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更新:8月22日

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リオ閉幕、五輪旗東京へ
17日間の熱戦終わる
日本勢、晴れやかに
首相登場、異例の演出

• 第31回夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会は21日、リオデジャネイロ市のマラカナン競技場で閉会式が行われ、17日間の熱戦に幕を下ろした。次回2020年大会は56年ぶり2度目となる東京での開催で、引き継ぎ式では五輪旗が東京都の小池百合子知事に手渡された。
• 五輪旗はリオ市のエドゥアルド・パエス市長から国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長を経て、着物姿の小池知事に渡った。東京を紹介する約8分間のアトラクションでは、会場に日の丸が浮かび「ありがとう」のメッセージが描かれた。安倍晋三首相が人気ゲームのキャラクターに扮して登場する異例の演出もあった。
• 南米初開催のスポーツの祭典で、日本選手団は金メダル数で3大会ぶりに2桁となる12個を獲得。メダル総数も史上最多の41個となった。閉会式の旗手は開会式に続き、陸上十種競技の右代啓祐(30)=スズキ浜松AC=が務めた。
• 雨の中、主将でレスリング女子53キロ級銀メダルの吉田沙保里(33)や陸上男子400メートルリレーで2位に入った桐生祥秀(20)=東洋大=ら選手たちはリズミカルな音楽に乗って晴れやかな表情で競技場を歩いた。
• バッハ会長が「素晴らしい五輪だった。素晴らしい都市だ」と大会を評価。閉会を宣言し、聖火が消された。
• 大会は28競技の306種目が行われ、新採用のラグビー7人制の男子でフィジーが同国初の金メダルを手にするなど、五輪の世界的広がりに寄与した。ブラジル国内では多大な財政支出に反対デモが多発した一方、サッカー男子やバレーボール男子で金メダルに輝き、地元に熱気が広がった。
• 日本は金メダル数の国別ランキングで6位に躍進したが、4年後の東京五輪で目指す世界3位、金20~33個の目標にはまだ遠い。大会成功に不可欠な日本選手の活躍のためには世代交代を推進し、国を挙げた強化の充実が一層求められる。


古代壁画から現代美術まで
文化継承たたえる演出

• 21日のリオデジャネイロ五輪閉会式はブラジルの文化、芸術、それを連綿と育む人間をたたえる内容だった。先史時代の洞窟壁画までさかのぼったかと思えば現代美術が現れる。ブラジル人が創造的で絶え間なく革新し続けていく人々であると再認識させることを、演出チームは狙った。
• まず描き出されたのはリオデジャネイロの景観。ダンサーが人文字のようにキリスト像やポン・ジ・アスーカルと呼ばれる丘などリオを象徴する風景を作り上げて、その美しさを表現した。
• サンバ歌手マルチーニョ・ダ・ビラ氏は娘や孫娘らと名曲「カリニョーゾ」を披露。3世代の競演は、文化が世代を超えて引き継がれていくことを象徴した。
• 北東部ピアウイ州の世界遺産セラ・ダ・カピバラ国立公園の洞窟壁画に描かれた動物たちが動きだす。先住民の芸術からインスピレーションを得て幾何学模様を形作るパフォーマンス。現代の文化が過去とつながっていることを示した。
• ポルトガルの植民地時代に持ち込まれ、舞踏と共に紹介されたレース編みもブラジル北東部に根付いた伝統工芸として今に引き継がれている。粘土で作られた人形に音楽が命を吹き込み、踊りだす様子は、芸術と音楽の力を表現した。
• 聖火が消えた後、マラカナン競技場の中央に巨大な樹木が現れた。開会式でアスリートらが植えた「種」が長い年月をかけてはぐくまれたことを示したのか。その周りで繰り広げられるカーニバル。紛れもなくリオ五輪の終幕にふさわしい演出だった。


LGBT選手、過去最高に
多様性うたったリオ五輪

• 欧米メディアによると、リオデジャネイロ五輪は性的少数者(LGBT)の参加者数が過去最高となった。米CNNテレビは人権団体の調べとして、今回は少なくとも41人が出場し、23人だった2012年ロンドン五輪を超えたと報じた。
• 「多様性」を認め合うことをうたったリオ五輪を象徴するかのように、身体と心の性が異なるトランスジェンダーで世界的に活躍するスーパーモデル、リア・Tさんが5日の開会式に参加した。
• 8日にはラグビー7人制女子の会場で、大会関係者のブラジル人女性(28)がブラジル代表の女子選手(25)に公開プロポーズしたことも話題となった。
• 14年ソチ冬季五輪を巡り、ロシアの同性愛者への差別的な政策が国際的な批判を受けたため、国際オリンピック委員会(IOC)がLGBTの権利保護に力を入れてきたことがこうした流れの背景にある。
• IOCはリオ五輪でさらに、トランスジェンダー選手の性別変更に関する基準を緩和。性的適合手術を受けなくても出場を認めた。
• 大会前には2人のトランスジェンダー選手の参加が一部で報じられたが、大会組織委員会は「プライバシーに関わる」として人数や国籍、競技種目を明らかにしていない。


夢舞台「次は私たち」
東京五輪、20年へつなぐ

• 日本が史上最多のメダルを獲得したリオデジャネイロ五輪が21日(日本時間22日午前)に閉幕した。「自分が表彰台に」。数々の逆転劇に刺激を受けた若手選手たちは、2020年東京五輪に向けて気持ちを高ぶらせる。1964年東京大会の選手たちにとっても、心待ちにする夢の舞台だ。
▽ 覚悟
• 20年大会で追加される新種目の一つ、空手。染谷香予選手(25)は、柔道女子57キロ級の松本薫選手(28)の闘いに見入った。大学の先輩でもある松本選手は準決勝で敗れ連覇を逃したが、気持ちを切り替え、3位決定戦で勝利し銅メダルを獲得した。
• 染谷選手は国際大会で優勝を重ねる実力者。それでも「4年後まで一日一日を全力で過ごす生活を続けられるのか」と不安だった。
• しかし、以前から交流があり、尊敬する松本選手が懸命に闘う姿を見た今、決意は固まった。「出場して多くの人に感動してもらえるような試合をしたい」
• 選手はどうモチベーションを維持したらいいのか。64年大会では、大松博文監督の猛練習を耐え抜いたバレーボール女子が金メダルを獲得。「東洋の魔女」と呼ばれた。
• メンバーの一人、千葉(旧姓松村)勝美さん(72)は「練習で苦しい思いをすることが最後の力になる場合もある。メダルを狙うなら覚悟することも必要」とアドバイスしている。
▽ 重圧
• スポーツクライミングも、20年大会の追加種目の一つ。フリークライマーの楢崎智亜選手(20)も、リオでの日本勢の躍進に刺激を受けた。3歳上の兄の影響で小学4年から始め、今季はワールドカップのボルダリングで優勝するまでに成長。
• 2年に1度の世界選手権が最も大きな大会だったが、縁がないと思っていた五輪へのチャンスが巡ってきた。「金メダルを取ってこの楽しい競技を普及させるきっかけにしたい」と抱負を語る。
• しかし、金メダルは簡単ではない。64年大会の重量挙げで、三宅義信さん(76)は「金メダル確実」との周囲からの重圧に負けず、当時の世界新記録を出し優勝した。「他国開催の五輪とはプレッシャーがまったく違う。プレッシャーを力に変えられる選手と、そうでない選手に分かれることを知ってほしい」
▽ 再び
• リオ五輪は「テレビにかじりついて応援した」という千葉さん。「前回出場できて、56年後にも東京で五輪があるなんて夢のよう。新種目も採用されるのでぜひ見たい」と待ち焦がれる。
• 三宅さんは、若い選手に「勝ち負けだけでなく楽しんでほしい。そして日本の素晴らしさを伝えてほしい」と望む。
• 4年後。東京五輪で、どんなドラマを目の当たりにできるのだろう。


吉田選手も笑顔で満喫
仲間と最後のイベント

• リオデジャネイロ市のマラカナン競技場で開かれた閉会式には、銀メダルに涙を流した日本選手団主将の吉田沙保里選手(33)がレスリング女子のメンバーと一緒に笑顔で最初に入場、記念撮影などをして雰囲気を満喫していた。
• 降りしきる雨の中、赤いジャージーの上にかっぱをまとった選手たち。吉田選手は土性沙羅選手(21)らに担ぎ上げられ写真を撮るなどリラックスした様子で、「30年間やってきたレスリングを全て出し切ることができた。負ける悔しさも経験でき、貴重な五輪になった」とコメントした。土性選手は「東京五輪で2連覇に向けて頑張りたい」と決意を新たにした。
• 選手らはみんな、手に持った日の丸とブラジル国旗を観客席に向けて盛んに振った。陸上男子400メートルリレーの仲間と歩いたケンブリッジ飛鳥選手(23)は「このメンバーで銀メダルを取れてうれしい。競い合ってこられて本当に良かった」。
• バドミントン女子ダブルスで金メダルの高橋礼華選手(26)、松友美佐紀選手(24)の「タカマツ」ペアも笑顔。高橋選手は「最後まで諦めない姿勢を見せられた」と胸を張った。バレーボールの木村沙織選手(30)も仲間と談笑して楽しんだ。
• 4連覇を達成した伊調馨選手(32)は「自分の求めるレスリングとは程遠いものだったが、金メダルを獲得できたのはたくさんの方のサポートや応援があったから」と感謝。日本選手団とは別に、海外の選手らと手をつないで登場し、はにかんだ。

五輪テロ抑え込む
「不審物」に神経とがらせ

• リオデジャネイロ五輪は世界各地でイスラム過激派のテロが続発する中で開催された。厳戒の中、治安当局が「不審物」を片っ端から爆破するなど神経をとがらせた大会は21日、テロを抑え込んだまま成功裏に閉幕を迎えようとしている。
• 「最初は治安などで大きな懸念があった。しかし開会式以来、われわれが目撃しているのはリオデジャネイロの絶対的な平穏だ」。テメル大統領代行(副大統領)は18日、五輪公園で記者団を前に胸を張った。関係者が巻き込まれる一般犯罪は起きたが、テロはなく安堵の表情を見せた。
• ブラジル政府は2013年のローマ法王訪問や14年のサッカーのワールドカップ(W杯)開催などを例に、リオ五輪での治安維持にも強い自信を示していた。脅威が高まったのは4月。過激派組織「イスラム国」(IS)と関係があるフランス人がツイッターに「ブラジルよ、おまえたちが次の標的だ」との書き込みをしていたことが発覚してからだ。
• 6月には、IS関係者がスマートフォンの通信アプリで、ブラジルの公用語ポルトガル語でメッセージをやりとりしていたことも判明した。
• 連邦警察は7月、インターネット上で銃の購入について話すなど五輪期間中のテロを計画していたとして10人以上を拘束。8月にはレバノン系などイスラム教徒が多いパラグアイ、アルゼンチンとの国境地帯で監視を強化した。
• 競技場などでは「不審物」が見つかるたびに爆発物処理班が出動。五輪公園の男子バスケットボールの会場や、各テレビ局などが拠点とする国際放送センターのトイレでも爆破処理が行われた。
• 「不審物」はどれも衣類の入ったリュックサックなどで、爆弾が見つかることはなかった。爆破の際は入場規制が行われるなど大会運営に影響も出たが「安全な雰囲気を醸成するために必要な措置だった」(19歳の男子学生)などと好意的な声が目立った。


「象徴的、記憶に残る」
IOC会長が総括会見

• 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長はリオデジャネイロ五輪の閉会式前日の20日、メインプレスセンターで大会を総括する記者会見を行い、南米初開催となった五輪について「象徴的な、記憶に残る大会になった。厳しい社会問題を抱える中でもスポーツを通して連帯と結束の力を示した」と評価した。
• バッハ会長は陸上男子のウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)や競泳男子のマイケル・フェルプス選手(米国)らとともに、4連覇を果たしたレスリング女子の伊調馨選手(ALSOK)に言及し「格闘技を知っていればいかに大変なことか分かると思う」と称賛。4年後の東京五輪に向け「どこかの模倣ではなく、東京らしい素晴らしい大会を開催してほしい」と望んだ。
• リオ五輪はロシアのドーピング問題や運営の不備、治安問題で揺れたが、同会長は「現実に直面しながら、情熱に満ちたブラジル国民が対応した。前向きに捉えたい」と述べた。
• 今大会中は競技会場に銃弾が飛び込んだり、IOC理事が入場券不正転売関与の疑いで拘束されたりと、トラブルが続いた。


ブラジルが初優勝
サッカー男子本記

• 男子の決勝は過去に銀メダル3度、銅メダル2度の開催国ブラジルがドイツと1―1のまま延長を終え、PK戦を5―4で制して初優勝を果たした。3位決定戦はナイジェリアがホンジュラスを3―2で退け、銅メダルを獲得した。
• ブラジルは前半にネイマールが直接FKを決めて先制したが、今大会初失点を喫して追い付かれた。後蹴りのPK戦は相手の5人目が失敗し、直後にネイマールが成功させた。


「聖火台」
エース決めブラジル「金」
マラカナンで歓喜

• 目の前に迫った悲願の金メダル、地元の大歓声…。さまざまな重圧をはね返し、最後はエースが決めた。サッカー男子決勝で1―1のままもつれ込んだPK戦。後蹴りのブラジルは4―4で5人目のネイマールに出番が回った。GKをじらすように動作を遅らせて蹴り込む。ゴールに吸い込まれると、約6万4千人で埋まったマラカナン競技場で歓喜が爆発した。
• 栄冠を手繰り寄せた背番号10はその場に倒れ伏せ、むせび泣いた。「この金メダルがどれほど大きな意味を持つか分かっていた」。ワールドカップ(W杯)で最多5度の優勝を誇る「王国」が、4度目の挑戦でついに五輪の頂上対決を制した。
• 大声援に後押しされ、前半は攻め込んだ。26分、ネイマールが約25メートルの直接FKを鮮やかに決め先制。だが3日前の準決勝で日中の炎天下を走り回った選手たちは急に運動量が落ち、後半14分に今大会初失点を喫した。その後は攻め込んでドイツゴールに迫ったが詰めが甘く、頼みのネイマールも足がつってボールを追い切れなくなった。
• それでも集中力は切らさず、PK戦は1人も外さなかった。相手の5人目をGKウェベルトンが止め、エースにつないだ。ミカレ監督は「ネイマールはブラジルサッカーの象徴だが、この金メダルは全員でつかみ取った」と誇った。
• 自国開催のW杯は66年前に「マラカナンの悲劇」と呼ばれる敗戦を味わって優勝を逃し、一昨年には準決勝でドイツに1―7の大敗を喫した。今年の南米選手権は1次リーグで敗退した。ずたずたにされたプライドを、年代別の代表が取り戻し、ブラジルにとって五輪1大会最多となる6個目の金メダルをもたらした。黄色と緑のチームカラーに染まったスタンドに「世界王者!  私はブラジル人で、それが誇りだ!」の大合唱が響いた。


ネイマールが主将辞退
サッカーから

• 〇…サッカー男子でブラジルに初の金メダルをもたらしたネイマールは、6月に就任したフル代表のチチ新監督から主将を打診されたが辞退したことを明らかにした。「話し合って、もうやりたくないと伝えた」と述べた。
• ネイマールは自国開催で4位に終わった一昨年のワールドカップ(W杯)後に就任したドゥンガ前監督の下で主将を務めた。


ブラジル、史上最多メダル
サッカーから

• 〇…開催国ブラジルはサッカー男子の優勝で6個目の金メダルを獲得し、2004年アテネ大会の5個を上回って史上最多とした。18個となったメダル総数でも前回ロンドン大会の17個を上回って過去最多となった。


「お家芸」の金に歓喜
市民ら「五輪で団結」

• サッカー男子決勝が行われた20日、リオデジャネイロ市中心部・港湾地区のパブリックビューイング会場にはブラジル代表の黄色いユニホームを着た大勢の市民が駆け付け、熱狂的な声援を送った。ブラジルがPK戦を制し「お家芸」での金メダル獲得を決めると、観客らは手にしたビールを空中にまき散らし、喜びは最高潮に達した。
• 会社員のアリウソン・ペナさん(41)は「いい試合だった。とても苦しかったけれど、最後に笑う展開はブラジル人(の生き方)そのもの」。看護師のロベルト・ワギネルさん(29)も「感動的だった。五輪で国民が団結した」と振り返った。
• ブラジル国民にとってはサッカーが常に関心の的だが、今回の五輪で「射撃やアーチェリーの魅力を初めて知った」との声も。特に柔道女子でファベーラ(スラム街)出身のラファエラ・シルバ選手が金メダルを獲得したことに感動したと話す人は多い。
• 消防士のウェリントン・パウリノさん(42)は「ブラジルが五輪を開催する力があると世界に示せて良かった。サッカー男子も優勝して言うことなし」と笑顔を見せた。


やり投げ新井は11位
陸上本記

• 男子やり投げ決勝で、新井涼平(スズキ浜松AC)は79メートル47にとどまり11位だった。レーラー(ドイツ)が90メートル30で優勝した。
• 男子5000メートルはファラー(英国)が13分3秒30で1万メートルとの2種目制覇。5000メートル、1万メートルの2大会連続2冠はビレン(フィンランド)以来で40年ぶり2人目。同1500メートルはセントロウィッツが3分50秒00で米国勢108年ぶりの金メダルに輝いた。
• 女子800メートルはセメンヤ(南アフリカ)が1分55秒28で優勝。同走り高跳びはベイティア(スペイン)が1メートル97で制した。
• 1600メートルリレーは男女とも米国が制覇。男子は2分57秒30で2大会ぶり、女子は3分19秒06で6連覇を果たした。


米国圧勝、6連覇
バスケットボール本記

• 女子決勝で米国が101―72でスペインに圧勝し、6連覇を達成した。「銀」のスペインは、1976年モントリオール大会での女子採用以来初のメダル獲得となった。
• 米国は第1クオーターこそ21―17と競り合いにされたが、第2クオーター以降は攻守に圧倒。WNBAフェニックス・マーキュリーで活躍する34歳のトーラジが3点シュート5本を含む17点を挙げるなど、5人が2桁得点。51本のリバウンドを奪ってゴール下を支配し、リードを広げた。
• 3位決定戦はセルビアが70―63で前回2位のフランスを破り、旧ユーゴスラビア時代の88年ソウル大会「銀」以来7大会ぶりの表彰台。


団体日本、5位で決勝へ
新体操本記

• 団体予選で日本(杉本、松原、畠山、横田、熨斗谷)は、リボンが17・416点、フープ・クラブは17・733点の合計35・149点で5位につけ、2大会連続での決勝進出となった。
• 2015年世界選手権3位のスペインが35・749点で首位、5連覇を狙うロシアは2位で通過した。上位8チームによる決勝に予選の得点は持ち越さない。
• 個人総合決勝では、マムンがただ一人4種目すべてで19点台を出し、合計76・483点で優勝し、ロシア勢として5連覇を果たした。世界選手権3連覇中のクドゥリャフツェワ(ロシア)は銀メダル、リザディノワ(ウクライナ)が3位に入った。


中国、3大会ぶり3度目V
バレーボール本記

• 女子の決勝は中国が3―1でセルビアに逆転勝ちし、2004年アテネ大会以来3大会ぶり3度目の優勝を決めた。セルビアは初制覇を逃した。
• 中国はエース朱〓(女ヘンに亭)が強力なスパイクで25得点。守備でもブロックとレシーブの関係が良く、相手アタッカーを効果的に封じた。セルビアは主砲ミハイロビッチの調子が上がらず、攻めがボシュコビッチ頼みになった。3位決定戦は米国が3―1でオランダを下して銅メダルを獲得した。米国は3大会連続の表彰台。


男子単は諶龍が金メダル
バドミントン本記

• 男子シングルスが行われ、決勝で世界選手権2連覇中の諶龍(中国)が世界ランキング1位のリー・チョンウェイ(マレーシア)に2―0で勝ち、初の五輪王者に輝いた。中国勢は3大会続けて金メダルを獲得し、リーは3大会連続で銀メダルに終わった。
• 3位決定戦でアクセルセン(デンマーク)が2008年北京、12年ロンドン両五輪金メダリストの林丹(中国)を2―1で破り、銅メダルを手にした。


リレー銀メダルに笑み
表彰式で日本の4選手

• リオデジャネイロ五輪の陸上男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した山県亮太(24)=セイコーホールディングス、飯塚翔太(25)=ミズノ、桐生祥秀(20)=東洋大、ケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=の4選手が20日、五輪スタジアムでの表彰式に臨んだ。五輪の陸上男子トラック種目で最高成績となる歴史的なメダルを胸に、誇らしげに笑みを浮かべた。
• 4選手はやや緊張した表情で表彰台に上がったが、メダルを首にかけられると表情が緩んだ。金メダルに輝いたジャマイカのウサイン・ボルト選手らと記念撮影にも納まった。


リレーバトン、日本に贈呈
陸連が事前に依頼

• 陸上男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した日本がつないだ緑のバトンが、記念として日本陸連に贈られることが20日、分かった。
• バトンは運営側が管理し、レース後に係員が回収する。日本陸連によると日本が予選を突破した時点で、決勝で使うバトンを持ち帰れるように国際陸連に依頼し、大会組織委員会の厚意で贈呈されることになった。
• 2008年北京五輪の400メートルリレーではアンカーの朝原宣治が銅メダル獲得に喜び、バトンを放り上げて「行方不明」になった。その後、中国側と交渉して譲り受けたものの、8年前の経験を踏まえて、今回は事前に「手配」したという。
• 北京のバトンは日本陸連事務局で管理されているが、今回については、詳細は未定という。


ロシア選手の銀、剥奪
ロンドン五輪の再検査で

• 国際オリンピック委員会(IOC)は20日、2012年ロンドン五輪のドーピング再検査で、陸上女子砲丸投げで2位だったエフゲニア・コロドコ選手(ロシア)が禁止物質に陽性反応を示したため、失格として銀メダルを剥奪すると発表した。筋肉増強作用のあるステロイドのデヒドロクロロメチルテストステロンと、成長ホルモンのイパモレリンに陽性反応が出た。
• IOCは最新の分析技術を用いて08年北京、12年ロンドン両五輪の検体を再検査し、違反者の処分を順次発表している。

8月20

日本400リレーで銀
山県、桐生らアジア新
レス樋口も2位
シンクロ、競歩荒井は銅

• リオデジャネイロ五輪第15日の19日、陸上男子400メートルリレー決勝で、山県亮太(24)=セイコーホールディングス、飯塚翔太(25)=ミズノ、桐生祥秀(20)=東洋大、ケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=の日本が37秒60のアジア新記録で銀メダルを獲得した。同種目で史上初のメダルだった2008年北京五輪の「銅」を上回った。
• ジャマイカが37秒27で3連覇し、アンカーのウサイン・ボルトは100メートル、200メートルと合わせ3大会連続3冠となった。
• 男子50キロ競歩では荒井広宙(28)=自衛隊=が銅メダルに輝いた。3着でゴールしながら他選手を妨害したとして一度は失格となったが、日本の抗議が認められた。
• レスリングの男子フリースタイル57キロ級で樋口黎(20)=日体大=が銀メダルを獲得した。決勝ではジョージアの選手に判定で屈した。74キロ級の高谷惣亮(27)=ALSOK=は3回戦でカザフスタン選手に敗れた。
• シンクロナイズドスイミングは、チームで日本がデュエットに続く銅メダルを手にした。
• 日本のメダルは金12、銀8、銅21の合計41個となり、前回ロンドン五輪の38個を抜いて史上最多となった。


400リレー日本は銀
陸上本記

• 男子400メートルリレー決勝は、山県亮太(セイコーホールディングス)飯塚翔太(ミズノ)桐生祥秀(東洋大)ケンブリッジ飛鳥(ドーム)の日本が37秒60で銀メダルを獲得した。メダル獲得は2008年北京大会の銅以来で2大会ぶり。日本は予選で出した37秒68の日本記録を更新した。ジャマイカが37秒27で優勝した。
• 男子50キロ競歩の荒井広宙(自衛隊)が3位に入り、日本の五輪競歩史上初となる銅メダルを獲得した。今大会の日本陸上メダル第1号。他選手を妨害したとして失格となったが、日本の抗議が認められた。谷井孝行(自衛隊)は14位、森岡紘一朗(富士通)は27位だった。優勝はマテイ・トート(スロバキア)。女子20キロ競歩の岡田久美子(ビックカメラ)は16位。
• 1600メートルリレー予選はウォルシュ・ジュリアン(東洋大)田村朋也(住友電工)北川貴理(順大)加藤修也(早大)が3分2秒95の1組7着で敗退した。
• 女子5000メートル決勝で、上原美幸(第一生命)は15分34秒97で15位。チェルイヨット(ケニア)が14分26秒17の五輪新記録で優勝した。


奥原、銅メダルを獲得
バドミントン本記

• 3種目が行われ、女子シングルスで奥原希望(日本ユニシス)はシングルスの日本勢初の表彰台となる銅メダル獲得が正式に決まった。3位決定戦で対戦予定だった2012年ロンドン五輪金メダリストの李雪〓<<草カンムリに訥のツクリ>>(中国)がけがで棄権したため、不戦勝となった。
• 決勝では2014年、15年の世界選手権女王で第1シードのマリン(スペイン)が第9シードのプサルラ(インド)に2―1で逆転勝ちし、金メダルを手にした。
• 男子シングルス準決勝で08年北京、12年ロンドン両五輪銀メダルのリー・チョンウェイ(マレーシア)が3連覇を狙った林丹(中国)に2―1で逆転勝ちし、〓<<言ベンに甚>>龍(中国)とともに20日の決勝に進んだ。


チームの日本が銅メダル
シンクロ本記

• 8人で演技するチームのフリールーティン(FR)で、日本(乾、三井、箱山、丸茂、中村、中牧、小俣、吉田)は95・4333点の3位となり、テクニカルルーティン(TR)との合計189・2056点で3位となった。日本のチームでの表彰台は3大会ぶり。今大会はデュエットと合わせて銅メダル2個を獲得した。
• TR、FRともに1位のロシアが合計196・1439点で5連覇。3・1598点差の2位に中国が続いた。日本のライバルと目されたウクライナは合計188・6080点で4位だった。


最強布陣で北京超え
桐生「最高な日になった」

• 陸上の男子400メートルリレーで日本の「史上最強」と称される4人が歴史的な銀メダルを獲得した。アンカーのケンブリッジ飛鳥(ドーム)がジャマイカのエース、ウサイン・ボルトに次いでゴールを駆け抜け、予選で樹立した日本新記録を0秒08更新。会心の走りで銅メダルに輝いた2008年北京五輪を超える快挙を成し遂げた。
• 第2走者で力走した飯塚翔太(ミズノ)は「信頼できるチーム。ミスをするということは一切考えなかった」とチームワークの良さを誇り、第3走者の桐生祥秀(東洋大)も「このメンバーで走れて本当に最高な日になった」と感慨に浸った。
• 「4継」の通称もあるこの種目は日本が世界に対抗できる種目の一つ。走力で劣る分を、バトンパスの精度を高めることでカバーし、五輪、世界選手権の決勝の常連に定着している。次走者の手のひらに下から押し込む「アンダーハンドパス」は今や日本のお家芸。アンカーの朝原宣治が3位に歓喜し、夜空にバトンを投げ上げた姿は、北京五輪の名場面となった。
• だが、近年は中国がアジア最強の座を日本から奪った。14年仁川アジア大会で37秒99を記録し、07年に日本が樹立したアジア記録の38秒03を破った。昨年の世界選手権北京大会では37秒92にまで縮め、銀メダルも獲得。日本の劣勢が続いた。
• 日本は走者が互いに腕を伸ばして距離を稼げるよう、アンダーハンドパスを独自に進化させ、昨年5月の世界リレー大会は38秒20で3位に食い込んだ。走力自体の底上げも進み、18日の予選では日本記録を0秒35更新する37秒68を出した。直前に中国が出した37秒82を上回って再びアジア最速の座を奪い返し、決勝でさらに37秒60に縮めた。
• 山県亮太(セイコーホールディングス)は「アンダーハンドの利点を生かしつつ、年を追うごとに改良を重ねていったことが精度につながっている」と説明する。緻密な取り組みを続ける日本が、世界最高峰の舞台で光を放った。


独自の大技で引き込む
「本当に幸せ」の銅

• チームFRの演技を終え、8人が手をつないで得点を待った。三井は「点数は見ていなくて、順位のところだけ見ていた」と固唾をのんで電光掲示板を見つめた。表示された数字は「3」。全員が跳びはね、抱き合い、涙する。この瞬間のため、過酷な練習に耐えてきた。主将として日本を背負った乾は「本当に幸せ」と泣き続けた。
• 見せ場の大技で、観客と審判員を引き込んだ。演技中盤。拍子木の音に合わせて中村が水面からゆっくりとせり上がる。7人がぐっと力を込めて支え、中村が倒立の姿勢でぴたりと止まると、会場は大歓声に包まれた。
• 6月まではゆっくり上がり、そのまま流れるように中村が背中の方へ倒れていた。しかし井村監督は「見せる映像をクリアにしようと思った」とこだわり、大会直前に静止する形に変更した。よりパワーが必要になる技をハードな筋力トレーニングで鍛えた選手たちが見事にこなした。
• 海外勢の派手で高いリフトやジャンプが目を引く空中技は、日本の弱点だった。井村監督は「跳び合いをしたら負ける。バラエティーで勝負」と工夫を凝らし、独自色と技術の高さを世界に示した。この日5度、空中技をミスなくこなした中村は「この五輪にシンクロ人生を懸けてきた。集中して、一発に懸けるという思いで跳べた」と誇らしげに語った。


メダルの行方、二転三転
荒井、うれしい銅メダル

• 日本競歩初の五輪メダルの行方は、レースでは頻繁に起こる接触の判定を巡って二転三転した。3着でゴールした荒井に対し、カナダ側が進路を妨害されたとして抗議。荒井は一度は失格となって現場は混乱した。
• 午前8時にレースがスタート。荒井は終始好位置に付け、終盤で表彰台を狙った。3番手を争っていたダンフィー(カナダ)を抜こうとした時、2人は肘のあたりが接触。荒井が抜き去る際に、ダンフィーがバランスを崩した。
• 荒井はここから好ペースを維持し、3着でゴール。「メダルを取れてうれしい」と表情を崩し、日の丸を掲げて喜んだ。この後、失格が通達されて、一気に状況は暗転。日本チームは抗議したが「駄目だったらどうしようかなとか(メダルを)取れたらどうしようとか右往左往した」と不安な時間が続いた。今村文男コーチは「『えっ、何で』というのが正直なところ」と困惑した。
• 最終的な決定は国際陸連の理事によって審議された。日本陸連関係者へのメールで、訴えが認められたことが伝えられると、吉報は女子20キロ競歩のコース沿いで応援していた荒井にすぐに知らされた。晴れて銅メダリストとなると両手を上げて喜び、周囲の拍手に丁寧に応えた。
• コース沿いで行われた、この日2度目の取材対応は終始和やかな雰囲気に包まれた。レース後、荒井がダンフィーと会うと「ごめんねと謝ってくれた。最後はハグをした」と明らかにした。意外な展開の末に記念すべきメダル獲得となった荒井は「(体が)当たらなければそれで済んだのですけれど。故意にはやっていない。お騒がせしてすみません」とうれしそうだった。


