日本語メインに戻る
Sono’s Journey スターへの道


• 1893年のコロンビア博終了後、日米友好のためにシカゴに寄贈された鳳凰殿が、また一つのストーリーを産み出している。鳳凰殿は時に良好、時に反目する日米関係を繁栄させながらも、シカゴ市によって保存されていた。
• その鳳凰殿と周辺の日本庭園やティーハウスを管理していたジョージ・オオサト氏の長女「園(ソノ)」の生き様がソドス・ダンス・シカゴによって描き出されようとしている。
• 14歳でバレリーナとして有名バレエ団に採用されたソノは、第二次世界大戦中に堂々とブロードウェイで主役を演じ、人種偏見や差別の壁を乗り越えた。

• ソノは現在96歳で健在。そのソノをシカゴに迎えて、2016年1月9日に「Sono’s Journey」がオーディトリアム・シアターで上演される。これは園の人生をダンスで芸術的に表現するもので、パントマイムやナレーションを含めて分かり易くストーリーが表現される。今でも人種偏見や差別は微妙な形で存在する。第二次世界大戦時には、そのような偏見や差別が普通に存在していた。12万人の日系アメリカ人が強制収容された時代に、そびえ立つ社会の壁にソノはどの様に立ち向かったのだろうか。ソドス・ダンス・シカゴはそのレジェンドをどの様に表現するのだろうか。

ソノ・オオサト

• ソノは1919年8月29日、日本人のショージ・オオサト氏とアイリッシュ・フランス-カナダ系のフランシス・フィッツパトリックさんの間に生まれた。父はオマハでカメラマンとして地元の新聞社で働いていた。両親はオマハで出会い恋に落ち、ネブラスカは異人種間の結婚を禁じていたため、アイオワで結婚した。
• オオサト一家は1925年にシカゴに移った。ソノの踊りの才能に気付いていた両親はバレエを習わせていた。ソノは1934年にシカゴに興業に来ていた「バレエ・ルース・デ・モンテ・カルロ」のオーディションをオーディトリアム・シアターで受け、即日採用された。ソノが14歳の時だった。
• こうしてソノは家族を離れ、一流のバレエ団の中で育つことになった。

• ソノの両親は1936年、シカゴ市のジャクソンパークにある日本庭園でティー・ガーデンを開き話題を呼んだ。コロンビア博後にシカゴ市に日米友好の徴として寄贈された鳳凰殿や周辺の日本庭園、1933年の時に建てられたティー・ハウスの管理をシカゴ市から委託されていた。
• しかし、1941年12月7日に日本帝国軍による真珠湾攻撃が起きると、すぐにオオサト氏はFBIに逮捕され、シカゴ市南部に強制収容された。半年後に釈放されたが米国政府の監視下にあり、シカゴ市を離れることはできなかった。

ソノの成長とチャレンジ

• バレエ・ルースで熟達したソノは1940年に独立し、バレエ・シアター(現在のアメリカン・バレエ・シアター)と共に活動するようになった。美しく成長したソノは日本人との混血のエキゾチックなダンサーとして熱狂的な人気を博していた。しかし、真珠湾攻撃後は日系であることが大きな障害となった。ソノはバレエ・シアターとの興業で、行き先を制限された。またメキシコ興業にも同行することはできなかった。

• しかし、ソノはバレエ・シアターと共にブロードウェイに移り、1943年秋に「One Touch of Venus」で主役の「プレミア・ダンサー」を演じ絶賛を浴びた。そして1944年12月に封切られた「On the Town」ではアイビー・スミスというbeauty queen役を演じ、スターとなった。
• 第二次世界大戦中、12万人の日系人が強制収容された時期に、日系のソノがスターになるのは異例のことだった。また、有色人種には道が閉ざされていた映画やミュージカル業界で、日系のソノの成功はブロードウェイの歴史をも変える出来事だった。
• ソノの偉業にはソノの一流バレエ団出身というステイタスの高さや技術の熟達、格調高いバレエから民衆を引き込むミュージカルを確立させたいというブロードウェイの動きとのマッチングがあったかも知れない。
• 後年、ソノはダンスを学ぶ人々のために「the Sono Osato Scholarship Program in Graduate Studies at Career Transition For Dancers」という奨学金を設立している。

• 敵国となった日本の血を引くソノが、なぜスターになることができたのか。ソドス・ダンス・シカゴの創始者で美術ディレクターのメリサ・ソドス氏はソノの異例の成功について「それはソノの情熱。彼女はとてもしっかりしていた人で、情熱が彼女の原動力だったんです。彼女は凄く能力のある人で、一生懸命にやる人でした。14歳の時からすべてを見て学んで来た、とてもインテリジェントな人です。私は実際にソノと話してそう思いました。世間を見ることと創造的な環境が彼女の先生だったんです」と語る。

