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Retro is New in Japan
ネイパービルで日本紹介イベント

• ネイバービルで日本文化を紹介するイベント「Retro is New in Japan」が2月12日、ネイパービル・ウーメンズ・クラブで開催された。
• 同イベントはネイパービル在住の泉元子氏が主催したもので、着物着付け専門家の孫かほるさんやノース・セントラル大学の松原氏、ベネディクティン大学の生徒ら、同地域在住の日本女性らの協力で行われた。

• 泉氏は「ネイパービルに日本人はたくさんいますが、大人のレベルで日本文化や日本の素晴らしいアートを紹介している人があまりいないように感じ、自分でできることはないか、日本のことを中心に紹介する機会があったらと、このイベントを思いつきました」と語る。
• 長年会社勤めをしていた泉さんは、殆ど自分のコミュニティを振り返ったことはなかった。会社を退職後、ネイパービルのダウンタウンにギャラリー「Artezanato Studio Craft Gallery」を昨年8月に開き、日本の工芸デザイン商品やブラジル民芸品など、現代の生活の中で使える世界の伝統工芸品を集めて展示販売している。
• 大学でポルトガル語を専攻した泉さんは、ポルトガルやブラジルなどの文化にも親しんだ。その言語能力を生かし、ポルトガル語やスペイン語を話す人々にアクセスし日本文化を紹介する一方、彼らの文化を日本側へ紹介する機会を作って行きたいという。

• 12日のイベントでは、京都のショーウィンドウを彷彿させるような小物やアクセサリー、装飾品、陶磁器やグラス、帯や着物などが展示された。
• また、合気道協会による合気道実演や、小原流生花による生花の実演、抹茶のサービスなどが行われた。ご飯や海苔、ふりかけなどをもらい、自分でおにぎりを作って食べる楽しみもあった。この他折り紙教室やサイレント・オークションも行われた。

• 同イベントの特別ゲストとして、京都府認定の伝統工芸氏、京石灯篭職人・斎田隆朗氏と手描友禅職人・眞鍋沙智氏が京都から訪れ、地元の人々と交流した。2人は京都職人工房という団体のメンバーで、シカゴ地域やニューヨーク視察のために自費で訪米した。京都職人工房は、泉氏の作品展示に協力している京都リサーチパークの外郭団体で、その縁からネイバービルのイベントに参加した。

• 京石灯篭職人・斎田隆朗氏

• 斎田氏は京都府亀岡市にある斎田石材店の五代目。灯篭を始め、石造彫刻、石材施工、墓石など、石材一式を扱っている。灯篭は古い寺にある代表的な形の灯篭の他、創作的なものも作っている。同イベントでは灯篭の一部かと思えるようなワインクーラーを展示していた。
• 灯篭作りに入って17年。一番難しいところは細かい所が割れないようにする工程だという。大きい灯篭だと1ヶ月半から2ヶ月ほどかかる。新米の頃には完成間近になって一部が割れてしまったことが何度かあったと話す。
• 灯篭を注文して来るのは造園会社が殆どで、個人で頼みに来る人も時々ある。灯篭職人はもう殆どいなくなり、残っているのは2、3軒ほどで、そこですべての灯篭を作っているのだという。

• 斎田石材店のウェブサイトwww.saidasekizai.comを見ると、創業明治35年となっている。実はこれには訳があった。
• 京都と大阪を結ぶ池田街道に妙見山という大きなお寺がある。昔国道がない頃に、丹波国から妙見山に行く妙見道という道があった。その道中に鳥居や灯篭などが道しるべのように、あちこちに置かれていた。その内のいくつかを作ったのが斎田氏の先祖だった。高さ5メートルほどの大鳥居には明治35年と彫り込んであり、その年が斎田石材店の創業年となっている。
• 斎田氏は「妙見山からそんなに大きな鳥居を作って欲しいと依頼があったというのは名誉な事なので、それが記録として残っている。もっと古くからやっていたとは思うんですが、それ以前のことは(記録がないので)謳えないので」と語った。

• 斎田氏は眞鍋氏と共にロックフォードにあるアンダーソン・ガーデンを訪れた。アンダーソン氏とも会い、8月に開催されるジャパンデーで灯篭や着物を紹介する話がまとまった。「みんなを引き連れて来ますよ」と斎田氏は語った。

• 手描友禅職人・眞鍋沙智氏

• 眞鍋氏は手描友禅の道に入って今年で10年目。大学時代は西洋デッサンなどを勉強していたが、友禅に惹かれて師匠に弟子入りした。「一番は色彩が美しいことと、緻密な絵柄を生地に表現しやすく、絵を描くのと同じことが生地の上でできるので、とてもいいなと思って」とその理由を語る。
• 現在は自分の工房を持ち、客と一対一で話し合いながらデザインをイメージしていく。「何度もヒヤリングを重ねて、お客様の気に入るものに近づいていくように、それを繰り返しています」という。この他、デパートや店などに出展することもある。友禅は全部手描きで、自分の手で染める。図案から仕立てまで、2ヶ月半ぐらいはかかるという。
• 今までの作品の中で売りたくないものもある。そういったものはアーカイブとして残してある。作品は同氏のウェブサイトwww.manabesachi.comで見ることができる。

• 眞鍋氏は、米国訪問に参加した理由を「お客様が一度友禅を作れば、すぐに再注文が来るわけではないですから、マーケットが小さく先が読めません。後継者も育たない。産業としての状況が良くないので、どういう風にして行こうかと商品開発をしたり、このようなイベントで展示させてもらったりしています。今回はそのようなことで参加させて頂いています」と語った。

• ネイパービルの泉元子氏のギャラリーは:
• Artezanato Studio Craft Gallery
• 231 S. Washington St. Suite 105
• Naperville, IL 60540
• Website: http://artezanatostudio.com





京石灯篭職人・斎田隆朗氏

手描友禅職人・眞鍋沙智氏