「聖火台」
樋口、完全燃焼の「銀」
効果的、日本の隠し玉

• 初めての五輪で、20歳の樋口が決勝まで勝ち進んだ。レスリング男子フリースタイル57キロ級であと一歩金メダルに届かなかった。だが、堂々とした闘いぶりに「悔しいが、自分の持てる最大の力は出し切った」と完全燃焼した様子だった。
• 世界選手権出場など国際的な実績はなく、日本の隠し玉だった。フリースタイルの和田貴広監督は「世界で知られていないことが、逆に効果的だった」と説明した。
• 強豪を次々と撃破し、決勝は昨年の世界選手権王者のキンチェガシビリと激闘を演じた。圧力をかけて相手の消極的姿勢で1点を先取し、第2ピリオドも早々にタックルを決めて3―0とリードしたが、今度は2点、1点と立て続けに失点した。そのままでは内容差で負けるために懸命に攻めたが、堅守で逃げ切られた。「あそこまで守られると、今の攻めでは超えられない」と勝敗を分けた小差を認めた。
• 4歳でレスリングを始めた。運動音痴で体も小さく、相手の攻撃を何度も受けたことが逆に幸いした。防御力を身につけ「相手の攻撃のタイミングや、どう動いてくるかが見えるようになった」という。その独特の感覚は、体力がついてからの攻撃に生きるようになった。和田監督が「入る間合いとタイミングは天才的」と評する片足タックルは、世界の強豪選手にもずばずばと決まった。
• 名前の黎は「新しい時代を切り開いていけるように」と黎明の「黎」からつけられた。鮮烈な五輪デビューを飾ったが、今後は研究される立場となる。日本伝統のフリースタイル最軽量級は国内の選手層も厚く、2020年東京五輪代表の座は安泰ではない。「この銀メダルを見て、悔しさを思い出す。東京五輪へのステップにしたい」と表情を引き締めた。


競泳池江選手、5位に
100バタ、上位の失格で

• スポーツ仲裁裁判所(CAS)が18日にリオデジャネイロ五輪の競泳女子100メートルバタフライで4位だった陳欣怡選手(中国)をドーピング違反で失格としたことにより、同種目6位だった池江璃花子選手(ルネサンス亀戸)の成績が5位に繰り上がった。
• CASによると、陳選手の検体を調べたところ、利尿作用のあるヒドロクロロチアジドに陽性反応を示した。これにより女子100メートルバタフライの成績が抹消された。

高橋・松友、バド初「金」
レスリング吉田、V4逃す
初出場の川井が優勝
ボルト、200メートル3連覇

• リオデジャネイロ五輪第14日の18日、バドミントンの女子ダブルス決勝で、世界ランキング1位の高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)組=日本ユニシス=がデンマークのペアに2―1で逆転勝ちし、同競技の日本勢で初の金メダルに輝いた。
• シングルスで日本勢初の4強入りを果たした女子の奥原希望(21)=日本ユニシス=は準決勝でインド選手に敗れ、3位決定戦に回ったが、相手の棄権で銅メダルが確定した。日本バドミントン協会が明らかにした。
• レスリングは女子53キロ級決勝で吉田沙保里(33)が米国選手に判定で敗れ、4連覇を逃した。13連覇中の世界選手権と合わせた連続世界一は16大会で途切れた。
• 63キロ級決勝は初出場の川井梨紗子(21)=至学館大=がベラルーシ選手に勝ち、日本勢は女子6階級中4階級を制した。
• 日本の金メダルは12個となった。メダル総数は銀6、奥原を含めない銅18を合わせ36個。
• 陸上の男子200メートル決勝はウサイン・ボルト(29)=ジャマイカ=が19秒78で制し、100メートルに続いて史上初の3連覇を達成した。男子400メートルリレー予選で日本は37秒68の日本新記録をマークし、全体の2位で決勝に進出した。
• セーリングで女子470級の吉田愛(35)、吉岡美帆(25)組=ベネッセ=は5位。飛び込みの女子高飛び込み決勝で板橋美波(16)=JSS宝塚=は8位だった。
• シンクロナイズドスイミングのチームは、日本がテクニカルルーティンで3位につけた。


吉田、4連覇逃し銀
川井、バドのダブルス金

• リオデジャネイロ五輪第14日(18日)レスリング女子は53キロ級の吉田沙保里が決勝で米国選手に判定で敗れて五輪4連覇を逃し、銀メダルだった。13連覇中の世界選手権を合わせた連続世界一の記録は16でストップ。
• 63キロ級は21歳の川井梨紗子(至学館大)が金メダルに輝いた。初出場の川井は決勝でベラルーシの選手に判定勝ち。日本は全6階級のうち4階級を制した。75キロ級の渡利璃穏(アイシンAW)は初戦の2回戦で敗退。
• バドミントンの女子ダブルス決勝は高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)がデンマークのペアを2―1で破り、バドミントンで日本初の金メダル。女子シングルスの奥原希望(日本ユニシス)は準決勝で敗れて、3位決定戦に回ったが、対戦する中国選手の棄権で銅メダルが確定した。日本バドミントン協会が明らかにした。
• 日本選手団のメダル数は金が12、銀が6、奥原を含めない銅が18の計36となった。
• 陸上は男子200メートル決勝で、世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が19秒78で制し、100メートルに続く史上初の3連覇を達成した。男子の400メートルリレー予選で、日本が全体の2番目となる37秒68の日本新記録で決勝に進出。十種競技は右代啓祐が20位、中村明彦(ともにスズキ浜松AC)が22位だった。
• 女子高飛び込みは16歳の板橋美波(JSS宝塚)が8位。セーリング女子470級は吉田愛、吉岡美帆組(ベネッセ)が5位。
• シンクロナイズドスイミングはチームのテクニカルルーティンを行い、日本は3位につけた。ゴルフ女子は第2ラウンドを終え、野村敏京は通算4アンダーで17位、大山志保は1アンダーで32位。


ボルト、200メートルも3連覇
陸上本記

• 男子200メートル決勝は世界記録保持者のボルト(ジャマイカ)が19秒78で制し、100メートルに続く史上初の3連覇を達成した。2位はデグラッセ(カナダ)、3位はルメートル(フランス)だった。
• 男子の400メートルリレー予選で、2大会ぶりのメダルを狙う2組の日本は山県亮太(セイコーホールディングス)飯塚翔太(ミズノ)桐生祥秀(東洋大)ケンブリッジ飛鳥(ドーム)で臨み、全体2番目のタイムとなる37秒68の日本新記録で決勝に進出した。従来の記録は2007年世界選手権で出した38秒03。日本は1組で中国がマークしたばかりの37秒82のアジア新記録も塗り替えた。
• 十種競技は日本記録保持者の右代啓祐が7952点で20位、中村明彦(ともにスズキ浜松AC)は7612点で22位。イートン(米国)が8893点の五輪タイ記録で2連覇を果たした。
• 男子砲丸投げはクルーザー(米国)が22メートル52の五輪新記録で制覇。女子やり投げはコラク(クロアチア)が66メートル18で制した。女子400メートル障害はムハンマドが53秒13で制し、同種目の米国選手初優勝となった。


最後は奇跡の5連続得点
タカマツ、逆転勝ちで金

• 日本バドミントン界の悲願の金メダルをつかみ取った。女子ダブルス世界ランキング1位の高橋、松友組が逆転勝ち。出だしからミスが続いた松友が狙われたが「とにかく自信を持って、自分たちらしいプレーをするだけ」と徐々に感覚を取り戻すと終盤は持ち味の巧みな前衛がさえ、高橋の強打を引き出した。
• 2人とも30代のベテランコンビとの対戦成績は7勝4敗で、2014年5月からは5連勝中。休養日だった前日には混合ダブルス8強の数野健太(日本ユニシス)ら男子選手の高速スマッシュを受け、183センチで左利きのリターユヒルと178センチのペデルセン対策に万全を期した。
• 女子シングルス準決勝で奥原がショッキングな敗戦を喫した直後に登場。日本のエースペアは平静を保って試合に入ったが、第1ゲームは相手の気合のこもった連続攻撃に16―16から引き離された。第2ゲームは大差で奪い返し、勝負の最終ゲーム。相手の粘り強い守備にも高橋がじれずに攻め、松友の思い切りの良さもかみ合い、最後は16―19から奇跡の5連続得点でけりをつけた。
• 藤井瑞希と垣岩令佳(再春館製薬所)のペアが銀メダルを獲得した前回のロンドン五輪。テレビ観戦した高橋は「悔しさがほとんどだった」。前年の11年に初の日本一に就いたが、世界ランキングが及ばずに出られなかった舞台だった。松友は「フジカキさんを見て、次は私たちが金を取ると決意した」。4年前に抱いた思いを発奮材料に変え、初めての五輪でフジカキを超えた。


奥原、金への道断たれる
失った持ち味「悔しい」

• 冷静に映る表情とは裏腹に、瞳は潤んでいた。身長156センチで世界と渡り合ってきた奥原は体格の不利を補う、持ち味のフットワークを失った。バドミントン女子シングルス準決勝で最後は11連続失点。「リズムを崩されてずるずるといってしまった。素直に悔しい」。金メダルへの道は断たれたが、3位決定戦の相手が棄権することになり、銅メダルが決まった。
• 179センチでリーチが長いプサルラの強打についていけず、緩急をまぜられると混乱に陥った。第2ゲームは長いラリーに持ち込んで0―3から5連続得点で逆転。体力で優位な奥原のペースになったかと思いきや、疲労で右にテーピングをした自身の脚が相手より先に止まった。「男子並みの速さ」(舛田コーチ)というショットを一気に浴び、競り合いは長く続かなかった。
• 16歳8カ月の史上最年少で2011年の全日本総合優勝を果たし、翌12年にはジュニアで世界一。順風満帆な競技人生は両膝の故障で暗転した。「もう復帰できないかも」。不安にさいなまれ、周囲に泣きついたこともある。
• 好きな言葉は克己心。「ぶれずに自分に打ち勝つ」と信じて復帰し、今年3月には伝統を誇る全英オープンを制した。苦難を乗り越え、新たな道を切り開いたエースだが、頂点には届かなかった。


室伏氏、IOC選手委落選
イシンバエワ選手が当選

• 国際オリンピック委員会(IOC)は18日、リオデジャネイロ五輪の開催中に行われた選手委員選挙の投票結果を発表し、陸上男子ハンマー投げで2004年アテネ五輪金メダルの室伏広治氏(41)が、全体で10番目の得票の1070票で落選した。ロシアの組織的なドーピングで陸上チームとして五輪参加を禁じられた女子棒高跳びの世界記録保持者、エレーナ・イシンバエワ選手(34)が4位の1365票で当選した。
• 選手委員会は五輪運営などに選手の意見を反映させるための組織。五輪参加選手による投票で選出される選手委員は、任期8年のIOC委員にも就任する。
• 改選枠4に23人が立候補し、フェンシング女子エペ個人で北京五輪金メダルのブリッタ・ハイデマンさん(ドイツ)がトップの1603票。卓球男子シングルスで04年アテネ五輪優勝の柳承敏氏(韓国)が2位の1544票、競泳男子平泳ぎでロンドン五輪優勝のダニエル・ジュルタ選手(ハンガリー)が3位の1469票で当選した。投票率は46%だった。
• イシンバエワ選手は「五輪の選手たちが私に(発言するための)声を与えてくれた。とても喜んでいる」と話した。
• 室伏氏は08年北京五輪で初めて立候補して落選。12年ロンドン五輪では1位当選者を上回る得票だったが、日本オリンピック委員会(JOC)の過剰な選挙活動が原因で選挙違反となり、当選無効となった。


金メダリスト強盗は作り話
ブラジル警察、訴追も検討

• リオデジャネイロ五輪競泳男子で金メダルに輝いた米国のリレーチームの選手4人が強盗被害を警察に通報したことについて、リオデジャネイロ州文民警察のベロゾ長官は18日、選手の1人が作り話だと認めたことを明らかにした。虚偽申告容疑などでの刑事訴追も検討されるという。
• 金メダリストの「強盗被害」はリオデジャネイロ市の治安の悪さを示す出来事として各国で報道されており、批判を受けそうだ。大会組織委員会のアンドラダ広報責任者は18日「若者たちは間違いを犯した。大目に見ましょう」と述べた。
• 4人のうち、ライアン・ロクテ選手は既に帰国。他の3人は出国を認められず、ブラジルにとどまっている。
• ロクテ選手らは14日早朝、リオ市南部で開かれたパーティーからタクシーで選手村に戻る途中、銃を持った警官を名乗る一団に襲われ、財布などを奪われたと訴えていた。
• ベロゾ氏の説明や地元メディアによると、実際にはトイレを利用するために立ち寄った西部バーラ地区のガソリンスタンドでトイレの扉などを壊し、警備員に銃を向けられる騒ぎになったという。
• ベロゾ氏は「理論的には虚偽申告と器物損壊の罪に問われる可能性がある」と語った。リオ市民に謝罪するべきだとの考えも示した。


キルギス選手のメダル剥奪
ドーピング違反、今大会初

• スポーツ仲裁裁判所(CAS)は18日、リオデジャネイロ五輪の重量挙げ男子69キロ級で銅メダルを獲得したイザット・アルティコフ選手(キルギス)がドーピング検査で興奮剤のストリキニーネに陽性反応を示したため失格とし、メダルを剥奪すると発表した。
• 今大会のメダリストでは初の違反。順位の繰り上げやメダルの再配分は今後実施される。この階級に日本選手は不出場。
• また、利尿作用のあるヒドロクロロチアジドに陽性反応が出た競泳女子100メートルバタフライ4位の陳欣怡選手(中国)、持久力を高める新型エリスロポエチン(EPO)「セラ」で陽性となった自転車ロードレースのクレベル・ラモス選手(ブラジル)も失格とした。
• ロイター通信によると、カヌー・スプリント男子カナディアンシングル1000メートルで銅メダルを獲得したセルゲイ・タルノブスキ選手(モルドバ)は大会前の検査で陽性反応が出たため、暫定資格停止となった。
• ロシアの組織的ドーピング問題を受け、国際オリンピック委員会(IOC)は透明性などを高めるため、陽性反応が出た選手の処分決定を今大会からCASに委託した。


「焦点」
弱気が招いたぶっつけ本番
吉田、何もできず完敗

• 涙が止まらなかった。五輪4連覇を逃した吉田は「この4年間、リオに向けて頑張ってきた。最後の最後に勝てなかった。金メダルがほしかった」と言葉を振り絞った。
• マルーリスとの決勝は序盤で1点を先取した。しかし、相手の圧力に苦しみ、タックルに入れない展開が続いた。第2ピリオドは相手の突進を投げようとしたところで逆に振られ、バックを取られて2失点。残り時間が1分を切ってからタックルで場外へ押し出され、さらに2点を失った。最後まで挽回できず、1―4で敗れた。
• ことしに入って初めての試合で、国際試合は13連覇を達成した昨年9月の世界選手権以来だった。2008年北京、12年ロンドン五輪の前はいずれも国際試合で敗れ、悔しさをばねに金メダルにつなげた。だが、今回は「もしも負けたら、立て直せないかもしれない」と弱気になった。
• ぶっつけ本番で臨んだ五輪だった。決勝は最後まで得意のタックルに入ることができなかった。相手の防御のうまさ以上に、一歩踏み込めなかった自分の弱さを悔やんだ。「気持ちで負けてしまった」と振り返った。
• 五輪3連覇と世界選手権を合わせて16大会連続の世界一に君臨した女王が陥落した。「ずっと怖くて、プレッシャーがすごくあった」。苦しい日々だったことを明かした。
• 思い切った攻撃を相手に返されて敗戦を喫したことはあるが、何もできずに負けたのは初めてだ。厳しい現実だった。日本代表の栄和人チームリーダーは「もう楽にさせてあげたい」と気遣った。吉田は「悔しい。今は気持ちをしっかりと切り替えたい」と声を震わせた。


「ごめんなさい」涙の女王
家族、肩抱いて慰める

• 「お父さんに怒られる」「ごめんなさい」。幼子のようにしゃくり上げ、母の胸に顔をうずめた。レスリング女子53キロ級で4連覇を逃した吉田沙保里選手(33)。戦い慣れたはずの決勝の舞台でまさかの敗戦を喫した。「ようやった、いいんやで」。スタンドで試合を見つめた母と兄は、闘い続けた「女王」の肩を抱きしめた。
• 指導者であり、常に試合を見守ってくれた父の栄勝さんが2014年に亡くなってから初めての五輪。緊張した様子の吉田選手は、栄和人チームリーダー(56)とがっちり握手を交わして大一番の舞台に上がった。
• 第1ピリオドは米国選手を相手にリードして終わったが、第2ピリオドにポイントを重ねられ、突き放された。終了直前にタックルを試みたが得点にならず、判定負けが決まると、マットに突っ伏して、しばらく立ち上がれなかった。
• 相手選手と抱擁を交わすと、こみ上げるものを抑えきれなかった。放心した様子であふれる涙をタオルで拭う吉田選手。会場の最前列で声援を送った母幸代さん(61)と兄の栄利さん(36)の元へ向かい、フェンス越しに3人で抱き合った。
• 吉田選手は震える声で何度も敗戦を謝った。幸代さんは「いいの、いいの」と応じ娘の背中をさすった。「負けはいつか必ず来る。霊長類最強と言われても私のかわいい娘、人間です」。重圧に苦しみ続けた女王をねぎらった。
• 表彰台に上がっても、肩を震わせた吉田選手。天国の父に4度目の優勝を報告するつもりだったが、かなわなかった。「金メダルをあげたかった」。悔しさでまた涙が頬を伝った。


「ヒロイン」
冷静に熱く、大胆に「金」
世代交代の主役、21歳川井

• 21歳の若さそのままに、マット上で生き生きと躍動した。レスリング女子63キロ級の川井は、圧勝でものにした決勝を「冷静に熱く、大胆に。コーチに言われた通りだった」と振り返った。試合直後は愛知・至学館高時代から指導を受ける栄チームリーダーを2度もマットに投げる恒例の“儀式”を披露してみせた。表彰台の頂点に立ち「すごくいい景色だった」と感慨に浸った。
• 決勝前の試合では、絶対女王、吉田がまさかの敗戦を喫していた。だが、動揺はなかった。「何が起こるか分からないと思った。でも自分は絶対に金メダルを逃さないと決めていた」。
• 前日に逆転の連続で決勝を制した伊調ら3人とも対照的だった。ママシュクとの決勝では、吉田の全盛期を思わせるような高速タックルが次々と飛び出した。右足タックルで2点先制。第2ピリオドでは左足をとらえ、終了間際にも背後に回って2点ずつ追加。相手の攻めも完全にさばいた。
• 大きな葛藤を乗り越えてきた。競技を始めた小学2年から憧れ続ける伊調を倒すため、同じ58キロ級にこだわった。だが五輪代表入りを最優先させ、不本意ながら昨年6月に63キロ級へ転向した。「馨さんから逃げたと周囲に言われたし、今でも悔しい気持ちがある」。昨年9月の世界選手権は準優勝。この五輪では頂点以外考えていなかった。
• 両親は元レスラーで、母の初江さんは元全日本女王。世界選手権への出場経験がある。家族の夢を実現し、試合後は抱き合って泣いた。63キロ級での五輪は「最初で最後」と断言する。伊調の動向にかかわらず58キロ級に戻る。期待の新星は「一回休んで東京五輪まで頑張る」と世代交代の主役を担う自覚たっぷりだった。


「胸を張って帰ってきて」
地元では600人応援

• レスリング女子53キロ級の吉田沙保里選手(33)の出身地、津市の公民館には市民ら約600人が集まり、試合を映し出すスクリーンを通じて声援を送った。4連覇は逃したものの、銀メダルという結果に「よく頑張った」「胸を張って帰ってきてほしい」とこれまでの努力をたたえた。
• 一番上の兄勝幸さん(38)は「攻めて負けた試合だし、父も天国でよく頑張ったと言っていると思う」と感慨深げ。子どもの頃にレスリングを指導した奥野竜司さん(52)は「胸を張って帰ってきて。今まで勝ち続けた経験と今日の負けた経験を後輩たちに伝えてほしい」とほほ笑んだ。
• レスリング教室に通う中学3年、中井ほのかさん(14)は「2位もすごい。私も東京五輪でメダルを狙えるようになりたい」と刺激を受けた様子だった。
• 母校で練習も行っている至学館大(愛知県大府市)でも学生や職員ら約400人が応援。女子レスリング部の寮母を務める前田寿美枝さん(57)は「さおちゃんがいたから、後輩たちがメダルを取ることができた」。栄和人監督の妻で、同部OGの怜那さん(37)は目を真っ赤にしながら「自分の時間をつくって、次の目標を考えてほしい」と声を振り絞った。


攻めの遺志、一歩及ばず
父に「ありがとう」

• 「攻め」にこだわった亡き父の教えを胸に闘ったが、一歩及ばなかった。女子レスリング吉田沙保里選手(33)を幼い頃から指導した父栄勝さんは2年前に病死した。それから吉田選手は、試合のたびに母に「お父さん、ここ(会場)におるよな」と語り掛け、マットに向かう。決勝で敗れたものの、果敢なタックルを繰り出した吉田選手。「私を育ててくれてありがとう」。試合後、悔し涙を流しながら栄勝さんに感謝の言葉を贈った。
• 尊敬する父は、教え子たちの汗と涙が染み込んだマットに寝かされていた。栄勝さんは2014年3月、娘や教え子が出場する大会に備えて移動中の車内で意識を失い、そのまま帰らぬ人となった。61歳だった。
• 「お父さん、なんで」。吉田選手は父と対面して泣き崩れた。
• 娘に3歳からレスリングを教えた。自身が守り重視で五輪出場を逃した経験から、娘には攻めの姿勢を徹底的に求めた。厳しい指導は有名で、吉田家に下宿してレスリングを学んだ菅原ひかりさん(23)は「技をかける場所の1センチ、1ミリにこだわる、勝負に厳しい先生だった」と振り返る。
• マット脇や観客席から声を飛ばす姿は、吉田選手の試合に欠かせない存在だった。ロンドン五輪ではセコンドにつき、金メダルを取った娘に肩車されて誇らしげに日の丸を掲げた。その写真が遺影になった。
• 葬儀を終えると、娘はすぐに大会に向かった。「先生は休むのを嫌った。(出場は)正しいことだと思った」と菅原さんは話す。大会は吉田選手を中心にした日本チームが優勝。母の幸代さん(61)は「お父さんに操られているようだった」と回想する。
• 吉田選手は五輪前に「父を肩に乗せたままリオデジャネイロに行く気持ち」と話していた。試合後、父に何を伝えたいか問われると「金メダルを取れなくてごめんね」。一方で、こうも振り返った。「本当に最後まで(父が)応援してくれていたと思う。信じて闘うことができた」


「自分も絶対に金」
恩師に感謝の2度投げ

• 勝利が決まった瞬間、顔を両手で覆い、ようやく笑顔を見せた。レスリング女子63キロ級の川井梨紗子選手(21)は、伊調馨選手(32)ら3人が前日に取った金メダルを見て「自分も絶対に持って帰る」。強い気持ちで決勝に臨み、手中に収めた。
• 試合後、手をたたいてガッツポーズ。歩み寄ってきた栄和人チームリーダー(56)を、感謝の気持ちを込めて2度投げ飛ばした。「(勝ったら)投げさせてください」と決勝前に頼んでおいたお約束。肩車して、一緒にマットの上を回った。試合を見守った両親や妹と抱き合い、握手すると涙も。観客席に手を振り、深々とお辞儀した。
• 決勝ではベラルーシの選手をフェイントで惑わし、積極的にタックルした。相手の攻撃にも素早く反応し、1ポイントも許さず完勝した。
• 地元、石川県津幡町の文化会館では同級生ら約220人がスティックバルーンを打ち鳴らして「頑張れ、頑張れ、梨紗子」とエール。金メダルを万歳三唱で祝福した。川井選手が中学まで通ったレスリングクラブの代表筒井昭好さん(57)は「自分のレスリングを貫き通してつかんだ勝利」とたたえた。
• 川井選手が在籍する至学館大(愛知県大府市)でも学生ら約400人が集まって声援を送った。


母が恩師、ささげる“金”
厳しい指導、衝突経て成長

• 厳しい指導で育ててくれた元レスラーの母にささげる金メダルだ。女子レスリング63キロ級で優勝した川井梨紗子選手(21)=石川県津幡町出身=は、母と衝突しながらも攻めの姿勢を学んだ。強豪の至学館高(名古屋市)に進学する際には、母に「先輩を食うつもりでやりなさい」と送り出され、貪欲に練習を重ねて力を付けた。栄冠を手にした娘は試合後、母と固く抱き合った。
• 母初江さん(46)は1989年の世界選手権に出場した経験があり、父孝人さん(48)も大学日本一に輝いたことがあるレスリング一家。リビングで父親が技をかけ、夫婦が台所で組み合うことも。娘が「どこまでレスリングのことを考えているんだろう」とあきれるほどだった。
• 母は20歳の頃に一線から退いていた。小学2年生で競技を始めた娘を、4年の頃から指導するようになり、自分が身に付けた技や知識を注ぎ込んだ。
• 試合に勝っても、攻撃の姿勢が欠けていると叱りつける。練習が厳しくなり、口げんかになるのは日常茶飯事だった。母娘がぎくしゃくすると、孝人さんが川井選手をさりげなく買い物に連れ出して話を聞いた。「お客様相談係みたいなもんですよ」と笑う。指導には口を出さず妻に任せた。
• ただ、初江さんは競技を続けるかどうかは娘に委ねた。小学校の卒業式で「夢を与える選手になりたい」と語る娘の言葉で、中学でもレスリングをすることを知った。進学先に至学館高を希望していることも、担任の先生から聞いたほどだ。
• 「しんどかったら帰ってこいとは言わない。マットでは先輩に遠慮するな」と叱咤した。
• 初江さんが現役の頃、女子レスリングは五輪種目ではなかった。母には手が届かなかった舞台。娘は母直伝の攻撃的なスタイルで勝ち進んだ。「よくやった」と目を潤ませる初江さん。川井選手は「自分が(家族で)一番強いですね」と満面の笑みを浮かべた。


強気を武器に、悲願の金
「私は誰にも負けない」

• 「コートの中で私が一番うまい」。バドミントン女子ダブルスの高橋礼華選手(26)の負けず嫌いは人一倍だ。パートナーの松友美佐紀選手(24)にさえ「競技者として負けたくない」と対抗心を燃やす。自分に言い訳を許さない強い気持ちで、世界の強豪を次々と下してきた。その「武器」を最大限生かして決勝戦も制し、悲願の金メダルをつかみ取った。
• 練習でコートに立つと、ミスの数をカウントする。ネットの向こうの2人はもちろん、隣にいる10年来の相棒よりも少なく―。「そうしないと自分の力が向上しない」。勝ちたい気持ちはコート内の誰よりも強い。
• 奈良県橿原市出身。小学生時代から全国に名前を知られるプレーヤーだった。「もっと強くなりたい」。そんな気持ちを両親にぶつけたのが6年の秋。正座して涙を浮かべながら、強豪・聖ウルスラ学院英智中(仙台市)に入りたいと訴えた。
• 遠く離れた仙台への進学には、親も覚悟が必要だった。父昭博さん(53)は「結果が出なくても頑張り通せ。途中で泣いて帰ってきても家には入れないからな」と突き放した。12歳での別れ。昭博さんは「涙に負けました。嫁に出すような気持ちだった」と笑う。
• 中学時代は腰のけがに苦しみ、練習もままならなかった。痛みで靴下をはくのもつらい。ただ、帰省しても両親には泣き言を漏らさず、仙台に戻る夜行バスで1人泣いた。今は「勝てない理由をけがに求めていた。それじゃ勝てないよと、昔の自分に言ってやりたい」と振り返る。
• 高校3年のインターハイでは、直前に足首の捻挫をして団体戦を欠場。それでもダブルスには意地で出場し、足を引きずりながら優勝した。
• 練習、遠征と共に過ごす時間が多い1年後輩の松友選手は、絶対の信頼を置くパートナーであるとともに、最高のライバルでもある。支え合い、競い合って、ついに頂点に立った。


「夢の時間だった」
心一つに、もぎ取った金

• 絶体絶命のピンチに追い込まれた最終ゲーム。バドミントン女子ダブルスの高橋礼華選手(26)と松友美佐紀選手(24)は心を一つに、大逆転して金メダルをもぎ取った。「どうやって決めたのか分からないくらい集中していた。夢の時間だった」と高橋選手。苦労して決めた勝利に、2人でハイタッチして抱き合い喜んだ。
• 第1ゲームをデンマークのペアに先取され、第2ゲームを取り返した「タカマツ」ペア。最終ゲームは接戦の末、相手の勝利目前の16―19まで追い詰められたが、諦めなかった。
• 力強いスマッシュを決め、5連続ポイント。高橋選手はコートに倒れ込んで両手で顔を覆い、松友選手はガッツポーズで跳びはねた。
• 「2人に『金』を取るという同じ気持ちがあったから、取れた」と高橋選手。手をつないで上がった表彰台で、真ん中に上がった日の丸を見つめ、涙がこぼれた。「本当に五輪という舞台で一番になったんだな」と喜びをかみしめた。
• 高校の先輩、後輩の2人。初めての五輪を「とても長かった」と振り返った松友選手は「先輩と組んでいなかったら、この舞台に立てなかった」。高橋選手も「(出場できなかったロンドン五輪後)4年間、2人で頑張って、楽しくプレーできたのが一番」と話し、お互いに感謝した。
• 2人の家族はスタンドに並んで見守り、勝利の瞬間、抱き合った。松友選手の母千恵美さん(51)は「ミスをしてもかばい合い、支え合いながら頑張っていた」。高橋選手の母智子さん(49)は「胃が痛かった。良かったです」と表情を緩めた。
• 母校・聖ウルスラ学院英智高(仙台市)バドミントン部で2人をペアにした田所光男総監督(65)も現地で応援し「50年のバドミントン人生で最高の出来事」と感無量の様子だった。


総立ちで大歓声、快挙喜ぶ
両選手の地元や母校

• 日本バドミントン界初の金メダルをつかんだ瞬間、女子ダブルス・高橋礼華選手(26)、松友美佐紀選手(24)の「タカマツ」ペアの出身地や母校ではパブリックビューイング会場に詰め掛けた家族や同級生らが総立ちで大歓声を上げ、快挙を喜び合った。
• 高橋選手の地元、奈良県橿原市の会場では約800人が見守った。息詰まる攻防が続き、第3ゲームも逆転での金メダルに喜びも爆発。父昭博さん(53)は「私の娘というのがまだ信じられない。2人の強い気持ちが勝利に結び付いた」と涙ぐんだ。
• 小学生時代に指導した前田亜貴さん(36)も「終盤リードされた時はどきどきしたが、1点ずつ粘って取り返してくれた。最後まで信じていた」と興奮した様子。
• 松友選手の地元、徳島県藍住町の町民体育館では約450人が、金色のスティックバルーンをたたいた。祖母日高春子さん(74)は「はらはらした。帰ってきたら頑張ったなと声を掛けたい」と感極まって涙。祖父の直見さん(82)は「胸がいっぱいで何も言えない」と話し、2人は、用意された金色のくす玉を割って勝利を祝った。
• 両選手の母校、聖ウルスラ学院英智高校(仙台市)でも、大型スクリーンに向かって声援を送った教職員や生徒ら約120人が立ち上がって喜んだ。松友選手と同学年で2人と一緒にバドミントン部で活動した薬剤師石川未登里さん(25)は「こんな感動的な瞬間に立ち会えるなんて。感動をありがとうと言いたい」と笑顔で語った。


