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更新:11月8日

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クリントン氏優位で決戦
逆転狙うトランプ氏
米大統領選、投票始まる

• 米大統領選の投票が8日朝(日本時間同日夜)、東部州から順次始まった。主要世論調査の支持率平均では、初の女性米大統領を目指す民主党ヒラリー・クリントン候補(69)が共和党ドナルド・トランプ候補(70)にわずかに優位を保ったまま決戦の日を迎えた。即日開票され、8日深夜にも大勢判明の見通し。
• アジア重視などオバマ政権の実績継承を掲げるクリントン氏に対し、逆転勝利をうかがうトランプ氏は「米国第一」を唱え、同盟関係の見直しにも言及。米国民の選択は日本や世界の針路にも影響を及ぼす。
• クリントン氏は8日朝、ニューヨーク州の自宅近くの投票所で夫の元大統領と共に投票した。
• クリントン、トランプ両氏は7日から8日未明にかけ、勝敗を左右する激戦州を最後の訴えのために行脚。無党派層の取り込みに全力を挙げた。
• クリントン氏は南部ノースカロライナ州での集会で選挙戦を締めくくり「分断か融和かの選択だ」と力を込めた。東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでの集会にはオバマ大統領夫妻らが応援に加わった。
• トランプ氏は南部フロリダやノースカロライナ、中西部ミシガンなど5州で演説した。クリントン氏の私用メール問題を再捜査した連邦捜査局(FBI)が訴追を見送ったことに「いんちきだ」と憤慨。「正義実現のために1票を」と訴えた。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率では、クリントン氏は8日時点で3・0ポイントリードしている。
• 大統領選は各州などに割り当てられた選挙人の過半数270人を得た候補が当選。選挙分析に定評のあるバージニア大のサバト教授は、クリントン氏が322人、トランプ氏は216人を獲得すると予想。AP通信はクリントン氏が274人を固めたと分析している。
• APによると、前回選挙を上回る4600万人以上が期日前に投票した。特に西部コロラドやネバダでヒスパニック(中南米系)が多く投票。移民排斥発言が目立つトランプ氏の足を引っ張りそうだ。


結果次第で「延長戦」も
トランプ氏の対応に注目

• 8日実施の米大統領選で、開票結果次第で勝敗の行方が紛糾し「延長戦」にもつれ込む可能性を懸念する声が出ている。劣勢の共和党トランプ候補が、敗北した場合に結果を受け入れるとの明言を避けたり、各地の集会で「選挙はいかさまだ」と強調したりして、都合の悪い結果を拒否するための予防線を張るような主張を続けているためだ。
• トランプ氏は7日も激戦州フロリダでの演説で、民主党クリントン候補が優位なのは「完全にいんちきな(選挙の)制度に守られているためだ」と訴えた。
• 米大統領選では、開票作業が進む中でメディアが特定候補の当選確実を相次ぎ報じ、対立候補が敗北宣言をするのが慣例。だがトランプ氏が負けた場合にこれに従わず、票の再集計を求めたり、異議申し立ての裁判を起こしたりすることを懸念する声が出ている。
• 全米州議会議員連盟(NCSL)によると、全米50州のうち43州と首都ワシントンで劣勢候補本人や有権者が再集計を求めることが可能。一部の州などでは、得票が僅差だった場合に自動的に再集計する決まりがある。
• 2000年大統領選では、フロリダ州で民主党のゴア氏と共和党のブッシュ氏(前大統領)が極めて僅差で争い、再集計を巡り法廷闘争に発展。ゴア氏が最終的に敗北を受け入れた。
• クリントン氏が勝利してトランプ氏が敗北を認めない場合、「クリントン大統領」の正統性を疑う声が広がったり、暴動が起きたりすることもあり得る。ワシントン・ポスト紙は、トランプ氏は敗因が自分にあるとは認めず「共和党指導部やメディアのせいにするだろう」との見方を示した。


米東部の村で“激戦”
恒例の未明投開票

• 米東部ニューハンプシャー州の三つの小さな自治体で8日未明、全米に先駆けて大統領選の投開票が行われた。毎回恒例の行事で、米メディアによると民主党候補クリントン氏が2勝する一方、全体の得票数では共和党候補トランプ氏が上回り“激戦”となった。
• ニューハンプシャー州ディックスビルノッチでは4票対2票、同州ハーツロケーションでは17票対14票でいずれもクリントン氏が勝利。だが、同州ミルズフィールドでは16票対4票とトランプ氏が圧勝した。
• その結果、3自治体を通じた得票数はトランプ氏が32票で、25票のクリントン氏を制した。
• 早朝から働く労働者のために始まった制度だが、「未明の投票」として次第に注目を集めるようになり、今では大統領選投票日の到来を告げる行事としてメディアに認知されている。


クリントン氏勝利織り込む
金相場、警戒は緩めず

• 8日投開票の米大統領選を巡る不透明感から安全な投資先として買われていた金先物の相場が7日、民主党候補クリントン氏の私用メール問題の収拾を受け急落した。クリントン氏勝利を織り込んだためだが、一部で買い戻す動きもあり、市場は経済の混乱を招きかねない共和党候補トランプ氏当選への警戒も緩めていない。
• 金先物相場は、女性蔑視発言などでトランプ氏の当選観測が大きく後退した10月前半は1オンス=1250ドル程度で推移していた。しかし、米連邦捜査局(FBI)がクリントン氏に対する捜査再開を発表し、民主党の楽観ムードが崩れると上昇。今月2日には1オンス=1308ドル台と約1カ月ぶりの高値をつけた。
• 米通信社ブルームバーグは「金融システム内で相場が大きく変動する際は(金などの)安全資産に投資家は引き寄せられる」とする関係者の声を紹介。「ヘッジファンドによる金の買越残高が増加した」と伝えた。
• メール問題で訴追が見送られたクリントン氏が勝利するとの見方から、7日のニューヨーク市場では、米株式相場が大幅高となった。一方、金先物は大きく売られたが、8日の時間外取引ではやや値を戻しており、選挙の先行き不透明感は残っているもようだ。
• ある市場関係者は、トランプ氏が大統領になるリスクの低下で株式相場は上昇したものの「売買代金はそれほど膨らまず、比較的静かな値動きだった。本格的にリスクを取る動きには傾いていない」と話した。


トランプ氏つぶやき禁止か 
米紙報道、無難な内容に

• 7日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、8日の米大統領選を前に共和党候補トランプ氏の側近が、同氏にツイッターアカウントの使用をやめさせたと報じた。
• 他の米メディアはトランプ氏の陣営が否定したとも報じており、真偽は不明。ただ、これまで民主党候補クリントン氏らへの中傷が大半だったつぶやきが、ここ数日は支持者への感謝の言葉など無難な内容になっている。
• トランプ氏はツイッターでの歯に衣着せぬコメントで注目を集める一方で、相次ぐ暴言が物議を醸してきた。

逃げ切りか逆転か
クリントン氏に追い風

• 4年に1度の米大統領選は8日投開票される。初の女性大統領を目指す民主党クリントン候補(69)と、公職経験のない共和党トランプ候補(70)の戦いは大詰めを迎えた。クリントン氏の足かせとなっていた国務長官時代の私用メール問題について、米連邦捜査局(FBI)は6日、訴追を見送る方針を公表。追い風を受けたクリントン氏は逃げ切りを図る。トランプ氏も土壇場の逆転に望みをつなぎ、選挙の行方は予断を許さない。
• 投票は8日朝に東部から順次始まる。大勢判明は8日深夜から9日未明(同9日昼すぎ)の見込み。
• コミーFBI長官は議会に対する書簡で、メール問題に関する再調査の終了を通知。国務長官在任時に送受信した全ての通信を調べた結果、クリントン氏の訴追を求めないとした今年7月の結論を「変えることはない」と述べた。多くがこれまで調べた内容と重複していたという。
• FBIは7月の段階で、クリントン氏の行動を「極めて軽率」と批判しながらも、意図的に違法行為を犯した証拠はないと結論付けた。しかし10月28日になって再捜査の方針を公表。クリントン氏には打撃となり、最終盤の選挙戦の波乱要因となっていた。
• クリントン陣営の広報責任者パルミエリ氏は「私たちが確信していた通りの結果だ。問題が解決してうれしい」と述べた。トランプ氏は中西部ミネソタ州で「不正な制度に守られている」とクリントン氏を批判した。
• 選挙戦最後の日曜日となった6日、両候補は重要州を奔走。クリントン氏は中西部オハイオ州でトランプ氏の「暗く、分断を招く」主張を批判した。トランプ氏は中西部アイオワ州で「米国を再び偉大にする最後の機会だ」と述べ、クリントン氏を選べば雇用が失われると訴えた。
• 6日発表の主な世論調査では、クリントン氏が支持率で4ポイント前後リード。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率は6日時点でクリントン氏が1・8ポイント上回っており、前日よりもわずかに差を広げた。


クリントン氏訴追求めず
FBI、再捜査終了
投票2日前、追い風に
私用メール問題

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを公務に使っていた問題で、連邦捜査局(FBI)のコミー長官は6日、再捜査の結果、クリントン氏の訴追を求めない方針に変わりはないと米議会に報告した。
• クリントン氏は共和党候補のトランプ氏に対し優勢を固めていたが、捜査再開が10月下旬に発表されたことを受けて、支持率が急速に低下した。投票日までわずか2日を残す最終盤で訴追見送りの方針が示されたことは、クリントン氏にとって追い風となりそうだ。
• 6日発表の各種世論調査では、クリントン氏が支持率で4ポイント前後上回った。再捜査結果を受けた影響が注目される。
• コミー氏は議会に対する書簡で、「24時間態勢で作業をした」としてメール問題に関する再調査を終えたことを通知。国務長官在任時に送受信した全ての通信を調べた結果、クリントン氏の訴追を求めないとした今年7月時点の方針を「変えることはない」と述べた。
• 再捜査では、クリントン氏の最側近らが使っていたコンピューターから見つかった新たなメールが対象だったが、多くがこれまでに調べた内容と重複していたという。


クリントン氏支持率優勢
期日前も、各社の最新調査

• 米紙ウォールストリート・ジャーナルとNBCテレビが6日発表した世論調査結果によると、大統領選の民主党候補クリントン氏が全米支持率で共和党候補のトランプ氏を4ポイントリードした。期日前投票を済ませた有権者の間ではクリントン氏が12ポイント上回った。
• ワシントン・ポスト紙とABCテレビ、ロイター通信などの別の調査でもクリントン氏がそれぞれ5ポイントリードした。クリントン氏が手堅く支持を維持している。
• ウォールストリート・ジャーナルなどの調査は今月3~5日に実施。クリントン氏の支持率は44%で、トランプ氏は40%だった。10月上旬の調査では、クリントン氏が11ポイント差で先行していたが、リード幅は半減した。連邦捜査局(FBI)による私用メール問題の再捜査が影響したとみられる。
• 期日前投票を済ませた有権者では、クリントン氏が51%でトランプ氏の39%を大きく上回った。
• AP通信などによると、期日前投票は48州で少なくとも計4100万人が済ませた。ヒスパニック(中南米系)の投票率が高く、移民に対する排斥主義的発言が目立つトランプ氏には不利に働きそうだ。

最後の週末、予断許さず
激戦州で支持固め
米大統領選あす投票

• 米大統領選は8日投開票される。民主党候補クリントン氏(69)と共和党候補トランプ氏(70)は最後の週末となった5日、最大の激戦州南部フロリダなどで遊説、支持固めに奔走した。クリントン氏が先行する全米支持率の差はわずかで情勢は予断を許さない。
• クリントン氏はヒスパニック(中南米系)の移民が多いフロリダ州南部に入り、集会では「トランプ氏の欠点を(いまさら)言う必要はないでしょう」と皮肉った。
• トランプ氏も同州の集会でクリントン氏の私用メール問題の捜査再開を公表した連邦捜査局(FBI)を「戦う集団」と持ち上げた。クリントン氏はこの日、別の激戦州である東部ペンシルベニアに、トランプ氏は南部ノースカロライナ、西部ネバダと同コロラドにも入った。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の集計では、これら5州の両候補の支持率はいずれも1~3ポイント差で拮抗している。
• トランプ氏は、女性蔑視発言が響き全米支持率でクリントン氏に一時7ポイント以上のリードを許したが、FBIの捜査再開公表後は追い上げ、6日午前の時点で1・4ポイント差に肉薄した。
• 大統領選は各州に割り振られた「大統領選挙人」(計538人)の過半数270人を獲得した候補が当選する。同サイトは10月下旬、クリントン氏が当選ラインに達したと分析したが、5日時点で獲得予想選挙人数を216人まで減らした。トランプ氏は164人にとどまるが、どちらが取るか見通せない接戦州の選挙人は158人に上る。
• 米メディアによると、5日までに全米で期日前投票を済ませた人は約4千万人に達した。全体として民主党支持者の出足が共和党より優勢だが、フロリダではほぼ同水準。一方、ネバダではヒスパニックの期日前投票率が高く、移民への排斥感情をあおってきたトランプ氏には「懸念材料」(ニューヨーク・タイムズ紙)といえる。


