College、ジュリアード音楽院で教鞭を執る傍ら、日本・米国・ヨーロッパでレクチャー・リサイタルを開いている。また、全米音楽教師協会の生徒の作曲コンクールの審査員も務めている。

■ 田辺恵美
• 3歳でバイオリンを始め、6歳で鈴木鎮一氏のマスター・クラスを取ることを許される。
• 1995年に渡米し、イーストマン音楽学校、ノース・テキサス大学、ルースベルト大学音楽院にて学士号・修士号、オーケストラ学位を取得する。
• クラシックはもとより、ジャズ、ポップ、ロックと幅広いバイオリニストとして知られ、ロックシンガーのロッド・スチュワートやハリウッドスターのジョン・マコーヴィッチなどとも共演している。
• 現在はバロック・オーケストラのアポロズ・ファイヤーのメンバーとして活躍し、ロンドンのBBCプロムやマサチューセッツのタングルウッドなどのコンサートでデビューしている。また、ポップ系のカバーガールズ・ヴァイオリン・ショーやドン・ケイジョン・オーケストラのメンバーとして活躍し、ブルースバンドやラテンバンド、ジャズグループともしばしば演奏している。更に、イリノイ州ライルのベネディクティン大学で非常勤教授を務めている。