負けん気、“金”呼び込む
「絶対自分たちが強い」

• 「コートの中で私が一番うまい」。バドミントン女子ダブルスの高橋礼華選手(26)の人一倍の負けず嫌いが勝利を呼び込んだ。パートナーの松友美佐紀選手(24)にさえ「負けたくない」と対抗心を燃やす。自分に言い訳を許さない強い気持ちを武器に戦ってきた。決勝では追い詰められながらも反撃して逆転。「こういうときは絶対、自分たちの方が強いと思った」。強気を最大限に生かして悲願の金メダルをつかんだ。
• 練習でコートに立つと、ミスの数をカウントする。ネットの向こうの2人はもちろん、隣にいる10年来の相棒よりも少なく―。「そうしないと自分の力が向上しない」。勝ちたい気持ちは誰よりも強い。
• 奈良県橿原市出身。小学生時代から全国に名前を知られる選手だった。「もっと強くなりたい」。そんな気持ちを両親にぶつけたのが6年生の秋。正座して涙を浮かべながら、強豪・聖ウルスラ学院英智中(仙台市)に入りたいと訴えた。
• 遠く離れた仙台への進学には、親も覚悟が必要だった。父昭博さん(53)は「結果が出なくても頑張り通せ。途中で泣いて帰ってきても家には入れないからな」と突き放した。12歳での別れ。昭博さんは「涙に負けました。嫁に出すような気持ちだった」と笑う。
• 中学時代は腰のけがに苦しみ、練習もままならなかった。痛みで靴下をはくのもつらい。ただ、帰省しても両親には泣き言を漏らさず、仙台に戻る夜行バスで1人泣いた。今は「勝てない理由をけがに求めていた。それじゃ勝てないよと、昔の自分に言ってやりたい」と振り返る。
• 高校3年のインターハイでは、直前に足首の捻挫をして団体戦を欠場。それでもダブルスには意地で出場し、足を引きずりながら優勝した。
• 練習、遠征と共に過ごす時間が多い1年後輩の松友選手は、絶対の信頼を置くパートナーであるとともに、最高のライバルでもある。支え合い、競い合って、ついに頂点に立った。


粘ってラリー、決勝届かず
「素直に悔しい」

• 持ち前の粘りでラリーをしたが、決勝には届かなかった。バドミントン女子シングルスの奥原希望選手(21)は準決勝で敗れた。「素直に悔しい」。最後に、長身のインド選手に高い打点からのスマッシュを決められ、深く一礼してコートを後にした。
• 今年の目標に「五輪でメダル獲得」を掲げた奥原選手。日本勢シングルス初のメダルを懸け、3位決定戦では「全力で(相手を)倒しにいきたい」と気合を入れていたが、その後、相手の棄権から銅メダルが確定した。
• 準決勝は終始、奥原選手が追う展開に。元気にコートを駆け回り、食らいついた。
• スタンドでは、父圭永さん(57)と母秀子さん(53)らがおそろいの似顔絵入りTシャツを着て声援を送った。秀子さんは「がんばったね、と声を掛けたい。いまできる限界までやってくれたと思う」とねぎらった。
• 地元の長野県大町市では、同級生やファンら約500人が集まって応援。敗戦に悲鳴やため息が漏れたが、直後に拍手が湧いた。幼なじみの遠山友梨さん(22)は「お疲れさまと言いたい」と話した。


インド選手が資格停止に
レス男子、ドーピングで

• スポーツ仲裁裁判所(CAS)は18日、リオデジャネイロ五輪レスリング男子フリースタイル74キロ級のインド代表、ナルシン・ヤダブ選手に対する4年間の資格停止が確定したと発表した。6、7月のドーピング検査で筋肉増強作用のあるメタンジエノンに陽性反応を示し、処分について世界反ドーピング機関(WADA)と争っていた。
• ヤダブ選手は昨年の世界選手権3位。19日の競技で高谷惣亮選手(ALSOK)と2回戦で当たる可能性があった。

伊調が「金」、4連覇
女子個人種目で五輪初
登坂、土性で3階級V
卓球男子は銀メダル

• リオデジャネイロ五輪第13日の17日、レスリング女子の58キロ級決勝で伊調馨(32)=ALSOK=がロシア選手を下し、女子の個人種目では全競技を通じて五輪史上初の4連覇を達成した。
• 48キロ級決勝は世界選手権3連覇中で五輪初出場の登坂絵莉(22)=東新住建=が前回ロンドン五輪銀メダルのアゼルバイジャン選手を破って優勝した。69キロ級決勝では同じく初出場の土性沙羅(21)=至学館大=が前回五輪72キロ級金メダルのロシア選手を倒し、日本勢が、4階級から6階級に増えた女子の最初の3階級を制した。
• 卓球の男子団体決勝で、水谷隼(27)=ビーコン・ラボ、丹羽孝希(21)=明大、吉村真晴(23)=名古屋ダイハツ=の日本は中国に1―3で敗れ、同競技で初の金メダルはならなかった。
• 日本の金メダルは10個となり、16個だった2004年アテネ五輪以来、3大会ぶりに2桁に到達した。メダル総数は銀5、銅18を合わせ33個。
• 陸上男子200メートルで3連覇を狙うウサイン・ボルト(29)=ジャマイカ=は準決勝トップの19秒78で決勝に進んだ。男子やり投げの新井涼平(25)=スズキ浜松AC=も決勝進出を決めた。
• 女子ゴルフは第1ラウンドで、今季米ツアー2勝の野村敏京(23)が首位と4打差の69で11位、大山志保(39)は70で19位につけた。
• サッカー男子は地元ブラジルとドイツが決勝に進出した。


水谷ら男子団体「銀」
卓球で3個目メダル

• リオデジャネイロ五輪第13日の17日、卓球男子団体で日本が銀メダルを獲得した。1988年ソウル五輪で実施競技になった卓球の日本男子で最高成績。今大会では男子シングルスの水谷隼(27)=ビーコン・ラボ=と女子団体の「銅」と合わせて3個目のメダル。
• 水谷、吉村真晴(23)=名古屋ダイハツ、丹羽孝希(21)=明大=の布陣で1回戦から順当に勝ち上がった。この日の決勝は強豪の中国を相手に奮闘したが、1―3で屈した。


際どい逆転勝利に安堵
姉に駆け寄り涙

• 「最後のチャンスを取れて良かった」。4連覇の重圧から解放されたレスリング女子58キロ級の伊調馨選手(32)。決勝終了間際の逆転劇に安堵の表情を浮かべ、スタンドで見守った五輪メダリストの姉千春さん(34)に駆け寄り、涙を見せた。
• 試合直前。栄和人チームリーダー(56)に背中を何度もたたかれ気合を入れられた。緊張した面持ちで臨んだ大一番。ロシア選手の果敢な攻撃に第1ピリオドをリードされた。
• 硬い表情のまま第2ピリオドへ。攻め手を欠いたまま時間が経過したが、終了間際に背中を取って逆転勝利。直後は試合運びに納得がいかないのか厳しい表情のまま。マットを下り、栄リーダーと握手を交わし、ようやく頬を緩ませた。
• 大きな日の丸の旗を両手で掲げながらマットを一周。スタンドに駆け寄り、フェンス越しに千春さんの手を額に当てると、こらえていた涙をあふれさせた。前のめりになって試合を見つめていた千春さんは「初めて馨が負けるかもと思った。最後に勝ってほっとした」と喜んだ。
• スタンドでは父春行さん(65)が亡くなった妻トシさんの遺影を手に応援。試合が終わると、兄の寿行さん(39)が遺影を手に伊調選手の元へ行き、顔をくしゃくしゃにして手渡した。
• 理想のレスリングを追求し、試合内容を重視する伊調選手。自己採点を求められると「金メダルは25点、試合は5点」と辛口。「たくさんの人に喜んでいただいたが、もっといい試合をしたかったです」と女王らしく、達成感の中にも悔しさをにじませた。


「絶対に金メダル」
躍動ニューヒロイン

• 終了直前に逆転勝ちすると両手でガッツポーズし、マットに寝転んだ。レスリング女子48キロ級決勝で登坂絵莉選手(22)がアゼルバイジャン選手を破った。躍動したニューヒロインは、表彰台で金メダルを何度も見つめ「絶対にこれが欲しいと思ってやってきた。すごく重いです」と笑顔だった。
• 「かなり厳しい試合になると思われる」「絶対勝つ」。準決勝の後、日本にいる同級生にメッセージを送った。
• 決勝はリードされたままの終了間際、相手の右脚をつかみ一気にポイントを奪う。「ここしかない。これで取れなかったら後悔する」。宣言通りに勝利し、栄和人チームリーダー(56)を肩車。日の丸を肩にマット上を回った。
• 髪をほどいて上がった表彰台で君が代を斉唱すると、涙があふれ唇を震わせた。大歓声の中で表彰台に立つ娘を目にし、父修さん(52)は「娘の夢がかなって良かった。最高のオリンピックです」と興奮気味。母安津子さん(52)は「ほっとした。今はゆっくり休んでほしい」と気遣った。
• 母校の富山県高岡市立木津小学校では同級生や地元のファンら約400人が集まり、「えり、えり」と祈るように声援を送った。小中学校の同級生谷内詩央理さん(23)は「世界で最高の親友。『減量のために我慢していたお菓子をいっぱい食べていいよ』と言ってあげたい」と涙を流した。


手たたきガッツポーズ
粘り逆転の金メダル

• 大きく手をたたき、ガッツポーズを繰り返した。レスリング女子69キロ級の土性沙羅選手(21)。先にマットに上がった2人の先輩が粘り強く闘った姿に「最後まで絶対あきらめずにやろうと決めていた」と臨んだ決勝戦。初の五輪は逆転で金メダルをつかんだ。
• 元五輪王者のロシア選手になかなか技を仕掛けられず、2ポイントを先制された。それでも終盤にタックルを決め、劇的な勝利を収めた。
• 栄和人チームリーダー(56)を肩車しマットを1周。「金メダルを取ったら絶対しようと決めていた」。表彰式ではやや緊張した面持ちだったが、金メダルを顔に近づけはにかむように笑った。
• スタンドでは母祐子さん(47)がタオルをぎゅっと握りしめ、心配そうに見つめる。逆転すると、父の則之さん(48)は右の拳を突き上げた。勝利が決まると、2人は周囲の応援団と抱き合い、喜びを分かち合った。則之さんは涙を拭い「よくやった、おめでとう」と娘をたたえた。
• 地元、三重県松阪市の文化センターでは約300人が観戦。スティックバルーンを打ち鳴らしながら「沙羅、沙羅」と声援を送った。
• 祖母の佐藤なるみさん(70)は目を潤ませながら「金を取ると信じていた」。レスリング教室に通う中西美結さん(13)は「3人全員金メダルですごい。私もオリンピックに出たい」と話した。


王者との熱戦に大歓声
4年後の「金」誓う

• 王者に臆することなく挑んだ。卓球男子団体の決勝で、日本は中国との大熱戦の末、1―3で敗れ、銀メダルが決まった。エースの水谷隼選手(27)はすっきりした表情で「今回のメダルが東京五輪につながると信じている。東京では絶対優勝したい」と、4年後の金メダルを誓った。
• 水谷選手はこの日も気合十分だった。シングルス2番手として胸を張って登場。許〓<<日ヘンに折のツクリ>>選手(26)から2ゲームを先取。その後に2ゲームを取られたが、最終ゲームを粘り強くものにし、観客席に向かって両手を広げて喜んだ。会場からは、空気を揺るがすほど大きな歓声が起きた。
• シングルス、団体と12日間に及んだ卓球競技のフィナーレを飾る試合。観客席には、五星紅旗を持つ中国のファンが目立ち「加油(頑張れ)」と連呼した。日本のファンも負けじと、日の丸を振り「ニッポン」コールを繰り返していた。
• 表彰台には、丹羽孝希選手(21)と吉村真晴選手(23)と手をつないで上がった。メダルを手にすると、丹羽選手と目を合わせ、白い歯を見せて笑い合った。悔しそうだった吉村選手も表情が緩んだ。
• 水谷選手は「リオに来てからも成長していると感じた」と納得の様子。丹羽選手は「全体的にレベルアップしないといけない」、吉村選手は「次の五輪に向けて、自分が強くなる必要があると痛感した」と喜ぶとともに決意を新たにしていた。
• 観客席で見守った水谷選手の母万記子さん(54)は「男子卓球界を盛り上げてくれた。感動した」と顔をほころばせていた。


金メダリスト強盗は虚偽?
ブラジル裁判所が出国禁止

• リオデジャネイロ五輪競泳男子で金メダルに輝いた米国のリレーチームの選手4人が強盗に襲われたとされる事件で、英紙デーリー・メール(電子版)は17日までに、事件直後の4人が悪ふざけする様子が写った防犯ビデオ映像を入手、被害申告に疑問を呈する記事を掲載した。
• ブラジルメディアによると、地元裁判所は17日、警察に被害を訴えたライアン・ロクテ選手とジェームズ・フィーゲン選手の出国を、虚偽申告の可能性もあるとして禁じたが、ロクテ選手は既に帰国。フィーゲン選手と残り2人は17日午後、リオデジャネイロの国際空港から出国しようとしたが、警察が認めなかった。
• リオデジャネイロの劣悪な治安を象徴する事件として注目を集めただけに、強盗被害が虚偽であれば選手側のモラルが問われることになりそうだ。
• 4人は14日早朝、リオ南部で前夜からのパーティーに参加した後、タクシーで選手村に戻る途中で銃を持った警官を名乗る一団に襲われたと主張。車から降ろされて現金700レアル(約2万2千円)を奪われたが、携帯電話は取られなかったと話している。
• 14日午前7時前の選手村入り口の防犯ビデオ映像には、4人が悪ふざけをしてご機嫌な様子が写っている。警察の捜査でも4人を乗せたとされるタクシー運転手が見つかっておらず、事件後にどうやって選手村に戻ったかなど不明な点が多い。


小池都知事、リオへ出発
五輪閉会式に出席

• 東京都の小池百合子知事は18日午前、リオデジャネイロ五輪閉会式で五輪旗を引き継ぐセレモニーに出席するため、羽田空港を出発した。24日に帰国する。
• 小池知事は出発前、報道陣の取材に応じ、「五輪旗をしっかり受け継いでくる。足を踏ん張ってよろめかないようにしないと。(衣装は)日本の勝負服でいきたい」と述べた。
• 現地ではリオ市のパエス市長と面会するほか、都や2020年東京大会の組織委員会が拠点としている「ジャパンハウス」でイベントを見学する予定。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長らとも会談する方向で調整している。
• 東京大会に向け競技場なども訪れ、運営状況やセキュリティー対策を視察する。

卓球男子、「銀」以上
体操白井が銅メダル
跳馬で新技成功
バド奥原、山口は8強

• リオデジャネイロ五輪第11日の15日、卓球男子団体の準決勝で水谷隼(27)=ビーコン・ラボ、丹羽孝希(21)=明大、吉村真晴(23)=名古屋ダイハツ=の日本がドイツを下して決勝に進み、同種目で初のメダルとして「銀」以上を確定させた。
• 体操男子の種目別跳馬で新技の「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」を決めた白井健三(19)=日体大=は銅メダルを獲得した。白井のメダルは団体総合の「金」に続いて2個目。跳馬での日本勢の表彰台は1984年ロサンゼルス五輪でともに銀メダルの森末慎二、具志堅幸司以来32年ぶりとなった。
• 日本のメダルは金7、銀4、銅16で合計27個となった。
• バドミントンは女子シングルスの決勝トーナメント1回戦で奥原希望(21)=日本ユニシス=と山口茜(19)=再春館製薬所=がともに勝って準々決勝で対戦することになり、日本勢がシングルスで初めて4強入りすることが確定した。
• 陸上男子棒高跳びの沢野大地(35)=富士通=は7位だった。
• シンクロナイズドスイミングのデュエットは乾友紀子(25)=井村シンクロク、三井梨紗子(22)=東京シンクロク=組が予選3位で決勝に進んだ。


一丸で勝利呼び込む
団体戦「みんなの夢」

• エースを中心にチーム一丸となって歴史的勝利をたぐり寄せた。準決勝でドイツを下し、卓球男子団体で初のメダルを確定させた日本代表。「もう優勝しかない」。夢の金メダル獲得に向けて気持ちを切り替えた。
• 初戦のシングルスで吉村真晴選手(23)がストレート負け。嫌なムードが漂う中、シングルス2番手として水谷隼選手(27)が登場した。過去にほとんど勝ったことのない元世界ランキング1位の選手が相手だったが、「団体戦はみんなの夢」と気持ちを込め、ストレート勝ちした。
• 続くダブルスで丹羽孝希選手(21)と吉村選手が激しいラリーを制し勝利を手にすると、再びシングルスに臨んだ水谷選手は3―0と圧勝、銅メダルを獲得した4日前と同じように床に転がった。丹羽選手や吉村選手、倉嶋洋介監督(40)が駆け寄り、4人で肩を組んで喜びを分かち合った。
• 試合後のインタビューで吉村選手は「水谷さんもプレッシャーの中、勝ってくれて、僕らもダブルスで点を取ってチームとして貢献できた」と感無量の表情。一方で水谷選手は「もう優勝しか見ていない。あと1試合、最高のプレーをしたい」と次戦に向けて気を引き締めていた。
• 息子の偉業達成をスタンドで見守った水谷選手の母万記子さん(54)は「思い続ければ夢はかなう、と教えてもらいました」と感激していた。


新技成功、拳掲げアピール
大舞台でたくましく

• 右手の拳を掲げ、大技成功を力強くアピールした。「転倒しても悔いはない」と難易度の高い新技に臨んだ白井健三選手(19)が、体操男子の種目別跳馬で銅メダルを獲得。東京五輪を見据える次世代のエースが大舞台での経験を積んで、一層たくましくなった。
• 今月24日に誕生日を迎える白井選手にとって、この日の跳馬は10代最後の試合。「決勝の舞台で演技できることに感謝し、とにかく気持ちのいい演技を」。自分にそう言い聞かせて、スタート位置についた。力強い助走から、新技「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」に挑んだ白井選手。着地で左足が1歩前に出たものの踏みとどまった。
• 金メダルの大本命と言われた前日の種目別床運動では着地が乱れ、まさかの4位。演技直後「団体の金メダル獲得から、気持ちの持続は難しかった」と振り返った。この悔しさをはね返すかのように「自分でも期待していなかった」という跳馬で躍動。「練習の頑張りが返ってくるんだな」と話す表情には、自信が戻っていた。
• スタンドで見守った父の勝晃さん(56)は、白井選手が新技を決めると両腕を突き上げてガッツポーズ。「やった、やってくれた」。あまりに鋭い技のキレに場内もどよめき、「シライー」という歓声とともに大きな拍手が湧き起こった。
• 「今回の経験を生かし、一歩ずつ、少しずつ進んでいけばいい」。五輪を戦い抜いた息子に、母徳美さん(52)はねぎらいの言葉を贈った。


外国人死傷の交通事故続く
リオ、五輪コーチや記者ら

• 五輪開催中のリオデジャネイロ市内で外国人の五輪関係者らが巻き込まれる交通事故が続いている。15日にはドイツ代表のコーチが死亡。別の事故でフランス人記者らが重傷を負い入院した。世界保健機関(WHO)によると、ブラジルの死亡事故発生率は日本の約5倍。死者数は年4万人を超え、インド、中国に次ぐ世界ワースト3位だ。
• 地元メディアや組織委員会によると、アテネ五輪銀メダリストのドイツ・カヌー代表コーチ、シュテファン・ヘンツェ氏(35)が乗ったタクシーが12日早朝、選手村に戻る途中、五輪公園に近い市西部バーラ地区で壁に衝突。ヘンツェ氏は手術を受けたが15日に死亡した。同乗のドイツ人スタッフも負傷した。
• 15日未明には同地区で車4台が絡む衝突事故があり、フランス人記者らが病院に運ばれた。外国人らが乗ったとみられる大会公式車も6日未明と10日未明にそれぞれ事故に巻き込まれた。期間中、日本人が負傷する事故が起きた情報はないとされる。
• 広大なブラジルは都市間距離が長く、スピード超過や居眠りで事故が多発。2014年の交通事故死者は4万3千人に上った。WHOによると、人口10万人当たりでは23・4人(13年)。4・7人の日本など先進国を大きく上回る。
• 一方、リオなど都会は渋滞が慢性化。交通量が減る深夜から未明に死亡事故が起きることが多い。


「なぜ南北間は駄目なの」
自撮りの韓国体操選手

• リオデジャネイロ五輪の女子体操で、北朝鮮の選手とスマートフォンで「自撮り」し話題になった韓国の李恩朱選手(17)は、大きな反響を呼んだことに「とても驚いている」とし、「他国の選手とは交流するのに、なぜ南北間は駄目なの」と話した。KBSラジオのインタビューで16日までに述べた。
• 韓国は南北選手の交流を禁止はしていないが、南北関係は冷え込んでおり、交流は全体的に停滞。こうした中、仲良く「自撮り」する姿は韓国内外のメディアに好意的に取り上げられた。
• 一緒に撮影した北朝鮮のホン・ウンジョン選手(27)は2008年北京五輪の金メダリスト。同じ女子体操の李選手は以前からホン選手の演技に感心していたという。
• 李選手は「練習の後、一緒に撮ろうと声を掛けるとホン選手がすぐそばに来てくれた」と振り返り「北とはそれほどひどい関係だと思っていない」と話した。李選手は母親が日本人。13年に父の母国、韓国に渡るまで山口県で暮らしていた。
• アーチェリーでも南北選手団が練習中に和気あいあいと言葉を交わし、韓国のコーチが写真を撮ろうとすると、北朝鮮の女子選手が「私は駄目です」と顔を横に向けながらも笑みを見せていたと韓国メディアが伝えた。
• 射撃男子でも、南北のメダリストが握手したことが報じられている。


日系ブラジル人メダル連発
同胞の「誇り」

• リオデジャネイロ五輪で日系ブラジル人選手2人が14~15日、相次いで銅メダルを手にした。ブラジルが獲得したメダルは16日までに計10個。日系人選手の活躍は自国開催で意気込むブラジル代表チームに勢いを与えており、日系社会からは「誇りだ」と喜びの声が上がっている。
• 体操の男子種目別床運動では14日、日系3世アルトゥール・オヤカワ・マリアーノ選手(22)が銅メダル。日本名は「ノリ」。10歳で体操を始め、内村航平選手が「自分にとってのヒーロー」。14日はその憧れの存在を上回る成績でメダルを手にした。東京五輪出場にも意欲を見せる。
• 「このメダルのために頑張った」。15日、水泳のオープンウオーター女子10キロで銅メダルのポリアナ・オキモト選手(33)はテレビカメラを前に涙を隠そうとしなかった。日系4世。2歳で水泳を始め、遠泳に転向してから頭角を現した。
• ブラジルの日系人は160万人とも190万人とも言われる。2人とも、その大部分が住むサンパウロ州の出身だ。
• ブラジル日本都道府県人会連合会の山田康夫会長(65)は「とにかくうれしい。活躍はブラジル日系社会の誇り。これで一層、日系社会も盛り上がる」と喜ぶ。
• リオデジャネイロ州日伯文化体育連盟の鹿田明義理事長(80)は、これまでにも日系人がメダルを取ったことはあるとしつつも「地元での五輪でメダルを取るのは特別。ブラジルの一員としてブラジルに貢献しているのは素晴らしい」とたたえた。


カメラ落下し7人けが
リオ五輪公園、一時騒然

• リオデジャネイロ五輪のメイン会場、五輪公園で15日午後、ケーブルを移動して上空から会場などを撮影するテレビカメラが落下した。地元メディアによると、下にいた8歳と11歳の女児を含む7人が飛び散ったカメラの破片や落ちてきたケーブルに当たり、顔や脚などに軽傷を負った。
• 目撃者によると、当時約40人の観戦客らが周囲におり、叫び声が上がるなど一時騒然となった。
• 報道によると、4人が病院に運ばれ、3人は現場で手当てを受けた。在リオ日本総領事館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。
• 国際映像を供給する五輪放送サービス(OBS)のカメラで重さは100キロ以上あり、20メートル以上の高さから落下した。五輪公園のある西部バーラ地区では当時、秒速15メートル程度の風が吹いていたという。
• 事故があったのは、レスリングが行われている競技場「カリオカアリーナ2」の入り口付近。近くで目撃した英国人のクリス・アダムスさんは「突然大きな音がしてケーブルが外れ、地面に落ちたカメラの破片が飛び散った」と興奮した様子。けがをした人たちはひどくショックを受けているようだったという。
• 現場は黄色いテープで規制され、警備を担当する国家治安軍が封鎖。付近にはカメラの一部とみられる破片が散乱したままで、観戦客らが心配そうに見つめていた。

錦織、飛躍に手応え
ナダル撃破、96年ぶり快挙
悲願の四大大会初制覇へ

• リオデジャネイロ五輪第10日の14日、テニスの男子シングルス3位決定戦で錦織圭(26)=日清食品=が四大大会14勝のラファエル・ナダル(スペイン)を激闘の末に6―2、6―7、6―3で破り、日本テニス界で96年ぶりのメダルとなる銅メダルを手にした。過去1勝9敗と苦手としてきた難敵を撃破し、悲願の四大大会初制覇に向けた飛躍への手応えをつかんだ。
• 2時間49分で勝利を決め、日本勢で1920年アントワープ五輪の銀メダル以来の快挙を達成すると、誇らしげに両手を空に掲げた。「絶対に何かを得た。今年2回負けているナダルに勝てたのは大きな収穫になる」。日の丸を肩に巻いて声援に応えた。
• 苦しい戦いを乗り越えた。勝利目前の第2セット、5―2から元世界ランキング1位の驚異的な反撃に遭い、逆転を許した。「気持ちが折れそうになった」が、ここで踏みとどまった。第3セットは集中力を高め、本来の攻撃的なスタイルを取り戻した。2008年の北京大会は1回戦、前回ロンドン大会は準々決勝止まりだったが、3度目の五輪でようやく表彰台に立った。
• 14年の全米オープンで準優勝し、四大大会の頂点は間近と思われたが、その後トップ選手のマークが厳しくなった。世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)には9連敗、五輪2連覇を果たしたアンディ・マリー(英国)には準決勝で屈して4連敗。「ジョコやアンディに対してまだ何もできない」と壁の高さを実感しながらも「自分らしいプレー」だけは忘れなかった。「最高のバックハンド」と評される伝家の宝刀を信じ、最後まで攻めた。
• 「重圧がかかる試合でいいテニスができたのは自信になる」。普段のツアーとは違い、国の代表として戦う五輪での収穫に、錦織の表情には充実感があふれた。


錦織96年ぶりメダルの銅
ボルト、前人未到の3連覇
レスリング太田が銀
卓球男子は準決勝へ

• リオデジャネイロ五輪第10日の14日、テニスは男子シングルスで錦織圭(26)=日清食品=がラファエル・ナダル(スペイン)との3位決定戦を制し、日本勢では1920年アントワープ五輪以来96年ぶりのメダルに輝いた。アンディ・マリー(英国)が2連覇。テニスは24年パリ大会後に除外されたが、88年ソウル大会で復帰した。
• 陸上男子100メートルは29歳のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が9秒81で優勝し、84年ロサンゼルス、88年ソウル両大会2連覇のカール・ルイス(米国)を超える前人未到の3連覇を達成した。日本勢84年ぶりの決勝進出を狙った山県亮太(24)=セイコーホールディングス=は10秒05、ケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=は10秒17で、ともに準決勝で敗退した。
• レスリングはグレコローマンスタイル59キロ級の太田忍(22)=ALSOK=が男子で16大会連続(不参加の80年モスクワ五輪を除く)のメダルとなる銀を獲得した。
• 日本のメダルは金7、銀4、銅15で合計26個。
• 卓球団体の日本は男子が準決勝に進んだ。前回の2012年ロンドン大会で銀の女子は準決勝でドイツに敗れ、3位決定戦に回った。
• 体操は男子種目別床運動で白井健三(19)=日体大=が4位、内村航平(27)=コナミスポーツ=は5位に終わった。女子マラソンは福士加代子(34)=ワコール=が日本勢最高の14位。112年ぶりに復活したゴルフは男子の最終ラウンドで池田勇太(30)が21位、片山晋呉(43)は54位。ジャスティン・ローズ(英国)が優勝した。バレーボール女子は前回銅の日本がベスト8入り。
• シンクロナイズドスイミングはデュエット予選のフリールーティン(FR)で乾友紀子(井村シンクロク)三井梨紗子(東京シンクロク)組が3位。


五輪への思い、錦織動かす
「チームの支え大きい」

• 疲労は頂点に達していたが、4年に1度の五輪に懸ける思いを持ったチームや他競技の選手の姿に後押しされた。テニスの男子シングルス3位決定戦で、錦織圭(日清食品)が四大大会14勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン)に打ち勝ち、テニスの日本勢で96年ぶりのメダルを手にした。両手を突き上げ、仲間の元に駆け寄った錦織は「素直にうれしい。チームの支えが大きかった」と感謝した。
• 3位決定戦は四大大会やツアーにはない。準決勝でアンディ・マリー(英国)に完敗を喫し、気持ちの立て直しが鍵だった。普段ならホテルに閉じこもるが、選手村に滞在する今回はスタッフと食事をし、ナダル対策の映像を一緒に見た。高田充コーチは「切り替えが難しい中で次を向いていた」と明かした。
• 対策通りに積極的に前に出て攻め、第1セットを奪取。第2セットも5―2と相手を追い詰めた。そこで「メダルを意識した」と重圧に襲われ、このセットを奪われた。もう一度、錦織を奮い立たせたのは勝利とメダルへの執念だった。
• 開幕前は「無理をせず全米オープンにピークを持っていきたい」と燃え尽きないことを意識した。テニス最高峰の場が四大大会である考えに変わりはない。しかし3度目の五輪を経験する中で、心に化学変化が起きた。
• 触媒はテレビで見たラグビー7人制の選手や同世代の体操男子、内村航平(コナミスポーツ)の勇姿だった。「同じ日本人の活躍を見ると燃える」。第3セット、力を振り絞り、自分のプレーを出し切った。
• 試合後「想像以上に出し過ぎちゃいましたね。体は限界に近い」と笑った。突き動かしたのは、普段の戦いにない、五輪だけが持つ力だ。1世紀近い時を経て、重みの詰まった価値ある銅色のメダルが日本にもたらされた。