トランプ氏、一時避難
演説中に「銃だ」の声

• 米大統領選で5日夜、西部ネバダ州リノで開かれた集会で共和党のトランプ候補が演説中、複数の警備担当者に守られながら舞台裏に一時避難する騒ぎがあった。米メディアによると、聴衆の中から誰かが「銃だ」と声を上げたためだという。
• 男が取り押さえられて会場の外に連行されたが、警備当局は「武器は見つからなかった」と発表した。トランプ氏は数分後に舞台に戻って演説を再開。「われわれを止めることはできない」と発言し、警備担当者らの働きをたたえた。
• トランプ氏の集会では、これまで同氏の過激な言動を批判する市民が抗議の声を上げるなどたびたび騒ぎが起きている。
• 6月にはネバダ州ラスベガスでの集会で警官の拳銃を奪おうとした男が逮捕され、トランプ氏を「殺したかった」と供述する事件もあった。

世論調査、優劣ばらつき
正反対も、接戦の様相

• 米大統領選の投票日が8日に迫り、米メディアが世論調査結果を連日伝え、報道は熱を帯びている。共和党のトランプ候補が民主党のクリントン候補を追い上げているが、各種調査は優劣が正反対になるなどばらつきもある。さまざまな調査の平均値を分析した専門サイトなどが情勢判断の目安として注目されるが、最終盤に接戦の様相になっているのは間違いない。
• 両候補の支持率は、ABCテレビなどによる最新調査でクリントン氏が4ポイントリードしているのに対し、ロサンゼルス・タイムズなどの調査ではトランプ氏が4ポイント上回っている。結果が異なるのは、調査対象や分析手法に偏りがあるためとみられる。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」は各種調査の平均値を算出、米メディアも情勢を把握するためしばしば引用している。10月中旬に7ポイント以上開いていた両候補の差は縮小傾向にあり、平均値は4日時点で1・6ポイントクリントン氏が上回るが、誤差の範囲といえる。
• ただ、大統領選は各州での勝敗の積み上げで決まるため、こうした全米の支持率が選挙の勝敗に直結するわけではない。そこで注目されるのが、州ごとの世論調査に基づいて推計される大統領選挙人の予想獲得数だ。
• クリントン氏は一時、当選に必要な過半数の270人を超えたこともあったが、現在は216人。トランプ氏の164人に比べなお優位にあるが、差は詰まってきた。
• 2012年の前回大統領選で全米50州の勝敗を的中させたことで知られる統計専門家ネイト・シルバー氏が運営するサイトは、4日時点で全国的な得票率をクリントン氏約48%、トランプ氏約45%と予想。勝利の確率はクリントン氏が約64%、トランプ氏が約35%とはじき出す。
• ただ、トランプ氏支持を明言しない「隠れトランプ派」が相当数いるとの見方もあり、世論調査が実態を反映しているか疑問視する声もある。


米セレブ、どっち応援?
クリントン氏優勢か

• 8日に迫った米大統領選では、映画やテレビで活躍するセレブ(有名人)も積極的に候補の応援や、意見の発信をする。ロサンゼルス・タイムズ紙は「(リベラル派が多い)ハリウッドは民主党寄り」と説明。今回のセレブの支持も民主党クリントン候補(69)が優勢とみられる。
• 4日、激戦州の一つオハイオ州クリーブランドで開かれたクリントン氏の集会には人気歌手ビヨンセさんらが登場し、本格的なパフォーマンスで会場を盛り上げた。
• 「ナスティー・ウーマン(嫌な女)」の文字が胸に書かれたTシャツで10月、西部ラスベガスの大学に現れたのは人気歌手ケイティ・ペリーさん。同月の大統領候補討論会で共和党トランプ氏(70)がクリントン氏をこう呼んだことを逆手に、学生寮でクリントン氏への投票を呼び掛けた。
• 7月の民主党大会では女優メリル・ストリープさんが登壇しクリントン氏の応援演説を行った。米メディアによると、俳優で、環境保護派としての活動も目立つレオナルド・ディカプリオ氏も地球温暖化対策への見解が一致するクリントン氏を支持。映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏や俳優ジョージ・クルーニー氏らも資金集めなどを行う。
• 一方、トランプ氏を熱心に支持するのはボクシングの元世界ヘビー級王者マイク・タイソン氏。過去に性的暴行で訴えられた際などにトランプ氏から訴訟や興行で支援を受けたとしている。
• 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との交友で知られる米プロバスケットボールの元スター選手、デニス・ロッドマン氏も「われわれには政治家でなくビジネスマンが必要だ」とトランプ氏支持を表明した。
• 共和党支持で知られる映画界の大御所、クリント・イーストウッド氏は2012年大統領選の共和党大会でオバマ大統領を痛烈に皮肉ったパフォーマンスで注目を浴びた。トランプ氏をはっきりと支持はしていないが「どちらかなら、私はトランプ氏を選ぶ」と米メディアに語った。


6割超が「外交」に関心
次期米政権で日系メーカー

• 日本貿易振興機構(ジェトロ)が米国に進出している日系メーカーを対象に実施した調査で、次期米大統領の外交政策に関して64%の企業が関心を持っていると回答した。米国内の保護主義的な動きや共和党のトランプ候補が勝利した場合の混乱を不安視する声が目立った。
• 来年1月に発足する新政権の政策で関心のある分野を複数回答で聞いたところ、「外交」が64・4%でトップとなり、2位が「通商」(58・9%)、3位が「税制」(51・0%)だった。
• 外交政策への関心を国・地域別で見ると、「日本」(53・5%)に続き、2位に「中国」(28・3%)、3位に「メキシコ」(23・9%)が入った。「民主党のクリントン候補とトランプ氏のいずれが大統領になっても対中関係の悪化が心配」との声があった。
• 通商政策では、両候補が反対を表明している「環太平洋連携協定(TPP)」(42・2%)への関心が最も高かった。「米通商政策が保護貿易的になるか注視している」との声のほか、トランプ氏が勝った場合、対メキシコの通商政策がビジネスに与える影響を心配する意見があった。
• ジェトロは9月15日から10月28日まで約千社を対象にアンケートを実施し、706社が回答した。


大統領選、NYでテロ警戒
邦人に注意呼び掛け

• 米連邦捜査局(FBI)は4日までに、大統領選投票日の8日前後に国際テロ組織アルカイダがニューヨークなどを標的にしたテロ攻撃を計画している可能性があるとして、ニューヨーク市警など地元当局に警戒強化を呼び掛けた。ロイター通信などが伝えた。
• 在ニューヨークの日本総領事館は在留邦人に、多数の人が集まる場所などでは注意するよう呼び掛けた。
• 大統領選候補者の民主党クリントン氏と共和党トランプ氏は8日夜、ともにニューヨークで集会を開く予定。
• テロの情報は具体的でなく、FBIや市警が分析を続けている。テキサス州とバージニア州も攻撃対象地として名前が出ているという。


女性大統領、機熟す?
米政界は依然保守的

• 米大統領選は民主党候補クリントン氏が私用メール問題でぐらつきながらも、共和党候補トランプ氏に対し優位を維持している。女性の社会進出が確立した印象の米国だが、政治の世界は依然保守的だ。米史上初の女性大統領誕生受け入れの機は熟したのか。
• 「女性大統領が実現すればとても大きな一歩。多くの国で女性大統領が活躍しているのに、米国は大きく遅れている」。カリフォルニア州選出の下院議員ジュディー・チュー氏は、両候補による最後の討論会が開かれた10月19日、西部ラスベガスの会場でこう語った。2009年に米国初の中国系女性連邦議員になった。
• 米ラトガース大の集計では、連邦上院議員の100人のうち女性は20人、下院は435人のうち84人で、両院合わせて女性の割合は約20%にとどまる。ジョージ・ワシントン大のコリーン・マコノヒー教授(政治学)は「政治は男性のものと考える人はまだ多い」と米社会に保守的な風潮が残ることを指摘する。
• クリントン氏の夫のビル・クリントン政権で女性初の国務長官を務めたオルブライト氏は、女性の進出が遅れるアラブ諸国の男性首脳との付き合いよりも、政権内の男性の方が風当たりはきつかったと回想している。
• しかし、CBSニュースの6月の世論調査によると、女性大統領を受け入れる準備ができているとの回答は男性82%、女性76%に上った。
• マコノヒー教授は、女性が政治の場で重要な地位に就くことで、次世代の女性の主体的な政治参加を促す効果があると見る。チュー議員も「若い世代の女性に『私にもできる』と思わせることが重要」と強調した。
• 7月の民主党大会で女性初の大統領候補に指名された際、クリントン氏は「(女性の社会進出を阻む)ガラスの天井に一番大きなひびを入れた」と語った。天井を突き破るかどうかは8日に決まる。


来年2月の日米会談検討
安倍首相の早期訪問目指す
クリントン氏当選の場合
同盟強化確認へ

• 米大統領選で民主党のクリントン候補が当選した場合、安倍晋三首相が来年2月後半にも訪米し、日米首脳会談を行う案が日本政府内で検討されていることが3日、分かった。クリントン政権発足直後に日米同盟の強化を確認するとともに、懸案の中国、ロシア、北朝鮮政策をすり合わせる狙いがある。日米関係筋と米民主党関係者が明らかにした。
• 日本側は早期に首脳会談を開催したい意向をクリントン陣営関係者らに内々に伝えている。実現すれば首相は「クリントン大統領」と「最も早期に会談する外国首脳となる公算」(米政府当局者)が大きく、親密な首脳関係をアピールできる。
• ただ、選挙戦は8日の投開票を控えた最終盤に来て、優位だったクリントン氏を共和党のトランプ候補が猛追する展開。来年1月の衆院解散がくすぶるなど日本側の政治日程も流動的だ。来年1月の大統領就任後の米側の外交日程も不透明で、先送りされる可能性は残る。
• トランプ氏が当選した場合には、これまでの日米同盟に関する発言なども踏まえ、慎重に対応を検討するとみられる。
• 首相はことし9月、国連総会出席の機会にクリントン氏とニューヨークで会談し、アジア太平洋地域の平和と安定のためには日米同盟堅持が重要との認識で一致した。会談はクリントン氏側が要請し、首相が受諾した。
• クリントン氏は2009年2月、国務長官就任後初の外遊先として、日本を訪れた。オバマ政権の外交方針「アジア重視戦略」は元々、11年にクリントン氏が米誌に寄稿した論文が土台となっており、クリントン政権も基本的にアジア重視を継承していく構えだ。
• しかし、軸となるはずの環太平洋連携協定(TPP)について、クリントン氏は「米国の雇用が守れない」と協定内容への反対を表明しており、調整が必要となる。
• 日米首脳会談は今年5月、オバマ大統領が主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のため訪日した際、三重県志摩市で行われた。


クリントン外交と共同歩調
対ロ関係に課題

• 日本政府がクリントン氏当選の場合、早期の日米首脳会談開催を模索している背景には、ロシアとの関係改善を目指す日本側の立場に理解を得て「クリントン外交」との足並みを早めにそろえておきたい思惑がある。新政権の活動本格化の前に、日米同盟を不可欠な存在として位置付けたい考えだ。
• クリントン氏は国務長官として、多くの日米外相会談に臨んできた。日本側が「外交の思考回路、基本方針を最も知り尽くしている」(政府関係者)米政治家と言える。長官時代に起用した側近らが再び政権入りするのは確実で、日米間の太いパイプ構築が期待できる。
• ただ、手放しで喜んでいられない部分も少なくない。次期米政権で対ロシア関係が当面、最大の懸案となるのは確実。クリントン氏は、オバマ大統領より強硬路線に向かうとみられている。環太平洋連携協定(TPP)には重ねて反対を表明。対中国、北朝鮮関係も具体策は見通せていない。
• 共和党のトランプ氏が当選した場合も早期に日米首脳会談を開催したい意向はあるものの、駐留米軍経費負担の増加などを突きつけているトランプ氏だけに、米側の出方を慎重に見極める必要がある。


「夫は全ての人に敬意」
トランプ夫人、女性票狙う

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏(70)の妻メラニアさん(46)は3日、激戦州ペンシルベニアのバーウィンで演説し「夫はこの国と全ての人々に深い愛と敬意を持っている」と強調、女性蔑視発言などで批判を浴びる夫を擁護した。トランプ氏が支持率で民主党候補クリントン氏に再び迫る中、女性票のつなぎ留めや掘り起こしを狙った。
• 投票を5日後に控え、選挙戦は追い込みに入っている。メラニアさんの演説は、トランプ氏が党候補指名を受けた7月の共和党大会以来。フィラデルフィア郊外のバーウィンでの集会で「私は女性や子供の擁護者になる」と述べた。
• ソーシャルメディアを通じたいじめを問題視し「特に子供や少年少女たちにとって、私たちの文化は意地悪過ぎるものになっている」と指摘。ファーストレディー(大統領夫人)になった場合は、インターネット上のいじめ対策に取り組む考えを示した。
• 3人姉妹で演説を見に来た自営業の女性コートニー・リードさん(28)は「心のこもった演説だった。良いファーストレディーになると思う」と感動した様子で話した。
• メラニアさんが党大会で行った演説は、内容の一部がオバマ大統領の妻ミシェルさんの演説からの盗用であることが発覚。スピーチライターが謝罪した。

