日米交流を次世代に繋ぐ「かけはし・プロジェクト」
呉工業高校がウッィットニー・ヤング高校を訪問
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 次世代の日米交流促進を目指す「かけはし・プロジェクト」を通じ、広島県の呉工業高等専門学校の生徒20 人が3月24 日、ウィットニー・ヤング・マグネット高校を訪れ、同校生徒との交流を深めた。シカゴ市内にあるウィットニー・ヤング高校は、ミッシェル・オバマ夫人の母校としても知られている。
 同校のジョイス・ケナー校長によると、同校と呉工業はパートナー関係を築こうとしており、毎年の交流プログラムが可能になると言う。
 今回の呉工業の訪問に先立ちウィットニーの生徒が昨年7月に呉工業を訪れ、生徒との交流の他、呉市内でホームステイをするなど、日本の生活を経験した。
 ウィットニーでは日本を訪問した生徒らが日本語と英語で呉工業の生徒らを歓迎し、寿司とピザが振る舞われた。同レセプションには柳井啓子在シカゴ首席領事やシカゴ教育委員会のメンバーらも出席した。

 ウィットニーの生徒は22 日に行われた日本語弁論大会で、ヒラリー・ファムさんが第二部で一位に、アラナ・ブルジョワさんが2位に選ばれた。ファムさんのトピックは「かけはしの意味」で、同レセプションで「かけはし・プロジェクトは将来のための投資。場所と言葉のバリアーを越えて、日本とアメリカの友情をずっと良くして、お互いの友情の絆を強くするための投資です」と弁論大会でのスピーチを披露した。
 また、ウィットニー・ヤング・オーケストラが素晴らしい曲を2曲演奏し、呉工業の生徒を歓迎した。

 歓迎を受けた呉工業の生徒は4つのグループに分かれ、それぞれ日本食、広島と呉の歴史と観光スポット案内、日本の伝統技術「巧」とカラクリ人形、日本のサブカルチャー「カワイイ」についてプレゼンテーションを行った。

 プレゼンテーションはジョークやアクションを加え、聴衆の興味を惹き付ける工夫が至る所に施されていた。
 日本食紹介では、かつお節で出汁を取るシーンを小劇で表現し、試食も行われた。
 歴史と観光案内では、空海や平清盛に因む寺院の紹介や、美しい写真をふんだんに使った宮島や厳島神社の紹介も行われた。
 日本の伝統技術「巧」では、心柱を使った五重塔やスカイツリーの耐震技術を、実験のビデオを使って説明した。また、江戸時代に開発されたカラクリ人形の技術が、現在のロボット、エンジン、製造ラインなどに生かされていることを紹介した。
カワイイ・カルチャーでは、キャラクター、ロリータ・ファッション、シンガー、しぐさなどが説明された。生徒がピカチューに早変わりするなど、聴衆をあっと言わせる工夫も盛り込まれていた。
 呉工業の生徒の一人、前本将志君は高校1年生。昨年の夏休みに「世界を知る」というプロジェクトで中国の大連を訪問した。その後にかけはし・プロジェクトを知り、もっと世界を知ってみたいと思い、かけはし・プロジェクトに応募した。 前本君によると、同プロジェクトに約80 人の応募があり、第一選考の作文で40 人が選ばれた。さらに英語を交えた面接があり、今回の20 人が選ばれた。
 呉工業高等専門学校には建築課、環境都市工学課、電気課、機械課があり、前本君は建築課を取っている。将来は建築課になりたいと語った。

 呉工業の生徒のプレゼンテーションや英語を指導した準教授の上杉裕子学術博士によると、生徒達は3月に入ってからほぼ毎日練習を重ねて来た。
 上杉氏は「プレゼンの時に使う表現や、人に聞かせる英語の発音など、彼らは慣れていないので大変でしたが、段々上手になって、自分達で工夫もして来ています。人に伝えようと言う気持ちが出て来て、人の目を見て大きな声で話すことの大事さを実感していると思います」と語った。
 上杉氏は高校卒業後23 歳まで一旦社会に出て働いたが、勉強したいと大学に戻った。アメリカ文学を専攻し、アリゾナ州立大学に1年留学。帰国後は更に6年勉強し、修士号と博士号を修めた。
 「日本の英語の教科書は暗記などがメインになってきているので、英語を使うことがどれだけ大事かと言うことは、経験を通じて感じるものだと思います。そういう経験を生徒に是非させたいと思っています。生の体験を通して生徒らに英語を学び取ってもらいたいと思っています」と語った。

 同校環境都市工学課の加納誠二準教授によると、生徒達はシアトルに4泊し、ルーズベルト高校や現地コミュニティでプレゼンテーションを行い、非常に喜ばれた。シカゴの後はアトランタに移動するという。
 加納準教授はかつて大学にいた。その研究交流で生徒を連れ、タイや中国に行ったという。個人的には台湾やオーストラリアなども訪問している。
 今回の生徒のプレゼンテーションでは、プレゼンテーションがどんなものかという事から教えながら内容を作らせ、それを英語に直させたという。
 「友達を作るということはいろいろな意味があって、ワールドワイドで必要であることを生徒達に伝えています」と語った。