世界で活躍、誓った少年
練習相手は大学生
実力磨き、テニス史に名

• 世界の舞台で活躍することを宣言した少年が目覚ましい成長を遂げ、テニス史に名を刻んだ。日本勢として96年ぶりの五輪表彰台となる銅メダルを獲得したテニス男子シングルスの錦織圭選手(26)。小学生当時から高校生を負かし、練習相手は大学生だった。並外れた実力を海外で磨き、ついに偉業を達成した。
• 「日本一 次はその上 世界一」。中学1年で渡米するまで過ごした松江市の小学校卒業時に、学校の広報誌に詠んだ川柳だ。
• 両親に連れられ、小学1年から「グリーンテニススクール」(松江市)に入った。指導したコーチの柏井正樹さん(56)は「能力、ゲームセンスもそろっていた」と振り返る。
• 柏井コーチはテニスを「チェスや将棋にフィジカルが加わったもの」と表現する。予測して、表現して、どう勝つかを考える。「圭が予想通りできた時の満面の笑みが忘れられない」と話す。
• 技術を自分のものにするのも圧倒的に早かった。「難しいコースにボールを入れても、次までには吸収し、さらに磨きをかけて他の場面で使っていた」と思い返す。
• 6年生の頃には、最初は相手に合わせても、次第に変化を付けて相手を裏切るテニスをするように。柏井コーチは関係者から「圭がジュニアの日本一にならなかったらおまえのせいだ」と言われたという。
• 「嫌なコースを狙う『いやらしいテニス』に感心した」と話すのは島根県テニス協会理事長で島根大教育学部の西村覚准教授(53)。錦織選手が4年生から渡米するまでの間、県協会主催のジュニア強化練習会でコーチを務めた。
• 小学生の頃から高校生に勝つことも。よりレベルの高い練習を求め、島根大で大学生を相手に練習もしていた。
• 当時は身長が150センチほどと小柄で、サーブが弱かった。だが「自分の弱点を技術や戦略でカバーし、私もよく意表を突かれた。負けず嫌いで、負けたらきっちりプレーでやり返していた」と懐かしむ。
• メダル獲得の瞬間を松江市のパブリックビューイング会場で見届けた柏井コーチ。「おめでとうと声を掛けるのはまだ早い。常にトップを追い掛け続けてほしい」。さらなる飛躍に期待を込めた。


「日本のため頑張れた」
両腕広げ、快挙に笑み

• 相手のリターンがコートから大きく外れる。勝利が決まり、重圧から解き放たれたかのように両腕を天に広げた。テニス男子シングルスの錦織圭選手(26)が3位決定戦を制し、日本勢として96年ぶりのメダルを獲得。「楽しかった。最後まで日本のために頑張れた」。3度目の五輪でつかんだ歴史的快挙に笑みがこぼれた。
• 対戦相手はスペインのラファエル・ナダル選手。最終第3セットまでもつれ、3時間近い激闘となった。日が傾き始めたコートで勝利を決めると、右手でガッツポーズし、スタンドに向かって日の丸を掲げた。歓声に笑顔で手を振り、親指を立てる。監督らとハイタッチして喜びを分かち合った。
• 日本の五輪史上初のメダルは、1920年大会のテニス競技だった。試合後「メダルに懸ける思いはあった。銅メダルを目指した」と意識していたことを明かした。
• 深く正確なショットで第1セットを先取。跳び上がって打つ「エアK」も繰り出した。第2セットは接戦の末に落としたが「いつも粘って勝っているので、忘れてプレーした」。第3セットで精彩を放ち、圧倒した。
• 表彰台でメダルを首に掛けられると、左手で少し持ち上げ、誇らしげに胸の前で掲げてみせた。
• 相手への声援が目立ったスタンド。家族で日の丸の小旗を振って観戦したサンパウロの中学3年佐々木寛英さん(14)は「日本人がメダルを取ってうれしい。ほっとした」。ブラジル在住の30代の日本人女性は「歴史的瞬間を見られた。日本人の誇りだ。本当におめでとう」と興奮していた。


銀メダルに悔し涙
笑顔なく「残念」

• マットから下りる瞬間、涙があふれた。レスリング男子グレコローマンスタイル59キロ級決勝で、太田忍選手(22)は昨年世界王者のキューバ選手に敗れた。「悔しい気持ち」「すごく残念」。銀メダル獲得の喜びはなかった。
• 胸の日の丸に手を当て、集中力を高めるようにして試合に入った。「プレッシャーも感じず、緊張もしなかった」。攻める姿勢を崩さなかったが、最後はテクニカルフォール負け。試合直後、唇をかみしめ、悔しそうな表情を見せた太田選手。マットを下りる際には涙をこらえきれなかった。
• 「金しか狙っていなかった」。表彰式で銀メダルを首に掛けられても笑顔はない。「東京で金メダルを取れるようにしっかり練習したい」と次を見据えた。
• 自身もレスリングの選手をしていた姉の理穂さん(24)は現地で決勝を見守った。「オリンピックの舞台は家族全員の夢だった。すごい頑張ったと思う」と気遣った。
• 太田選手の地元・青森県五戸町の町立公民館には約90人が集まり、「忍」と書かれたうちわなどを手に声援を送った。敗れて涙を流す息子に、父陽一さん(50)は「今度は勝って泣いてほしい。今はとにかくゆっくり休んで」とねぎらった。


接戦力尽き、涙こらえる
一進一退の攻防に大歓声

• 3人の力を結集したが、勝利には届かなかった。卓球女子団体のドイツとの準決勝は一進一退の攻防となり、最終第5試合に臨んだ福原愛選手(27)も大接戦を演じたが力尽き、3位決定戦に回ることに。「今日の悔しさを全てぶつける」。福原選手は、あふれそうになる涙を必死にこらえた。
• 最年少伊藤美誠選手(15)は、シングルス1番手で登場した第1試合に緊張した様子もなく立ち向かった。だが、得意の強打が決まらない。競り合いの末に敗戦、悔しさで座り込んだ。
• 「必ず取り返す」と強い気持ちで臨んだシングルス2番手の石川佳純選手(23)が奮闘した。粘り強い相手に押され、0―2と先行されながら逆転。続く福原、伊藤両選手のダブルスは惜しくも落とし窮地に追い込まれたが、シングルス4番手で再び登場した石川選手が3―0で勝利。日本の応援団は総立ちになって拍手した。
• 福原選手のシングルス5番手は最終ゲームまでもつれる展開に。体勢を崩しながら相手のスマッシュを返し食い下がったが、最後はボールが角に当たり、力尽きた。
• 「今日の負けの原因は全て私にあります」。主将としての責任を背負う福原選手。石川選手は「5番手は本当にプレッシャーがかかるが、福原さんもすごくいいプレーをしていた」とたたえた。
• 2大会連続のメダル獲得に向け「気持ちを切り替えて、しっかり準備して頑張りたい」と話した。


卓球一家の強い絆
長女支え共にメダルへ

• 必勝を期した団体戦準決勝でドイツに競り負け、ぼうぜんと立ち尽くした。卓球女子の石川佳純選手(23)は、自身のシングルスで2勝しながら、チームは惜敗。3位決定戦に回った。妹の梨良さん(19)らのエールを背に気持ちを立て直し、銅メダルを勝ち取る。
• 山口市出身の石川選手は7歳で本格的に競技を始め、5学年下の梨良さんも物心がつくとラケットを握った。トップ選手の姉を追い、中学から日本オリンピック委員会(JOC)が有望選手を寄宿制で育成するエリートアカデミー(東京)に入り、腕を磨いた。
• 実家は卓球教室。2人で帰省すると、石川選手は、1階にある卓球台で、梨良さんの頼みに応じてコーチした。口で説明するより実際にやってみせて技術を教える。2人とも左利きでフォームはそっくり。「一緒に東京五輪出場」が共通の夢になった。
• しかしこの4年で徐々に差がついた。石川選手が全日本選手権を3連覇し、盤石の地位を築く一方、梨良さんは思うような成績が出なかった。
• アカデミー修了の今春、選択を迫られた。卓球に専念する実業団入りか、好きな英語を学ぶ進学か。五輪の夢は断ち難かったが、海外でスポーツに関わる仕事をするというもう一つの夢にかけた。
• 梨良さんは今、青山学院大で卓球部の活動と英語の勉強に熱中する。リオデジャネイロ五輪前、ふとした瞬間に「絶対金メダルを取る」とつぶやく石川選手を、少しでもリラックスするよう冗談を言い、荷造りを手伝った。
• 母久美さん(53)はコーチとして石川選手に帯同する。家族がそろうと、食事後カラオケへ行くのが石川家の定番だ。父公久さん(52)は、姉妹の熱唱を「うるさい」と苦笑いする。
• 東京五輪で、石川選手は金メダル、梨良さんは英語を使って姉のサポートを目指す。
• 観客席で見守った久美さんは「リオでメダルを取るのと取らないとでは、大きな違いがある。しっかり切り替えて頑張ってほしい」と力を込める。奮闘する娘たちを両親は全力で応援する。


最後の五輪も「人類最速」
ボルト、3冠目指す

• 「人類最速」の称号を守り抜いた。今大会が最後の五輪出場と明言する陸上男子で29歳のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が、100メートルで今季自己最高の9秒81をマークし、3連覇を達成。リオデジャネイロの大観衆を熱狂させ「優勝できて幸せだ」と余韻に浸った。
• スーパースターの登場でざわつく場内を、口に人さし指を当てるしぐさで静寂へと導いた。固唾をのんで見つめる観衆の期待を背負い、ラストに逆転する期待通りの展開で快勝した。ジャマイカ選手権で左太もも裏を痛めた影響を感じさせない貫禄の走りで、王者健在を証明した。
• 「陸上は俺の人生」と言う。トップ選手にドーピング違反が相次ぐ陸上界で「クリーン」の最後のとりでだ。選手紹介で浴びた大歓声は、違反歴があるジャスティン・ガトリン(米国)への大ブーイングとは対照的だ。
• あまりの強さゆえに、ドーピングを疑われることにも慣れている。潔白には自信を持ち、母国のドーピング検査を「甘い」と指摘した米国陸上界の英雄カール・ルイス氏には反発した。陸上界の薬物汚染を問われるたびに「陸上は良い方向に向かう」と前向きな言葉を口にしてきた。
• 気さくな性格は変わらない。今もジャマイカの首都キングストンに住み、青のトラックが印象的な西インド諸島大学で練習する。実家近くの出身高校には、今もお忍びで姿を現すことがあり、校長室にはボルトの写真が飾られている。「あとメダルを二つ取って締めくくりたい」と200メートルと400メートルリレーも合わせた3冠を狙う。


「金メダル取れなかった」
炎天下のコースを疾走

• 第一声は「金メダル、取れなかった!」。女子マラソンの福士加代子選手(34)は14位でゴール後、19位の田中智美選手(28)と抱き合って互いの健闘をたたえた。3大会ぶりのメダルには届かなかったが、笑顔はすがすがしかった。
• 福士選手は「しんどかった。暑かった。でも金メダルを目指していたから、最後まで頑張れた」。田中選手も「悔しい気持ちでいっぱいですけど、最高の42・195キロでした」と笑った。
• 46位に終わった伊藤舞選手(32)は「自分の持ち味は粘り強さだけど、生かすことができず、もう一度また頑張りたい」と話した。
• スタートは現地時間の午前9時半。南半球のリオデジャネイロは冬だが、照りつける日差しの下、気温は午前11時には25度前後に達した。カーニバルのメイン会場「サンボドロモ」を発着し、海岸沿いを周回するコースで、沿道には自転車で並走する人も目立った。
• スタート直後に軽快な走りを見せていた3人は、9キロ付近で徐々に後退。福士選手と田中選手は先頭集団にいったん追いついたが、20キロ付近からまた距離が開く展開になった。
• 福士選手はゴールすると、両手を小さく上げてガッツポーズ。沿道には日の丸の旗を持った観客も多く、3人に声援を送った。
• 福士選手の父正幸さん(67)は「よく完走してくれた。最後の追い上げがすごかった」とほっとした様子。田中選手の母きみ子さん(57)も「ゴールが見られて本当にうれしい。帰ったら好物の煮物を作ってあげたい」と喜んだ。


天才選手、努力家…
マラソン3人リオ疾走

• この日のために苦しい練習に耐えてきた。リオデジャネイロ五輪の女子マラソン。理容師志望から転じた天才選手、我慢強く鍛錬を重ねる努力家、逆境に打ち勝ってきたランナー。3人がリオの街を駆けた。
• 14位となった福士加代子選手(34)は青森県の五所川原工業高出身。同校陸上部の練習は「緩さ」が特徴だった。部活で一緒だった瀬川麻衣子さん(34)は「おしゃべりしに来ていた」と思い出を語る。
• それでも抜群の走力を見せた。実業団の勧誘が相次いだが、本人の希望は実家の理容店を継ぐことだった。「あいつは五輪にだって行ける才能。何とかして」と恩師から頼まれた瀬川さん。後に所属先となるワコール(京都)からの勧誘があると知ると「下着が安く買えるかも」と説得した。
• 「陸上は3年だけ」と言って入社したものの、トラック競技でアテネ以降、五輪に3回出場。今回が4度目の五輪で初のマラソン挑戦となった。
• 19位でゴールした田中智美選手(28)が千葉県内の高校生だった頃から心に留める格言は「疾風に勁草を知る」。試練のときこそ人の真価が問われるという意味だ。大学時代に膝を故障し歩くことすらできなくなった。それでもリハビリで「脚が使えないなら」と自転車型のトレーニングマシンを手でこいだ。
• 選考レースで優勝したのに「走りが消極的」として、世界陸上選手権代表から漏れたこともある。悔しさに涙を流したが、気持ちを立て直した。
• 46位となった伊藤舞選手(32)=奈良県出身=は自らを「積み重ねの人間」と表現する。高校1、2年の頃にけがが続き、リハビリのため2~3カ月にわたりプールで泳ぎ続けることも。それでも1日10キロのノルマを黙々と泳いだ。
• 恩師は「心の素材があった」と精神面の強さを称賛する。この性格は「決めたことはきちんとやり遂げなさい」という父の教育方針の下で育まれた。生真面目さが五輪への道を開いた。


高橋、松友組が準決勝へ
福島は200メートル予選敗退

• リオデジャネイロ五輪第11日(15日)バドミントンの女子ダブルス準々決勝で第1シードの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)がマレーシアのペアを下し、準決勝に進出した。男子ダブルス準々決勝には早川賢一、遠藤大由組(日本ユニシス)が出場。
• 陸上女子200メートル予選の福島千里(北海道ハイテクAC)は23秒21の7組5着で敗退した。
• オープンウオーターの女子10キロに貴田裕美(コナミスポーツ)が挑む。
• シンクロナイズドスイミングはデュエットのテクニカルルーティンに乾友紀子(井村シンクロク)三井梨紗子(東京シンクロク)組が出場。


リオ選手村、窃盗頻発
現金も衣類も、職員ら逮捕

• リオデジャネイロ五輪の選手村で盗難事件が後を絶たない。パソコンや現金に限らず、衣類やシーツまで盗まれる始末。リオデジャネイロ市は世界有数の犯罪都市で、大会組織委員会は「リオで何も起きないと願うのは夢物語だ」と半ば諦め顔だが、ブラジルのイメージ悪化につながりかねず、13日には警備を強化していると強調した。選手村で働く職員らの逮捕も相次いでいる。
• リオ市で昨年起きた人口10万人当たりの強盗事件数は日本の660倍に上り、五輪期間中も日本人を含む外国人が強盗や窃盗の被害に遭うケースが相次いでいる。厳戒な警備を敷いているはずの選手村内でも歯止めが利かないのが現状だ。
• 正式開村した7月24日以前にも電球や鏡がなくなる事件が発生。トイレ詰まりや床の汚損などずさんな整備を批判し、入村予定を遅らせたオーストラリア選手団は入村後の同月29日、建物でぼや騒ぎが起きた際にパソコンやシャツを盗まれた。
• iPad(アイパッド)や携帯電話からシーツまで盗まれたデンマーク選手団は地元メディアに対し「清掃員、客室係らによる窃盗が続いている」と指摘。陸上男子イラン代表選手2人も12日、自室から現金計約3500ドル(約35万円)を盗まれた。容疑者は逮捕され、現金は戻ったという。
• 水泳用品が盗まれた英国選手団はブラジル人清掃員の入室を禁止した。


史上初の三つ子選手出場
双子がそろってゴールも

• 14日行われたリオデジャネイロ五輪の女子マラソンには、顔立ちがそっくりの三つ子の選手が1組、双子が2組出場し、仲良くそろってゴールする場面もみられた。同一競技に三つ子が出場するのは史上初とみられる。
• エストニアの30歳の三つ子、レイラ、リーナ、リリーのリュイク姉妹はレース前、欧米メディアに「お互いにビリになりたくない」と語っていたが、酷暑に苦しんだ。記録は一番下の妹のリリー選手が2時間48分29秒の97位で最高。一番上のレイラ選手は114位で、リーナ選手は棄権した。
• 北朝鮮の21歳の双子、キム・ヘソンとキム・ヘギョン両選手は2時間28分36秒の同タイムでゴールし、写真判定で姉のヘソン選手が10位、妹のヘギョン選手が11位となった。報道陣の問いかけには無言だったが、ほほ笑みながら会場を後にした。
• ドイツからも26歳の双子、ハーナー姉妹が挑んだ。姉のアンナ選手は81位で終え、妹のリサ選手は1秒遅れの82位だった。アンナ選手は「一緒にスタートして、五輪でレースできるなんて素晴らしい」と笑顔いっぱい。リサ選手は「夢が現実となった」と喜び、仲良く記念撮影に応じていた。
• 日本のマラソン界では1970~80年代に活躍した双子の宗茂、猛兄弟が有名。


子どもたち「メダル重い」
在留邦人ら五輪選手と交流

• メダリストを含む日本の五輪出場選手らが14日、リオデジャネイロ市内のホテルで在留邦人や日系人らと交流し、メダルを持たせてもらった小学生たちが「重い」と目を丸くした。
• 在リオ日本総領事館や日系協会が主催した歓迎レセプションに、競泳女子200メートル平泳ぎ金メダリストの金藤理絵選手ら選手団と関係者約20人が出席。地元日本人学校の児童・生徒約10人が、サンバのリズムに合わせて応援のパフォーマンスを披露した。
• 競泳の瀬戸大也選手が男子400メートル個人メドレーで獲得した銅メダルを持たせてもらった、小学5年の永田芽久さん(10)は「思ったより重くて大きかった」と話した。
• この日、リオ市内で行われた女子マラソンのレースを応援に行った小学3年の澄光瑠君(8)は選手団の前で「とても暑かったのに選手は最後まであきらめず、すごいと思った。ぼくもスポーツを頑張りたい」と感想を述べた。
• 同席した鈴木大地スポーツ庁長官は集まった日系人に対し「ブラジル人が日本のことを応援してくれるのを各競技場で感じている」と述べ、日系人がブラジルで築いてきた絆のおかげだと強調した。ブラジルの日系人社会は世界最大。14日は多くの日系人らが、沿道で小さなこいのぼりを振って女子マラソン選手を応援した。


8月14日

ケンブリッジら準決勝へ
錦織3決へ、卓球女子4強

• リオデジャネイロ五輪第9日の13日、陸上は男子100メートル予選でケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=が10秒13、山県亮太(24)=セイコーホールディングス=は10秒20で準決勝に進んだ。桐生祥秀(20)=東洋大=は10秒23で敗退した。3連覇を狙うウサイン・ボルト(ジャマイカ)は10秒07で通過した。
• テニスは男子シングルス準決勝で錦織圭(26)=日清食品=が前回の2012年ロンドン五輪覇者アンディ・マリー(英国)に敗れ、ラファエル・ナダル(スペイン)との3位決定戦に回った。
• 卓球団体の日本は前回銀の女子が準々決勝でオーストリアを破り、ベスト4入りした。男子は準々決勝に進んだ。
• 最終日の競泳は男子400メートルメドレーリレーで日本は5位となり、4大会連続のメダルを逃した。米国が9連覇し、マイケル・フェルプスは史上最多の金メダル数を23に伸ばした。
• バスケットボール女子の日本は1次リーグ最終戦で前回銀のフランスを破り、5連覇中の米国との準々決勝が決まった。トランポリンは男子の棟朝銀河(22)=慶応義塾=が4位、伊藤正樹(27)=東栄住宅=は6位だった。112年ぶりに復活したゴルフは男子の第3ラウンドで池田勇太(30)が26位、片山晋呉(43)が59位。
• 日本のメダルは金7、銀3、銅14の合計24個で変わらなかった。


ケンブリッジ、山県が準決
錦織敗れ、3位決定戦へ

• リオデジャネイロ五輪第9日(13日)陸上の男子100メートル予選で4組のケンブリッジ飛鳥(ドーム)は10秒13の2着、8組の山県亮太(セイコーホールディングス)は10秒20の2着で準決勝に進んだ。7組の桐生祥秀(東洋大)は10秒23で敗退した。3連覇を狙う世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)は10秒07で準決勝進出。
• 男子1万メートルは大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)が日本勢最高の17位。男子棒高跳び予選で沢野大地(富士通)が決勝に進んだ。女子100メートルはエレン・トンプソン(ジャマイカ)が10秒71で制した。
• テニスの男子シングルス準決勝で錦織圭(日清食品)は2連覇を狙うアンディ・マリー(英国)に敗れた。3位決定戦で日本勢96年ぶりのメダルを目指し、ラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。
• 卓球団体の日本は2012年ロンドン五輪銀メダルの女子が準々決勝でオーストリアを退け、4強入りした。準決勝はドイツ戦。男子は1回戦でポーランドを下して8強入りし、準々決勝では香港と当たる。
• 競泳の男子400メートルメドレーリレー決勝で日本は5位で、4大会連続の表彰台を逃した。米国が9連覇し、マイケル・フェルプスは史上最多の通算金メダル数を23に伸ばした。競泳の日本は金2、銀2、銅3で今大会を終えた。
• バスケットボール女子は1次リーグA組の日本が前回銀のフランスを破った。準々決勝では5連覇中の米国と対戦。
• トランポリン男子で棟朝銀河(慶応義塾)が4位、伊藤正樹(東栄住宅)は6位。バドミントン男子ダブルスの早川賢一、遠藤大由組(日本ユニシス)は1次リーグD組を1位通過。ゴルフ男子の第3ラウンドは池田勇太が通算1アンダーの26位、片山晋呉は通算13オーバーの59位。
• 日本はメダルを上積みできず金7、銀3、銅14で計24個のまま。


ブラジルなど準決勝へ
サッカー男子本記

• 男子の準々決勝が行われ、ブラジルはネイマールの先制点などでコロンビアを2―0で退け、準決勝に進出した。ドイツはポルトガルを4―0で圧倒し、ナイジェリアはデンマークに2―0で快勝。ホンジュラスは韓国を1―0で破った。
• 17日の準決勝はブラジルとホンジュラス、ナイジェリアとドイツが対戦する。


日本、1勝もできず敗退
ホッケー本記

• 女子の1次リーグ最終戦が行われ、既にB組の5位以下が確定して敗退が決まった日本はオーストラリアに0―2で敗れ、通算1分け4敗の勝ち点1で同組5位に終わった。
• アルゼンチンがインドに大勝して同6とし、4位に入って準々決勝に進んだ。英国は米国を2―1で下して5戦全勝の同15。米国が同12で2位、オーストラリアが同9で3位だった。
• A組はオランダがドイツを2―0で退けて同13で1位。中国に快勝したニュージーランドが同10の2位となり、ドイツ、スペインも8強入りした。


牧野、高橋組が5位浮上
セーリング本記

• 男子49er級は第6レースまで終了し、牧野幸雄、高橋賢次組(トヨタ自動車東日本)は5位に浮上した。女子49erFX級の宮川恵子(和歌山ク)高野芹奈(関大)組は6レースを終えて20位。
• 女子レーザーラジアル級の土居愛実(慶大)は10レースを終えて20位にとどまり、10位までによる最終レースに進めなかった。


英国が世界新でV
自転車本記

• 女子4000メートル団体追い抜きは、英国が4分10秒236の世界新記録で制した。女子ケイリンはリヒトリー(オランダ)が優勝した。


ライツが初優勝
射撃本記

• 男子ラピッドファイアピストルは、北京五輪銅のライツ(ドイツ)が決勝で34点をマークし、初の金メダルを獲得した。秋山輝吉(宮城県警)と森栄太(自衛隊)は予選敗退。
• 男子クレー・スキートは21歳のロッセティ(イタリア)が優勝した。


競技場に観客なだれ込む
警備に不安、日の丸姿も

• 陸上競技が行われているリオデジャネイロの五輪スタジアムで13日、昼までの競技終了後、観客ら数十人がグラウンドになだれ込む騒ぎがあった。地元メディアが伝えた。競技に影響はなかったが、五輪を狙ったテロの懸念もある中、会場警備の甘さに批判が出そうだ。
• なだれ込んだ観客の多くがブラジル人や隣国のアルゼンチン人だったが、日の丸の旗を羽織った人もいた。観客らは「エンジェニャン(五輪スタジアムの別称)は俺たちのものだ」と叫び声を上げ、数分間にわたり居座ったが、治安当局が追い出した。サッカーの地元チームが勝利した際と同じ掛け声で、大会の混乱を図る組織的な行動ではなさそうだ。
• 五輪スタジアムでは競技日程の大半が2部構成で行われ、観客は全員入れ替え制。13日夜の女子100メートルや男子1万メートルの決勝を前に観客は場外に出ることになっていた。


たった1人の代表、力走
ツバルを世界に伝えたい

• 南太平洋の島しょ国ツバルからたった1人のリオデジャネイロ五輪代表となったエティモニ・ティムアニ選手(24)が13日、陸上男子100メートルの予備予選に挑んだ。参加者でもっとも遅い自己ベスト11秒72は更新できず、予選通過もかなわなかったが、全力で疾走した。
• 「代表は栄誉。ツバルがどこにあり、どんな国なのか伝えたい」。米メディアにこう話していた同選手は、サッカーの選手でもある。開会式では旗手を務めた。政府関係者は「国で最高の運動選手。五輪出場は若者の手本になる」と話した。
• 九つの環礁から成るツバルは最も高い場所で海抜約5メートル。近年は海面上昇により「島が水没しかねない」と国際社会に訴えていることで知られる。
• 土地に余裕がなく、子供たちは飛行機が飛ばない時間に滑走路やその周辺でサッカーやラグビーのボールを追う。同選手は競技後「次に向けてベストを尽くした。良い1日になった」と話した。


初のヒジャブ姿で銅メダル
米国のイスラム女性選手

• リオデジャネイロ五輪で13日行われたフェンシング女子サーブル団体3位決定戦で米国が銅メダルを獲得した。米五輪代表として初めて、髪を隠すヒジャブ(スカーフ)をかぶり出場したイブティハジ・ムハンマド選手(30)は「イスラム教徒へのステレオタイプ化した見方や偏見を変える機会につながればうれしい」と目を輝かせた。
• 前回ロンドン五輪は手の靱帯を切って出場の機会を逃した。「代表に参加して6年。長い旅だった」。試合後メンバーらと星条旗に身を包み、誇らしげに記念写真に収まった。
• 今年初めに面会したオバマ米大統領から、メダルを持ち帰ってほしいと言われた。個人種目は初戦を突破したが、次戦で敗退。団体では期待に応えた。
• 米国では6月、イスラム教徒による銃乱射事件が発生。米大統領選で共和党のトランプ候補はイスラム教徒排斥を主張する。「私が(米代表チームの一員として)五輪に参加していることは個人として以上に大きな意味があると思う」と話す。
• 6月に死去したボクシングの元ヘビー級世界王者、ムハマド・アリ氏に言及し「私も声を上げて国に変化をもたらしたい。文化の壁を取り除き、若い世代に自分自身を信じることを伝えたい」と訴えた。

原沢は銀、山部は銅
錦織はベスト4、96年ぶり

• リオデジャネイロ五輪第8日(12日)柔道は男子100キロ超級の原沢久喜(日本中央競馬会)が銀メダルを獲得した。女子78キロ超級の山部佳苗(ミキハウス)は3位決定戦を制して銅。日本柔道勢は、過去最多の男女合計12個のメダルを手にした。男子は7階級制となった1988年ソウル五輪以降で、初の全階級でメダルを獲得。
• 日本選手団のメダルは金7、銀3、銅14の計24。
• テニスの男子シングルスは準々決勝で錦織圭(日清食品)がガエル・モンフィス(フランス)を7―6、4―6、7―6で下し、この種目で日本勢96年ぶりの4強入り。
• 陸上は男子20キロ競歩で松永大介(東洋大)が7位に入り、この種目で日本勢初の入賞。藤沢勇(ALSOK)が21位、高橋英輝(富士通)は42位だった。
• 女子1万メートルはアルマズ・アヤナ(エチオピア)が29分17秒45の世界新記録で優勝。高島由香(資生堂)が18位、関根花観(日本郵政グループ)が20位だった。
• 競泳は男子400メートルメドレーリレー予選で、日本は全体3位で決勝に進んだ。日本は4大会連続の表彰台を目指す。
• 女子800メートル自由形決勝はケイティ・レデッキー(米国)が8分4秒79の世界新記録で2連覇し、自由形3冠。
• 卓球女子団体は前回ロンドン五輪銀メダルの日本が1回戦でポーランドを下して、準々決勝に進出した。アーチェリー男子個人で前回大会銀メダルの古川高晴(近大職)は準々決勝敗退。
• ゴルフ男子は第2ラウンドを行い、池田勇太が通算1オーバーの37位、片山晋呉が通算7オーバーの58位。バレーボール女子の日本は1次リーグでロシアに敗れ、1勝3敗となった。


原沢が銀、山部は銅
柔道本記

• 2階級が行われ、男子100キロ超級で24歳の原沢久喜(日本中央競馬会)が決勝で前回ロンドン五輪金メダルのリネール(フランス)に優勢で敗れ、銀メダルとなった。
• 女子78キロ超級で山部佳苗(ミキハウス)は準決勝で敗れたが、3位決定戦でサイト(トルコ)に優勢勝ちして、銅メダルを獲得。アンデオル(フランス)が初優勝を果たした。
• 日本は男子が全7階級でメダルを獲得。7階級となった1988年ソウル五輪以降で初めて全階級でメダルを獲得した国となった。男女合わせて金3、銀1、銅8の12個で、1大会での過去最多を記録した。


錦織が準決勝進出
テニス本記

• 男子シングルス準々決勝で第4シードの錦織圭(日清食品)は第6シードのモンフィス(フランス)を7―6、4―6、7―6で下した。この種目での日本勢の4強入りは1920年アントワープ大会銀メダルの熊谷一弥以来96年ぶり。
• 錦織は準決勝で2連覇を狙う第2シードのA・マリー(英国)と顔を合わせる。第3シードのナダル(スペイン)も準決勝に進んだ。
• 男子ダブルス決勝はナダル、M・ロペス組(スペイン)が6―2、3―6、6―4でメルジェ、テカウ組(ルーマニア)を破り、スペイン勢として初優勝を果たした。