トランプ氏分も情報開示を
FBIにクリントン陣営

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏の選対幹部ロビー・ムック氏は1日、親ロシア的発言が目立つ共和党候補トランプ氏側とロシア側の間で不正なつながりがないかを連邦捜査局(FBI)が調べており、これについても捜査情報が開示されるべきだと訴えた。CNNテレビで語った。
• クリントン陣営には、FBIが訴追をいったん見送ったクリントン氏の私用メール問題について捜査再開を発表したのに、トランプ氏側の捜査状況を公表しないのは不公平だとの不満がある。
• 投票日まで1週間となった1日、トランプ氏は中西部ウィスコンシン州オークレアで集会を開き、クリントン氏の私用メール問題を徹底的に批判、反撃を本格化させた。3千人収容可能の会場は満員となり支持者の熱気に包まれた。
• 政治専門サイトの平均支持率では2日時点でトランプ氏がクリントン氏に1・7ポイント差まで迫り、ワシントン・ポスト紙とABCテレビの最新世論調査ではトランプ氏が逆転し、1ポイントリードしている。
• ロイター通信によると、FBIは、トランプ氏が経済制裁の対象となっているロシア側の人物と商取引をしている可能性があるとの訴えに基づき捜査している。現時点で訴えを裏付ける証拠は出ていない。
• FBIによる私用メール問題の捜査再開公表については、共和党政権の元高官からも妥当性に疑問が出ている。
• ブッシュ前政権で司法長官を務めたアルベルト・ゴンザレス氏は、投票日まで1カ月に迫った期間中は選挙に影響を与えるような捜査に関するコメントは控えるとの慣習を、コミーFBI長官が破ったとして「判断ミスだ」と指摘した。
• 前政権の倫理担当弁護士を務めたリチャード・ペインター氏は、捜査当局の職員が公務で政治活動に関与することを禁じた法律に「違反する可能性が高い」との認識を示している。


トランプ氏、反撃本格化
満員の集会、抗議活動も

• 米大統領選の投票日まで1週間となった1日、共和党候補トランプ氏は中西部ウィスコンシン州オークレアで集会を開き、民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを使った問題を徹底的に批判、反撃を本格化させた。3千人収容可能の会場は満員となり支持者の熱気に包まれたが、外ではトランプ氏に反対する学生らが抗議活動を行い、緊張感が漂った。
• トランプ氏がクリントン氏のメール問題について「連邦捜査局(FBI)が捜査を再開した」と述べると大歓声が起き、聴衆は「(クリントン氏を)刑務所に入れろ」と連呼。トランプ氏は満面の笑みで応じ「捜査は何年も続くだろう」と主張した。
• 捜査再開の発表後、劣勢だったトランプ氏は支持率でクリントン氏を追い上げており、勢いに乗ろうと躍起。米国の一部の州では期日前投票をやり直すことができることから、トランプ氏は集会で「クリントン氏に投票して間違えたと思う人は投票をやり直すべきだ」とも訴えた。
• 会場前には開始の4時間前から支持者が長い行列をつくった。トランプ氏は10月初めにセクハラ疑惑が相次いで浮上したにもかかわらず、集会に参加した人の半分は女性だった。女性らは「投票日の1カ月前になって被害を訴える女性が次々と出てくるのはおかしい」などと話し、セクハラ疑惑を積極的に報道した大手メディアは「偏っている」などと不満や不信感をあらわにした。
• 一方、会場の入り口近くでは約50人が、メキシコとの国境に壁を建設するというトランプ氏の公約を皮肉り「トランプ氏の周りに壁を」などと書いたプラカードを持ち抗議。女子学生の一人は「トランプ氏は人種差別をあおり、米社会を分断している。大統領にしてはいけない」と訴えた。
• 政治専門サイトの平均支持率では1日時点でトランプ氏がクリントン氏に2・2ポイント差まで迫り、ワシントン・ポスト紙とABCテレビの最新世論調査ではトランプ氏が逆転し、1ポイントリードしている。


クリントン氏なら不安定化
中国、北東アジア安保環境

• 日本の民間非営利団体「言論NPO」が2日公表した日中韓3カ国で行った世論調査で、8日の米大統領選で民主党候補のクリントン氏が当選した場合、北東アジア地域の安全保障環境が「より不安定化する」と答えた人が中国では45・7%で最も多かった。
• クリントン氏が米国務長官時代に日韓との同盟強化など「アジア重視戦略」を推進したことや、中国の人権問題に厳しい態度をとったことが、中国で警戒心を生んでいるとみられる。
• 日本と韓国では「影響ない」と答えた人が約4割で最も多く、韓国では「より安定化する」と答えた人も4割近くいた。
• 共和党候補のトランプ氏が当選した場合、「より不安定化する」と答えた人が日本で約6割、韓国でも5割強に上ったのに対し、中国では約3割にとどまり、「影響ない」と答えた人が約4割で最も多かった。


トランプ氏が支持率逆転
メール問題再捜査が影響か

• 米紙ワシントン・ポストとABCテレビが1日発表した最新世論調査結果によると、大統領選の共和党候補トランプ氏が支持率で民主党候補クリントン氏を逆転し、1ポイントリードした。同紙などの調査でトランプ氏が支持率でクリントン氏を上回ったのは7月の党候補指名後では初めて。
• 調査は10月27~30日に実施。同28日に連邦捜査局(FBI)がクリントン氏の私用メール問題を再捜査する方針を表明したことが影響したとみられる。
• ただ、他の世論調査ではクリントン氏がリードを維持。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率では、クリントン氏がトランプ氏に2・2ポイントの差をつけている。
• ワシントン・ポスト紙などの世論調査結果によると、トランプ氏の支持率は46%、クリントン氏は45%。クリントン氏の支持率は大きく変動していないが、支持者のうち「非常に熱意がある」と回答したのは再捜査の前後で51%から43%へと8ポイント下落した。
• 一方で、トランプ氏が無党派層の支持を広げていると分析している。小政党の2人を加えた4候補への支持を尋ねた。

クリントン氏リード維持
FBI捜査再開後の調査

• 米連邦捜査局(FBI)による民主党大統領候補クリントン氏の私用メール問題に関する捜査再開の影響を測った最新の世論調査結果が10月31日発表された。クリントン氏は共和党候補トランプ氏に対するリードを維持。NBCテレビの調査では6ポイント差と変わらず、ロイター通信では1ポイント減の5ポイント差だった。
• FBIは投票日まで約10日に迫った28日、捜査再開を発表。ワシントン・ポスト紙などが発表後に実施した調査では、クリントン氏に12ポイント差をつけられていたトランプ氏が1ポイント差に猛追。メディアによって捜査再開による世論調査への影響に違いが出た。
• 共和党は、仮にクリントン氏が逃げ切り勝利を収めてもメール問題などを巡る疑惑追及を続ける構え。両党の攻防は激化する様相で、11月8日の選挙後も尾を引くのは必至だ。
• NBCは10月24~30日にオンライン上で調査を実施。再捜査の影響を尋ねる設問を追加した29、30の両日だけを見るとクリントン氏の支持率は47%でトランプ氏の41%を上回り、28日までの6ポイントの差に変化はなかった。
• NBCは「多数の有権者が再捜査を重要な問題と見なしているが、投票先は変わっていない」と分析した。
• 26~30日に実施されたロイターの調査では、クリントン氏が44%、トランプ氏が39%だった。
• NBCは約4万人の有権者から、ロイターは約1200人の有権者から回答を得た。


選挙後も追及の構え 
クリントン氏疑惑で共和党

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏の私用メール問題を巡る報道に、沈静化の兆しが見えない。クリントン氏が逃げ切り、共和党候補トランプ氏に勝利を収めても、同党は疑惑追及を続ける構え。両党の攻防は激化する様相で、8日の選挙後も尾を引くのは必至だ。
• 下院の監視・政府改革委員会のチェイフェッツ委員長(共和党)は先週、米紙に「政権1日目を迎える前からクリントン氏追及の材料は山積みだ」と指摘、「クリントン政権」の監視を強めると語った。
• 大統領選と同時実施の上下両院選では、民主党が2年ぶりの上院の過半数奪還をうかがう勢いだが、下院は共和党が過半数を維持する公算が大きい。その場合、次期大統領は政権1期目から両院で多数派が異なる「ねじれ議会」に直面する異例の議会対応を迫られる。
• 米メディアによると、米連邦捜査局(FBI)による捜査対象のメールは約65万通に上り、捜査には少なくとも数カ月を要する見通し。共和党関係者は2年後の中間選挙、4年後の大統領選を見据え「攻撃の機会は潤沢にある」と主張する。
• 共和党はクリントン家が運営する慈善団体「クリントン財団」の大口献金者への便宜供与疑惑や、クリントン氏が国務長官時にリビア東部で起きた米領事館襲撃事件での不適切な情報管理を裏付けるメールが含まれていないか、手ぐすね引いて待ち構えている。
• とりわけ、クリントン財団を巡っては本格捜査を主張する声がFBIには根強いとされる。内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した陣営幹部のメールによると、夫の元大統領に顧問料として年間350万ドル(約3億7千万円)を提供していた企業もあった。

民主党、トランプ氏提訴
「監視」は有権者を圧迫

• 大統領選の共和党候補トランプ氏が「不正が行われている」として支持者に投票の監視を呼び掛けている問題で、民主党は10月31日、「有権者を圧迫し、萎縮させる」として同氏に監視をやめさせるよう、ペンシルベニアなど4州の連邦裁判所に提訴した。ロイター通信が伝えた。
• 報道によると、トランプ氏や共和党関係者の呼び掛けに応じた支持者が、期日前投票所で投票する人の写真を撮影したケースもあるという。民主党はこうした独自の監視行動は違法だと主張している。

トランプ氏1ポイント差に猛追
蔑視発言から回復
メール再捜査も影響か

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が支持率で民主党候補クリントン氏を猛追し、1ポイント差まで追い上げたとの世論調査結果をワシントン・ポスト紙とABCテレビが30日伝えた。10月に入り女性蔑視発言やセクハラ疑惑が報じられた後、30%台まで低下していたトランプ氏の支持率が回復する一方、クリントン氏支持率が小幅ながら下落した。
• 米連邦捜査局(FBI)によるクリントン氏の私用メール問題の捜査再開も一部影響した可能性がある。クリントン陣営は投票日直前に捜査再開を明らかにしたFBIへの非難を強めた。
• 投票日が11月8日に迫る中、捜査再開の影響がさらに続く公算もあり、クリントン氏が優位とみられた選挙戦は、なお予断を許さない。
• 世論調査結果によると、クリントン氏の支持率は22日に50%と、トランプ氏を12ポイント上回っていたが、支持率の差は連日縮まり、FBIが捜査再開を議会に通知した28日にはトランプ氏が45%と、クリントン氏の46%に迫った。28日の調査は捜査再開が報じられた後に行われた。
• クリントン陣営幹部のポデスタ氏は30日、CNNテレビで、FBIが選挙直前の時期に捜査再開を明らかにしたのは「不適切」と批判。民主党副大統領候補のケーン上院議員もABCで「極めて不可解だ」と述べ、捜査について詳しく説明するようFBIに要求した。
• FBIは捜査再開の理由について、新たなメールが見つかったとの説明にとどめている。
• 米主要メディアは30日、新たなメールは別事件の捜査で10月3日に押収されたパソコンから見つかったと報道。FBIのコミー長官は27日にメール発見の報告を受けたとしているが、捜査チームは報告の数週間前にメールを見つけていたという。


FBI、メール捜査本格化
投票日前の終了困難か

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏の私用メール問題で、連邦捜査局(FBI)は、新たに見つかったメールの捜索令状を取り、10月30日、再捜査を本格化させた。必要な日数は不明だが、11月8日に迫った投票日までに「終わる見込みはない」(ニューヨーク・タイムズ)とみられる。
• FBIのコミー長官は28日、議会に捜査再開を通知した。通常は秘匿する捜査状況を選挙直前にもかかわらず公にしたのは、クリントン氏の訴追判断を見送ったことで共和党候補トランプ氏側から激しく非難されていたことが背景にある。
• 新たなメールの存在を隠して、仮に漏れれば「再びかばった」と批判される局面だった。「自分が大統領になればクリントン氏は刑務所行き」と主張するトランプ氏は公表を歓迎したが、直前の公表には問題もある。
• 共和党のブッシュ前政権下で司法副長官を務めたラリー・トンプソン氏は「選挙に影響を与えないのが米捜査機関の良き伝統」で、公表によって「民主主義を傷つけた」とワシントン・ポスト紙に寄稿した。
• コミー氏の通知は「重要性は分からないが新たなメールが出てきたので捜査を再開する」との具体性を欠く内容だった。クリントン陣営幹部のポデスタ氏は30日も「何が問題なのか明らかにしてもらいたい」と訴え、公表されても困らないと強調している。
• 上院民主党トップのリード院内総務も「党利的行動で、法を犯した」と批判する声明を出した。
• 捜査のポイントは国家機密に当たる情報の有無と情報管理の適切さにある。米メディアによると、クリントン氏の側近フマ・アベディン氏らのコンピューターから見つかったメールの多くは、これまでのFBI捜査で多くが検証済みとされる。
• ワシントン・ポスト紙などの世論調査では、FBIの捜査再開が投票行動に影響しないという回答が6割以上に上った。


メール問題沈静化に躍起
クリントン氏、大詰め攻防

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏は29日、国務長官時代に公務で私用メールを使っていた問題で連邦捜査局(FBI)が再捜査を決めたことについて「前代未聞の対応だ」と強く反発した。陣営幹部ポデスタ氏は「犯罪の証拠はない」と主張し、事態沈静化に躍起だ。
• 共和党候補トランプ氏はメール問題を材料に攻撃を強め、11月8日の投票へ大詰めの選挙戦攻防は激しさを増している。
• 一方、米主要メディアは、FBIのコミー長官が捜査再開を議会に報告することに、上部機関である司法省のリンチ長官や幹部らが反対していたと報じた。選挙に影響を与えるような対応は取らないとの慣例から外れると懸念したとしている。コミー氏は28日付の書簡で議会に捜査再開を通知した。
• クリントン氏はフロリダ州で支援者らを前に「選挙直前に(再捜査方針を)明るみに出すのはおかしなことだ。とても困惑している」と述べ、FBIは何を捜査するのか国民に説明すべきだと訴えた。ポデスタ氏は電話会見で、捜査再開には根拠が乏しいと指摘した。
• トランプ氏はコロラド州での集会で、クリントン氏が私用メールサーバーを設置していたのは「悪事が国民にばれないようにするためだ」と主張。「司法省はクリントン氏を守るのに必死だ」とも語った。
• 選挙戦はクリントン氏の優勢が伝えられ、陣営は「情勢は変わらない」と強気だが、トランプ氏との差が縮まる可能性は否定できない。

