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東北を忘れないために:
写真展「絆3:Unbroken Circle」

東日本大震災から3年目となった3月、復興が続く東北を忘れまいと、写真展「絆3:Unbroken Circle」が11日から21日までシカゴ市のデイリープラザで開催された。展示された写真は3部から構成され、地震と津波によるダメージと再建への希望、JETプログラム同窓会やかけはしプロジェクトを通したシカゴ地区の人々と被災地の人々の交流、被災者女性グループ「Yarn Alive」によるフィリピンの台風被災者支援などを描き出している。写真展のタイトル「Unbroken Circle」は、継続的な支援と東北の人々との繋がりを表している。
 同写真展は、シカゴ国際姉妹都市大阪委員会のチェア野毛洋子氏が中心となり、在シカゴ総領事館、シカゴ日米協会、シカゴ日本商工会議所、JETRO、ロヨラ大学のジェイムズ・チェン氏、クイン州知事、エマニュエルシカゴ市長の協力で開催されている。

 3月11日には写真展のオープニング・レセプションが行われ、パット・クイン州知事は3月11日をイリノイ州の「日本の地震を記念する日」と発表した。また、ラーム・エマニュエル・シカゴ市長も同日を「日本の津波を記念する日」と発表した。
 レセプションは復興の活力を思わせるような司太鼓の演奏で始まり、司会のレロイ・アララ氏(シカゴ国際姉妹都市エグゼクティブ・ディレクター)の率先により犠牲者のための黙祷が行われた。また、エミリー・エリス・トゥキーさんによる「さくら」をアレンジした美しいハープ演奏が行われた。

 シカゴ日米協会のプレジデント、ビンデナジェル氏は2つの国の人々の結びつきを深めなければならないと述べ、被災地の人々の繁栄のために復興支援の継続が必要だと述べた。シカゴ日米協会では数々のイベントを通して義捐金を集め、赤十字を通じて寄付を続けている。また、次世代の日米友好促進のため、高校生や大学生が日米を訪問し合う「かけはしプロジェクト」の支援をしている。
 ビンデナジェル氏は「これらの事は個人的にもグループとしてもできること。皆さんにも日米関係や東北の被災地のための支援を続けるために参加して頂きたい」と呼び掛けた。

 ロビン・ゲイブル州下院議員は写真展を見て青年の交流プログラムやフィリピンの台風被災者のために毛布を編む女性グループの姿に感銘を受けたと述べた。
 また、日本はイリノイ州最大の貿易国の一つであり、顕著な海外投資国の一つだと述べた。ゲイブル氏によると、イリノイ州で日本人オーナーによる企業410社が運営されており、53,725人を雇用している。2012年にはイリノイ州から機械部品など21億ドルを日本へ輸出した。

 吉田雅治在シカゴ総領事は、シカゴの人々が東日本大震災を忘れず、被災地の人々を心配してくれるこの写真展は特別だと述べ、震災後即座に救援の手を差し伸べてくれた米国、イリノイ州、シカゴ地区の人々に感謝の気持ちを表した。
 また、アベノミクスで国内需要が安定し、新たな楽観的ムードに包まれ、日本はフルスピードで復活していると話し、新しい東北作りのために尽力していると述べた。そして、「この写真展は東北の復興努力を見せる、新しい日米のコネクションを通した将来への希望を見せる『窓』だ」と語った。
 日米青年の交流を深める「かけはしプロジェクト」で、今までに2万人を越える日本と米国の青年達が互いの国を訪問し合っている。

 レセプションではかけはしプロジェクトで日本を訪問したウィットニーM.ヤング・マグネット高校のアダム・アダチ君とエリック・ヤマネ君が日本の伝統文化の背景を直接経験した感動を語った。2人は東京や広島を訪問し、広島では3日間のホームステイを通じ、日本の生活を直に経験した。また、広島の高校も訪れ、生徒達と交流を深めた。生徒は英語の勉強を触発され、3月末にはシカゴを訪れて2人と再会することになっている。

 JET同窓会のレスリー・ジュリアン氏は、宮城県の大郷高校で震災前年まで英語を教えていた。2011年3月の卒業式に招待され、出席したその日に震災が起きた。
 ジュリアンさんは何度も宮城県に戻り、支援を続けた。そして、JET同窓会の仲間と共にドキュメンタリー映画「東北トモ」を制作した。多くの非営利団体の人々が被災地復興支援に当たるコミットメントと、東北の人々との友情を描いている。同ドキュメンタリー映画は3月12日にシカゴ市のプラネタリウムで初公開された。ジュリアン氏は「違いを作った人々が、これからも違いを作り続ける」と述べ、今後もいろいろな機会に上映したいと語った。

 震災の衝撃が風化する中で3回目の写真展実施に尽力した野毛洋子氏は、写真には多くのボランティアの人々の姿があり、東北の被災地からフィリピンの台風被害者を支援しようという多くの前向きな姿が描かれていると述べた。また、「人を思う心は不屈であり人間の義務でもある。シカゴ在住の日本人として、共催者が一つになり、風化して行く東日本大震災を忘れないために、何かをしなければならない」と語った

 デイリープラザでの写真展は21日で終了したが、6月7日と8日に行われる日本祭りで再度展示される。今年の日本祭りはフォーレスト・ヴュー・エデュケーショナル・センターで開催される。