20キロ競歩の松永が7位
陸上本記

• 男子の20キロ競歩は松永大介(東洋大)が1時間20分22秒で7位に入り、この種目の日本勢初の入賞を果たした。藤沢勇(ALSOK)は21位、高橋英輝(富士通)は42位だった。王鎮が1時間19分14秒で、中国勢として2大会連続で優勝した。
• 400メートル予選で4組のウォルシュ・ジュリアン(東洋大)は46秒37の6着、7組の金丸祐三(大塚製薬)は48秒38の8着で共に敗退した。
• 女子は砲丸投げでカーター(米国)が20メートル63で初優勝した。100メートルで3連覇を目指すフレーザープライス(ジャマイカ)は予選で全体トップの10秒96を記録して準決勝に進出した。
• 1万メートルはアヤナ(エチオピア)が29分17秒45の世界新記録で初優勝し、高島由香(資生堂)は18位、関根花観(日本郵政グループ)が20位だった。


男子Mリレーが決勝へ
競泳本記

• 400メートルメドレーリレー予選で、男子の日本(入江、小関、藤井、中村)は全体3位の3分32秒33で決勝に進んだ。女子(酒井、鈴木、池江、内田)は3分59秒82の10位で敗退した。女子50メートル自由形予選の池江璃花子(ルネサンス亀戸)は25秒45の36位、松本弥生(ミキハウス)は25秒73の43位で落選した。
• 女子800メートル自由形決勝はケイティ・レデッキー(米国)が8分4秒79の世界新記録で2連覇し1968年メキシコ五輪のデビー・メイヤー(米国)以来48年ぶりとなる200メートル、400メートルとの自由形3冠を達成した。
• 男子100メートルバタフライ決勝で、4連覇と今大会5個目の金メダルを狙ったマイケル・フェルプス(米国)はジョセフ・スクーリング(シンガポール)に敗れて銀メダルだった。男子50メートル自由形決勝は35歳のアンソニー・アービン(米国)が16年ぶりに制し、競泳の個人種目で史上最年長の金メダリストになった。


柔道ニッポン、復活の兆し
メダル最多12、男子全階級
お家芸、東京五輪へ期待

• リオデジャネイロ五輪第8日は12日、柔道男子100キロ超級の原沢久喜(24)=日本中央競馬会=が銀メダル、女子78キロ超級の山部佳苗(25)=ミキハウス=が銅メダルを獲得。柔道は全日程を終了し、日本は過去最多の男女合計12個のメダルを量産した。男子は7階級制となった1988年ソウル五輪以降で初めて全階級でメダルを取り、4年後の東京五輪へ向け「お家芸」復活の兆しが見えた。
• 12日、4年間の歩みを語る井上康生男子監督は「今回の7人は歴史に大きく名を刻んだ」と声を震わせ、男泣きした。最後の1秒まで気を抜かずに闘い抜いた代表7選手の精神力に心を大きく揺さぶられた。
• 男子は前回ロンドン五輪で史上初の金メダルなしと惨敗した。再建を託された2000年シドニー五輪100キロ級金メダルの井上監督は、伝統を守りつつも既成概念にとらわれずに外へと目を向けた。ロシア生まれの格闘技サンボを強化合宿に導入。有力選手の単身での海外武者修行、各階級のライバル同士のみを集めた少数精鋭合宿などを実施し「たえず選手に火をつけて」(井上監督)闘う集団へ変えてきた。
• 女子は3年前の暴力指導問題で大揺れとなった。混乱を受けて就任した南條充寿監督は開幕直前に「ようやくここへたどり着いた」と漏らした。新体制は選手の自覚を促すため合宿回数を大幅に削減。自主性に任せてメダル5個につなげた。
• 男女ともに外国人選手の映像研究に積極的に着手し、4年間で8千試合以上のデータも蓄積。五輪で裁く国際審判員の判定傾向まで分析し、全日本柔道連盟(全柔連)科学研究部の担当者は「『指導』を出す時間帯まで調べ上げた」と明かす。
• しかし、64年東京五輪で採用されて以来「金」が最重要課題とされている日本勢には金3個は物足りない。全柔連の山下泰裕副会長がノルマとした4個に届かず、決勝進出も4階級だけ。04年アテネ五輪では日本全体の16個の半分の8個を稼いでおり、一層の奮起が期待される。
• 海外勢との紙一重の争いも激しさを増す。今大会のメダル獲得国は26と過去最多になった。山下副会長は「第1シードの選手が銅メダルで涙を流して喜んでいた。メダルを取るだけでもいかに大変なことか」と述べた。
• ロシアやブラジル、中央アジアは民族独自の格闘技から柔道へと派生させ、専門家でも技名を判別することが不可能な技を出してくる。原沢の恩師で海外事情に詳しい日大の金野潤監督は「変則的な柔道をする彼らが本質的な柔道も身につけ始めている。日本を取り巻く情勢はさらに厳しくなってきた」と話す。4年後に向け、誇りを懸けた闘いはさらに続く。


原沢、打倒リネールは夢
練った対策は不発
「聖火台」

• 日本柔道界が長年にわたり執念を燃やす「打倒リネール」は、またしても夢と消えた。男子100キロ超級の決勝。見る者を引き込むような緊張感に包まれた闘いで、原沢は指導1の差で敗れた。
• 勝利に徹するリネールはまともに組まず、懐に入ろうとする原沢をさばき続けた。挑戦者は「組んで入れるチャンスは何度かあったが、なかなか入らせてもらえなかった」と敗因を挙げた。
• 最初の3分を指導1以内でしのぐ作戦だった。しかし開始8秒に奥襟をつかまれ、頭を沈ませていきなり指導を受けた。これで思惑が外れた。技を出せずに5分が終わり「勝利への執着心がすごい」と天を仰いだ。
• 4月29日に原沢が代表に選出されると、日本男子の井上監督らはリネール対策を練った。重量級担当の鈴木コーチや2年続けて世界選手権決勝で敗れた七戸龍(九州電力)、原沢の恩師である日大の金野監督ら日本柔道界が結集した。
• 間合いを詰めて組み際の足技、帯を持っての大内刈り、共倒れからの絞め技は山下泰裕強化委員長が自ら実演もした。「重量級に対するみんなの熱い思いを背負う」。原沢は意気に感じ、原因不明の気管支炎に悩んだ6月も周囲を心配させるほど追い込んだ。
• 山口・早鞆高1年時は66キロ級と細い男が、世界が注目する男子最重量級決勝を闘った。「光栄に思うが、日本の重量級復活を考えると金メダルがほしかった」と悔やむ。
• 山口県下関市の小さな町道場が原点。全国の指導者や柔道を習う少年少女に対し、素質や環境に関係なく、純粋に努力すれば夢を見られることを証明した。「自分の実力はまだ半分を超えたくらいだ。まだまだ、もっともっと強くなれる」。澄み切った表情はすがすがしく、頼もしかった。


柔道男子、全階級メダル
井上監督、感極まり涙

• 柔道が全日程を終え、初の金メダルゼロだった2012年ロンドン五輪後の秋に就任した井上康生・男子監督(38)が試合終了後、報道陣の取材ゾーンで感極まり、肩を震わせて涙を流す一幕があった。7階級制となった1988年ソウル五輪以降初めて、男子は全階級でメダル(金メダル2)を獲得した。
• 00年シドニー五輪100キロ級の覇者でもある井上監督は、就任時から「リオ五輪での勝利こそが集大成」と掲げ、思い入れは相当なものだった。躍進したチームに「素晴らしい選手たちに感謝の気持ち。まだ自分自身をコントロールできない」とむせび泣いた。
• 代表7人の特徴を1人ずつ冗談も交えて表現した後に「本当にたくましかった。素晴らしい子どもたちとの五輪が終わり、人生最高の思い出になった」と目を細めた。
• 涙を拭くと、このまま指揮を執る4年後の東京五輪への決意を示した。「日本柔道は新たな闘いを始める。大変ではあるが、勝って当たり前、勝つべき集団だと他の国から言ってもらえるよう、最高かつ最強の選手の育成を続ける」と力強く締めくくった。


プロの自信、力に変えて
3度目の夢舞台、偉業へ

• プロとしての自信を力に変え、偉業へ。3度目の五輪で、日本代表として96年ぶりのメダル獲得に挑んだテニス男子シングルスの錦織圭選手(26)。前回のロンドン五輪以降、四大大会での活躍が著しいが、周囲への気配りも忘れず着実に成長した。「小さい頃から出場を夢見てきた」という舞台で、テニス史に名を刻む瞬間が近づいた。
• 2014年12月、米ニューヨーク。錦織選手は所属する日清食品のCM撮影で担当者を驚かせた。社交場に設けられたテニスコートで侍に扮し、大柄な欧米選手を打ち負かして最後にカメラのレンズにサインする内容だったが、台本にないウインクをしてみせた。
• 錦織選手は、08年から支援を受けている同社を毎年1回表敬訪問。当初は花束を渡されると気恥ずかしそうな笑顔を浮かべていた。担当者は「コートを離れればシャイな青年だったが、ウインクするまでになった。実績を残しているプロ選手としての自信の表れなのでしょう」と話す。
• 別の企業のCM撮影では、炎天下での撮影を終え、差し入れの冷たいそうめんに舌鼓を打って「食べ過ぎておなかいっぱいです」と笑っていたという。「世界トップクラスの選手なのに高慢さが全くない」。広報担当者は、周囲を和ます人柄に感心しきりだった。
• 準優勝した14年の全米オープン決勝前日、食事の席で自分のお茶が来ないのに、同席した関係者に「ビールの泡が消えちゃうので先に飲んでください」と気遣ったこともある。
• 10代からプロとして世界で戦ってきた錦織選手。開幕前、「五輪を経験して強くなったと感じる。国を背負って戦う場所で、良いニュースを届けられたらいい」と語っていた。


中国「変顔」選手が大人気
無個性のイメージ脱却

• リオデジャネイロ五輪の競泳女子100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得した中国の傅園慧選手(20)の取材時のユーモラスなやりとりや、表彰台で見せた「変顔」が話題になっている。中国国内ではすっかり人気者だ。
• 中国選手はこれまで、無個性で「メダル量産マシン」とやゆされることも多かったが、海外メディアも「中国にいなかった新しいタイプ」「リオで一番の愛すべき選手」と好意的に報じている。
• 注目が集まったのは8日の決勝直後の中国中央テレビの生中継だ。アナウンサーから先着の選手と0・01秒差だったと言われると「指が短かった。メダルが取れなかった(のは残念)」と返答。「3位ですよ」「えっ、3位?  知らなかった」
• この映像が短文投稿サイト微博に掲載されると、4時間で1千万回以上転送された。表彰台でも金メダリストらの横で口を大きく開けておどけたような顔をし、数万人だった微博のフォロワー(読者)が510万人に。気取らずに表情豊かに話す様子が人気を呼んだ。
• 2008年北京五輪では、国威発揚を狙ったメダル至上主義が露骨に現れ、過剰な期待が選手に重圧としてのしかかった。10年バンクーバー冬季五輪では、金メダルを取った女子選手が両親への感謝の言葉を口にすると、当局幹部から「まず国に感謝すべきだ」と非難されたこともあった。
• 中国紙のベテラン記者は傅選手を「重責を負っていると感じさせない逸材。中国人の心を一夜でわしづかみにした」と評価。ある評論家もテレビで「個性を押し殺して五輪に出る時代は終わった。人々は英雄ではなく個性を求めている」と話した。


苦しんだメダリストの肩書
4年後へ、再スタート

• 「楽しみながら泳げなかった」。競泳女子400メートルメドレーリレーの予選で日本が敗れ、平泳ぎの鈴木聡美選手(25)=福岡県出身=はリオデジャネイロ五輪をメダルなしで終えた。五輪メダリストとなった前回大会後、どん底を味わった。家族の支えで再び大舞台にたどり着いたが、完全復活とはいかなかった。
• 「本当に苦しかったが無駄ではなかった。家族には、わがままにもう少し付き合って応援してほしい」と4年後を見据えた。
• 前回大会で三つのメダルを獲得し「時の人」となった数カ月後、父良二さん(58)の前でこぼした。「終わったことなのに、まだ『ロンドンで…』って言われる」。いろいろな場に招かれ、私生活でも声を掛けられた。
• 応援をありがたいと思いつつ、感じる居心地の悪さ。母裕子さん(55)は「引退するなら余韻に浸ってもいいけど、リオを目指すならロンドンは忘れてしまいなさい」と諭したが、何かぎくしゃくしていた。
• 翌年の世界選手権。「メダリストなのに下手な泳ぎをするわけにはいかん」と臨んだが準決勝敗退。以前は「楽しい」と笑いながら泳いでいるように見えた背中が、ロンドン以降、母には半泣き状態に見えた。
• 裕子さんが福岡から練習拠点の山梨を訪れるたびに衝突。でも徐々にだが変化は感じ取った。
• 昨年日本代表から外れ、吹っ切れた。「ごめんね、お父さん。ほんと心配掛けて」。電話の声は沈んではいなかった。「やれるだけ1年頑張ってみる」。周りに積極的に意見を求め、フォームを変えることもいとわなかった。
• リオのプールでは本来の泳ぎができず「悔しい気持ちでいっぱい」。だが、目に涙はなかった。


憧れのジュン追って
輝くメダルへ15歳快勝

• 憧れの「ジュン」の背中を追ってきた。卓球女子の伊藤美誠選手(15)は、シングルスで男女通じ日本初の銅メダルを獲得した水谷隼選手(27)と同じ、静岡県磐田市のスポーツ少年団の出身。団体メンバーとして参加する初の五輪で、先輩に負けまいと輝くメダルを目指す。
• シングルス2番手として迎えたリオデジャネイロの初戦。試合前には笑顔を見せる余裕もあり、スマッシュを連発して勝利した。続くダブルスはキャプテンの福原愛選手(27)とぴったり息を合わせて快勝。ベンチにいた石川佳純選手(23)と手を合わせて喜んだ。
• 2人の実家は、磐田市内の近所にある。伊藤選手は2歳のころ、母美乃りさん(40)と卓球を始めてすぐ、水谷選手の父信雄さん(56)と母万記子さん(54)が指導する「豊田町卓球スポーツ少年団」に入った。
• 美乃りさんとの猛練習後でも疲れた様子を見せず、少年団へ。年上の男子選手にもまれ、強くなった。万記子さんは「どんなボールでもついていっていた。でも、たくさんいる子の中の1人。ここまでになるとは」と感慨深そうに話す。
• 10歳以上離れた水谷選手は憧れの存在だったが、中学時代からドイツでプロリーグに参戦していた。たまに実家に戻ると、伊藤選手の家に遊びにきた。一緒にゲームをしたりビデオを見たりして遊び、時にはリビングで一緒に卓球をした。
• 今年5月、磐田市での壮行会で、久しぶりに対戦した。伊藤選手の強打を水谷選手が拾って勝った。水谷選手は「美誠が幼稚園の時、自分は代表チームにいた。負けられない」。伊藤選手は「ジュンはお兄ちゃんみたいな存在。一緒にリオに出られて、うれしい」と天真らんまんに笑った。
• 五輪初戦を終え「普段通り。緊張せず、楽しかった」と伊藤選手。水谷選手に続く快挙を待ち望み、地元は盛り上がる。小さな頃から2人を知る磐田卓球協会の儘下高育さん(81)は「美誠の成長度合いはすごい。きっとメダルを持ち帰ってきてくれる」と期待した。


悔しさバネに「鍛え直す」
第一人者の意地見せ

• 「悔しい気持ちが僕の原動力。バネにして東京五輪に向けて鍛え直したい」。アーチェリー男子個人でベスト8に終わった古川高晴選手(32)。日本の第一人者としての意地は見せたが、2大会連続のメダルはならず、表情は険しかった。
• 準々決勝は、風で安定感が少し乱れた。後がない第4セットに10点を連発したが、敗退が決まると、無念そうに相手選手と握手した。試合後、「緊張はなく集中していたが、風の読み間違いをしたのが敗因」と振り返った。
• 母礼子さん(61)によると、真面目に一生懸命やる「こつこつ型の人間」。2004年アテネ五輪に初出場し、2度目の08年北京五輪では1回戦負け。その後、不調が続いたが、母校、青森東高時代の恩師手塚義浩さん(55)の「やまない雨はない」の言葉に支えられ復調。12年ロンドン五輪では銀メダルを獲得した。
• メダルを取ったことで忙しくなり、思い通りの練習量を確保できない時期もあり、「次は金」という重圧から焦りを口にしたこともあった。
• 観客席では両親が寄せ書き入りの日の丸を掲げて応援した。父勝也さん(64)は「残念だが相手が強かった」と話し、礼子さんは「ご苦労さんと声を掛けたい。また練習のしがいがある」とねぎらった。


イラン選手2人が窃盗被害
選手村自室で35万円相当

• リオデジャネイロ五輪で競技中だった陸上男子のイラン代表選手2人が12日、選手村にある自室から現金計約3500ドル(約35万円)を盗まれる被害に遭った。イランメディアが13日、選手団関係者の話として報じた。
• 2人は円盤投げのエフサン・ハダディ選手と、100メートルのハッサン・タフティアン選手。イラン国営通信によると、ハダディ選手は2012年ロンドン五輪で同国の陸上競技で初のメダルとなる銀メダルを獲得している。
• 2人が競技を終えるなどして自室に戻ったところ、現金が無くなっていることに気付いた。地元治安当局は2人に「お金は必ず取り戻してみせる」と約束したという。


不満は食事場所や情報不足
フレンドリーな対応は評価

• リオデジャネイロ五輪も中盤を迎えた。多くの日本人が観戦を楽しんでいるが、食事場所や情報の不足など大会運営に不満の声が上がる。一方で、フレンドリーな対応を評価する声も。4年後の東京五輪は果たしてどうなるか―。
• 「最も苦労したのは昼食」。7日連続で柔道観戦した横浜市の男性(51)は疲れた顔で話す。会場や五輪公園の売店はどこも混雑し「売り切れ」もしばしば。歩いて40分かかる宿泊先のレストランを利用したという。「東京五輪では日本各地の名物が食べられる屋台を出せばいい」とアドバイスする観客もいた。
• 情報不足を指摘する声も多い。テニスを観戦したリオ駐在の男性会社員(53)は「午前中雨が降ったが、スケジュールがどうなるのか案内がなかった」。東京都の男性会社員(52)も「情報が少なく、自分で調べないといけないが、Wi―Fi(ワイファイ)もつながりにくい」と不満顔だ。  日本でも報じられているリオの治安の悪さ。すでに競技場などで日本人が窃盗や強盗の被害に遭っている。男性会社員は「1人では出歩かないようにして、ホテルでタクシーを呼んでもらうようにしている」と話す。
• 英語が話せないスタッフも多いが、熱心にコミュニケーションを取る姿勢には好意的な評価が相次いだ。
• 体操競技を見た福岡市の主婦(44)は「スタッフは親切で、ラジオのDJみたいな場内アナウンスも雰囲気を盛り上げている。観戦マナーもいい」と好印象。卓球を観戦したサンパウロ在住の会社員山口直人さん(37)は「日本人は外国人に対して身構えてしまうことがある。東京五輪ではフレンドリーなおもてなしをしたい」と語った。


エジプト選手、握手拒む
柔道、対イスラエル戦

• 12日行われたリオデジャネイロ五輪の柔道男子100キロ超級1回戦で、イスラエルのオル・サソン選手がエジプトのイスラム・エルシェハビ選手に一本勝ちした後、握手しようと手を差し出したが、エルシェハビ選手が拒否、会場からブーイングを浴びた。
• 握手拒否は珍しい。エルシェハビ選手は理由を明らかにしていない。国際オリンピック委員会(IOC)は「五輪精神に反した行動」などとして事実関係を調査する方針を示した。
• エジプトはイスラエルと国交がある数少ないアラブの国の一つだが、パレスチナ問題などを理由に、反感を持つ国民が多い。AP通信は、同選手がエジプト国内のイスラム勢力や民族主義的な勢力などから試合すべきではないと圧力をかけられていたと伝えた。
• エジプト紙アルマスリ・アルヨウム電子版の試合結果速報の読者コメント欄には「イスラムの英雄だ」と称賛する声もあったが、多くは「国際舞台でエジプトのイメージを傷つけた」「握手拒否は倫理的な敗北を意味する」などと批判的だった。
• サソン選手は「拒否されても驚かなかったし、気にしていない。政治的な話はしたくない」と報道陣に語った。


重量挙げと陸上選手を追放
リオ五輪薬物違反で初処分

• スポーツ仲裁裁判所(CAS)の反ドーピング部門は12日、リオデジャネイロ五輪に出場予定だった重量挙げ男子94キロ級のトマシュ・ジェリンスキ選手(ポーランド)と、陸上女子3000メートル障害のシルビア・ダネコバ選手(ブルガリア)をドーピング違反で五輪から追放すると発表した。
• 検査に陽性反応を示した競泳女子100メートルバタフライ4位の陳欣怡選手(中国)は暫定資格停止とした。リオ五輪でCASの反ドーピング部門が下した初めての処分となった。
• リオ五輪から、国際オリンピック委員会(IOC)は検査で陽性反応が出た選手の処分決定をCASに委託した。従来はIOCが指名した規律委員会で処分を決めていた。


「初の金メダル」に興奮
小国シンガポール

• 「なんという瞬間だ」「驚くべき成長を遂げた」。リオデジャネイロ五輪の競泳男子100メートルバタフライでジョセフ・スクーリング選手(21)が、東京23区ほどの広さの都市国家シンガポールに史上初の金メダルをもたらした。地元メディアは13日、米国のフェルプス選手らをねじ伏せた「ゴールデンボーイ」の登場を興奮気味に伝えた。
• テレビはスクーリング選手が13歳で渡米を決意し、フロリダ州などでトレーニングに励んだことや、リオ五輪に向けた準備に専念するためシンガポールでは義務である兵役を特例で延期されたことなどを詳しく報じた。
• リー・シェンロン首相はツイッターに「あなたのおかげで、われわれは今日とても誇らしい」と書き込んだ。
• 東南アジアでは6日にも、射撃男子エアピストルでベトナム史上初の金メダリストが誕生、現地メディアで大きく報じられた。


邦人の犯罪被害「9件」
リオ五輪開幕1週間

• 在リオデジャネイロ日本総領事館は12日、リオデジャネイロ五輪が開幕した5日から11日までの1週間に日本人の犯罪被害は強盗やすりなど計9件だったと発表した。領事館で把握していないケースもかなりあるとみられ、実際の被害はより多そうだ。けがをした人はいないとしている。
• 内訳は、すりが5件、強盗が2件、置引が2件。総領事館は、外国人観光客が多く集まる場所で犯罪が多発しているとして「邦人被害のクライム・マップ」を総領事館のウェブサイトの五輪特設ページで公開し、注意を呼び掛けている。
• 強盗2件は、開会式が行われた競技場があるマラカナン地区で発生。短銃や刃物で脅され、スマートフォンや財布などを奪われている。
• すり被害は観光名所コパカバーナ地区にあるビーチバレー会場などであり、かばんやポケットから財布やスマートフォンが盗まれた。置引は西部バーラ地区の五輪公園の柔道会場などで発生。床に置いたかばんなどが盗まれた。


ロシア国旗剥がされる?
選手村の部屋で

• リオデジャネイロ五輪選手村のロシア選手の部屋に掛けられていたロシア国旗が剥がされていたという申告があり、選手への嫌がらせとしてロシア側が12日、五輪組織委員会に調査を求めた。国ぐるみのドーピング疑惑を巡り選手へのブーイングなどが相次ぐ中、ロシア側は神経をとがらせている。
• きっかけはシンクロナイズドスイミング代表のアレクサンドラ・パツケビッチ選手による、写真共有アプリ「インスタグラム」への12日未明の投稿。「朝、床にロシア国旗が剥がされた状態で放置されていた。夕方にはなくなっていた」と書き込んだ。
• ロシアメディアによると、選手団のカジコフ団長は「恐らく清掃員(が作業のために外したの)ではないか」と慎重な見方を示したが、ダンチェンコ・コーチは「憤慨している」と述べた。


「ビバ!リオ 五輪の街から」
日本選手の声を世界へ
通訳ボランティア

• リオデジャネイロ五輪の運営を支えるボランティアの中には、海外メディアの通訳として活動する日本人学生や日系ブラジル人も目立つ。取材現場に立ち会い、日本選手の声を世界中の読者・視聴者に伝える橋渡し役を務めている。
• 「好きなブラジルで五輪に役立てたら」。サンパウロ大に留学中の立教大生の堀池桃代さん(20)=東京都狛江市=はそんな思いで応募した。
• 堀池さんは父の駐在でブラジルに9年間住んだことがあり、英語も得意。ただ通訳は初めての体験で、選手の一言を「どう訳していいか迷ったこともある」。
• ボランティアは合間に試合観戦も認められる。日本の体操男子団体総合の金メダル獲得を間近で見た東京外国語大の宇居世理さん(20)=千葉県市川市=は「言葉にできないくらい感動した」と興奮気味だ。
• 日本語とポルトガル語の通訳を務めるアメリコ手島さん(63)は、高知県出身の父を持つ日系2世。1964年の東京五輪は記録映画で見た。ブラジルの日系企業や名古屋市でも勤務した。
• サンパウロ郊外に住む手島さんは組織委が確保したホテルにボランティア同士、相部屋で滞在する。「ブラジルの若者も英語がうまくなった。インフラも整備され、五輪開催はきっとブラジルの財産になる」と語った。

8月12日

金藤二百平V、萩野は銀
水谷、卓球男子初のメダル
羽賀も銅、日本金7
錦織8強、ラグビーは4位

• リオデジャネイロ五輪第7日の11日、競泳は女子200メートル平泳ぎの金藤理絵(27)=Jaked=が2分20秒30で優勝し、この種目では1936年ベルリン五輪の前畑秀子、92年バルセロナ五輪の岩崎恭子以来3人目の金メダルに輝いた。
• 男子200メートル個人メドレーの萩野公介(21)=東洋大=は1分56秒61の銀で、400メートル個人メドレー、800メートルリレーと合わせ今大会3個目のメダルを手にした。
• 卓球は男子シングルスの水谷隼(27)=ビーコン・ラボ=が3位となり、日本男子で史上初のメダルに輝いた。個人種目では男女を通じて初めて。柔道は羽賀龍之介(25)=旭化成=が男子100キロ級の日本勢では2000年シドニー五輪金メダルの井上康生以来、16年ぶりのメダルとなる銅を獲得した。
• 日本のメダルは金が7個となり、前回の12年ロンドン五輪に早くも並んだ。銀2、銅13で合計は22個。
• テニスの男子シングルスは錦織圭(26)=日清食品=が2大会連続でベスト8入りした。初実施のラグビー7人制男子の日本は4位。体操は寺本明日香(20)=レジックスポーツ=が女子個人総合で日本選手52年ぶりに8位入賞した。112年ぶりに復活したゴルフは男子の第1ラウンドで片山晋呉(43)池田勇太(30)がともに50位と出遅れた。


金藤、女子200平で金
萩野、2冠逃すも銀

• リオデジャネイロ五輪第7日(11日)競泳決勝は女子200メートル平泳ぎで27歳の金藤理絵(Jaked)が2分20秒30で金メダルに輝いた。競泳女子で日本の金メダリストは5人目で、この種目では1936年ベルリン五輪の前畑秀子、92年バルセロナ五輪を日本勢最年少の14歳で制した岩崎恭子以来3人目。日本の金メダルは前回ロンドン大会に並ぶ7個目。
• 男子200メートル個人メドレーの萩野公介(東洋大)は1分56秒61で2位。400メートル個人メドレーとの2冠を逃したが、800メートルリレーの銅と合わせ、今大会3個目のメダル。藤森太将(ミキハウス)が4位。マイケル・フェルプス(米国)が4連覇を果たし、五輪史上最多の金メダル数を22とした。
• 卓球は男子シングルス3位決定戦で、水谷隼(ビーコン・ラボ)がウラジーミル・サムソノフ(ベラルーシ)を4―1で下し、銅メダルを獲得した。卓球男子で日本初の表彰台。個人種目では男女を通じて初のメダル。
• 柔道は男子100キロ級の羽賀龍之介(旭化成)が3位決定戦に勝った。日本勢の同階級メダルは2000年シドニー五輪を制した井上康生以来。日本柔道のメダルは10個となり、92年バルセロナ、04年アテネ両五輪の最多記録に並んだ。
• 日本選手団のメダル総数は銀2、銅13と合わせ22個。
• 初実施のラグビー7人制男子は、日本は準決勝でフィジーに5―20で敗れ、3位決定戦でも南アフリカに14―54で屈して4位。フィジーが初代王者となった。
• テニスの男子シングルスは錦織圭(日清食品)がベスト8入り。ダニエル太郎(エイブル)は3回戦で敗れた。
• 体操の女子個人総合決勝で、寺本明日香(レジックスポーツ)が8位、村上茉愛(日体大)は14位。
• 112年ぶりに五輪に復帰したゴルフは男子の第1ラウンドを行い、片山晋呉、池田勇太はともに3オーバーで50位と出遅れた。
• バスケットボール女子の日本は20年ぶりの8強入りが決まった。ホッケー女子の日本は1次リーグで英国に敗れ、1分け3敗。


金藤が金メダル、萩野は銀
競泳本記

• 女子200メートル平泳ぎ決勝で、27歳の金藤理絵(Jaked)が2分20秒30で金メダルを獲得した。日本の競泳女子で史上5人目の五輪女王で、最年長メダリストとなった。2位のユリア・エフィモワ(ロシア)に1秒67の大差をつけた。
• 男子200メートル個人メドレー決勝で、400メートルとの2冠を狙った萩野公介(東洋大)は1分56秒61で銀メダル。藤森太将(ミキハウス)は1分57秒21の4位で惜しくも表彰台を逃した。マイケル・フェルプス(米国)が1分54秒66で4連覇を果たし、史上最多の五輪通算金メダル数を22とした。
• 男子200メートル背泳ぎ決勝の入江陵介(イトマン東進)は1分56秒36で8位。ライアン・マーフィー(米国)が100メートルとの2種目制覇を果たした。
• 男子50メートル自由形準決勝の塩浦慎理(イトマン東進)は22秒18の全体16位で決勝に進めなかった。中村克(イトマン東進)は予選18位で敗退した。
• 男子100メートルバタフライの藤井拓郎(コナミスポーツ)は予選20位で、女子200メートル背泳ぎの15歳、酒井夏海(スウィン南越谷)は同26位で落選した。


水谷、男子初の銅メダル
卓球本記

• 男子シングルスが行われ、準決勝で敗れた第4シードの水谷隼(ビーコン・ラボ)が3位決定戦で6大会連続出場の40歳、サムソノフ(ベラルーシ)を4―1で下し、銅メダルを獲得した。卓球で日本男子、個人種目のメダルは初めて。2ゲームを連取した水谷は第3ゲームを落としたが、第4、第5ゲームを奪って粘る相手を振り切った。
• 決勝は中国勢対決となり、昨年の世界選手権王者で第1シードの馬龍が五輪2連覇を狙った第2シードの張継科に4―0でストレート勝ちし、金メダルに輝いた。
• 3大会連続出場の水谷は同日の準決勝で馬龍に2―4で屈した。