「米大統領選まで1週間」
クリントン氏優位揺るがず
歴史的な3期連続政権か
逆転に懸けるトランプ氏

• 初の女性米大統領を目指す民主党クリントン候補(69)と、8年ぶりの政権奪還を狙う共和党のトランプ候補(70)が最終盤の攻防を繰り広げる大統領選は、11月8日の投開票まで約1週間後に迫った。クリントン氏の優位は揺るがない情勢だ。
• 女性蔑視発言や選挙結果の受け入れを明言しない姿勢が批判され、勢いが陰るトランプ氏に共和党内でも悲観論が拡大。トランプ陣営は激戦州などで巻き返しを図り、土壇場の逆転に懸ける。
• クリントン氏が勝てばオバマ政権に続き、3期連続の民主党政権となる。3期以上続いた民主党政権は、1933~53年のフランクリン・ルーズベルト、トルーマン両政権以来。同一政党の3期連続政権は共和党のレーガン、ブッシュ(父)両政権(81~93年)以来となる。
• クリントン氏は大統領就任後の政権運営も見据え、議会で民主党が多数派となるよう、大統領選と同時にある上下両院選の党候補を支援。トランプ氏は「われわれは勝つ」と訴えながら「選挙は不正だ」と敗北の予防線を張るような主張も続けている。
• クリントン氏の強みは組織力。AP通信が調査した12州で、民主党や陣営が有給スタッフ計約4900人を抱えるのに対し、共和党やトランプ陣営は約1500人。民主党は西部アリゾナや南部ジョージアなど共和党が伝統的に強い州でも活発な選挙運動を展開し、勢力図の塗り替えを狙う。
• 政治専門サイトの集計による世論調査の平均支持率は、28日時点でクリントン氏が5・2ポイントリード。当選に必要な選挙人270人に対し252人を固めたと推計され、トランプ氏の126人を引き離す。選挙予測で定評がある統計学者ネート・シルバー氏は、クリントン氏の勝率を82%、トランプ氏18%とはじく。
• 共和党有力者も、敗色が濃いことを公に認め始めている。大統領選との共倒れを避けようと、共和党を支援する政治団体は苦戦する6州の上院議員候補に総額2500万ドル(約26億円)を投入、てこ入れに躍起だ。


超大国、問われる決意
国際秩序に挑む中ロ

• 「米国は世界の警察官ではない」と宣言し、内向き志向を強めたオバマ外交は、米国中心の国際秩序に挑むロシアや中国に翻弄された。米国は超大国として、国際社会の主導権を維持できるのか。次期大統領はその決意が問われる。
• ウクライナ危機以来、摩擦を深めた米ロはシリアの内戦を巡り再び対立。停戦合意は崩壊し、米国はロシアとの協議中止を表明した。
• 「ロシアと協調できれば素晴らしい」と訴える共和党トランプ候補に対し、民主党クリントン候補は強権的なプーチン政権を批判。強硬姿勢を貫くとみられるが、シリア情勢の打開にはロシアの協力が欠かせず、難しい対応を迫られる。
• アジア太平洋では、海洋権益を強引に拡大する中国への対処が課題だ。オバマ政権は同盟国と対中包囲網を構築してきたが、南シナ海問題で共闘するはずのフィリピンが反米路線に転じるなど誤算も生じた。
• 国務長官時代、南シナ海問題で中国に自制を求めてきたクリントン氏は、中国にとって手ごわい存在。大統領に就任すれば、周辺海域に米軍艦船を派遣する「航行の自由」作戦の頻度を高めるとの観測も浮上している。
• 北朝鮮の核開発阻止へ協力しなければ「ミサイル防衛で包囲してやる」とクリントン氏が中国側に伝えていたことも明らかになっており、対立を辞さない姿勢で臨むとみられる。
• クリントン氏は同盟重視の考えも鮮明にしている。周辺国との関係強化を軸に、米国に有利なルールを拡大する現政権の「アジア重視戦略」を一層推進するのは間違いない。「米国第一」を掲げ、日韓などに駐留米軍経費の全負担を求めたトランプ氏とは対照的だが、同盟強化の名目で負担増額を迫る可能性もありそうだ。


TPP、格差縮小が課題に
次期政権、経済再生急ぐ

• 経済政策では環太平洋連携協定(TPP)への対応を含む通商戦略や、貧富の格差縮小が次期米政権の課題で、選挙戦でも争点化した。民主党のクリントン、共和党トランプの両候補とも、米経済は2008年のリーマン・ショックから完全に立ち直っていないとみており、経済再生を急ぐ。
• 両候補は「雇用が奪われる」とTPPに反対している。クリントン氏は再交渉を示唆。トランプ氏はさらに過激で「離脱」を唱える。
• 再交渉や離脱に踏み切れば、日本を含む他の参加11カ国の信頼を裏切るどころか、アジア太平洋地域の経済ルールづくりの主導権を中国に与えることにもなりかねない。
• 遅れている欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉への対応も焦点。オバマ政権の通商戦略の全面見直しに発展する可能性もあるが、クリントン氏が勝った場合は、トランプ氏よりは現実的な対応をするとの見方も根強い。
• 格差問題は、税制改革と最低賃金引き上げが鍵だ。クリントン氏は富裕層に高い税金を課し、増えた税収は若年層の就学支援などに充てる考え。長期間、時給7・25ドルに据え置かれている最低賃金を少なくとも12ドル、状況によって15ドルにするとしている。
• トランプ氏は所得税制を簡素化し「多くの勤労者の税率ゼロ」を表明。企業の負担増になると反対していた最低賃金の引き上げにも賛成に転じた。
• 両氏とも、格差が縮小すれば消費が活発になり、成長が加速するとみる。ただ、税制改革や最低賃金引き上げには、議会の協力が不可欠。大統領選と同時実施の議会選の結果が次期大統領の公約実現を左右する。


浮動票で逆転あり得る
「隠れトランプ支持者」も

• 世論調査の分析に定評のある米ジョージワシントン大のゲーリー・ノードリンガー客員教授は、民主党クリントン候補が優勢に見えるが、投票先を決めていない有権者が共和党トランプ候補に投票すれば、逆転もあり得ると指摘する。(ワシントン共同=丹羽祐二)
• ―世論調査は実態を反映しているか。
• 「対象を全有権者にするか、投票しそうな有権者にするかなど調査手法に影響される。1万人に電話して千人しか回答しないような調査は信頼性が低い」
• ―トランプ氏は劣勢を挽回できていない。
• 「1回目の失敗は戦死した米兵の遺族を中傷したこと。2回目は女性蔑視発言。これで世論は(反トランプに)固まり始めた」
• ―トランプ氏に勝ち目はないのか。
• 「投票日に近づくほど世論調査の信頼性は上がるが、断言するにはまだ早い。南部フロリダやノースカロライナのような激戦州で投票先を決めていない多くの有権者がトランプ氏に投票すれば勝機はある」
• ―トランプ氏への支持を隠している有権者がいるとの指摘がある。
• 「その可能性はある。1982年のカリフォルニア州知事選で、世論調査の数字は黒人候補が勝つと示していたが敗北した。黒人候補を支持しないと回答して人種差別主義者と見られるのを恐れた有権者がいたからだ」
• ―クリントン陣営の問題は。
• 「10ポイントリードと報道が出れば投票に行かなくても大丈夫だと考える有権者が増える。だから引き締めのために最終盤で投票を呼び掛ける草の根運動が必要になる」
• 「オバマ大統領の勝利を支えた黒人有権者が今回、クリントン氏に投票するとは限らない。クリントン陣営はオバマ氏の選挙手法をまねて、1年以上かけて草の根組織をつくり上げた」
• × × 
• メディア戦略の専門家で、連邦議員など多くの公職候補者の選挙対策に従事。テレビのコメンテーターとしても活躍。

米大統領選と選挙人

• 米大統領選と選挙人 米大統領選は、各州と首都ワシントンに割り当てられた大統領選挙人(計538人)の過半数(270人)獲得を競う間接選挙。選挙人の候補者は支持する大統領候補を事前に表明しており、投票用紙にも大統領候補名しか印刷されないことが多いため、有権者は直接選挙の感覚で投票する。人口規模などにより州の選挙人数は異なり最多はカリフォルニアの55人、最少はアラスカなどの3人。各州で最多票を得た候補がその州の選挙人全員を独占する「勝者総取り」方式が原則。


選挙後の暴力、5割が懸念
米紙調査、民主は結束演出

• 27日付の米全国紙USAトゥデーは最新の世論調査で、11月8日実施の大統領選後に結果への不満から市民が暴力に走る可能性を懸念する有権者が51%に上ったと報じた。共和党有権者の4割が、民主党クリントン候補が勝利しても正当な結果として認めない考えを示した。
• 支持率で劣勢の共和党トランプ候補は、偏向したメディアが選挙を操作しているとして「いかさまだ」との主張を強めている。調査は、不穏な空気を反映して国民の多くが選挙後の混乱を危ぶんでいる実態を示した。
• 一方、ミシェル・オバマ大統領夫人は27日、南部ノースカロライナ州でのクリントン氏の集会で「政権初日から最高司令官になる準備ができている」と同氏を称賛した。
• 新旧2人のファーストレディーが選挙集会に一緒に参加するのは初。クリントン氏とオバマ氏は2008年の民主党候補指名争いで死闘を繰り広げたかつてのライバルだが、この日は女性初の米大統領誕生へ両家の結束をアピールした。
• ミシェル氏は、トランプ氏が選挙自体への不信感をあおって有権者を投票から遠ざける戦略だと指摘。「相手が低俗に行くなら、こちらは気高く戦う」と呼び掛けた。
• USAトゥデーの調査は20~24日、千人を対象に実施。「メディアは誰の勝利を望んでいると思うか」の質問に75%がクリントン氏と回答。トランプ氏だとの答えは8%で、メディアはクリントン氏に肩入れしていると訴えるトランプ氏の主張が一定の共感を呼んでいる様子をうかがわせた。


元ミスにセクハラ疑惑
米共和党トランプ氏 

• フィンランドのメディアは28日までに、ミス・フィンランドに選ばれたニンニ・ラークソネンさん(30)が2006年に米大統領選の共和党候補トランプ氏に体を触られていたとの新たなセクハラ疑惑を報じた。
• ラークソネンさんは06年、ニューヨークのテレビ局前で集合写真の撮影の際、隣に立っていたトランプ氏から尻をつかまれたと主張。その場にいた第三者から「(トランプ氏の妻)メラニア夫人の若い頃に似ているので、トランプ氏があなたのことを気に入っている」とも聞かされたという。
• トランプ氏を巡っては、体を触られるなどセクハラ被害を訴える女性が続出している。


選挙後の暴力、5割が懸念
米紙調査、不穏さ反映

• 27日付の米全国紙USAトゥデーは最新の世論調査で、11月8日実施の大統領選後に結果への不満から市民が暴力に走る可能性を懸念する有権者が51%に上ったと報じた。共和党有権者の4割が、民主党クリントン候補が勝利しても正当な結果として認めない考えを示した。
• 支持率で劣勢の共和党トランプ候補は、偏向したメディアが選挙を操作しているとして「いかさまだ」との主張を強めている。調査は、不穏な空気を反映して国民の多くが選挙後の混乱を危ぶんでいる実態を示した。
• 調査は20~24日、千人を対象に同紙がサフォーク大と合同実施した。
• 「メディアは誰の勝利を望んでいると思うか」の質問には、75%がクリントン氏と回答。トランプ氏だと答えたのは8%で、メディアはクリントン氏に肩入れしていると訴えるトランプ氏の主張が一定の共感を呼んでいる様子をうかがわせた。
• 調査に応じたミシガン州デトロイト郊外に住む男性(69)は「何が起きるか分からない。銃の弾薬をたくさん買い込むなど備えている」と話したという。


国務長官にバイデン氏検討
クリントン氏の政権人事

• 米政治専門サイト「ポリティコ」は27日、民主党のクリントン前国務長官が大統領選で勝利した場合、新政権で外交を担う国務長官にバイデン現副大統領の起用を検討していると報じた。
• 直接の打診には至っておらず、関係者は「バイデン氏を説得する上で最善の方法を検討中だ」と話したという。
• 上院外交委員長を務めた経験などから、外交・安全保障はバイデン氏の得意分野。人事が実際に実現すれば、副大統領経験者としての地位や、各国首脳らと培った個人的な関係を武器とする重量級の長官になりそうだ。
• クリントン政権が発足した場合の国務長官には他に、クリントン氏が国務長官だった当時、副長官を務めたビル・バーンズ氏や国務次官だったウェンディ・シャーマン氏を予想する声もある。


