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福島第一原発事故から4年
子供達の甲状腺ガンの多発を懸念-
坪井牧師

• 福島の子ども達を被爆から護ろうと活動を続けている特定非営利活動法人「FUKUSHIMAいのちの水」の代表理事で、世界宣教センターの坪井永人牧師がシカゴを訪れ、10月2日にシカゴ・ジャパニーズ・ミッション・チャーチSBCで記者会見を開いた。福島県では今年の「県民健康調査」調査により、6月までに138人の児童が甲状腺ガンを発症したことが分かった。チェルノブイリでは1986年の原発事故から4年経過後に子ども達に甲状腺ガンが多発したことから、福島の子ども達の被爆の影響が懸念されている。坪井氏は福島の現状を国際世論に訴えたいと渡米した。

• チェルノブイリは旧ソ連、現在のウクライナにある。NHKがウクライナで児童の調査を実施し、2013年8月にドキュメンタリーが放映された。それによると健康な子どもは22%、78%が慢性病を持っている。病気は甲状腺ガン、免疫不全、心臓病、脳血管症などだった。

• 福島県では2014年末までに113人の子どもが甲状腺ガンを発症していることが分かり、その内の97人が甲状腺摘出手術を受けた。命に別状はないが甲状腺はホルモンバランスを司り、成長ホルモンを分泌する。チェルノブイリでは成長障害、老化、ホルモン異常による様々な病気の発症が報告されていると坪井氏は語る。
• 一方、日本政府は、福島県の児童の甲状腺ガンの発症については、現段階では放射能による影響とは考えにくいという見解を現在も維持している。

• 福島県では第一原発事故後、20㎞圏内の住民が避難した。その後、50㎞圏内にある空中線量3.8マイクロシーベルト/時の飯館村の避難が2011年8月に決まり、これが避難の最後となった。強制避難の対象となったのは、政府基準の年間被曝量20ミリシーベルトを超える地域。
• 坪井氏は「逆に言うと年間被爆量20ミリシーベルト以下のところに200万人が残された」という。このうち子どもの数は約20万人。「日本政府が危険だと言わないから(住民は)不安を感じつつ出産し、子どもを育て続けてきた」と語る。

• チェルノブイリでは被害者のための「チェルノブイリ法」ができている。同法によると、
• 空中線量0.58-0.6マイクロシーベルト/時:年間5ミリシーベルトを超えるため避難。
• 空中線量0.23-0.58マイクロシーベルト/時:年間被爆量が1ミリシーベルトから5ミリシーベルトの地区に住む子どもは医療費が無料で、綿密な調査が継続される。
• 空中線量0.1マイクロシーベルト/時:避難の権利がある。
• 避難の費用や医療費は国家で補償されている。

• 因みに福島県郡山市の空中線量は0.2-0.3マイクロシーベルト/時で年間被爆量は5ミリシーベルトを超える所がある。このレベルはチェルノブイリでは強制避難の対象となっている。
• 空中線量0.2-0.3マイクロシーベルト/時は、レントゲン室や原発施設内と同じレベル。このレベルの中で約20万人の子ども達が生活している。


• チェルノブイリでは0.23マイクロシーベルト/時以下の地区に住む子ども達を自然放射能にある保養所に送り、被爆量を半減させている。
• 5歳までの子どもであれば1週間から10日で半減する。12歳から15歳では3週間で半減する。
• 年間被爆量5ミリシーベルトでも70年生きると350ミリシーベルトとなる。被害者の反対運動により、チェルノブイリ法は350を70ミリシーベルトに下げた。保養所で半減することで、70ミリシーベルトに押さえる方法をとっている。

• 坪井氏は日本政府もチェルノブイリと同じ施策を取るべきだと訴える。
• 福島第一原発事故から4年目に入り、甲状腺ガンが多発する時期に来ている。坪井氏は「何としても早期に子ども達を助ける対策をやらなければならない」述べ、民間で実施する決意を固めた。

• 対策は2つ。内部被曝による放射性物質の蓄積を抑えることと、保養地による被爆量半減。

• 内部被爆を抑える

• 第一原発から60㎞離れている郡山市の線量が高いところでは0.5-0.6マイクロシーベルト/時で、チェルノブイリ法では強制避難レベルに当たる。除染も行われているが、0.23マイクロシーベルト/時以下には下がらない。外部被曝には晒されるが、内部被曝から子どもを護るため、安全な水と食料を無料提供する。
• 坪井氏の団体では2011年5月から現在まで、500ml入りのミネラルウォーターを300万本配布している。毎月1,800人の子ども達が水をもらいにやってくる。20万人の子どもの数からすれば焼け石に水だが、「やらざるを得ない」と坪井氏は語る。

• 水の他に大切なものは食糧。長く生きる子ども達には福島県外の食糧を食べさせたいと、賞味期限が迫っている食品や売れ残った食品を提供してもらっている。PTAでは学校給食の食材を福島県外に求めようとする運動が起きたが、「子どもが食べないと風評被害が収まらない」という県の主導で、地元の食材を使った給食となった。

• 保養地による被爆半減

• 郡山市から20㎞のところにある猪苗代湖の南側が自然放射能地域であることが分かった。ここに宿泊設備のあるキャンプ場を作り、数千人単位で子ども達を循環させ、被曝量を半減させる。坪井氏は「そうすれば年間70ミリシーベルト以下にすることができ、ウクライナの状況にはならないだろう」と語る。

• 子どもを保養地に送る一方、気を付けなければならないことは家族の生活を壊さないこと。親が職場から通うことができる場所が重要となる。
• 保養施設というネガティブなイメージよりもキャンプ場にして、子ども達が自然と触れ合うことができるように考慮している。宿泊や食事は無料で提供し、インターネットで教育を受けられるようにする。

• 筒井氏の元の職業は都市計画などのデヴェローパー。だから施設作りはお手の物だと語る。バスを買い取って改造し、モービルハウスにして散在させる。下水もくみ取り式にすればインフラ設備はできる。地元と行政が了解さえすれば、1,000人から2,000人の子ども達を保養させることができるという。
• 2020年までに20億円を集め、できるだけ早く着手したいという。ファンドレイジングは主に「イリノイ・バプティスト基金」を通じて行う。
• 「子どもを助けることは、人間の力でも、国の力でも、今の医学の力でもできない。こんな理不尽なことはない。私は子どもの夢になって、残りの人生を生きようと思った」と坪井氏は語った。
• イリノイ・バプティスト基金への連絡はDOUG.MORROW@BAPTISTFOUNDATIONIL.OFG。


坪井永人牧師