羽賀が銅メダル
柔道本記

• 2階級が行われ、男子100キロ級で2015年世界選手権王者の羽賀龍之介(旭化成)は3位決定戦でブロシェンコ(ウクライナ)に三角絞めで一本勝ちし、銅メダルを獲得した。羽賀を準々決勝で破ったクルパレク(チェコ)が優勝した。
• 日本柔道のメダルは10個となり、1992年バルセロナ、04年アテネ両五輪の最多記録に並んだ。男子が獲得したメダル6個は過去最多。梅木真美(環太平洋大)が2回戦で敗退した女子78キロ級はハリソン(米国)が2連覇した。


寺本8位、52年ぶり入賞
体操本記

• 女子個人総合決勝が行われ、寺本明日香(レジックスポーツ)は57・965点で8位に入り、日本勢では1964年東京五輪で6位の池田敬子以来52年ぶりの入賞を果たした。持ち味の安定感に加え、跳馬で全体6位の15・100点をマークするなど予選12位から順位を上げた。
• 世界選手権3連覇中のバイルスが62・198点で2位に2・100の大差をつけて初優勝し、団体総合と2冠。米国勢として4連覇を果たした。
• レイズマン(米国)が銀、ムスタフィナ(ロシア)が銅メダルを獲得。予選9位の村上茉愛(日体大)は得意の床運動で着地が乱れるなど56・665点の14位。


金の輝き「信じられない」
控えめにガッツポーズ

• 「ちょっとまだ今は信じられないです」。競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルに輝いた金藤理絵選手(27)は、少し驚いたように喜びをかみしめた。ゴールの瞬間は控えめにガッツポーズ。金メダルを胸に下げ、プールサイドを回って声援に応えた時、ようやく涙がこみ上げてきた。
• メダルを手に取り「こんなに重いんだな」といとおしそうに見つめた。
• スタンドにはオレンジ色のそろいのTシャツを着た父宏明さん(61)、母富士子さん(58)らが「がんばれ金藤理絵」と書かれた横断幕や、日の丸を手に応援した。
• スタート前、落ち着いた表情の金藤選手は何度も息を吐き、前を見つめた。100メートルを折り返して先頭に立つと、そのままゴール。宏明さんは拳を何度も突き上げ、涙を拭う富士子さんの背中を優しくなでた。
• 前回ロンドン五輪の代表から漏れ、8年ぶりに戻ってきた舞台で最高の結果を出した。レース直後、支えてくれたコーチや仲間、家族らに「ありがとうございました」と感謝した。
• 表彰台では満面の笑みで白い歯を見せた。金メダルを手にして、プールサイドを歩きながらスタンドに手を振っているときに表情を崩し、涙があふれた。その後のインタビューでは「一緒に戦ってきたチームのメンバーと会った時、やっと、うれしいという気持ちが生まれました」と語った。
• 宏明さんは「最高に感動した。こんなに緊張したことはなかった」。富士子さんは「諦めずにここまで来たのはすごい。これまでの(金藤選手の)悔し涙とかが思い浮かんできた。よく頑張ったね」とねぎらった。


歴史刻み全身で雄たけび
メダルに歓喜、次は団体戦

• 新たな歴史を刻み、全身で雄たけびを上げた。卓球シングルスの水谷隼選手(27)は卓球の個人種目初、男子初のメダル獲得を決めた瞬間、ラケットを放り出し、床に転がって歓喜した。「卓球を始めたときからの夢だった」メダルを手に、次は団体戦に挑む。
• 鋭い目つきで入場。6大会連続出場しているベラルーシの大ベテランを相手に、得点を決めるたびに「しゃあ」と叫び、拳を突き上げた。
• 「頑張れ」と両親やチームメートが声援を送る中、コーチに肩をたたかれながら卓球台へ。第4ゲームは際どいラリーが続き、競技場は大歓声に包まれた。14対12の接戦を制した水谷が、そのまま第5ゲームも勝利、銅メダルを決めた。
• 試合後、ユニホームを脱いで観客席へ投げ入れた。「団体でメダル取って、皆さんの夢をかなえたい」と翌日からの団体戦にも自信を見せた。
• 表彰式の水谷選手は、1、2位の中国人選手と写真撮影するなど、重圧から解放されリラックス。表彰台は「富士山よりも高かった」と喜びをかみしめた。「これからは男子卓球も注目して」と、自ら切り開いた歴史をアピールした。
• 観客席から見届けた母の万記子さん(54)は「隼は日頃から、卓球界をなんとかしたいと言っていた。皆さんに恩返しできて良かった」と安堵の表情を浮かべた。
• 出身地・静岡県磐田市のホールには、家族や市民約150人が集まり、「隼」と書かれたうちわを手にテレビ観戦。メダルが決まると万歳三唱で栄誉をたたえた。水谷選手の祖母、鈴木秀子さん(76)は「苦労もあったが報われた。感無量」とハンカチを握り締め、涙を浮かべた。


悔しさあらわ「強くなる」
メダル獲得もリベンジ誓う

• 初の五輪で銅メダルを獲得したものの、悔しさをあらわにした。柔道男子100キロ級の羽賀龍之介選手(25)。「やっぱり金が欲しかった。もっと強くなって帰ってきたい」。表彰式を終えると、4年後の東京五輪でのリベンジを誓った。
• 初戦は、父善夫さん(53)譲りの内股で勝利したが、その後の試合では、なかなか決まらず、試合のペースをつかめなかった。準々決勝で敗れると、もどかしさから首をひねる場面もあった。
• 敗者復活戦で勝ち上がり、3位決定戦では、寝技に持ち込んでの一本勝ち。「(メダルが)あるのとないのとでは大きい。どんな形でも勝とうと思った」。鈴木桂治コーチ(36)と肩を組みながら畳を後に。目には涙をためていた。
• 所属する旭化成柔道部が拠点を置く宮崎県延岡市では、同僚ら約50人が社内の大型モニターで観戦。銅メダルが決まると、割れんばかりの拍手が起こった。柔道部の主将を務める西潟健太さん(28)は「手の内を研究され、苦しい中でのメダル獲得はすごい」と褒めたたえた。

8月11日

内村V2、団体と2冠
日本「金」ラッシュ
柔道田知本、ベイカーも
卓球水谷はメダル懸け

• リオデジャネイロ五輪第6日の10日、体操男子個人総合は内村航平(27)=コナミスポーツ=が最終種目の鉄棒で逆転し、2連覇を達成した。団体総合との2冠に輝き、個人の連覇は1968年メキシコ、72年ミュンヘン大会の加藤沢男以来44年ぶり4人目。
• 柔道は女子70キロ級の田知本遥(26)=ALSOK=が今大会の日本女子で初の金メダル。男子90キロ級のベイカー茉秋(21)=東海大=も同級で日本初の金を獲得し、日本は金メダルラッシュとなった。
• 競泳は女子200メートルバタフライの星奈津美(25)=ミズノ=が銅を手にし、日本のメダルは金6、銀1、銅11の計18個。
• ラグビー7人制男子の日本はフランスを破り、準決勝に進んだ。卓球女子シングルスの福原愛(27)=ANA=は4位。サッカー男子は1次リーグで敗退した。
• 第7日の11日、卓球は男子シングルス準決勝で水谷隼(27)=ビーコン・ラボ=が個人種目で日本初のメダルを懸ける。
• 柔道は男子100キロ級の羽賀龍之介(25)=旭化成=と女子78キロ級の梅木真美(21)=環太平洋大=が出場。
• バドミントンは女子ダブルスで世界ランキング1位の高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)組=日本ユニシス=が1次リーグ初戦に臨む。


痛みに耐え、止めた着地
逆転の内村「一番幸せ」

• 0・901の大差を追う最終種目の鉄棒で、G難度「カッシーナ」など離れ技を雄大に演じた。それでも、最終結果を待つ内村航平(コナミスポーツ)は半ば諦めていた。技の難度が圧倒的に高かった22歳のオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)に「負けたと思った」。
• しかし、最後に登場したライバルは着地で体が動いた。体操の神様がほほ笑んだのは、着地まで完璧に決めた日本のエースだった。「これだけいい演技で一番いい色のメダルが取れた。一番の幸せ者」。大逆転での個人総合2連覇に、両手を突き上げて絶叫した。
• 予選、団体総合決勝と全種目を戦ってきた27歳の体は、満身創痍だった。さらに最終種目の鉄棒で「ぎっくり腰みたいになった」。試合後は歩くのも精いっぱい。痛みに耐え、止めた着地がわずか0・099点差での「金」につながった。
• 2006年、伝統的な「10点満点」の採点方式が廃止され、得点の上限がなくなった。難度に応じて加算されるDスコア(演技価値点)を狙い、多くの選手が美しさよりも難しさばかりを追求するようになった。6種目を戦う個人総合は負担も大きいため、各選手の得意種目に絞って強化する国が増えた。国際体操連盟(FIG)の渡辺守成理事は「欧州を中心に、個人総合の廃止論さえ出始めた」と明かす。
• その潮流を変えたのが、内村だ。12年ロンドン五輪以降、多くを語ることは苦手な男が「体操は6種目やってこそ」「体操は美しくなければ」と発信し、有言実行し続けた。体はぼろぼろになり、肩の痛みでカバンさえ持てない時もあった。「幼い娘には申し訳ないけど“高い高い”するのも控えた」。すべてを体操にささげてきた。14年にはFIG会長が難度偏重に苦言を呈し、翌年に決まった20年東京五輪の団体総合は、個人総合に強い日本に優位な競技形式へと変更された。
• 数年前まで個人総合軽視だった中国勢も含め、この日6人の選手が大台の90点を超えた。内村は「体操の進化に貢献できているのかな」と照れくさそうに喜ぶ。名勝負を振り返り「白熱した試合を世界中の皆さんに見せられた。体操の難しさ、楽しさをかなり伝えられた気がする」と誇った。
• ベルニャエフは「内村は体操の王様。フェルプス(米国)やボルト(ジャマイカ)のようだ」とたたえた。だが、競泳や陸上のスーパースターと並べられた本人の思いは、少し違う。「まだ体操は有名ではない。きょうをきっかけにフェルプス、ボルトに負けないよう、僕の名前じゃなく体操を広めていきたい」。両親が教えてくれた競技への思いは、誰よりも深い。


「一番幸せ者」万感の連覇
大逆転、たたえる拍手

• 両方の拳を高く突き上げた。立ち上がった観客から拍手が降り注ぐ。体操の男子個人総合で、ロンドン五輪に続く金メダルを手にした内村航平選手(27)。「もう何も出ないところまで出し切った。本当に一番幸せ者だと思う」。大逆転での勝利に、最強の王者が万感の表情を見せた。
• 優勝した団体総合でも6種目をこなし、疲れが抜けずに臨んだ。だがこの日も安定感のある演技は変わらない。ウクライナの選手にリードされ2位で迎えた最終種目の鉄棒。大技を次々と決め、着地をぴたりと止めた。
• だが、ライバルも無難に演技を終えた。「逆転は無理か」。スタンドで母周子さんらがじっと見つめる中、電光掲示板に得点が出た。わずか0・099点差で上回る。会場がどよめき、少し間をおいて、世界一の体操選手をたたえる大きな拍手に変わった。
• 「神様はいるんだよ」。そろいのポロシャツを着て、声援を送り続けた日本代表メンバーの家族が興奮して肩をたたき合う。周子さんは涙が止まらず、「航平ありがとう」と大声で叫んだ。
• コーチと抱き合い、表彰台では金メダルを誇らしげに掲げた。白井健三選手(19)らチームメートも拍手で祝福する。「運が最後は味方してくれた」。王者にほっとしたような笑みがこぼれた。


母の祈り届いた「奇跡」
一番の世界王者ファン

• 最終種目での逆転で、体操男子個人総合の2連覇を果たした内村航平選手(27)がフロアから誇らしげに金メダルを掲げる。「奇跡を見せてくれてありがとう」。いつも応援に駆け付け、祈り、支えた母の周子さんはスタンドで声がかれるまで「航ちゃん、おめでとう」と何度も叫んだ。引き揚げる途中、目が合った内村選手は照れくさそうに少しほほ笑んだ。
• 息子の一番のファンを自称し、にぎやかに応援する姿はおなじみの光景になった。世界王者を育てた母として注目され、テレビ出演や講演の機会も増えた。長崎県諫早市で営む体操教室は大盛況で、忙しい日々が続く。
• ロンドン五輪後に結婚し、家庭を持った息子とは少し距離を置いた。電話するのは本当に用事がある時だけだ。「息子家族との一家だんらんを思い描くけど、そんな余裕はないです」と少し寂しそうに笑う。
• わが子への思いは真剣そのものだ。「航平のことを忘れるのは、体操のレッスン中だけ」と言い切る。壁に張った幼いころの写真を眺め、その場にいないのにお茶を入れる。目覚めた布団の中でも、ジョギング中でも、常に「無事でいてね」と祈ってきた。
• 2014年秋、周子さんは体操の大会で「現役復帰」し、バック転など軽快な動きで周囲を驚かせた。トレーニングを重ね、何か一つ年長者の世界記録を目指すという。「私も人に夢を与えたくて」。息子の活躍が、母の前向きな生き方を後押ししている。
• 今年4月、熊本地震が起きてすぐに内村選手から安否を気遣う電話がかかってきた。治安の悪さを心配し「リオデジャネイロには来ない方がいい」と反対された。
• 「子離れ」できない母に反発したこともある内村選手。ただ今は「何かしてあげたい」という気持ちに変わったという。
• リオの会場。歓喜する応援団にもみくちゃにされながら周子さんは、表彰式後に腰を痛がる息子に気づいた。五輪に向けた追い込みの疲れは演技から感じ取っていた。3度目の五輪で7個目のメダル。「もう十分だよ。お疲れさま」。あふれる涙をぬぐった。


新時代の超個性派王者
ベイカー、自在な戦法

• 新時代の金メダリストが誕生した。柔道男子90キロ級のベイカー茉秋(東海大)は既存の枠にはまらない超個性派だ。高校時代から続ける筋力トレーニングで培ったパワー、自由な発想がその源。同じ日本代表でも、しっかり組んで投げる73キロ級覇者の大野将平(旭化成)と対照的に型にこだわらず、相手に応じて戦法を自在に変える。
• 準決勝までの4試合を一本勝ちし、ジョージア選手との決勝も前半に有効を得て試合を支配した。五輪で唯一日本男子選手が金メダルを手にしていなかった90キロ級(階級変更前の86キロ級を含む)で頂点に立ち「ずっと夢に描いていた舞台だから、本当にうれしい」と大喜びした。
• 米国人の父と日本人の母を持ち、小学5年までインターナショナルスクールに通った。「1クラス30人で20カ国の生徒がいた。黒人や東南アジア、欧米の同級生が(席の)前後にいた」と話す。幼少から他文化でもまれ、思考はとにかくユニーク。誰もが憧れる東京五輪にも「日本武道館では何度も試合をやっているから、リオデジャネイロの方が魅力を感じる。初めての南半球で闘い、異国の地で五輪チャンピオンになって帰るなんて格好いいよ」と言ってのける。
• 生き方も独特だ。千葉・東海大浦安高時代は1年で66キロ級。81キロ級に上げた2年の団体戦で豪快に投げられ「90キロ級に上げないとエースになれない」と決意した。当時の竹内徹監督(56)は「指導者に頼らず、自分で実行する。体重が必要だからと全体練習で走る時も一人だけ外れ、ジムで筋トレをしていた」と証言する。
• 代表合宿で全員が乱取りをする中、「きょうはいいや」と別室でバーベルを挙げる“ベイカー”流は、「一番年下だけど茉秋だからね」と先輩たちをも納得させた。
• もう一つの夢がある。「選手として、人間としてレジェンドになる」。東京五輪まで連戦連勝はもちろん、将来は海外での柔道指導に興味を抱く。リオで躍動したベイカー。大好きな世界地図の上を奔放に羽ばたくように、可能性は無限に広がる。


王者の風格、頂点極める
初出場で「夢」現実に

• 五輪初出場ながら王者の風格を漂わせる落ち着いた試合運びで、頂点を極めた。男子柔道90キロ級のベイカー茉秋選手(21)。決勝戦以外は全て一本勝ちと圧倒的な強さを見せつけ、「小さい頃からの夢だった。達成できてすごくうれしい」と声を弾ませた。
• 白の道着で最後の闘いに臨んだベイカー選手は、試合開始直後からジョージアの選手に対し積極的に技を仕掛けていく。スタンドで観戦した母由果さん(46)から「茉秋、ファイト」と声が掛かる中、足技で有効を奪い、五輪王者の座をつかんだ。
• 試合中の厳しい表情は消え、この日初めて畳の上で笑顔を見せたベイカー選手。両手の人さし指で天を指し、喜びを表現した。畳を降りるとスタンドに向けて拍手。夢の大舞台で鼓舞し続けてくれた由果さんらへの感謝も忘れなかった。
• 井上康生監督(38)の五輪金メダル獲得を見て柔道を始めたベイカー選手。その井上監督から「(出場選手の中で)一番オーラがある」と言って送り出された。決勝戦後には「よくやってくれた」とねぎらいの言葉を掛けられたといい、「今までの恩を返せて良かったかな」と笑顔を見せた。
• 表彰式後のインタビューでは、全試合で一本勝ちを果たせなかったことを悔やみながらも、「東京五輪で連覇したい」と力強く宣言した。


女手一つ、感謝ささげる
強い決意で最高の輝き

• 柔道男子90キロ級で金メダルを手にしたベイカー茉秋選手(21)は幼い頃、両親の離婚を経験した。「女手一つで育ててくれた母に感謝を伝えたい」。強い決意で臨んだリオデジャネイロでの初の五輪。最高の輝きを見せた息子を、母由果さん(46)は「リオまで連れてきてくれて、メダルも取れてうれしい」と笑顔でたたえた。
• 東京・上野近くの下町で生まれ、幼稚園の頃は、姉にくっついてピアノを習う繊細な少年だった。猫背で弾く癖があり「柔道はピアノの姿勢を良くするために、小学校から始めたんです」と由果さんは笑いながら振り返る。
• 父は米国人で、最初の小学校はインターナショナルスクール。一方で、近所の子どもたちと一緒に祭りのみこしをかつぎ、地域の相撲大会では、横綱になって活躍した。
• 柔道に夢中になってきた小学3年のころ、両親が離婚した。直後の大会で優勝した時、インタビューで「お父さんは何のお仕事をしているの」と問われ、さっと顔が曇った。
• 試合の会場では、他の子たちが父親を相手に打ち込みで汗を流し、勝つと褒めてもらっていた。中学時代は、タオルと飲み物を持って駆け寄る由果さんに「あっちに行って」と嫌がったこともある。
• 千葉県にある強豪の高校に進むと、練習で疲れ果てて帰宅し「テレビの音がうるさい」と八つ当たりした。朝はベッドから出てこず、口論することもあった。
• だが、母が贈ったスポーツバッグを同級生にいたずらで汚された時、周りが驚くほど激怒した。使えなくなったバッグを捨て、帰宅し何も語らぬ息子を「なくしたの」と責めた由果さん。後で事情を知って涙が出た。
• 父親の穴を埋めるように、由果さんは「男らしくあろう」と努め、大型バイクの免許を取って息子を乗せて走った。肉の産地、野菜の種類にまでこだわる息子のリクエストに応じて料理を作り、母親の役割も果たした。
• リオデジャネイロのスタンドでは「茉秋」と書いた鉢巻きを締め、手を組んで祈るように応援した。金色のネイルに、金色の時計とアクセサリー。「金メダル」一色にそろえた手を、表彰台の頂点に立つ息子に向けて大きく振った。


家族の叱咤、世界の頂に
道示した父、切磋琢磨の姉

• 柔道女子70キロ級で金メダルを獲得した田知本遥選手(26)に柔の道を示したのは父。時にぶつかり合い、切磋琢磨したのは姉だった。家族の思いを胸に上がったリオデジャネイロの畳で躍動し、世界の頂に立った。
• 柔道の盛んな富山県小杉町(現射水市)の生まれ。小学2年のころ、現在78キロ超級で活躍する姉の愛さん(27)の相手をするため、渋々稽古に加わった。
• 指導したのは、中学時代に全国優勝したこともある柔道家の父又広さん(52)。稽古初日、何も教えていない次女が高度な足技を繰り出し、天性の素質に驚いた。
• 愛さんが地元中学で初の女子部員となり、妹の遥選手にも期待が集まった。本人は、中学では陸上競技をやると言い張ったが、又広さんは「柔道なら最高峰エベレストの頂点に立てるよ」と説き伏せた。
• 高校ではインターハイを制覇するまでに成長。その陰には、姉と競い合った日々があった。多くの大会を共に闘い、今も試合前にぴりぴりしてけんかすることもある。
• 2人の間に溝ができたことも。前回ロンドン五輪に愛さんは出場できず、遥選手の7位という結果を観客席で眺めただけだった。「妹と一緒にいるのも嫌だった」と悔しい気持ちを漏らした。
• それでも、ロンドンからの4年間、姉妹は互いに支え合って過ごした。「2人で五輪に」を合言葉に、遥選手が先に出場を決めた。だが、愛さんは代表選考の大会で膝を負傷して敗れた。遥選手に車いすを押され、会場を離れるところで代表落ちの悲報が伝えられ、共に涙を流した。
• 2度目の五輪も1人で臨む遥選手に、父は「この4年間で一番苦しんだ者が勝つはずだ」とメールした。愛さんは、試合の30日前から始まる日めくりカレンダーを贈った。友人らにメッセージを書いてもらい、自分は「全力で支える」と記した。
• 父の叱咤、姉の激励を背にして闘い、見事に手にした金メダル。「あげるよ」と首に掛けてもらった愛さんは、感極まった。「自分が優勝したみたい」。妹への感謝があふれた。


金の感触、笑顔晴れやか
この4年「今日のため」

• 前回大会ではメダルに届かず、雪辱への思いを胸に五輪の舞台に臨んだ柔道女子70キロ級の田知本遥選手(26)。金メダルという最高の結果に「今日のためにあったんだな」と、この4年間の苦しい日々を振り返った。表彰台の頂点に立つと、メダルの感触を確かめながら、晴れやかな笑顔を見せた。
• 今大会、日本柔道陣ではただ1人シード権を得られず、1回戦から登場した。勢いに乗ったのは優勝候補筆頭のオランダ人選手とぶつかった2回戦。「前に、前に」「このために準備してきたんだろうが」。南條充寿監督(44)のハッパを背に技を繰り出し続け、5分半に及ぶ死闘を制した。
• 決勝戦では、相手の体勢を崩すと、歯を食いしばりながら抑え込み。「絶対に離さない。あと何秒、と思って耐えた」。ワンチャンスをものにすると、座り込んだまま小さくうなずき、勝利の手応えを確かめた。
• 柔道をやめたいと思ったこともあったというロンドン五輪からの日々。「本当に苦しかったけれど、やっと終わった」。表彰式後に、78キロ超級での出場を逃した姉の愛さん(27)と言葉を交わすと、あふれた涙が頬を伝った。


あと1勝遠く大粒の涙
団体へ巻き返し誓う

• 念願のメダルまであと1勝が遠かった。旧知の先輩を見つけると、悔しさのあまり大粒の涙をこぼした。卓球女子のシングルスで、銅メダルをかけて戦った福原愛選手は、北朝鮮の選手に敗れた。12日(日本時間13日)からは団体戦。「3人で力を合わせて絶対メダルを取る」。そう決意を話すころには、涙は乾いていた。
• あどけない姿が人気を呼んだ「卓球の愛ちゃん」も27歳で、五輪出場は4回目。4年前のロンドンでは団体銀メダルで、まだ持っていないシングルスのメダルへ絶好のチャンスだった。
• 3位決定戦の相手、キム・ソンイ選手(22)はチームメートの石川佳純選手(23)を破った。パワフルで粘り強いキム選手に苦戦。追い詰められた4ゲーム目。「サー」と声を出して気合を入れ直し、競り合いで制すと、地元客から「ジャポン」コールが起きた。
• 敗退後、顔を上げて気丈に声援へ応えたが、ロンドン五輪で共に団体を戦った平野早矢香さん(31)と会い、肩を抱かれると涙腺が緩んだ。
• 1分ほど間を置き、取材エリアへ。「ものすごく悔しい。団体戦がなければこのまま崩れている」。一方でベスト4の成績に「練習したものは出た。自信を持った」。そして「団体戦で絶対にメダルを取る」と力強く言い切った。
• 母校の青森山田高校(青森市)では、会議室に教職員や生徒計約50人が集まり、赤色のメガホンを手に「頑張れ愛ちゃん」と熱い声援を送った。
• 卓球部総監督で恩師の渡辺俊治さん(67)は「見ている人に感動を与えてくれた。本当にご苦労さんと言いたい」とねぎらった。2年生の和田武優さん(17)は「最高の舞台で活躍してすごい。東京五輪ではメダルを取ってほしい」と話した。


中国、愛ちゃんに大注目
メディアの「焦点の一つ」

• 中国スーパーリーグに参戦した経験があることなどから、中国でも抜群の人気を誇る卓球の福原愛選手(27)の活躍は、中国メディアにとってリオデジャネイロ五輪の「焦点の一つ」(中国紙記者)だ。試合後は日本メディアの取材を受けた後、中国メディアの単独取材が行われるのが恒例となっている。
• 「この悔しさをばねに団体戦でメダルを獲得したい」。10日行われた卓球女子シングルス3位決定戦で北朝鮮の選手に敗れた福原選手が、中国人記者ら十数人からの矢継ぎ早の質問に流ちょうな中国語で答えていた。
• 「中国版ツイッター」と呼ばれる短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には約64万人のフォロワー(読者)を持つ。リオ入り後も、仲の良い世界ランキング1位の中国の劉詩〓(雨カンムリに文の旧字体)選手(25)とのツーショットや、開会式での記念写真などを投稿。選手村の部屋の壊れたトイレを修理して「私ってすごい?」と写真とともに書き込むと「いいね」が14万回以上押された。
• 「彼女は中国には少ない萌えキャラ。かわいいし、中国語もうまい。一番好きな日本人」と話すのは北京在住の中国人男性。肌の白さから「瓷娃娃(陶器のお人形さん)」などの愛称で呼ばれ、負けん気が強い泣き虫ということも有名だ。
• 台湾人の卓球選手、江宏傑選手(27)との交際ぶりも中国メディアの関心の的。「連絡を取り合っているか」との質問も相次いでいるが、福原選手は「試合のことだけ聞いて」と受け流している。


メダルの重さ、全然違う
病気克服、連続の銅

• ゴール後、ほっとして涙があふれた。「力を出し切れた。悔いはないです」。競泳女子200メートルバタフライで、2大会連続の銅メダルをつかんだ星奈津美選手(25)。ロンドン五輪後、甲状腺の病気の手術を受けた。「もう一度メダルを取らなきゃ」という重圧もあった。4年前と同じ色のメダルでも「全然重さが違う」。涙は、すがすがしい笑顔に変わった。
• 体の異変に気付いたのは2014年秋。階段で息切れし、疲労がなかなか抜けなかった。16歳の時、甲状腺の病気、バセドー病と診断され、薬で抑えて水泳に打ち込んでいた。検査で、病状を示す数値が大幅に悪化していると判明。「次の五輪があるのに、元に戻っちゃった」と動揺した。
• 医師からは投薬の継続を提案されたが、不安が残った。帰り道、母真奈美さん(53)に泣きながら電話した。「もう一回、先生に方法がないか聞いて。納得しないと先に進めないから」と助言され、病院に引き返した。
• 手術で甲状腺を摘出すれば症状の改善が見込めるが、首に傷痕が残り、1カ月は泳げなくなる。それも覚悟の上で、14年11月に手術を受けた。
• 3日後、病院で初めてシャワーを浴びた時、水に触れる喜びをかみしめた。「顔にかかる感じがうれしくて。やっぱり水が好きなんだな」
• 復帰後、シュノーケルを着けた軽い泳ぎから始めた。手術からわずか9カ月後の15年8月、世界選手権を制覇。五輪出場権を獲得した。
• リオデジャネイロ五輪が開幕した日。競技生活をずっと支えてきた真奈美さんの元に好物のマスカットが届いた。娘の体調を心配し、大きなレース前は食欲がなくなる母のため、星選手が事前に注文したものだった。
• 決勝レース前には、無料通信アプリLINE(ライン)でこんなメッセージも。「4年間、応援してくれてありがとう」。地元、埼玉県越谷市のパブリックビューイングで観戦した真奈美さんは「お疲れさま。最高のレースをありがとうと伝えたい」と涙をぬぐった。


法被姿で「がんばれ日本」
サンパウロで日系人ら応援

• 日本国外で最大の日系社会があるブラジルの最大都市サンパウロで10日、日系人や、日本企業の駐在員とその家族ら計200人以上が集まり、リオデジャネイロ五輪のサッカー男子でスウェーデンと対戦した日本をテレビで応援した。
• ブラジル日本都道府県人会連合会など、サンパウロの日系団体が呼び掛けた。東洋人街リベルダージ地区の会場には「がんばれ日本」と書いた大きな日の丸とともに大型スクリーンを設置。日本のユニホームを着た若者や、おそろいの法被を着た県人会のグループが大きな声援を送った。
• 後半、日本がゴールを決めると興奮は最高潮に。なまはげの仮面を着けて応援していた秋田県人会の川合昭会長は、両手を上げて喜んだ。
• 日本は勝利しつつも予選敗退が決定。川合さんは「惜しかった。東京五輪でこの借りを返してほしい」。日系3世のアナパウラ・タミナトさん(28)は「こんなに多くの人が集まるとは思わなかった。日本語は話せない私も一緒に応援できて楽しかった」と笑顔だった。


金品盗まれる日本人続出
リオ、800万円被害も

• 五輪開催中のブラジル・リオデジャネイロで、クレジットカード情報を不正に読み取るスキミングやすりなどにより日本人が金品を盗まれる事件が頻発していることが10日分かった。在リオ日本総領事館が明らかにした。
• 仕事でリオを訪れた男性はカードをスキミングされ、7月10日~8月3日に計8万ドル(約810万円)相当の被害を受けた。限度額を超えたとのカード会社からの通知で気づいたという。
• 7月28日夜には出張中の男性がリオ西部ジャカレパグア地区のレストランで床に置いたかばんを盗まれた。中にあったカードが30日、西部バーラ地区のショッピングモールで2回使用され、計4538レアル(約14万7千円)の被害を受けた。
• 8月7日には男性がコパカバーナ地区のビーチバレー会場で現金400ドル(約4万500円)などの入った財布をすられた。8日深夜には男性が同地区で女性4人に囲まれた後、ポケットのスマートフォンがなくなったのに気づいた。女性たちに盗まれたとみられる。