プレート破壊の男逮捕
トランプ氏の言動批判

• 米カリフォルニア州ハリウッドにある有名人の名前が星形プレートに刻まれた歩道「ウオーク・オブ・フェーム」で、大統領選の共和党候補トランプ氏のプレートを破壊したとして、ロサンゼルス市警は27日、同州ビバリーヒルズに住むジェームズ・オーティス容疑者(52)を逮捕した。ロサンゼルス・タイムズ紙などが報じた。
• オーティス容疑者は、女性に性的嫌がらせをしたと報じられているトランプ氏の言動に対する抗議だったと話した。
• 容疑者は2009年にインド建国の父、マハトマ・ガンジーの丸い縁の眼鏡や懐中時計を競売に掛けてインド政府の反対に遭い、話題を呼んだ人物だという。


トランプビル建設で汚職か 
ブラジル・リオの再開発

• ロイター通信によると、ブラジル検察当局は27日、米大統領選の共和党候補トランプ氏が経営する不動産会社がビル建設を巡る汚職に関与した疑いがあるとの見方を示した。同社は今年8月のリオデジャネイロ五輪に向けた港湾再開発で「トランプタワー」の名称を持つ38階建てのビル5棟を建設する計画だった。
• 検察当局は、ブラジルの年金基金が建設権を買い取った後に売却した疑惑を捜査しており、同社は「不審な方法で特別扱いを受けた」としている。一方、ビル建設に関係する会社の幹部は疑惑を否定している。
• トランプ氏は2013年にツイッターで「リオの港湾地区にトランプタワーで革命を起こす」と発言していた。リオ五輪準備を巡っては大幅な遅れが続き、トランプタワーも五輪前に2棟が完成する予定だったが、現段階ではいずれも着工すらしていない。

「いかさま選挙」主張加速
劣勢トランプ氏
両陣営、訴訟も視野

• 11月8日の投開票まで2週間を切った米大統領選で、劣勢にある共和党トランプ候補が「選挙はいかさまだ」との訴えを強めている。「腐ったメディア」が民主党クリントン候補をひいきしているとし、選挙手続きに不正もあると主張。選挙の結果次第で紛糾する可能性も指摘され、両陣営は訴訟も視野に準備に乗り出した。
• クリントン陣営が不法移民に投票させるよう画策しているなどとしているトランプ氏は26日、激戦州ノースカロライナでの集会で「制度全体が不正だ」と強調した。
• 荒唐無稽にみえる発言だが、有権者の心に響かないわけではない。公共宗教研究所が25日公表した世論調査では、票が正確に集計されると確信する国民は43%にとどまり、過半数が選挙の正当性に何らかの疑問を持っていることを示した。
• トランプ氏は、こうした国民の意識につけ込み、選挙を不正に操っているのが既存の政治家やメディアだと位置付け、まだ態度を決めていない有権者の取り込みを狙う。
• クリントン陣営は、トランプ氏が敗北を受け入れない可能性を憂慮するが、大差で勝てば、共和党がトランプ氏に敗北宣言するよう働き掛けるだろうとみているという。25日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、両陣営が弁護士を雇うなどして法廷闘争の可能性に備えていると報じた。


トランプ氏プレート破壊
米ハリウッド目抜き通り

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏がハリウッドの殿堂入りをした際に目抜き通りに埋められた名前入り星形プレートが26日、男によって破壊された。ロサンゼルス市警が男の行方を追っている。
• 米芸能メディア「デッドライン」によると、男は作業員のような格好で現れ、つるはしでプレートを破壊。プレートを取り出して競売にかけ、トランプ氏から性的嫌がらせを受けたと訴える女性たちのための基金にすると話していたという。
• トランプ氏の星形プレートを巡っては、メキシコとの国境に壁を建設するとの同氏の主張をやゆして、7月にアーティストが小さな壁でプレートを囲ったことがある。
• トランプ氏は人気番組「アプレンティス(見習い)」のホストなどを務めたことで2007年に殿堂入りした。破壊されたプレートは修復されるという。


クリントン氏14ポイントリード
AP調査で最大

• AP通信が26日に報じた米大統領選の最新の世論調査結果によると、民主党候補クリントン氏(69)の支持率が51%で、共和党候補トランプ氏(70)の37%を14ポイント上回った。最近の各種世論調査の中で最大のリードという。
• クリントン氏が勝利するとの回答は9月の調査から11ポイント上がって74%。11月8日の投票日まで2週間を切る中、APはクリントン氏が「勝利に近づいている」と分析した。
• クリントン氏は民主党支持層の9割を固めた。トランプ氏に投票するとの回答は共和党支持層の8割弱だった。
• 共和党副大統領候補のペンス・インディアナ州知事が仮に大統領候補だったらとの設問では、クリントン氏との支持率の差は4ポイント差に縮まり、共和党支持層の9割が支持すると回答。共和党が候補者選びで失敗したとの見方が強まりそうだ。
• 一方、クリントン、トランプ両氏とも「好ましくない」との回答が「好ましい」を上回り、依然として好感度の低さが際立った。オバマ大統領は「好ましい」が55%に上り、2人と対照的な結果となった。

NASAは物流担当?
トランプ氏、誤解発言

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は25日、激戦州フロリダでの演説で、米航空宇宙局(NASA)について「地球の低軌道に物資を運ぶのが主な仕事になっている」と誤った見解を述べた。同氏が科学技術政策に関する発言をするのは極めて珍しいが、米国の宇宙開発の現状について無知をさらした形だ。
• 「地球の低軌道」とは地上からの距離が2千キロ以下の軌道を指し、この発言では国際宇宙ステーション(高度約400キロ)が物資を運ぶ先となるとみられる。だがステーションへの物資補給は現在、米の民間企業やロシア、日本などが担っており、NASAは主体ではない。
• NASAは低軌道の外側にある火星や小惑星、太陽系の外側までさまざまな探査機を送り込んでおり、この点でも誤解がある。
• トランプ氏は「大統領になったらNASAを物流の業務から解放し、宇宙開発に集中させる」と続けた。

トランプ氏悪態、一挙掲載
米紙「全ての人を侮辱」 

• 24日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米大統領選の共和党候補トランプ氏が候補指名を争った同党のルビオ上院議員やクルーズ上院議員、民主党候補クリントン氏らに対してついた悪態の数々を見開きで掲載し、「トランプ氏は全ての人、場所や物を侮辱してきた」とのコメントを添えた。
• これらの悪態はトランプ氏がこれまでツイッターに投稿してきたもので、クリントン氏を「腐敗している」と批判し、クルーズ氏を「うそつき」などと呼んでいた。
• 侮辱の対象は政治家だけでなく、同紙やCNNテレビなどのメディアや米百貨店メーシーズなど多岐にわたっていた。
• 昨年9月から今年4月までは、ルビオ氏やクルーズ氏らに対するものが多く、5月以降はクリントン氏への悪口が集中していた。


有力紙初のトランプ氏支持
米大統領選、ネバダ州

• 米西部ネバダ州の最大紙「ラスベガス・レビュー・ジャーナル」は24日までに、大統領選の共和党候補トランプ氏(70)を支持すると社説で表明した。米メディアによると、米有力紙による同氏の支持表明は初めて。
• 社説は「確かにトランプ氏の衝動性や行き過ぎたレトリックは多くの有権者を遠ざけている」と同氏の欠点を認めながらも、「彼は特権的で癒着した政治エリートに分裂や苦痛をもたらすと約束している」と支持の理由を説明した。
• 同紙は昨年、カジノ経営に携わる実業家でトランプ氏を支持する富豪シェルドン・アデルソン氏が買収した。
• 今回の大統領選では、伝統的に共和党候補を支持してきた地方紙が相次いで同党のトランプ氏不支持を表明している。


巨大メディアに政治家懸念
ワーナー買収の障害に

• 米通信大手AT&Tによるメディア・娯楽大手タイム・ワーナーの買収で、政治家が障害になる可能性が出てきた。巨大メディアの誕生で消費者の利益が損なわれかねないなどと民主、共和両党から懸念が噴出。11月には上院で公聴会が開かれる見通しとなり、買収実現に向けた道筋は見えにくくなっている。
• 「ごく少数の人たちに権力が過度に集中する」「私の政権では認めない」。米大統領選の共和党候補トランプ氏は買収が発表された22日、ペンシルベニア州での演説で強調した。自らのセクハラ疑惑を巡る報道に不満を抱えており、メディアが力を増すことに不安を感じているようだ。
• 民主党副大統領候補のケーン氏も23日のテレビ番組で、買収には「懸念と疑問がある」と述べ、競争を阻害しないかどうかを見極める必要があるとの考えを示した。
• クリントン氏と民主党の候補指名を争ったサンダース上院議員もツイッターで「人々に高価格、狭い選択肢を強いる」と批判。政権に買収を止めるよう訴えた。
• ロイター通信によると、上院の反トラスト小委員会は11月に今回の買収に関する公聴会を計画。幹部は「注意深く調べる」と目を光らせる。
• 米携帯電話大手TモバイルUSのレジャー最高経営責任者(CEO)は24日の電話会見で、ライバルの買収劇を「とてもエキサイティングだ」と評した後、こう続けた。「完了までに長い道のりがあるのは確かだ」


当選後にらみ戦略シフト
上院奪還へクリントン氏

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏が11月8日の投票日に同時実施される連邦議会選の重要州で集中的に集会を展開、2年ぶりの上院奪還に向けた支援に力を入れている。共和党候補トランプ氏に支持率でリードを広げる中、大統領就任後の政権安定を視野に入れた戦略にシフトしつつある。
• 「トランプ氏におびえたりしない。上院にはハッサン氏のような人物が必要です」。24日、東部ニューハンプシャー州の集会。クリントン氏が上院議員選に出馬したハッサン同州知事に太鼓判を押すと歓声が上がった。
• 同州で再選を目指す共和党のエヨト上院議員は、トランプ氏が子どもたちの「模範」との趣旨の発言をしたが、直後に撤回。クリントン氏はエヨト氏のこうした微妙な立場をやり玉に挙げた。
• クリントン氏はトランプ氏と直接対決した計3回の討論会で「全勝」を挙げ、当選へ自信を深めている。各地で自らの支持拡大を呼び掛けるだけでなく、民主党候補の応援にも奔走。相次ぐ醜聞で党指導部とも摩擦を強めるトランプ氏との距離感に悩む共和党候補への攻撃を加速させている。
• クリントン陣営の選対幹部ロビー・ムック氏は、オバマ政権の重要政策の推進が上下両院で多数を占める共和党の抵抗で難航したことに触れ「クリントン氏は議会に多くの同僚を得る必要性を痛感している」と話す。
• 2年ごとに実施される議会選。今回の上院(定数100)の改選議席数は34で、非改選議席66のうち共和党が30、民主党系は36を占める。このため、民主党は改選議席のうち15勝で過半数を獲得できる計算だ。トランプ氏の支持率低迷で共和党に逆風が吹く中、民主党では上院奪還への機運が高まっている。
• 全議席(同435)改選の下院では共和党が多数派を維持する見通しだが、クリントン陣営は「可能な限りの勢力拡大を狙う」と自信をみせる。


有名人が激戦州で戸別訪問
圧勝狙うクリントン陣営

• 米人気歌手のケイティ・ペリーさんやマイリー・サイラスさんが、大統領選で勝負の行方を左右する激戦州の大学に現れ、民主党候補のヒラリー・クリントン氏への投票を呼び掛ける「戸別訪問」を実施、学生らはうれしい悲鳴を上げている。
• 11月8日の投票日まで約2週間。支持率で共和党候補トランプ氏に差をつけているクリントン氏の陣営は、ペリーさんら有名人を選挙戦に多数投入。激戦州でも支持を拡大し、圧勝に持ち込みたい意向だ。
• 22日、西部ネバダ州ラスベガスの大学を電撃訪問したペリーさんは「ヒラリーのこと知っている?」と学生寮のドアをノック。サイラスさんも22日に南部バージニア州の大学を訪れ「私はヒラリーを応援している。あなたも投票して」と訴えた。12歳からサイラスさんの大ファンというキャサリン・クイッグリーさんは「彼女は私のお手本よ」と興奮した様子で投票に行くと米メディアに話した。
• 人気歌手で女優のジェニファー・ロペスさんや、ロックミュージシャンのジョン・ボン・ジョヴィさんも南部フロリダ州などで「愛は憎しみに勝つ」をテーマにコンサートを開催予定。排斥主義的な主張を繰り返すトランプ氏に対抗するメッセージを打ち出すという。


FBI幹部の妻に大口献金
クリントン氏に近い知事側

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏と近い南部バージニア州知事の政治団体が、連邦捜査局(FBI)副長官の妻で、同州上院議員選に立候補した女性に約50万ドル(約5200万円)の献金をしていたことが分かった。24日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた。
• バージニア州のマコーリフ知事(民主党)は、クリントン夫妻と長年の知己で親密な関係。クリントン氏が国務長官在任時の私用メール問題を捜査したFBIの幹部家族に対する大口献金が判明したことで、クリントン氏側と政府との“癒着”が再び批判の対象となる可能性がある。
• 同紙によると、マコーリフ氏の団体は昨年、マッケイブFBI副長官(当時は副長官補)の妻で、民主党候補としてその年の州上院議員選に出馬した女性に献金。女性は現職の共和党候補に敗北した。
• FBIは声明で、マッケイブ氏が妻の選挙には「関与していない」と強調。メール問題の捜査との間に利益相反行為はないと主張した。