ソノとの出会い

• ソドス・ダンスは以前にコロンビア博をテーマにしたダンス「ホワイト・シティ」を上演したことがある。そのことからプロジェクト120のプレジデントのロバート・カー氏との出会いがあり、Sono’s Journeyをダンスで舞台化する発端となった。カー氏はプロジェクト120で、かつて鳳凰殿が存在していた一帯をフェニックス・ガーデンとして蘇らせ、ジャクソン・パーク全体を復活させる仕事に既に着手している。鳳凰殿に絡む歴史にも詳しいカー氏はソノについても知っていた。

• かくして、ソドス氏やカー氏の一団はノース・キャロライナに住むソノを訪ねた。
• ソドス氏とソノは会うなり、ダンスについて3時間も話し続けた。ソノは過去の仕事の詳細に至るまでよく覚えており、詳しく話してくれた。その内容はどの本にも書かれていない経験談やソノの仕事に対する思いだった。
• 「ソノの人生はモニュメンタル、歴史的価値のある不朽なものです。彼女は信じられないほど多くの障害にチャレンジして来たんです」とソドス氏は語る。

• ソドス氏はSono’s Journeyを進めるため、少なくとも月に1回はソノを訪ねた。その度に新しい話をしてくれるという。また、ソノは人を良く受け入れ、非常に謙虚な人だという。
• ソノは96歳になるが、表情豊かで創造的で、手の動き一つにも優雅さがあるとソドス氏は話す。

Sono’s Journey

• ソノの人生を45分のダンスで表すことは大変な仕事だったとソドス氏は語る。どの部分を取り上げるかについては多くの決断が必要だったが、ショーはすべて、ソノから直接聞いた実話を表現しているという。

• おそらくブロードウェイの成功は一つの山場になるだろう。第二次世界大戦で戦況が米国側に好転しつつあったとは言え、日系人に対する嫌悪感は依然として強かった。ソノはステージに出る前に日系アメリカ人であることを非常に心配していたという。しかし「ブロードウェイのみにおいては、芸術の世界のみにおいては、人生を、世界を乗り越えることができる。私はスターになれる。日系アメリカ人でも能力があれば一般のアメリカ女性のように受け入れられる」と話したという。

• 一方、ソノは家族を大事にする人でもあった。1940年代に結婚し2人の息子を育てた。ソノの弟のティモシーは1943年に18歳で442部隊に志願し、ヨーロッパの激戦地で戦った。
• ソドス氏は「ソノは芸術の事だけでなく、自分の実家のことも、自分の家庭のことも大切にして来ました。とてもバランスが取れた人なんです」と語った。

• また、ソドス氏はソノをテーマに取り上げたことについて、「ジャクソンパークや日本庭園の復活プロジェクトの大きなアンブレラの一つとして、そこに縁のあるソノのストーリーを取り上げるのはとても自然なことです。そして日米関係を育て続けるために、こうしたダンスでソノのストーリーを人々の心と目の前に表すことになります。とても特別なことだと思います」と語った。

Performance information

Sono’s Journeyの初公開は1月9日。ソノも体調が良ければシカゴを訪れる予定。

• Sono’s Journey by Thodos Dance Chicago
• Jan/9 (Sat) at 7:30 pm
• Location: Auditorium Theatre
• 50 E. Congress Pkwy, Chicago
• Tickets: $28-$68
• Online: AuditriumTheatre.org
• Phone: 312-341-2300
• Theatre’s Box Office

• Feb/20 (Sat) at 7:30 pm
• Location: North Shore Center for the Performing Arts
• 9501 Skokie Blvd, Skokie, IL
• Tickets: $28-$50
• Online: NorthShoreCenter.org
• Phone: 847-673-6300

• Mar/5 at 7:30 pm
• Location: Harris Theater for Music and Dance
• 205 E. Randolph St., Chicago
• Tickets: $15-$65
• 40% off for students and seniors
• Online: harristheaterchicago.org
• Phone: 312-334-7777

• Chicago Revealed post show VIP Gala
• Mar/5 at 9:30 pm following the Harris concert
• Location: Pritzker Pavilion, glass enclosed stage
• Tickets: $275 or $500 including pre-show cocktails, concert tickets, VIP seating, open bar, hors d’oeuvres, dancing, dessert and coffee stations.
• Online: thodosdancechicago.org
• Phone: 312-266-6255


Sono(右)とメリサ・ソドス氏


現役時代のソノ


現役時代のソノ