8月10日

競泳坂井が銀、リレーは銅
羽根田が銅、カヌー日本初
柔道永瀬も銅、田代5位
ラグビーNZから金星

• リオデジャネイロ五輪第5日の9日、競泳の男子200メートルバタフライは初出場の坂井聖人(21)=早大=が1分53秒40で優勝したマイケル・フェルプス(米国)と僅差の2位となり、今大会日本選手初の銀メダルに輝いた。
• 男子800メートルリレーは、萩野公介(21)=東洋大=らで組んだ日本がこの種目で1964年東京五輪以来52年ぶりのメダルとなる銅を獲得した。
• カヌー・スラロームの男子カナディアンシングルの羽根田卓也(29)=ミキハウス=が3位に入り、カヌー競技で日本勢初メダルの快挙を達成した。
• 柔道は男子81キロ級の永瀬貴規(22)=旭化成=が銅メダルを獲得した。女子63キロ級の田代未来(22)=コマツ=は3位決定戦で敗れ、5位。日本勢が今大会初めてメダルを逃した。
• 日本のメダルは金3、銀1、銅10で計14個になった。
• 初実施のラグビー7人制男子1次リーグの日本は初戦で優勝候補のニュージーランドを破る金星を挙げた。英国には負けて1勝1敗。
• 卓球のシングルスは女子の福原愛(27)=ANA=と男子の水谷隼(27)=ビーコン・ラボ=が準決勝に進み、男子の丹羽孝希(21)=明大=は準々決勝で敗退した。体操は女子団体総合の日本が48年ぶりの4位と健闘した。


「ヒーロー」
怪物猛追「まさか」の銀
21歳坂井、無心の泳ぎ

• 自信を持つラスト50メートルで、坂井が驚異的なスパートを見せた。男子200メートルバタフライ決勝の7コースから猛然と追い上げ、1人、2人、次々とかわす。「怪物」フェルプスに迫ったところで、ゴール板をタッチ。わずか0秒04及ばなかったが、堂々の銀メダル。「まさか2番とは…」。世界的には名の売れていない21歳の新鋭は、右の拳を何度も何度も握りしめた。
• 「めちゃめちゃ緊張していた」と言うが、自分のレースを貫いた。150メートルの通過は6番手。「周りはほとんど見えていなかった」と無心で水をかいた。ラスト50メートルはただ一人30秒を切る、29秒67。フェルプスより1秒01も速かった。「一緒に泳げるだけでもわくわくした」という憧れのスーパースターを脅かした。
• 昨年の世界選手権で4位と健闘したが、銅メダルまでわずか0秒14だった。「あの悔しさがあったから頑張れた」。持ち味の持久力に加えて世界で戦えるスピードに磨きをかけ、得意の終盤勝負に持ち込める土台を築いた。
• 本命とみられた早大の1学年先輩、瀬戸を差し置いて堂々の表彰台。4年後の活躍も十分期待できる若武者が、大仕事をやってのけた。東京五輪に向け「もちろん、金を狙っていきます」と笑顔で宣言した。


4人で銅「最高に幸せ」
52年ぶり快挙に抱き合い

• プールサイドで力いっぱい抱き合い、ハイタッチを繰り返した。競泳男子800メートルリレーで3位に入り、52年ぶりとなるメダルを獲得、歴史をつくった4人。そろって表彰台に上がり、つないだ手を高く掲げた。エースの萩野公介選手(21)は「4人の力を最大限に出した結果。最高に幸せ」と喜びをかみしめた。
• ベテランのアンカー松田丈志選手(32)は4度目の五輪で、この種目だけに絞っていた。「思い出に残る試合ができて、楽しかった。今後、この3人が日本の自由形を引っ張ってくれることを願っている」と力強く話した。
• 終始、2位から3位の好位置でレースを進めた。江原騎士選手(23)は「素晴らしい時間を与えてもらえた。(他の)3人の力を借りてメダルが取れた」と目を潤ませ、小堀勇気選手(22)は「最後まで死ぬ気で泳いだ」と振り返った。
• 4年前のロンドン五輪400メートルメドレーリレーでは、個人種目でメダルのなかった北島康介さん(33)を「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」とチームを鼓舞し、銀メダルをつかんだ松田選手。今回も五輪代表に決定後「今までで最高のメンバーだよ。メダルが狙える」と仲間を励ましてきた。
• レース後は「後輩を自分が引っ張っていかないと、という気持ちだったが、最後は自分が助けられた」と感謝した。
• 松田選手の古里・宮崎県延岡市のパブリックビューイング会場には友人ら約200人が集まり「行け、行け、丈志」と応援。銅メダルが確定すると、大歓声が上がった。
• 延岡市で和菓子店を営む上田耕市さん(62)は「地元の期待を力に変えて活躍してくれる。これほど応援しがいのある男はいない」と興奮した様子だった。


五輪面メイン囲み「聖火台」
日本カヌーに初のメダル
「異端児」羽根田の目に涙

• いつもはひょうひょうとした羽根田のポーカーフェースが、みるみるうちに崩れていく。最後の選手が5位と伸びず、自身の表彰台が確定すると両手で顔を覆い、はばかることなく号泣した。「内側から感情があふれてきて涙を流したのは初めて」。18歳で本場欧州に武者修行に渡って技を磨いた異端児が、日本カヌー界に初のメダルをもたらした。
• 準決勝をトップと3・21点差の6位で通過。決勝は「のるかそるかの勝負」と攻めに出た。終盤に艇の動きが流れに取られてタイムこそ思ったほど伸びなかったが、ノーミス。このペナルティーなしがメダル圏内にとどまらせた。「競技人生で一番高いパフォーマンスが出せた」と誇った。
• 高校卒業後の2006年、カヌーの本場スロバキアに単身で渡った。日本には国際大会で使われるような人工コースがない。成長に限界を感じ、危機感が決断を後押しした。国内の環境を野球に例え「壁当てだけをしながらプロ選手を目指すようなもの」と説明する。強豪と同じ環境に身を置き、世界で通用するパドルさばきやバランス感覚を手にした。
• 北京五輪は予選敗退に終わり、雪辱を誓ったロンドン五輪では7位止まり。三度目の正直で悲願のメダルを手にした。「スロバキアに渡って10年。やっと努力が報われた」。かみしめるような一言一言に実感がこもった。


気持ち切り替え強豪破る
「何が何でも」メダル

• 「何が何でもメダルは取ろうと思い、頑張りました」。柔道男子81キロ級の永瀬貴規選手(22)は準々決勝で敗れたショックから立ち直ると、2戦続けて強豪を撃破、銅メダルをたぐり寄せた。
• 初戦から試合運びに硬さがみられた。準々決勝では、防御を固める相手からポイントを奪えなかった。地力を発揮できなかった悔しさからか、首をかしげる場面もあった。
• 「もう敗者復活戦なんて、ちょっと考えられない」。パニックから抜け出せたのは「応援してくれる人にメダル獲得で恩返しを」との思いがあったから。切り替えて臨んだ敗者復活戦では、気持ちいい一本勝ちを収め、手応えを確かめるように何度もうなずいた。
• 日本勢では同階級でのメダル獲得は4大会ぶりの快挙だが、本人は「悔しい気持ちはたくさんある。4年後には一番輝くメダルを取れるよう精進したい」。東京五輪でのリベンジを早速誓った。
• 母校の長崎日大高(長崎県諫早市)では、学校関係者ら約80人が試合を見守り、銅メダルが決まると、涙ぐむ人も。柔道部顧問として指導した松本太一教諭(36)は「今回負けたことは、次の東京五輪につながるはずだ」と話していた。


「勝たなきゃ意味ない」
技仕掛けたがメダル届かず

• 柔道女子63キロ級の田代未来選手(22)は強豪相手に積極的な技の仕掛けで挑んだが、今大会、日本勢初の「メダルなし」に終わった。試合後、「勝たなきゃ意味がない」と涙を浮かべた。
• 東京都八王子市出身。小学2年の頃に兄が通う警察署の道場で柔道を始め、高1でユース五輪、世界ジュニア選手権を制覇した。将来を嘱望されたが、高2の時に左膝を負傷。「パフォーマンスは戻らないかも」と医師が語るほど深刻だった。
• リハビリ中に髪が抜けることがあったのに、包み隠さずにチームメートとふざけ合った。医師も驚くほどの回復ぶりで、8カ月後には強豪たちを次々と投げ飛ばした。
• アテネ、北京で連覇した谷本歩実コーチ(35)と臨んだリオ。3位決定戦で敗退すると、引き締まった表情が一変、涙があふれた。声援を送った母ちず子さん(49)も「悔しいです」と言葉少なだった。
• 八王子市の市民センターでも100人以上がスクリーンの前で応援。小学校で同級生だった大学4年塚本帆南さん(22)も駆け付け「初めてなのに、すごく頑張った。東京五輪も目指してほしい」と願いを託した。


体操男子団体の金、18%
視聴率

• 9日早朝にNHK総合で放送され、日本が優勝したリオデジャネイロ五輪体操の男子団体総合決勝の平均視聴率は、関東地区が18・0%、関西地区が15・8%だったことが10日、ビデオリサーチの調査で分かった。
• 瞬間最高視聴率は日本選手が金メダルをもらった表彰式直後で関東で25・6%、関西で23・1%だった。


最後の五輪、「銅」に結実
伝統種目、52年ぶり復活
松田、若手にバトン

• 萩野公介(東洋大)江原騎士(自衛隊)小堀勇気(ミズノ)がゴールで手招きする中、アンカーの松田丈志(セガサミー)が必死に腕をかいた。52年ぶりの表彰台へ―。9日に行われたリオデジャネイロ五輪の競泳男子800メートルリレー決勝。「最後の五輪」と位置付けた32歳のベテラン、松田を中心にまとまった後輩の思いが、銅メダルに結実した。
• 4月の日本選手権で代表が決まった後、松田が3人に語り掛けた。「今までで最高のメンバーだ。頑張れば金もある」。この一言で、世界一への挑戦が始まった。200メートルバタフライで2大会連続銅メダルの松田は五輪の厳しさを誰よりも知っていた。頭一つ抜けた21歳の萩野を除き「残り3人の力をどれだけ引き上げるかが鍵になる」と合同練習を提案した。
• 5月中旬から国内で約60日間、競い合って練習した。一緒に過ごすことで高い意識を持ち続けた。特に初出場の23歳、江原は精神的に崩れそうになるたびに松田から「五輪がどれほどの戦いか分かっているのか」と叱咤された。江原は「くじけたら負けだった。丈志さんが僕らを強くしてくれた」と語った。
• 欧州で強化していた萩野は「800メートルリレーで金メダルを取る」と言い続けた旗振り役だが、負い目もあった。リレーの出場権が懸かった昨年の世界選手権に右肘の骨折で出場できなかった。踏ん張ってくれたのが仲の良い22歳の小堀だった。萩野も松田も欠いた昨年のメンバーで、小堀は唯一のロンドン五輪経験者。「絶対に代表権を取る」と萩野の代わりに第1泳者を務め、切符をつかんだ。
• 1932年ロサンゼルス、36年ベルリン五輪の2大会連続金メダルなどかつて日本がお家芸としてきた種目。64年東京五輪の銅メダルを最後に途切れた伝統を、4人が支え合って復活させた。
• ロンドン五輪で、松田らは個人種目でメダルを逃がした北島康介に対し、400メートルメドレーリレーで「康介さんを手ぶらで帰すわけにいかない」と士気を高め、銀メダルを手にした。今回のメンバーには「丈志さんを手ぶらで帰すわけにいかない」との思いもあった。歓喜のレース後、松田は「最後まで仕事をやりきれて、ほっとしている。東京五輪では金を目指してほしい」と頼もしい後輩にバトンを託した。


4千万人超が開会式を視聴
五輪、ビデオリサーチ推計

• 日本時間6日に行われたリオデジャネイロ五輪開会式をテレビやインターネットで視聴した人は約4230万人だったとの全国推計を、ビデオリサーチが10日発表した。単純計算すると3人に1人が見たことになる。
• 推計によると、開会式の生中継やハイライト番組を、翌日未明までに地上波とBSのテレビ放送で10分以上見た人は3865万人で、録画で見た人は144万人。公式動画を配信する放送局のサイトなどにアクセスした人は641万人だった。
• ビデオリサーチは、テレビとネットへの接触を測るサービス「VR CUBIC」と視聴率データを使い、総接触者数を初めて推計した。同社が8日に発表した生中継番組(NHK総合)の平均視聴率は関東地区で23・6%だった。


体操日本は「ピカチュウ」
差別的と仏TVに批判

• リオデジャネイロ五輪の体操男子団体総合の中継で、フランス国営テレビのゲスト解説者が日本選手を人気アニメ・ゲーム「ポケモン」の黄色いキャラクターに例えて「ピカチュウのようだ」と発言した。これに対し「人種差別的だ」と批判が寄せられ、公的メディア監督機関の放送高等評議会(CSA)が10日までに調査を始めた。
• フランスのメディアによると、この解説者は2008年の北京五輪の体操男子跳馬で銀メダルを獲得したトマ・ブーアイ氏。国営フランス2の中継で「まるでアニメを見ているみたい。そこら中に小さなピカチュウがいるようだ」と表現した。
• 直後からインターネットの会員制交流サイト(SNS)などで視聴者から苦情の声が上がり、CSAには2件の批判が寄せられた。テレビ局側は、コメントを巡り遺憾の意を表明したという。
• またフランス2ではリオ五輪開会式の中継でも、コメンテーターが「奴隷貿易はブラジルの産業発展のために必要だった」と述べ、人権団体が抗議。CSAが調査している。


リオ五輪報道バスに銃撃か
窓ガラス割れ2人軽傷
ロイター通信報道

• 五輪が開催されているリオデジャネイロで9日夜、報道関係者を乗せて移動していたバスの窓ガラスが割れ、少なくとも2人が軽傷を負った。大会組織委員会は「銃で撃たれたのか石だったのかはまだ分からない」としているが、ロイター通信は、銃弾が撃ち込まれたとする元米軍関係者の目撃者の見方を伝えた。
• 6日には北西部デオドロ地区の五輪馬術センターで、報道陣用のテントに銃弾1発が飛び込む事案があったばかり。リオ五輪では治安維持が最大の課題となっている。
• 報道によると、バスはブラジル人と外国人計12人を乗せ、デオドロ地区から西部バーラ地区にあるメイン会場の五輪公園に向かっていた。
• ロイターによると、バスケットボール雑誌で働く元米軍関係者は「銃声が聞こえた」と証言。バスの乗客らは銃弾2発がバスに当たったように聞こえたと話しているという。
• 午後7時半ごろ、ポンという音と共にガラスが割れ、乗っていた記者らが一斉に床に伏せた。バスは警察車両のそばに停車し、警察官が調べた後、再び目的地へ向かったという。

8月9日

体操ニッポン3大会ぶり金
大野は柔道初金、松本は銅
競泳萩野、200自7位
メダル、2桁到達

• リオデジャネイロ五輪第4日の8日、体操の男子団体総合はエース内村航平(27)=コナミスポーツ=を擁する日本が3連覇を狙った中国などとの争いを制し、2004年アテネ以来3大会ぶり7度目の金メダルに輝いた。
• 柔道は男子73キロ級の大野将平(24)=旭化成=が金を獲得した。今大会の柔道初で、前回の12年ロンドン大会で史上初の金ゼロに終わった男子では08年北京大会以来。女子57キロ級の松本薫(28)=ベネシード=は銅で前回の金に続き、2大会連続でメダルを奪った。
• 日本のメダルは金3、銅7で2桁に到達した。
• テニスの男子シングルスの錦織圭(26)=日清食品=は3回戦に進出。競泳男子200メートル自由形の萩野公介(21)=東洋大=は7位に終わった。卓球のシングルスは女子の福原愛(27)=ANA、男子の水谷隼(27)=ビーコン・ラボ=と丹羽孝希(21)=明大=が準々決勝に進んだ。
• 初実施のラグビー7人制女子の日本は10位。バレーボール女子1次リーグの日本はカメルーン相手に初勝利を挙げた。


内村、三度目の正直
いとおしく、重い「金」

• 欲しくて、欲しくて、でも手が届かなかった金色のメダルだった。三度目の正直でたどり着いた体操団体総合の表彰台の真ん中で、そのメダルを内村航平(コナミスポーツ)はいとおしそうに見つめた。「めちゃめちゃ重たい。4年に1度の五輪は特別。北京、ロンドンとメダルを取ってきたが一番重たい」。エースの強い思いが絆を生み、最高の輝きに結実した。
• 世界が脱帽する演技で日本を引っ張ってきたが、団体ではライバル中国に敗れてばかり。もう「銀」はいらない。ほころびを生むチームメートに「自分は頑張っているのに…」と背を向けたくなることもあった。東京での2011年世界選手権。優勝を逃した夜、夕食会場に姿を見せなかった。「内村だけ弁当を持って部屋にこもった」と森泉貴博コーチは明かす。
• ロンドン五輪では「4位でも2位でも変わらない」と発言した。「初出場の選手は銀メダルでもうれしいのに、周りの気持ちを考えない発言をしてしまった」と深く反省した内村は、時に言葉で、時に背中でチームを鼓舞するようになった。中国にわずか0・100点差で負けた14年世界選手権では、帰りのバスで白井健三(日体大)や加藤凌平(コナミスポーツ)らに「みんなで出直そう」と呼び掛けた。
• 昨秋の世界選手権で37年ぶりの金メダルを獲得した。ただ中盤までの楽勝ムードは、田中佑典(コナミスポーツ)の終盤2種目の失敗で吹き飛んだ。それまでも精神面の弱さを露呈していた田中はホテルに戻った夜、同室の内村に聞いた。「僕のことを必要としてくれますか」。内村は迷わず答えた。「必要だよ」。田中は短い言葉に救われたという。「他の人とは重みが違う。希望を持たせてくれる言葉だった」
• この数年間を思い出しながら、内村はチームメートと抱き合って喜びを分かち合った。「仲間との金メダルは全然違う。うれしいを超えている」。みんなでかなえた夢は、格別だった。


古き良き日本柔道の底力
組んで投げた大野

• 日本の底力を世界に示した。柔道男子73キロ級の大野将平(旭化成)は並み居る外国勢を受けて立ち、当然のようになぎ倒した。しっかりと組んで、豪快に投げる。日本男子2大会ぶりの金メダルを獲得したのは、古き良き日本柔道を追求する若武者だった。
• 決勝は身長170センチの大野が、10センチも高いルスタム・オルジョイ(アゼルバイジャン)を見下ろすように闘った。力強い投げで崩し、小内刈りで一本。「美しい柔道ができることを証明したかった」。5試合で相手に一度も技のポイントを与えない完勝で、日本男子復活の一歩を刻んだ。
• 五輪王者の古賀稔彦や吉田秀彦を生み、中学、高校と在籍した柔道私塾の講道学舎は体重無差別の闘いを最高峰に掲げた。師範として指導した持田治也氏(51)は「団体戦のしんがりを受けたならば、相手が160キロだからと言い訳をするのか。俺たちはそこに立ち向かうぞと言ってきた」と述懐。大野は今も重量級選手と本気で稽古を重ねることが多く、同階級の屈強な外国勢でも苦にせず投げ飛ばせる。培った地力は本物だった。
• 前回ロンドン五輪で日本男子は史上初の金メダルゼロと惨敗。ロシアのサンボなど各国独自の格闘技を進化させた「JUDO」という国際化の波に乗り遅れた。大野は現状を認識し、日々の稽古に相撲を取り入れて体幹を鍛えた。外国勢が多用する接近戦にも対応しながら、互角に組む正統派スタイルを貫いた。
• 「正々堂々とした柔道を展開し、心技体全てで外国人選手を上回る。圧倒的な差をつけることが目標だった」。りりしい表情で表彰台の頂点に立つ大野の胸に、本家の誇りがにじんだ。


金メダル「めちゃ重たい」
悲願の頂点、人さし指立て
体操ニッポン、美技で魅了

• 勝利が決まった瞬間、選手とコーチ全員が両手を突き上げた。輪になり、肩を組むメンバー。「ナンバーワン」を誇示するよう人さし指を立てた。体操の男子団体で日本がアテネ五輪以来、12年ぶりの金メダル。首に下げた選手は「めちゃめちゃ重たい」。「体操王国ニッポン」が持ち味の美しい演技で、再び世界一に輝いた。
• 予選4位だった日本は、決勝の跳馬や鉄棒で着地を次々に決め、最終種目の床を残してトップ。“ひねり王子”の異名を持つ白井健三選手(19)が1人目に登場し、大技を成功させて高得点をたたき出す。加藤凌平選手(22)も安定した演技で続いた。
• そして最後のエース内村航平選手(27)。前回ロンドン大会の鉄棒で失敗した悔しさを胸に躍動した。ミスなくまとめ、演技終了後にはほっとした様子でメンバーと手を合わせた。
• 2位につけていたロシアが、日本に続く床の演技で大きなミスをしたため、最終演技者を待たずに勝利を確信。得点が出ると選手の笑みがはじけた。
• 山室光史選手(27)、田中佑典選手(26)を合わせた5人が手をつないで上った表彰台。真ん中に掲げられた日の丸を見つめ、大声で国歌を斉唱した。追い求めた団体での頂点に、内村選手は「北京、ロンドンとメダルを取ってきて一番重たい。倍以上に感じている」。チーム最年少の白井選手は「間違いなく一番幸せな日になった」と喜びをかみしめ、加藤選手は「歴史をつくれたのかな」とほほ笑んだ。
• あん馬で落下した山室選手は「みんなに感謝です」、出場した3種目でいずれもチーム内最高得点だった田中選手も「出し切った」と汗を拭った。
• 会場では家族が栄光を見届けた。内村選手の母周子さんは「ありがとう」と大声で叫んだ。「最後まで無事に終えることだけを願っていた。まだ信じられなくて、涙も出てきません」
• 白井選手の父勝晃さん(56)は息子の偉業に「あいつは運命の男なんですよ。信じて良かった。こんな大舞台でようやりました」とかれた声で話した。


クールな表情、圧倒的強さ
「柔道の美しさ伝えた」

• クールな表情のまま、圧倒的な力で頂点に立った。柔道男子73キロ級で金メダルを獲得した大野将平選手(24)。「柔道の素晴らしさ、強さ、美しさを伝えられたのでは」。前回大会は「金」ゼロだった日本男子の悲願を果たし、畳を下りてコーチと抱き合うと、ようやく笑みがこぼれた。
• 常に落ち着いた表情で試合に臨んだ。闘いが始まると切れ味鋭い技を仕掛け、相手を寄せ付けない勝利の連続。決勝でも、大野選手よりも10センチほど身長の高いアゼルバイジャンの選手に、ひるむことなく攻め続けた。
• 相手を畳にたたきつけて金メダルに輝いたことを確認しても、感情を抑えたような顔つきは変わらないまま。コーチから祝福されると白い歯を見せ、寄せ書きのある日の丸をまとって会場を歩いた。表彰式ではすっかり表情を緩め、金メダルをそっとなでて感触を確かめた。
• インタビューには「プレッシャーが大きかった。当たり前のことを当たり前にやるという難しさを感じた」と本心を吐露。「内容はまだまだ反省するところがある。もっと強くなりたい」と宣言した。
• 共に柔道を学んだ兄哲也さん(26)も、スタンドから声援を送った。「弟には『よく頑張った。ご苦労さん』と声を掛けてあげたい」と満面の笑みだった。
• 大野選手の地元、山口市のパブリックビューイング会場には約80人が集まり、母の文子さんらが声援を送った。
• 文子さんは試合前に「この舞台で、戦うしょうへいの姿をこの目に焼き付けようと思う。ありがとう。信じてる。祈ってる」と携帯電話にメッセージを送った。大野選手からは「よく眠れた。いつも通りやるわ!」と返ってきたという。
• 「『ありがとう』と思う。将平の夢がかなって良かった」とうれし涙だった。


銅メダル「甘酸っぱい」
全力出し切った松本選手

• 「うれしいのと、悔しいのと、甘酸っぱい感じ」。柔道女子57キロ級で銅メダルを獲得した松本薫選手(28)。ロンドン五輪からの連覇はならなかったものの、全力を出し切った充実感を独特の言葉遣いで表現した。
• 準決勝では、モンゴル人選手に投げ飛ばされて一本負け。畳にはいつくばり、しばらく立てなかった。気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦では、ロンドンで見せた攻撃的な戦いぶりを披露、メダルをもぎ取った。
• 表彰式でリラックスし優しい笑顔も見せた松本選手。「力を出し切りました」と語ったが、ロンドンからの4年間を問われると「長かった」とひと言だけ。連覇への期待が重圧となっていたことを感じさせた。
• 地元・金沢市でも約60人が中継映像で観戦した。準決勝で敗れた瞬間には、悲鳴とため息が入り交じったが、銅メダルを決めると「よくやった」と盛大な拍手が湧いた。
• 柔道着姿で応援した小学2年の坂明音さん(8)は「私もメダルを取れる選手になりたい」と興奮した様子。松本選手と同じ道場に通った自営業林俊伍さん(29)は「素晴らしい結果。お疲れさま」とねぎらった。


父の一言、リオへと後押し
両親のための銅メダル

• 柔道女子57キロ級の松本薫選手(28)は両親のために闘った。五輪2連覇への闘志をかきたてたのも、普段は何事にも口出ししない父の「リオに連れて行って」の一言。準決勝でまさかの一本負けを喫したが、「何も持たずに日本には帰れない」と奮起し、銅メダルを手にした。
• 2012年、初出場のロンドンでいきなり優勝した。闘争心むきだしの鋭い目つきは「野獣」とも呼ばれたが、畳を下りると一変し「妖精を見た」などユニークな発言で時の人となった。
• しかし、金メダリストの肩書は重くのしかかった。「やっぱり目標を達成したから、調子も力も張りがなかった」。父の賢二さん(63)の目には、娘の柔道から覇気が失われたように見えた。
• 調理師の賢二さんは、妻の恵美子さん(56)と共働きで5人の子を養った。経済的に厳しい中、しっかり者の三女・松本選手には「母親を大事にせえ」と言ったぐらい。厳しいしつけはせず、何でも自分で決めさせた。
• 栄養面でサポートしようと、冷凍した料理を送る。長時間かけて煮込み、脂肪分を抜いたスペアリブが定番だ。ただ、重圧を感じないよう柔道を話題にせず、口出しも一切しなかった。
• そんな父が昨年夏、松本選手に電話した。「リオへ連れて行ってくれ」。松本選手にとって、こんなお願いをされるのは初めて。国際大会に向かうため成田空港にいた松本選手は「うん、分かった」と答えた。
• この大会を制した松本選手は、がむしゃらに勝ちに行くスタイルを取り戻した。リオデジャネイロでは、3位決定戦で「ロンドンの時のような強い目つき」(賢二さん)に。銅メダルを手にすると、家族に向けて手を合わせた松本選手。「お疲れさま」とねぎらう賢二さんに、照れくさそうな笑顔を見せた。


母との約束、一流選手へ
「夢かなってよかった」

• 金メダルを手にした柔道男子73キロ級の大野将平選手(24)は、幼いころ体格に恵まれず、壁に突き当たった時期がある。それでも母が課した「半年で10キロ」の体重増を果たし、一流選手への道を歩み始めた。「夢がかなって本当に良かった」。初の五輪で圧倒的な力を見せた息子の姿を、故郷の母は静かに見届けた。
• 山口市のスポーツ少年団で小学校に入るころ柔道を始め、先に強くなった兄の哲也さん(26)に負けじと稽古を重ねた。「意表を突き、あっという間に試合を終わらせる」。少年団の指導者、植木清治さん(65)も才能は感じ取っていた。
• だが、体も食も細く、6年生になると、大柄な相手に勝てなくなった。哲也さんが入門した東京の柔道私塾「講道学舎」に憧れたが、母文子さんは、負けん気ばかりで実力の伴わない次男の上京には反対だった。
• 秋の入門試験まであと半年。「行ってみんと分からん!」と食ってかかる大野選手に、文子さんは「40キロしかない体を50キロにする」と約束させた。寝る前におにぎりやうどんを詰め込む、1日4食の生活が始まった。
• 増量して臨んだ試験で、試合に負けて泣いた。なんとか合格したが、練習と上下関係は過酷だった。「地獄じゃ」。初めて帰省した中学1年の夏、空港から自宅に向かう車内で思わずつぶやいた。文子さんは「しょうがないよ」と心を鬼にして、また東京に送り出した。
• 必死に稽古した大野選手は団体戦のレギュラーになり、兄と同じく中3でキャプテンに。高校、大学で順調に力を伸ばし、リオデジャネイロ五輪の代表を勝ち取った。
• リオの競技場のスタンドでは、かつて目標とした哲也さんが声援を送り、文子さんは地元の山口で応援。世界の頂点に立った息子の姿に「将平ならいつも通りやれば大丈夫と思った」と涙を見せた。


サッカーファン五輪に不満
地元チーム、本拠地使えず

• 五輪が開催されているリオデジャネイロで、地元サッカーチームのファンの不満がくすぶっている。五輪で本拠地のマラカナン競技場が使えず、遠くでの試合が続いているためだ。
• 元日本代表監督のジーコ氏もかつて所属した古豪フラメンゴの試合が行われた6日。「いいぞ」「シュートだ」。チーム発祥の地、フラメンゴ地区のバーでは、約20人のファンがテレビの前で歓声を上げていた。
• 本来なら本拠地で試合が行われるが、この日の会場は400キロ以上離れた隣の州の競技場。赤と黒のフラメンゴのユニホームを着たリカルド・アンジエルさん(57)は「マラカナンなら応援に行けるのに」と納得できない様子だ。
• 長年のライバルチーム、フルミネンセも本拠地とするマラカナンは五輪の主要会場。5日の開会式のほか21日の閉会式でも使われる。両チームは今年1月からスタジアムを使えず、熱狂的なファンで埋め尽くされる直接対決も今年はリオデジャネイロ州外で行われた。
• 「五輪? 金メダル? 興味ないな」とアンジエルさん。五輪のサッカー男子ブラジル代表には世界的スターのネイマール選手(バルセロナ)もいるが、別の男性ファン(42)はこう言う。「巨額の報酬をもらって国外でプレーする選手より、身近な選手を応援するのが本物のカリオカ(リオっ子)だ」


五輪おじさん、日本で応援
90歳、治安に勝てず

• 1964年の東京大会から2012年ロンドン大会まで、連続して夏季五輪を現地観戦してきた「五輪おじさん」こと山田直稔さん(90)=東京都千代田区=が、リオデジャネイロに姿を見せていない。山田さんによると、旅行会社に手配し滞在の準備を進めていたが、先着した応援仲間から「治安が悪いからやめた方がいい」と止められたのが理由という。
• 金色のシルクハットをかぶり、扇子を片手に日の丸を振って応援を続けてきた。東京大会から、日本がボイコットしたモスクワも含め13回連続で観戦。08年北京大会でいったん「引退」したが、12年ロンドン大会で復活した。
• リオデジャネイロ大会も「現地で見たい競技はいっぱいあった」。現在は国内でテレビ観戦をしているが、完全に諦めたわけではない。せめて閉会式に行けないか検討しているという。山田さんは「荷物をトランクに詰めれば、すぐに飛び立てる」と意気込む。
• 毎日、近くの神社まで往復約2キロ歩くのが日課。94歳で迎える2度目の東京五輪も現地観戦を目指す。「64年の東京大会は、開催前から日本中を盛り上げようとほぼ毎日行事があった。次ももっとムードづくりをしなきゃ駄目」と、盛り上げ役としての健在ぶりを見せた。