クリントン氏、資金も優勢 
トランプ氏の1・6倍

• 11月8日の米大統領選投開票が約2週間後に迫る中、民主党候補クリントン氏は支持率で共和党候補トランプ氏に約6ポイント差をつけている。クリントン氏が今回の選挙戦で集めた資金は11億4千万ドル(約1184億円)を超え、トランプ氏の1・6倍に上ることが23日判明。最終盤で優勢を保つクリントン氏が、資金面でもトランプ氏をしのいでいることが改めて鮮明になった。
• 24日未明(日本時間同日午後)時点の政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率はクリントン氏47・9%、トランプ氏42・0%で、その差は5・9ポイント。7月にいったんトランプ氏が逆転したが、その後は差が増減しつつもクリントン氏が一貫して上回っている。
• 有力紙ワシントン・ポストによると、9月末までに集めた資金は、クリントン陣営が11億4760万ドル、トランプ陣営が7億1210万ドル。陣営や政党が集めた資金に加え、陣営と直接連携はできないが個人などから無制限に献金を集め、テレビ広告などで特定候補を支援する特別政治活動委員会(スーパーPAC)の分が含まれる。
• クリントン氏への献金者にはドナルド・サスマン氏(2060万ドル)やジョージ・ソロス氏(990万ドル)ら著名投資家が名前を連ね、献金額が多いトップ5だけで総額の6%を占める。かねて指摘されている財界との近さが示された。
• またポスト紙の集計によると、夫の元大統領の大統領選、一族が運営する「クリントン財団」などを含めた過去40年間の献金総額は40億ドルを超える。今回クリントン氏が集めた金額は、夫が2回の大統領選で集めた計5億3300万ドルの2倍超。


クリントン氏、12ポイントリード 
トランプ陣営、劣勢認める 

• 米ABCテレビが23日発表した大統領選の最新世論調査によると、民主党候補クリントン氏の支持率が50%、共和党候補トランプ氏が38%と、クリントン氏のリードが12ポイントに広がった。トランプ陣営のコンウェー選対本部長は23日、NBCテレビで「われわれは後れを取っている」と述べ、劣勢を認めた。
• 世論調査は20~22日に実施した。13日時点の前回調査の支持率はクリントン氏が47%、トランプ氏が43%で、差は4ポイントだった。
• ABCテレビは、トランプ氏の女性蔑視発言やセクハラ疑惑に加え、同氏が選挙の不正を訴え、投票結果を受け入れるかどうか明言を避けていることが支持率の低下につながったと分析した。
• コンウェー氏はFOXニュースのインタビューにも応じ「選挙戦は終わっていない」と強調。クリントン氏が支持率でリードしている南部フロリダなどの激戦州でも、差はわずかで逆転は可能だと訴えた。

被害主張、「全員提訴」
トランプ氏、セクハラ疑惑

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は22日、ペンシルベニア州ゲティズバーグで演説し、同氏から体を触られるなどセクハラを受けたと被害を主張する女性が続出していることについて「うそをついており、選挙後に全員を提訴する」と述べた。
• 22日には11人目とされる女性(42)がロサンゼルスで記者会見し、10年前にトランプ氏に無理やりキスされ、1万ドル(約100万円)で部屋に誘われたと語った。トランプ氏は女性の証言を完全否定した。被害を名乗り出た女性は12人目という報道もある。
• ゲティズバーグは南北戦争中の1863年にリンカーン大統領が「人民の、人民による、人民のための政治」との名文句で知られる演説で結束を呼び掛けた歴史的な地。
• トランプ氏は演説で「リンカーンに倣って私たちが分断を癒やせることを望む」と述べながら、女性らを提訴する構えを見せたほか、セクハラ疑惑を報じるメディアを批判。民主党候補クリントン氏に有利なように「選挙がゆがめられている」などと不満を訴えた。


裸のトランプ像181万円
米で競売、移民団体支援

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏の裸像が22日、米ロサンゼルスで競売に掛けられ、1万7500ドル(約181万円)で落札された。競売会社によると、落札額の一部は移民擁護団体の支援に充てられる。トランプ氏は不法移民を阻止するために国境地帯に壁を築く考えを示している。
• 像はトランプ氏に批判的なアーティストグループ「インディクライン」が作製し、8月にニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコなどの街角に設置されたもののうちの一つ。


ワーナー買収「認めない」
トランプ氏が批判

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は22日、ペンシルベニア州で演説し、通信大手AT&Tによるメディア・娯楽大手タイム・ワーナー買収は「少数者への巨大権力の集中だ」と批判、「私の政権では認めない」と述べた。
• トランプ氏はセクハラ疑惑を巡るタイム・ワーナー傘下のCNNテレビなど主要メディアの報道に不満を強めている。演説では、米メディア大手コムキャストが2011年に米三大テレビネットワークの一つ、NBCを傘下に持つNBCユニバーサルを買収したことも批判。「有権者の判断を操ろうとしており、民主主義の破壊だ」などと主張した。

米選挙後に暴動や裁判も
トランプ発言で不安拡大

• 【ワシントン共同】米大統領選の共和党候補トランプ氏が敗北した場合に結果に従うか明言を避けたことで、11月8日の選挙後に混乱が生じかねないとの不安が広がっている。トランプ氏の支持者が不満から暴徒化したり、陣営が裁判闘争に持ち込んだりしかねないとの見方から、決着まで1カ月以上も紛糾した2000年大統領選の再現を予想する声もある。
• 女性蔑視発言やセクハラ疑惑が響き劣勢のトランプ氏は、民主党クリントン候補の陣営が不法移民による投票を画策しているなどとして「いんちきがまかり通っている」と主張している。今月19日の討論会で選挙結果を受け入れるかは「その時に考える」と発言。「民主主義を揺るがす前代未聞の対応」だとしてメディアは沸騰し、20日付の有力紙は1面トップで報じた。
• 優位を保つクリントン氏の勝利に自信を深める民主党は、円滑な政権交代にトランプ氏が水を差しかねないと懸念。下院議員の1人は「市民が暴力に走れば、トランプ氏の責任だ」とけん制した。
• トランプ氏は20日に異議申し立ての権利を「温存する」と表明し、敗北すれば訴訟も辞さないとの見方に拍車を掛けた。司法決着を余儀なくされた00年は、集計ミスが起きやすいパンチ穴式の投票用紙が問題だった。民主党ゴア候補が最終的に共和党ブッシュ候補(前大統領)への敗北を受け入れており、米学者らはトランプ氏が根拠を示さず不正を訴える今回とは構図が違うと指摘している。
• 民主党ケネディ、共和党ニクソン両氏の大接戦となった1960年は、ケネディ陣営の不正が取り沙汰されたが、ニクソン氏は敗北を受け入れた。選挙結果に異議を唱えるのは、平和的な権力移行という民主主義の原則から逸脱しているとの考えからだ。
• ブルッキングズ研究所のフダック上級研究員は「トランプ氏は敗北を予感し、不正を主張して予防線を張ることで支持者をつなぎ留めようとしている」との見方を示した。

クリントン氏優位で最終盤
候補者討論会「全勝」 
トランプ氏挽回できず 
結果受け入れ巡り波紋

• 11月8日の米大統領選投票日に向けて最後となった第3回候補者討論会が19日、米西部ネバダ州ラスベガスで開かれ、米主要メディアは民主党のクリントン氏(68)が優勢だったと伝え「3戦全勝」となった。選挙戦は同氏が全米支持率でも優位を保ったまま最終盤に突入。共和党のトランプ氏(70)は直接対決の場でも挽回できず、選挙結果を受け入れるかどうか明言を避けた。大統領候補として異例の対応は波紋を広げた。
• CNNテレビによると、第3回討論会の視聴者調査ではクリントン氏が勝ったとの回答が52%、トランプ氏が39%。これまでの2回に比べ、差は縮まったものの、クリントン氏の「全勝」は明確だ。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率でも同氏が6・5ポイント上回っている。
• 最後の討論会で最も注目されたトランプ氏の発言は、選挙結果を受け入れるかどうかについて「その時に考える。それまではお預けだ」と述べたことだ。どんなに激しく争っても、最後は選挙結果を率直に受け入れるという民主主義の基本に挑戦する姿勢と受け止められており、今後の選挙戦にさらなる打撃となる可能性がある。
• 3回行われた討論会を通じて、両候補とも互いの不祥事攻撃に時間を割いた。
• 3回目も序盤こそ政策論争と呼べるやりとりがあったが、クリントン氏が、トランプ氏はロシアのプーチン大統領の「操り人形」になるとやゆしたり、女性蔑視発言を攻撃したりすると、トランプ氏も色をなして反論。クリントン氏が国務長官時代に公務で私用メールを使った問題に関して、議会や連邦捜査局(FBI)に「何度もうそをついた」と述べ、激しい非難合戦を繰り広げた。
• 米ジョージメーソン大のビル・シュナイダー教授(公共政策)は「これまで見た中で最も不快で、見苦しい討論会の一つだった」と批判した。


クリントン氏優位で最終盤
候補者討論会「全勝」
トランプ氏挽回できず
結果受け入れ巡り波紋

• 米大統領選の民主党クリントン(68)、共和党トランプ(70)両候補による最後の直接対決となる第3回討論会が19日、西部ネバダ州ラスベガスで開かれた。互いに相手には大統領の資質がないと非難の応酬となり、米主要メディアはクリントン氏が優勢だったと伝えた。選挙戦は「3戦全勝」の同氏が優位を保ったまま、11月8日の投票日までの最終盤に突入。トランプ氏は討論会でも挽回できなかった。
• トランプ氏はまた、選挙結果を受け入れるかどうかについて「その時に考える」として明言を避けた。大統領候補として異例の対応は民主主義の根幹を揺るがしかねないと波紋を広げており、今後の選挙戦にさらなる打撃となる可能性がある。
• CNNテレビによると、第3回討論会の視聴者調査ではクリントン氏が勝ったとの回答が52%、トランプ氏が39%。これまでの2回に比べ、差は縮まったものの、クリントン氏の「全勝」は明確だ。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率でも同氏が6・5ポイント上回っている。
• 女性絡みの相次ぐ醜聞で劣勢に立たされるトランプ氏は、性的嫌がらせを受けたとする女性らの主張は「偽りだ」と述べ、疑惑を否定。クリントン氏が国務長官時代に私用メールを公務に使っていた問題を持ち出し、出馬を認められるべきでなかったと語った。犯罪者やイスラム過激派の流入を阻止するため国境に壁を建設すべきだとの主張も繰り返した。
• これに対し、クリントン氏は、トランプ氏について「最も危険な候補者だ」と批判し、女性や性的少数者(LGBT)らの権利を守る必要性を強調した。不法移民を経済活動に取り組むことが重要だと語った。
• 米国で社会問題となっている銃犯罪を巡り、トランプ氏は銃所持の権利は不可侵との立場を取ったのに対し、クリントン氏は犯罪者の銃規制強化を訴えた。
• 外交政策では、クリントン氏は環太平洋連携協定(TPP)の最終合意について「私の基準を満たさなかった」と述べ、反対の姿勢を改めて表明。トランプ氏は日韓などの同盟国の防衛費負担増を重ねて求めた。

「適性」巡り最後の論戦へ
米大統領候補討論会

• 米大統領選の民主党クリントン(68)、共和党トランプ(70)両候補による最後の直接対決となる第3回討論会が19日夜(日本時間20日午前)、西部ネバダ州ラスベガスで開かれる。来月8日の投票日が迫る中、米国の針路を定める指導者としての「適性」を巡り、激しい論戦が繰り広げられる見通しだ。
• トランプ氏は今月に入り、女性蔑視発言やセクハラ疑惑など相次ぐ醜聞で批判を受け、支持率が低下。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の各種世論調査の平均支持率ではクリントン氏が約7ポイントの差をつけリードを広げている。
• 勝負の行方を左右する10前後の激戦州の多くでもクリントン氏優勢が目立っており、トランプ氏には今回の討論会が巻き返しを図る「最後のチャンス」(米紙)。過去2回の討論会を優位に進めたクリントン氏は、今回勝って「3戦全勝」となれば、初の女性大統領誕生に向け一気に勢いが増す可能性がある。
• 歴代でも群を抜く好感度の低さで「嫌われ者同士」とも称される両候補。窮地に追い込まれているトランプ氏はメディアの報道ぶりなどを理由に選挙がゆがめられているとまで主張。クリントン氏も国務長官時代の私用メール問題などが尾を引いており、今回も互いへの不信感をあおる泥仕合となるとの見方がある。
• トランプ氏は、クリントン氏を代表格とする既存政治に挑戦する候補としてのイメージを広範な有権者に印象付けられるかが問われるが、遊説を控えて模擬討論を重ねたクリントン氏は、万全の態勢でライバルを迎え撃つ用意だ。
• 90分間の討論会では、「大統領としての適性」「財政赤字と社会保障」「移民」「経済」「最高裁」「世界の紛争地」の6テーマを議論。司会は、鋭い弁舌に定評があり、保守系FOXニュースで番組を持つクリス・ウォレス氏が担当する。

トランプ氏は民主主義に傷
スプリングスティーンさん

• 米ロック界の大御所ブルース・スプリングスティーンさん(67)は17日、米大統領選の共和党候補トランプ氏を「民主主義を傷つけている」と批判した。このほど出版した自伝の宣伝のためロンドンで開いた報道各社向けイベントで語った。
• スプリングスティーンさんは既に米誌でクリントン氏支持を表明している。この日は司会者にトランプ氏が人気を集める理由を聞かれ「誰にも説明できないよ」と苦笑。「ひどいことが起きている」と述べた。
• スプリングスティーンさんの初の自伝「ボーン・トゥ・ラン」は9月に日本を含む世界各国で発売された。貧しかった少年時代やデビューまでの道のりなどを赤裸々に明かしており、「できる限り自分を深く見つめながら書いた」と語った。


激戦州でクリントン氏優勢 
無党派層に支持広がる

• 米大統領選の勝敗を左右するとされる激戦州の多くで、民主党候補クリントン氏が支持率で差を広げていることが17日、最新の世論調査で分かった。女性蔑視発言など共和党候補トランプ氏の醜聞が次々と明らかになり、無党派層が民主支持に傾いているようだ。
• 米キニピアック大は10~16日に南部フロリダ、中西部オハイオ、西部コロラド、東部ペンシルベニアの4州を対象に調査を実施。支持率が45%で拮抗したオハイオを除くと、クリントン氏が軒並みリード。同氏が選挙戦を優位に展開するコロラド、ペンシルベニアでは、トランプ氏との差はそれぞれ8ポイント、6ポイントと安定感を示している。両者が抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げるフロリダでも、クリントン氏が4ポイントの差をつけた。
• もう一つの重要州、南部バージニアでは既にクリントン氏優勢がはっきりしている。17日までに発表された地元大学の調査では、15ポイントまでリードを広げた。
• いずれの調査でも、9日の第2回候補者討論会の前後に連日報じられた女性蔑視発言や数々のセクハラ疑惑がトランプ氏への打撃になったとしている。
• 大統領選の勝利には全米で270人の「選挙人」を得ることが必要となる。キニピアック大は大票田のフロリダ、ペンシルベニアのうち1州でも手中にできなければ、トランプ氏当選の可能性はないと分析し、19日に実施される最終討論会で「起死回生をかけるしかないだろう」としている。


米テレビ番組司会者が降板
トランプ氏の女性蔑視発言

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が女性蔑視発言をする会話の録音内容が報じられた問題で、米NBCテレビは17日、トランプ氏と会話していたテレビ番組司会者ビリー・ブッシュ氏が同テレビの番組から降板したと明らかにした。米メディアが伝えた。
• トランプ氏は2005年、ビリー・ブッシュ氏との会話で「有名人なら女を思うままにできる」などと発言。ブッシュ氏はトランプ氏の発言を聞いて笑ったり冗談を言ったりしており、不適切だと批判されていた。録音内容が報道された後、視聴者らに謝罪していた。
• ビリー・ブッシュ氏はブッシュ前大統領のいとこ。


セクハラ告発は「うそ」 
トランプ氏を夫人が擁護

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏のメラニア夫人は17日放送の米CNNテレビのインタビューで、トランプ氏への相次ぐセクハラの告発は「うそだ」と主張し、2005年にトランプ氏がテレビ番組収録中に女性蔑視発言をしたのは「(発言するように)そそのかされたためだ」などと、トランプ氏を擁護した。
• メラニア夫人はセクハラ告発について「全て反対陣営が仕掛けていることだ」と、民主党候補クリントン氏の陣営が告発に関与しているとの見方を示し、セクハラ疑惑を報じる大手メディアは「不誠実だ」と批判した。
• 夫人は「夫は女性を大事にする人。紳士だ」と強調。「有名人なら女を思うままにできる」などとした05年のトランプ氏の発言が報じられた後「夫には不適切だと言った」といい、発言に対するトランプ氏の謝罪を「私は受け入れる。米国民も受け入れてくれることを望む」と述べた。


政府、財界との親密さ暴露
クリントン陣営、打撃も

• 内部告発サイト「ウィキリークス」が、米大統領選の民主党候補クリントン氏の選挙陣営内部で交わされたメールを連日公開している。女性蔑視発言などで批判を受ける共和党候補トランプ氏の醜聞の陰で目立たないが、政府や財界との親密ぶりをうかがわせる内容も多く、暴露が進めば選挙戦に打撃を与える可能性もある。
• ウィキリークスがメール公開を始めたのは今月7日。クリントン陣営はメールの真偽を確認していないが、選対責任者のポデスタ氏の元からハッキングで盗み取られたとみられている。同サイトはこれまでに約1万通を公開、11月8日の投票日まで続ける意向だ。
• 2015年5月のメールでは、クリントン氏の国務長官在任時の私用メール問題に絡む民事訴訟で、陣営の報道担当を務めるファロン氏が「司法省が関連の聴き取りの予定を教えてくれた」と報告。水面下で陣営と政府側が情報交換していたことを示唆している。
• ウィキリークスは、クリントン氏が公開に応じていないウォール街の企業向けの講演内容も暴露。国務長官退任後の13年10月の講演では、金融危機を受けた業界規制は「政治的なものだ」と述べ、世論対策との見方を示した。一連の講演では多額の謝礼を受け取っていたとの批判も浴びており、中間層の擁護者を掲げるクリントン氏の選挙公約とは矛盾するとの指摘も出そうだ。
• トランプ氏は一連のメールについて、政府や企業との「癒着」を示しているとして、クリントン氏を腐敗した既存政治家の代表格と位置付け、批判を強めている。
• 米政府は、ポデスタ氏へのハッキングはロシア政府が関与した可能性が高いと分析。クリントン陣営は、トランプ氏がロシアによる陣営へのサイバー攻撃を奨励したと指摘するなど泥仕合の様相を呈している。

保守王国でトランプ氏苦戦
女性問題打撃、党勢後退も

• 米国の選挙で伝統的に共和党が強かった「保守王国」の各州で大統領選の共和党候補トランプ氏の支持率が低迷し、民主党のクリントン氏が逆転をうかがう展開となっていることが14日、最新世論調査で明らかになった。トランプ氏は連日報じられる女性蔑視やセクハラ疑惑が打撃となっており、共和党の党勢後退をも招きかねない情勢だ。
• クリントン氏は民主党の支持者が多い州で票を固め、共和党の牙城を突き崩す構え。投票日まで20日余りとなり、トランプ氏は挽回に躍起だ。
• 一方、米紙ワシントン・ポスト電子版は14日、1990年代にナイトクラブで、トランプ氏にスカートの中に手を入れられ下半身を触られたという女性写真家の証言を伝えた。トランプ氏が過去に司会役を務めた人気番組に出演した女性も記者会見し、2007年に性的関係を迫られたと訴えた。
• トランプ氏は14日、ノースカロライナ州の集会で「メディアによってうそがまき散らされている」と怒りをあらわにした。
• ワシントン・ポスト電子版などによると、共和党の強固な地盤であるアラスカ、テキサス、ユタの3州でこの3日間に行われた世論調査では両候補の支持率が拮抗。共和党支持者が多いアリゾナ州やジョージア州でも互角の戦いとなっている。
• ユタ州では両氏とも支持率が26%と並び、同州出身の無所属エバン・マクマリン氏が22%の支持を得た。アラスカ州ではトランプ氏45・8%、クリントン氏42・0%と差は3・8ポイントだった。両州で民主党候補が勝てば、ジョンソン大統領が当選した64年以来、52年ぶりとなる。
• テキサス州でもトランプ氏の47%に対し、クリントン氏が43%と支持率の差は4ポイントに迫った。


過去のセクハラ告発続出
トランプ氏「うそ」と反論

• 米紙ワシントン・ポスト電子版は14日、大統領選の共和党候補トランプ氏にスカートの中に手を入れられ性的嫌がらせを受けたという女性の証言を伝えた。トランプ氏が過去に司会役を務めた人気番組に出演した女性も記者会見し、性的関係を迫られたと訴えた。
• 米メディアは、トランプ氏の「有名人なら女を思うままにできる」との2005年の女性蔑視発言が発覚して以降、過去のセクハラを告発する証言を相次いで報道。トランプ氏は14日、ノースカロライナ州の集会で「メディアによってうそがまき散らされている」と怒りをあらわにした。
• ポスト紙によると、カリフォルニア州在住の46歳の女性写真家は、20代だった1990年代前半、ニューヨーク・マンハッタンのナイトクラブでソファに座っていた際、トランプ氏にスカートの中に指を入れられ性器を触られたと主張した。
• トランプ氏は当時不動産ビジネスで成功し、ニューヨークのナイトクラブに頻繁に出入りしていた。トランプ陣営はポスト紙に「全くばかばかしい」と完全否定した。
• また、人気番組「アプレンティス(見習い)」に出演した女性は、07年にトランプ氏に仕事の相談を持ち掛けた際、ホテルに呼ばれて性的関係を迫られたと涙ながらに訴えた。


トランプ政権なら報道脅威
米ジャーナリスト保護委

• 世界の報道の自由を擁護する民間団体、ジャーナリスト保護委員会(CPJ、本部ニューヨーク)は14日までに、米大統領選でトランプ共和党政権が誕生すれば「報道の自由に対する現代史上例を見ない大きな脅威になる」と憂慮する声明を発表した。
• CPJは過去、米大統領選の候補に関して見解を表明した例はない。
• 声明は、トランプ候補が選挙戦でメディアを「不誠実」「ごみ」などと呼んで敵対姿勢を鮮明にし、記者会見場から追い出すなど記者への個人攻撃を行ってきたと指摘。これらの行為により、米憲法が保障する報道の自由を侵害し続けていると非難した。
• 声明はさらに、トランプ政権が誕生すれば米国で報道の自由への脅威となるばかりでなく、世界各地の記者にとっても影響は計り知れないと強い危機感を表明した。

沈黙破り、暴行被害共有
トランプ氏蔑視発言受け

• 「有名人なら女を思うままにできる」。米大統領選の共和党候補トランプ氏の女性蔑視発言が明らかになったことを受けて、過去に性的暴行などの被害を受けた女性たちがソーシャルメディアで自らの経験を語り始めた。沈黙を破ることで、性差別を容認する風潮を変えたいとの思いからだ。
• 「女性の皆さん、あなたの被害を教えてちょうだい。まず私から話すわ」。作家ケリー・オックスフォードさんがツイッターで呼び掛けたのは、トランプ氏の発言が報じられた直後の7日夜。12歳の時、バスの中で見知らぬ老人に性器を触られたと告白した。
• その告白に触発されるように、オックスフォードさんのサイトには1分間に50回の割合で女性たちの投稿が殺到。日本語での書き込みもある。
• 治療中に歯医者にキスを迫られたという女性は「かわいい女の子だから仕方ない」と周囲に諭されたと語り、別の女性は退職直前の同僚に「首になる心配もない」と胸をつかまれたと語った。
• 「下半身をまさぐればいい」と語り、既婚女性と性交渉を試みたと豪語するトランプ氏の発言は、多くの女性が封印してきた傷口を開いたようだ。だが女性たちが最も容認できないと感じたのは「ロッカールームでの私的な会話にすぎない」とのトランプ氏の釈明だ。
• フェイスブックで自らの体験を明かしたロサンゼルス在住の女性は、性差別被害を軽視する世論が女性に沈黙を強いてきたとして「ロッカールーム・トーク」の言い訳は男性中心社会の投影だと怒りをぶつけた。ミシェル・オバマ大統領夫人も13日の集会で「なかったことにはできない」と語気を強めた。
• 米ラトガース大のディトマー准教授は、トランプ氏の発言は「男性は女性の上位に立つのが当然」との価値観を反映していると指摘。「その中で声を上げるのは勇気ある行為。性的暴行は誤りだとの認識は米社会にも徐々に育っている」と述べた。


トランプ氏に核任せるな
運用担当の元軍人が書簡

• 米空軍で核戦力の運用を担当した元軍人10人が13日、大統領選の共和党候補トランプ氏は冷静さや自制心、外交手腕など最高司令官に求められる資質を持っていないとして「『核のボタン』を渡すべきではない」と警告する書簡を公表した。
• 元軍人らは書簡で、トランプ氏は「いとも簡単に挑発に乗り、突っかかり、専門家の意見を無視する」と指摘した。トランプ氏の最高司令官としての資質を巡っては、これまでも民主党候補クリントン氏や共和党の安全保障専門家らが批判していた。

トランプ氏、党内全面戦争
オバマ氏「嫌悪もよおす」

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は11日、女性蔑視発言の発覚を受けて自身への支持を撤回した党主流派の有力政治家らと全面対決する姿勢を鮮明にした。投票日まで1カ月を切り、共和党内の亀裂は深刻化。党内混乱が大統領選と同時実施の議会選に影響することへの懸念も高まっている。
• アーネスト米大統領報道官は11日、女性蔑視発言について「オバマ大統領は嫌悪をもよおす内容だと感じている」とし、共和党が分裂状態に陥っていることには「情勢の回復は困難だろう」と語った。
• 共和党有力者らが相次ぎ支持を撤回する中、トランプ氏は11日、「(選挙の)足かせがなくなり、自分のやり方で戦えるようになった」とツイッターで表明。米紙ワシントン・ポスト電子版は同氏が「党主流派との戦争を宣言した」と報じた。
• トランプ氏は党内結束の建前を捨て、主流派による既存政治を徹底的に批判する構え。トランプ氏の選挙運動を支援しない考えを示した党実力者のライアン下院議長をツイッターで「軟弱で無能だ」と批判、「裏切り者はいかさまヒラリー(民主党候補クリントン氏)よりはるかに厄介」と攻撃した。FOXニュースのインタビューではライアン氏らの支持は「欲しくない」と言い切った。
• 共和党の反トランプ勢力は7月の党大会でトランプ氏が候補に選ばれてから目立った批判は控えてきたが、女性蔑視発言を契機に不満が再び噴出。USAトゥデー紙電子版によると、共和党の上下両院議員と州知事の計331人のうち4分の1に当たる87人が支持しない立場を示した。一方、トランプ支持派の議員らは支持を撤回したライアン氏に猛反発し、党内の対立が深まっている。
• 党内混乱が民主党を利することへの警戒感も強く、予備選でトランプ氏と候補指名を争ったルビオ上院議員はトランプ氏の発言を批判しながらも、支持は続けると表明した。ライアン氏は「共和党から出馬した全ての候補者は(議会選などで)民主党を倒すことに集中すべきだ」と訴えた。