リオ五輪金、コナミ4%高
利用者増期待、旭化成も

• リオデジャネイロ五輪の体操男子団体総合で日本代表が金メダルに輝き、9日の東京株式市場ではエース内村航平選手らが所属するコナミスポーツクラブを傘下に持つコナミホールディングスの株価が上昇した。終値は前日比175円(4・7%)高の3895円。
• スポーツクラブの利用者が増加するとの観測や、企業のブランド力向上への期待から買い注文が優勢になった。「五輪の話題が広がり、個人投資家らの買いが入ったのだろう」とネット証券関係者。5・0%高まで上昇する場面もあった。
• 柔道男子73キロ級で金を獲得した大野将平選手の所属する旭化成の終値は6・9%高の822円90銭。大野選手の活躍のほか、住宅関連事業の回復期待が重なり、市場の注目を集めた。


開会式入場券82万円で転売
リオ五輪で警察捜査

• 地元メディアによると、ブラジル警察は8日、リオデジャネイロ五輪開会式の入場券を8千ドル(約82万円)で転売するなどした容疑で、英国のスポーツ観戦チケット会社THGのアイルランド人幹部を5日、リオ市内で拘束し、調べていると明らかにした。
• 最も高い開会式入場券は4600レアル(約14万9千円)。警察は男子サッカー決勝など約800枚のチケットを押収した。公式代理店を通じ購入したとみられている。
• THGは2012年ロンドン五輪の入場券の公式代理店だったが、リオ五輪の公式代理店ではない。14年サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会では、別の同社幹部が大がかりなダフ屋行為に関与したとされる。
• 一方、リオの警察は、偽造クレジットカードで開会式の入場券を購入し、転売していたとされる10人のグループを5日拘束した。警察は入場券少なくとも20枚や偽造カードなどを押収した。
• ブラジルでは空港やスーパーなどの現金自動預払機(ATM)でカード情報を不正に読み取るスキミングの被害が頻発。在リオ日本総領事館も注意を呼び掛けている。

リオから東京「絆」強化を
ブラジル日系団体50周年

• 日本国外で最大の日系社会があるブラジルで、日系移民の助け合いや日本文化の継承を目指す「ブラジル日本都道府県人会連合会」が設立50周年を迎えたことを祝う式典が7日、最大都市サンパウロのサンパウロ州議会で開かれた。多くの出席者がリオデジャネイロ五輪から東京五輪へ続く「絆」を強めようと訴えた。
• 連合会の山田康夫会長は、日本をブラジルに紹介する「日本祭り」や弁論大会の実施など、連合会の実績をアピール。「後継者を育成し、これからも日本との交流を図りたい」と抱負を語った。
• 日伯国会議員連盟の幹事長で、5日のリオ五輪開会式も訪れた河村建夫衆院議員が来賓としてあいさつ。「日本選手団入場の際の声援の大きさは、両国の絆を示した」と指摘した。東京都の小池百合子知事も祝福のメッセージを寄せた。
• 日本からブラジルへの集団移民は1908年に開始。第2次大戦による中断を経て再開され、連合会は66年4月に設立された。ブラジルの日系人は現在推定160万人。多くがサンパウロに集中している。


馬術会場に銃弾、大騒ぎ
ブラジル人は「慣れっこ」

• リオデジャネイロ五輪の競技会場である五輪馬術センターに6日、流れ弾とみられる銃弾が飛び込んだ。「避難すべきではないか」「競技を続けていいのか」。現場の報道陣用テントは騒然となったが、劣悪な治安に慣れたブラジルの市民の反応は冷静だ。死傷者がなかったこともあり地元メディアの扱いは極めて小さい。
• 同センターはリオ北西部デオドロ地区にある。周囲には麻薬密売組織が支配するスラム街、ファベーラも点在。ジュングマン国防相は7日、警備当局がファベーラ上空に監視カメラを装備した気球を飛ばしており、麻薬組織関係者らがこれを狙って発射した銃弾ではないかとの見方を示した。
• 「ドスン」。目撃者らによると、午後1時ごろ、記者らの作業机から1メートルほど離れた床で鈍い音がした。発砲音は聞こえず、長さ5センチ余りの銅色の光る銃弾が落ちているのが見つかった。テント上部には直径数センチの穴。現場にいた記者は「運が悪ければ死者が出ていた」と振り返った。
• 五輪組織委員会の広報担当者は6日、報道陣に「五輪関係者を狙った銃弾ではない」と繰り返したが、外国人記者らは「だれが撃ったか分からないのに、なぜ標的が私たちではないと断言できるのか」と詰め寄った。
• ただ流れ弾が民家などに着弾するケースは、ブラジルではしばしば発生している。日本のリオデジャネイロ総領事の公邸や、日本企業の駐在員が多く暮らすマンションに銃弾が飛び込んだこともある。
• 6日の出来事は、ブラジルでは一部メディアが簡単に伝えただけで、7日付の主要紙の大半には記事さえなかった。タクシー運転手のウィリアム・デオリベイラさん(48)は「残念だけど、リオでは珍しいことじゃないから」と苦笑いした。


リオ・パラからロシア除外
薬物問題で大国に厳罰
CASに提訴とスポーツ相

• 国際パラリンピック委員会(IPC)のクレーブン会長(英国)は7日、リオデジャネイロで記者会見し、国家ぐるみのドーピング問題が発覚したロシアのパラリンピック委員会(RPC)を資格停止とし、9月のリオデジャネイロ大会から同国選手団を全面除外すると発表した。
• IPCとともに世界反ドーピング機関(WADA)から除外検討を勧告されながら、「個人の権利」を重視して条件付きでリオ五輪参加を認めた国際オリンピック委員会(IOC)とは対照的な厳罰となった。タス通信によると、ロシアのムトコ・スポーツ相は根拠が不明で常識から外れていると主張し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する意向を示した。
• ロシアはリオ大会の18競技で267選手の出場枠を獲得していた。2012年ロンドン大会では中国に次ぐ2位の金メダル36個。障害者スポーツでも大国だが、最大の大会から締め出される異例の事態に発展した。クレーブン会長は「これは個人の権利ではなく、破壊された国家の反ドーピングシステムの問題だ。ロシアのドーピング文化が変わらなければスポーツは健全性と信頼を失う」と語った。
• WADAの調査チームが7月18日に公表した報告書では、12~15年に陽性反応を示したロシアのパラリンピック選手の35検体が不正操作の対象となった。IPCは同22日に緊急理事会を開き、RPCの資格停止の手続きを開始した。WADAの調査チームから詳細な情報提供を受け、8月3日にはRPC関係者7人を事情聴取した上、理事会では全会一致で除外処分を決定した。


リオで邦人被害相次ぐ
強盗や窃盗、けがはなし

• 五輪開催地ブラジル・リオデジャネイロで1~7日、日本人が被害に遭う強盗や窃盗事件が新たに少なくとも3件確認された。在リオ日本総領事館が7日、明らかにした。総領事館は所持品から目を離さず、強盗に遭った場合は抵抗しないよう呼び掛けている。
• 6日午後10時ごろ、バレーボール観戦のため中心部のマラカナン地区を訪れていた男女が路上で短銃を持った2人組に脅され、スマートフォンや財布などを奪われた。けがはなかった。
• 同日午後10時半から7日午前0時半ごろには、南部イパネマ地区のレストランで食事をしていた日本人グループの1人が床に置いていたかばんを盗まれた。中にはパスポートやスマホ、カメラなどが入っていたという。
• 観光名所の丘、ポン・ジ・アスーカルでは1日午後1時ごろ、男性旅行者が頂上に向かうゴンドラに乗った際、かばんの中からスマホなどがなくなった。すりに遭ったとみられる。


「祖国に喜び伝えたい」
コソボ・ケルメンディ選手

• 五輪に初参加した東欧の小国コソボに金メダルがもたらされた。柔道女子52キロ級。マイリンダ・ケルメンディ選手(25)が中村美里選手(三井住友海上)らを破って成し遂げた快挙だ。「この瞬間を待っていた。喜びをコーチや家族、そして祖国の若者に伝えたい」。柔らかな笑顔で話した。
• コソボは2008年にセルビアから独立を宣言。しかし同国やロシアの反対で国連に入れず、12年ロンドン五輪も参加を拒まれた。ケルメンディ選手は、母国では極めて有名なアスリートだが、隣国アルバニアの代表としての出場を余儀なくされ、今大会がコソボ代表としての初の五輪だ。
• 「私たちのような小さな国でも五輪のチャンピオンになれると、祖国の若者に見せられた。本当にうれしい」。表彰式では、青地に金色でコソボの国の形などが描かれた国旗が一番高い場所に揚がっていくのを、涙を浮かべて見守った。
• 「コソボは戦争のあった国というだけでなく、スポーツに優れた若者が多くいるということを世界に示したかった」。感慨深げにこう語った。


コソボ選手と表彰台立つな
セルビア当局が要請

• AP通信によると、セルビア政府は7日までに、リオデジャネイロ五輪に参加する自国選手らに対し、コソボの選手と一緒に表彰台に立たないよう求めていることを明らかにした。コソボは2008年にセルビアから独立宣言したが、セルビアはこれを認めず、双方の対立と不信は根深い。
• セルビアのスポーツ相は国営テレビのウェブサイトで、選手を傷つけるつもりはないが「(コソボの)国歌を聴きたくないし、国旗掲揚を見たくない」と指摘。
• 一方で「最終判断は選手自身に任せる。政府は勧告しているだけだ」と話している。

リオ五輪開幕、情熱と色彩
混迷の中、南米初
日本勢、笑顔で行進
338選手、金14目標

• 南米初開催の第31回夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会は5日夜(日本時間6日朝)にリオデジャネイロ市中心部のマラカナン競技場で開会式を行った。ロシアの国ぐるみのドーピング問題に揺れ、5日は市内各地で五輪開催に反発するデモも起きた。混迷の中、ブラジルらしい色彩豊かで情熱的な演出で、4年に1度の祭典が開幕した。
• 史上最多の205カ国・地域が参加し、1万1千人を超える選手が17日間の熱戦を繰り広げる。
• 2020年東京五輪を視野に、日本は国外開催で史上2番目の338選手を派遣。前回ロンドン大会の倍となる14個の金メダル獲得を目標とする。入場行進では104番目に登場し、旗手の陸上男子十種競技の右代啓祐(30)=スズキ浜松AC=を先頭に、赤のブレザーと白のパンツで身を包んだ選手たちが笑顔を振りまいた。
• リズミカルな音楽、ダンスをふんだんに使ったパフォーマンスが披露された。開会式のテーマは「環境保護」。各選手団が行進の際に自然樹の種を鉢に入れる演出があり、それらを基に緑の大きな五輪マークをつくった。移民国家ブラジルの歴史も題材となり、映画「シティ・オブ・ゴッド」で知られるフェルナンド・メイレレス監督の指揮で、先住民やポルトガル人のほか日本人を表現するパートが盛り込まれた。
• 大会スローガンに「新しい世界」を掲げた。中東やアフリカから欧州に流出する難民問題が深刻化する中で、初めて編成された難民五輪選手団が特別参加した。
• 弾劾手続きで停職中のルセフ大統領は欠席し、テメル大統領代行(副大統領)が開会を宣言した。04年アテネ五輪男子マラソン銅メダリスト、バンデルレイ・デリマ氏が聖火リレーの最終走者として聖火台に点火した。聖火は、市中心部のカンデラリア教会の正面に設置された「第2の聖火台」にもともされた。
• 開会式が華やかに行われる一方で、市内はテロやデモ対策で治安部隊が出動し、厳戒態勢が敷かれた。
• 競技は6日に本格的に始まり、初採用のラグビー7人制、112年ぶりに復帰のゴルフを含む28競技306種目を実施する。


笑顔振りまき行進
日の丸とブラジル国旗掲げ

• 両手に日の丸とブラジル国旗を掲げ、笑顔を振りまいた。リオデジャネイロ市のマラカナン競技場で開かれた五輪の開会式。「元気な演技を見せたい」「自分を信じる」。日本選手団は祭典の幕開けを楽しみながら行進した。
• おそろいの赤のジャケットに白のパンツ姿で104番目に登場。「ジャパン」とアナウンスされると、観客席からは大きな歓声が上がった。
• 身長196センチの陸上男子十種競技の右代啓祐選手(30)が日の丸の大きな旗をゆっくりと振りながら、堂々と先頭を進む。卓球女子の福原愛選手(27)と伊藤美誠選手(15)はそろって手にした小旗を揺らした。うれしそうに跳びはねる選手や、白い歯がこぼれる選手の姿もあった。
• レースを目前に控え、開会式参加を見送った初代表の競泳女子の池江璃花子選手(16)は「東京五輪に向けて、リオで結果を出したい」とコメント。同じく初出場の体操男子白井健三選手(19)は「元気で若く勢いのある演技を見せたい」と抱負を語った。
• 日本選手団主将で4連覇を目指すレスリング女子の吉田沙保里選手(33)も参加せず「皆さんの見本となるように金メダルを目指して頑張る。後は自分を信じるだけです」とコメントした。


花添えたスーパーモデル
ジゼル・ブンチェンさん

• マラカナン競技場に集まった観衆の視線をくぎ付けにしたのはブラジルが誇るスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさん(36)。ボサノバの名曲「イパネマの娘」に合わせてスタジアムを華麗に歩き、開会式にあでやかな花を添えた。
• 光沢あるドレスをスポットライトが照らし出し、背筋をぴんと伸ばしたブンチェンさんが長い裾を翻してまっすぐ歩を進める。美しい女性に見とれる男の心情を歌った「イパネマの娘」。その新たな世界観を体現したかのような光景を、観衆は息をのんで見守った。
• 主催者側によると、ブンチェンさんが「ランウェー」を歩くのはこの日が最後。貫禄の落ち着きを見せ、大役を務め切った。


「ガンバッテ、ニホン」
移民を表現、選手に歓声も

• 5日のリオデジャネイロ五輪開会式には、ブラジルに移民した日本人を象徴する場面も盛り込まれた。約160万人に膨らんだ日系社会はブラジルを支える重要な存在。リオ駐在の日本人も開会式で躍動した。日本選手団が登場すると観客席から大歓声が湧き、地元テレビのアナウンサーは日本語で「ガンバッテ、ニホン」と声援を送った。
• 開会式のショーには駐在の日本人が少なくとも5人参加。参加者は「緊張したが陽気なブラジル人に助けられた。会場が一つになった」と興奮気味だ。青と銀色の衣装で踊った福岡県大牟田市生まれの中西美香さんは「感動的で貴重な体験をさせてもらった」と話す。
• 日本人を象徴する場面が披露されたのは、午後8時(日本時間6日午前8時)ごろに開会式が始まってから間もなく。広島に原爆が投下された8時15分に合わせたとされる。神戸市のサンバダンサー、工藤めぐみさんも日の丸を想起させる衣装に身を包んで参加した。
• 入場行進で104番目に日本選手団が現れた際には、テレビのアナウンサーが「(ブラジルにとって)親しみ深い国の代表団が入ってきました」と紹介。「日本もブラジル国旗を持っています」と話した後、「ガンバッテ、ニホン」と大きな声を上げた。
• 日本からの集団移民が始まったのは1908年。日系人は勤勉で知られ、医師や弁護士らを多数輩出してきた。ブラジル選手団には日系人もいるほか、会場では日系人ボランティアらの姿も目立った。


二つのルーツ、リオで表現
笑顔の走り、恩返しに

• 南米初の五輪開催地となったリオデジャネイロで、日本とブラジル両方にルーツを持つ選手が世界に挑む。陸上400メートル障害のブラジル代表杉町マハウ選手(31)は日系4世。「笑顔で走ることが恩返しになる」。陸上の世界に導いてくれた日本への感謝の気持ちを胸に、祖国を駆ける。
• 父親の仕事の都合で8歳のころ来日。学生時代に日本国内の陸上大会で活躍し、実業団から誘いがあった。「日本人の五輪選手を出したい」。相手は国籍の変更を求めたが、ルーツを捨てることはできなかった。「ブラジル人であることが、自分にとって自然だから」
• 卒業した日本の専門学校のチームに所属し、ブラジル代表として2008年北京五輪に出場。ロンドンは逃したが、祖国での五輪出場を目指し、日本でトレーニングを続けてきた。
• 親族からルーツは北海道にあると聞かされた。曽祖父は子どものころ日本を離れてブラジルに渡り、家族は剣道や卓球を教えていた。スポーツにゆかりのある家だった。来日したころ「やんちゃだった」自分を導いてくれたのもスポーツ。仲間と競い合うことで日本に溶け込んでいった。
• 今年3月に生まれた次男に俐生(りお)と名付けた。「ブラジルでも日本でも通用する読み方を」と夫婦で考え、自然に浮かんだ。五輪を意識したつもりはなかったが「頭のどこかにリオへの思いがあったのかも」。2歳の長男世成(せな)の名前は、ブラジル出身のF1世界チャンピオンと同じだ。
• 息子2人は、父の応援のために初めて“祖国”の土を踏む。記憶に残るかは分からないが、ルーツを感じる機会になることを願っている。
• 会場の競技場は改装前、6連覇したブラジル選手権で走った経験があり「日本の競技場に似ている部分も多くて、相性はいい」。ブラジル代表として走る自分への応援で「ホーム」の雰囲気も期待できる。常々口にする「日本への恩返し」の条件は整った。
• 目標は決勝進出。「こわばった顔だと、応援してくれる人に楽しんでもらえない」。笑顔でゴールするつもりだ。


被災児童、選手団と行進
「ドキドキした」

• リオデジャネイロ五輪開会式では、東日本大震災や熊本地震の被災児童を含む日本の子ども8人が各国の選手団とともに堂々と行進した。式終了後には「ドキドキしたけど楽しかった」と興奮を口にした。
• 8人はスポンサーの日本マクドナルドが約4千通の応募の中から選んだ「オリンピックキッズ」。宮城県気仙沼市の小学5年高田麻衣さん(11)はキューバ、ルーマニアの選手団と、熊本市の小学2年池本侑真君(8)はコートジボワール、ポーランドの選手団と一緒に歩んだ。
• 大役を果たした後、2人は日本マクドナルドを通じて「会場が大きかった。緊張はそれほどしなかった」(高田さん)「最初はドキドキしたけど、歩いているうちに楽しくなった」(池本君)とそれぞれコメントした。
• 8人は競技を観戦したり、他国から参加したオリンピックキッズと交流を深めたりした後、9日に帰国する。


エコ聖火台で環境保護
CO2排出を抑える

• 開会式で火がともされたマラカナン競技場の聖火台は「環境保護」をテーマにした開会式のコンセプトに沿った仕様だった。過去の大会の五輪では大きな炎を燃やす聖火台が定番だったが、新機軸を打ち出した。
• 化石燃料の使用や温室効果ガスの排出による地球温暖化を抑制しようというメッセージを込めて、あえて小さな炎しか出ないような設計とし、二酸化炭素(C〓(Oの横に小文字の2))の排出を抑えた。聖火台の後方には、回転する金属製の「らせん」を配置し、エネルギーの源である太陽や生命を表現した。


経費削減もブラジルらしさ
東京、問われるメッセージ

• 5日に行われたリオデジャネイロ五輪の開会式は、ブラジルらしい情熱的な演出で彩られた。広大な国土に豊かな自然を抱える国だからこそ発信できる「地球環境の保護」のメッセージを発信し、強いインパクトを残した。経済の失速が大会の財政を直撃し、大会組織委員会は経費削減を余儀なくされたが、世界に問題を提起したリオの好例は次回2020年東京五輪にヒントを与えた。
▽ 緑の五輪マーク
• 「共に夢を生き、共に歩もう」。組織委のヌズマン会長は開会式のあいさつで、大きな身ぶり手ぶりで呼びかけた。約4時間にも及んだショーは、哀愁漂うボサノバのメロディーや熱狂的なサンバのリズムで選手や観客を興奮させた。
• 同時に、自然破壊への危機感も前面に打ち出した。同国北部のアマゾン川流域に広がる世界最大の熱帯雨林は、地球温暖化の影響などで面積が急速に減少しているとされる。ブラジルが持つ魅力と問題の双方を、世界と共有しようとする姿勢が表れた。
• 象徴的だったのは、選手団の入場行進だった。選手は手にした「種」を、一人ずつ会場に置かれた銀色のオブジェに植えていく。やがて葉を茂らせた木々が現れ、緑の五輪マークが夜空の下に浮かび上がった。演出を手掛けた映画監督のフェルナンド・メイレレス氏は「地球全体が、人類が(自然破壊の)脅威にさらされている。自分たちの星を攻撃することはやめなければいけない。それがメッセージだ」と話した。環境問題に真正面から光を当てた演出は新鮮だった。
▽ エコ聖火台
• 今回の開会式は、近年の夏季五輪とはひと味違った。08年北京五輪は圧倒的な迫力で、豪華絢爛な式典だった。12年ロンドン五輪は映画「007」のジェームズ・ボンドやコメディー「ミスター・ビーン」の俳優ローワン・アトキンソンさんも登場し、ユーモアも交えた。今回は大がかりな仕掛けは少なく、シンプルだった。
• 注目を集める聖火台の点火でも、驚くような工夫はなかった。むしろ環境負荷の軽減を訴えるため、意図的に小さな炎しか出さずに二酸化炭素排出を抑える「エコ聖火台」をPRした。
• 運営面では当初の予定から約1時間終了が遅れたが、事前に心配されたテロはなかった。視察した東京五輪組織委員会の関係者は「運営はとてもスムーズだった」と好印象を口にした。
• AP通信によると、不況の影響で当初から経費の半分がカットされ「予算はロンドンの12分の1、北京の20分の1」(メイレレス監督)の規模だったが、それでも立派なセレモニーを実現することが可能だということを証明した。
▽ 理念
• 4年後の東京五輪の開会式について、組織委幹部は、日本が誇る最新のテクノロジーをフルに駆使した演出になると予想し「間違いなくデジタル五輪の様相を呈するだろう」と指摘する。そこで重要になるのは、単なる技術力のアピールにとどまらず、リオのように「東京ならでは」の明確なメッセージを発信できるかどうかになる。
• 東京は招致段階から「なぜ東京か」という開催理念が弱いと指摘された。その課題は今も残る。開会式に出席した組織委の森喜朗会長は「リオらしい情熱的なパフォーマンスの数々を間近で拝見し、感銘を受けた」とコメントした。あと4年の間、東京だからこそ訴えられる理念を探すことになりそうだ。


「東京では日本らしさを」
上野公園で開会式PV

• 2020年の五輪開催を控えた東京都の上野公園(台東区)では、リオデジャネイロ五輪開会式のパブリックビューイング(PV)が行われた。観客は日本選手団の入場に大きな歓声を上げ、「4年後の東京の開会式では日本らしさを」と期待する声も出た。
• 公園の一角に設けられたスペースには、親子連れやジョギング中の人らが立ち寄り、大型スクリーンに見入った。日本選手団の入場に拍手が起こり、スマートフォンで写真を撮る人も。
• 墨田区の会社員壁谷美里さん(27)は「ブラジルの愉快な雰囲気が表現されていた。東京の開会式では日本らしさを出してほしい」と話した。
• 「光の演出、ダンスがとてもすてきだった」と話すのは、神戸市垂水区から来た主婦島田智子さん(56)。「東京五輪では伝統衣装や歌舞伎のような和風の要素を取り入れてほしい」と期待を寄せた。


子どもが楽しむきっかけに
東京五輪「被災地でも」

• 盛岡市中心部の広場に設けられたパブリックビューイング会場では、リオデジャネイロ五輪の開会式が生中継され、家族連れなどが大型スクリーンで選手団の入場を見守った。メダルを期待する声が出る一方、2020年の東京五輪が東日本大震災からの復興につながるよう注文を付ける人もいた。
• 秋田県大館市から、かつて住んでいた盛岡市を家族4人で訪れているという主婦広嶋朋子さん(29)は「お祭りのような雰囲気を楽しみたいと思って来た。日本人選手の活躍を見て、子どもたちがスポーツを楽しむきっかけになればいい」と笑顔を見せた。
• 同市の自営業男性(65)は「柔道や水泳でメダルが狙えそう」と期待。一方で4年後の東京五輪については「復興五輪といわれてもぴんとこない。いくつかの種目は被災地で実施してほしい」と話した。


五輪抗議デモで負傷者
治安部隊が催涙弾

• リオデジャネイロ五輪開幕日の5日、ブラジル・リオデジャネイロ市内各地で五輪開催に反発するデモがあり、計数千人が参加した。開会式会場のマラカナン競技場近くでは治安部隊が催涙弾を発射し参加者が負傷したほか、一部ではブラジル国旗と五輪旗を燃やす騒ぎも起きた。
• デモ参加者らは「五輪はいらない」「(市民と)懸け離れた大会だ」と声を上げた。地元メディアによると、競技場近くの住宅街に集まった市民らは「五輪は企業の利益のための祭り」「病院も学校もない」と書いた幕を掲げた。
• 参加した男性教師アレサンドロ・パシェコさん(39)は「医療、教育、交通に予算が回っていないのに、どうして五輪にはお金が出せるのか」と憤った。
• ガスマスクを着けて顔を隠し、腕を組み合って行進する若者らの姿もあった。競技場から約1キロの公園では重武装した治安部隊とデモ隊がにらみ合いに。治安部隊が催涙弾を発射し、呼吸困難になって倒れる参加者も出た。近くの地下鉄駅が封鎖されるなど、周辺は一時騒然となった。
• 観光地コパカバーナの海岸に面した大通りでは5日午前、停職中のルセフ大統領の弾劾手続きに抗議するデモも起き、五輪関係者らしい人を乗せた車両が通ると、大勢の参加者が取り囲んだ。失業中のエリカ・ドスサントスさん(47)は「ブラジルの医療は劣悪だ」と声を荒らげた。
• 最大都市サンパウロでも五輪開催に反発するデモがあった。


リオ五輪閉会式の2020年東京五輪を紹介するセレモニーで映し出された「東京で会いましょう」のメッセージと富士山=21日、リオデジャネイロ(魚眼レンズ使用・共同)


リオデジャネイロ五輪の閉会式で、入場する日本の選手たち=21日、
リオデジャネイロ


男子マラソン ゴールした(手前から)佐々木悟、北島寿典、石川末広の各選手=リオデジャネイロ


男子400メートルリレー決勝 第3走者の桐生からバトンを受け走りだすアンカーのケンブリッジ(左から2人目)。右端はジャマイカのボルト=リオデジャネイロ


男子400メートルリレーで銀メダルを獲得し日の丸を掲げる(左から)山県、飯塚、ケンブリッジ、桐生=リオデジャネイロ


チームフリールーティン 日本のリフト=リオデジャネイロ


銅メダルを手にする日本の(後列左から)林、中牧、乾、箱山、吉田(前列左から)小俣、中村、三井、丸茂=リオデジャネイロ(共同) (了) (6)160820070340


男子フリー57キロ級で2位となり、銀メダルを持つ樋口黎=リオデジャネイロ


陸上男子50キロ競歩で獲得した銅メダルを掲げる荒井広宙=リオデジャネイロ


女子ダブルスで優勝し、笑顔で金メダルを手にする高橋礼華(左)と
松友美佐紀=リオデジャネイロ


女子63キロ級決勝 ベラルーシのマリア・ママシュク(右)を破り優勝を決めた川井梨紗子=リオデジャネイロ


レスリング女子で日本勢が3階級を制覇し、金メダルを手に笑顔を見せる(左から)69キロ級の土性沙羅、58キロ級の伊調馨、48キロ級の登坂絵莉=リオデジャネイロ



女子48キロ級決勝 アゼルバイジャン選手を破り優勝した登坂絵莉=リオデジャネイロ



卓球男子団体の表彰式で、銀メダルを手に笑顔の(左から)水谷、丹羽、吉村=リオデジャネイロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



ドイツを破って決勝進出を決め、喜ぶ(左から)丹羽、吉村、水谷、倉嶋監督=リオデジャネイロ


男子跳馬で3位となり銅メダルを掲げ笑顔の白井健三=リオデジャネイロ


女子ダブルス準決勝で韓国組を破り、喜ぶ高橋(右)、松友組。
銀メダル以上を決めた=16日、リオデジャネイロ


男子シングルス3位決定戦でナダルに勝利、
銅メダルを獲得し笑顔の錦織圭=リオデジャネイロ


男子グレコローマン59キロ級で2位となり、表彰式で
銀メダルを掲げる太田忍=リオデジャネイロ


女子マラソン ゴール後感極まる福士加代子。左は田中智美
=リオデジャネイロ


男子100キロ超級決勝 フランスのテディ・リネール(左)を攻める
原沢久喜=リオデジャネイロ


女子78キロ超級で3位となり、銅メダルを掲げる山部佳苗
=リオデジャネイロ


男子シングルス準々決勝でフランスのガエル・モンフィスに競り勝ち、
喜ぶ錦織圭。4強入りを果たした=リオデジャネイロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



記者会見後、メダルを手にポーズをとる(左から)柔道の羽賀龍之介、
競泳の萩野公介、金藤理絵=12日、リオデジャネイロ


女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得し、寄せ書きされた
日の丸を広げ笑顔の金藤理絵=リオデジャネイロ


男子シングルスで日本人初となる銅メダルを決め喜ぶ水谷隼
=リオデジャネイロ


男子個人総合決勝 金メダルが決まり喜ぶ内村航平=リオデジャネイロ


男子90キロ級決勝 優勝を決め喜ぶベイカー茉秋=リオデジャネイロ


女子70キロ級で優勝し、表彰式で金メダルを胸に目頭を押さえる田知本遥=リオデジャネイロ


女子200メートルバタフライで銅メダルを獲得し笑顔の星奈津美=リオデジャネイロ


女子シングルス3位決定戦で敗れた福原愛。右は喜ぶ北朝鮮のキム・ソンイ=リオデジャネイロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



男子200メートルバタフライ決勝 銀メダルを獲得しガッツポーズの坂井聖人=リオデジャネイロ


リオ五輪の競泳男子800メートルリレーで銅メダルを獲得し、手を上げ喜ぶ(左から)松田丈志、小堀勇気、江原騎士、萩野公介=10日、リオデジャネイロ



男子スラローム・カナディアンシングルで3位となり、銅メダルを手に笑顔の羽根田卓也=リオデジャネイロ



女子団体総合で4位となり、記念撮影に応じる(左から)宮川紗江、内山由綺、寺本明日香、杉原愛子、村上茉愛=リオデジャネイロ


リオ五輪体操男子団体総合で金メダルを獲得し、表彰台で国歌を歌う(手前から)山室光史、内村航平、田中佑典、白井健三、加藤凌平=8日、リオデジャネイロ


リオ五輪の体操男子団体総合で優勝した決勝の演技。(左上から時計回りに)加藤凌平の跳馬、内村航平の鉄棒、白井健三の床運動、山室光史のつり輪、内村航平のあん馬、田中佑典の平行棒=8日、リオデジャネイロ



男子73キロ級決勝 アゼルバイジャンのルスタム・オルジョイ(下)を破り優勝した大野将平=リオデジャネイロ


リオデジャネイロ五輪の開会式で、旗手の右代啓祐を先頭に入場行進する日本選手団=5日

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