クリントン氏、8ポイントリード
女性支持率は両候補不変

• ロイター通信が11日公表した米大統領選の最新世論調査結果によると、民主党候補クリントン氏の支持率は45%、共和党のトランプ氏は37%と、クリントン氏のリードが前回の5ポイントから8ポイントに拡大した。
• 調査はトランプ氏の女性蔑視発言報道や2回目の候補者討論会の後に行った。ただ、女性からの支持率はトランプ氏が29%、クリントン氏が44%で、前回とほぼ変わらなかった。トランプ氏は保守的なキリスト教福音派の支持が低下した。
• また「多くの男性」が時にはトランプ氏が暴露されたのと同様の会話をすると答えたのは61%に上り、46%が「聞かれることを意図しなかった会話で人を判断するのは不公平だ」と答えた。
• トランプ氏の女性蔑視発言は、2005年のテレビ番組収録でスタッフと雑談している際に録音され、テープを入手したワシントン・ポスト紙が報じた。
• 調査はロイターと調査会社イプソスが全米50州で2千人以上を対象に実施した。


トランプ氏は国際的に危険
国連人権弁務官が批判

• 国連のゼイド人権高等弁務官は12日、米大統領選の共和党候補トランプ氏について「大統領に選ばれたら国際的な視点から見て疑いなく危険になる」と批判した。ジュネーブで記者団に語った。
• ゼイド氏は特定の国の選挙運動を妨害する意図はないとした上で、トランプ氏の拷問を容認したり、社会的弱者の人権を奪っても良いとしたりする発言は「私を動揺させ、不安にさせる」と述べた。
• ゼイド氏はこれまでにもトランプ氏や移民排斥を叫ぶ欧州の右派政治家を非難するコメントをしてきた。

クリントン氏、リード拡大
窮状深まるトランプ氏
女性蔑視発言が影響

• 米ウォールストリート・ジャーナル紙とNBCテレビが10日公表した米大統領選の共同世論調査によると、民主党候補クリントン氏(68)が共和党候補トランプ氏(70)との支持率の差を11ポイントに広げ、これまでの選挙戦で最大級の差をつけた。トランプ氏の女性蔑視発言が響いたとみられ、共和党有力者がトランプ氏の敗北を事実上認めるなど、同氏の窮状が深まった。
• 世論調査は発言が報じられた後の8、9日に実施。支持率はクリントン氏46%、トランプ氏35%。最近の他の世論調査では、クリントン氏のリードは1桁台にとどまっていた。
• 9日の第2回討論会でトランプ氏は、過去に「有名人なら女は何でも許してくれる」などと語ったことを謝罪。クリントン氏の夫ビル・クリントン元大統領の女性スキャンダルを取り上げて反撃しながら「もっと大きな問題を議論すべきだ」と訴えたが、有権者の受け止めは厳しいようだ。
• 大統領選の勝利には全米で270人の「選挙人」を得ることが必要で、政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の11日現在の獲得予測ではクリントン氏260人、トランプ氏165人。激戦州のフロリダやオハイオなどでクリントン氏が優勢との分析もある。同サイト集計の平均支持率はクリントン氏が48・1%とトランプ氏を6・5ポイント上回っている。
• 女性蔑視発言の報道後、共和党内ではトランプ氏に選挙戦撤退を求める声や支持の撤回表明が相次いだ。米メディアによると、党有力者のライアン下院議長は10日の党議員らとの電話会議で、トランプ氏を今後擁護せず、選挙運動も支援しない考えを表明。クリントン氏が勝利しても民主党に主導権を渡さないため、上下両院の共和党多数派維持に全力を傾ける姿勢を強調した。
• 終盤を迎えた選挙戦に、国民の関心は高い。9日の討論会の視聴者は史上最多となった第1回の8400万人には及ばなかったが、6650万人に上った。


中立破りクリトン氏支持
米誌、トランプ氏「最悪」

• 米誌フォーリン・ポリシーは11日までに、米大統領選で中立を保つ伝統を破り、民主党のクリントン候補を支持すると表明した。「半世紀近く特定候補に対する態度表明は避けてきた」とした上で、トランプ氏を「米国史上最悪の主要政党候補だ」と酷評した。
• 同誌はトランプ氏について「国際関係における最も基本的な事実を知らない」と指摘。ロシアのプーチン大統領を評価していることなどを問題視した。
• クリントン氏については、大統領夫人や上院議員、国務長官を歴任し「第2次大戦後、最も大統領になる資格がある候補の1人」と称賛した。


トランプ氏、攻めの姿勢
元大統領の問題取り上げ

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は第2回討論会から一夜明けた10日、激戦州の東部ペンシルベニアでの集会で、討論会と同様に民主党候補クリントン氏の夫の元大統領に関する過去の女性問題を攻撃材料に使った。2005年に女性を巡る低俗な発言をしていたことで猛批判を浴び、窮地に立たされているトランプ氏だが、守りよりも攻めの姿勢を鮮明にした。
• 一方、クリントン氏は10日、中西部ミシガン州での集会で、9日の討論会に関し「トランプ氏は謝罪すべきだったのに攻撃に時間を費やした」と批判した。
• トランプ氏は、自分の過去の発言を問題視し続けるなら「われわれもクリントン夫妻の不適切な事に言及し続ける」と述べ、クリントン陣営をけん制。元大統領は「女性を食い物にした」と批判し、クリントン氏についても元大統領にセクハラや性的暴行を受けたとされる女性らを「疑うことで彼女らの信用を傷つけた」と訴えた。


トランプ氏側近が講演
パイプづくりとの臆測も

• 米大統領選の共和党候補であるトランプ氏側近として知られる陸軍出身のマイケル・フリン元国防情報局長が11日、自民党本部で講演し、米国のサイバーセキュリティー対策などについて紹介した。海外の安全対策の事例を参考にしようと、党IT戦略特命委員会が招いた。
• 大統領選投開票まで1カ月を切るタイミングでの来日で、フリン氏は講演後、記者団に日本の政府関係者と面会する予定があることを明らかにした。だが、相手など具体的なことは言及せず、政府とのパイプづくりが目的だったのではないかとの臆測が広がった。
• 会合は非公開だった。フリン氏は講演後、2020年の東京五輪を控えて「サイバーセキュリティーは日本にとって最大の脅威の一つだ」と強調した。出席者によると、講演では日本のサイバー対策の遅れを指摘し、人材育成が必要とも発言したという。
• フリン氏は12~14年に国防情報局長を務めた後、トランプ氏の外交政策アドバイザーの一人になった。トランプ氏の副大統領候補選びでは名前が取り沙汰された。


米大型カジノが営業停止
経営難、トランプ氏が開業

• 米東部ニュージャージー州アトランティックシティーにある大型カジノ「トランプ・タージマハル」が10日、営業を停止した。経営難が続き、労働条件向上を求めてストライキを行う労働組合と経営陣の協議が決裂した。経営陣は営業再開の見通しはないとしている。
• 米メディアによると、同カジノは米大統領選の共和党候補で実業家のトランプ氏が1990年に開業。現在はトランプ氏の友人で著名投資家のカール・アイカーン氏の会社が経営権を握っている。
• トランプ・タージマハルは開業当時、世界でも有数の規模を誇るカジノだったが、アトランティックシティー自体が集客力を失って経営が悪化。アイカーン氏は今年8月、組合との話し合いがまとまらなければ営業をやめると表明していた。

トランプ氏が女性蔑視釈明
第2回米大統領候補討論会
クリントン氏に軍配か

• 米大統領選の第2回候補者討論会が9日、中西部ミズーリ州で開かれ、民主党のクリントン氏(68)は、共和党のトランプ氏(70)による女性蔑視発言を厳しく追及した。選挙戦からの撤退を求める声が党内から強まるトランプ氏は、釈明すると同時にクリントン氏の夫の元大統領による女性問題を取り上げ、懸命に反撃した。
• 討論会は同州セントルイスの大学で9日夜(日本時間10日午前)に開催。CNNテレビはクリントン氏が勝ったとする回答が57%、トランプ氏は34%だったとする視聴者調査の結果を伝え、前回の第1回に続きクリントン氏に軍配を上げた。
• 窮地のトランプ氏の信頼回復が簡単ではないことを示しており、投開票まで1カ月を切った選挙戦は同氏にとって厳しい局面が続きそうだ。
• トランプ氏は2005年に「有名人なら女を思うままにできる」などと低俗な発言をしていたことが表面化した。討論会では、行動には移していないと否定。「家族と国民に謝罪する。私ほど女性に敬意を持っている者はいない」と述べた。長年、所得税納付を免れていたとの報道については節税対策だと認めた。
• 一方で、元大統領の不倫問題などを持ち出し「女性への虐待」と強調。クリントン氏が国務長官時代に公務で私用メールアドレスを使った問題も追及し、自身の大統領就任後には「クリントン氏は刑務所に入ることになる」とけん制した。
• クリントン氏は「(トランプ氏が)女性に敬意を払っているのか、誰もが結論を導ける」と述べ、イスラム教徒らも差別してきたと批判した。
• トランプ氏は、掲げてきたイスラム教徒の全面入国禁止はテロを防ぐための「極めて厳しい身元調査」のことだとし、軌道修正した。
• シリア情勢では、クリントン氏はアサド政権の市民攻撃を非難。トランプ氏は過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を重視する姿勢を示した。
• 今回は市民も質問できる形式で実施した。最後の第3回は19日に西部ラスベガスで開かれる。


トランプ氏「不適格」
カストロ前議長が批判

• キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は10日までに、キューバ共産党機関紙にコラムを寄せ、米大統領選の共和党候補トランプ氏を「不適格」と批判した。
• コラムは8日付で、9日に行われた米大統領選候補の第2回討論会の前に書かれた。前議長は、9月26日の第1回討論会でトランプ氏が大統領として不適格であることが示されたと指摘した。
• トランプ氏は最近の演説で、キューバが政治的な自由を国民に保障しなければ、米キューバの関係正常化を覆す可能性に言及。カストロ氏の反発を招いた可能性がある。
• コラムの中でカストロ氏はオバマ米大統領のことも批判した。オバマ氏は対キューバ政策を転換し、国交を回復したが、米国はキューバに対する経済制裁を維持。カストロ氏は現状にいら立ちを示したとみられる。


「次期政権でも同盟発展」
クリントン氏側近が訪韓

• 米民主党大統領候補のクリントン氏が国務長官だった当時、側近として国務次官を務めたウェンディ・シャーマン氏が10日、訪問中の韓国ソウルで尹炳世外相を表敬訪問した。シャーマン氏は「米韓同盟が次の政権でも強固に発展するよう、可能な役割を果たす」と述べた。
• 聯合ニュースは、大統領選でクリントン氏が勝利した場合、シャーマン氏が「外交安全保障の中心ポストに起用される可能性が高い」と伝えた。韓国外務省によると、シャーマン氏はソウルで11~13日開かれる行事への出席のため訪韓した。
• 一方、聯合ニュースによると米国のキング北朝鮮人権問題担当特使が10日、韓国を訪問。政府系の統一研究院が開催するフォーラムに出席後、13日に日本へ向かうという。キング氏は韓国滞在中、同国外務省幹部らと北朝鮮の人権問題を巡り意見交換する見通し。


共和党、空中分解の危機
投票1カ月前に「爆弾」

• 米大統領選の共和党トランプ候補の低劣きわまりない女性蔑視発言が新たに明らかになった。口にするのもはばかられるわいせつな表現の衝撃度は「爆弾級」(CNNテレビ)。政権奪還のため異質候補を受け入れてきた党有力者らも耐えかねて相次ぎ非難。共和党は11月8日の投開票を1カ月後に控え、空中分解の危機に直面している。
▽ 決別の嵐
• 「もう、うんざり! ドナルド・トランプは大統領になるべきでない」。ブッシュ前政権で国務長官を務めた黒人女性、コンドリーザ・ライス氏は8日、フェイスブックを通じて、トランプ氏に「引導」を渡した。
• 党重鎮で2008年に大統領候補になったマケイン上院議員も、トランプ氏が党のルールに基づいて候補指名を獲得したことを尊重してきたが「もはや条件付きであっても支持を続けることはできない」。党有力者や女性議員から、せきを切ったようにトランプ氏との「決別宣言」が相次いだ。
• 「クリントン氏に勝つには、米国とわが党の価値観を反映した新たな候補で戦うしかない」。現職の上院議員からはこんな声も漏れた。トランプ発言の衝撃が大統領選だけでなく、同時実施される議会選にも波及。ほぼ安泰とみられてきた下院の多数派維持すら危ぶまれるとの指摘も出始めたことが背景にある。
▽ 釈明
• 暴露されたビデオでの発言は10年以上前、2005年のこととはいえ、女性を「売春婦」のように扱ったことをひけらかしたり、女性器の俗称を連呼したり内容がひどすぎた。
• 「私は間違っていた。謝ります」。どんな暴言を発し、問題になっても強気を貫いてきたトランプ氏も今度という今度は、即座にビデオメッセージを通じて謝罪声明を出した。「明日はもっと良い男になる。決して皆さんを落胆させることはない」などと釈明した。
▽ 勝負の行方
• ただ、今回の事態が、実際に選挙戦にどう影響するかは見通しにくい面もある。トランプ氏は伝統的な党支持者ではなく、これまで投票所に足を運ばなかった低所得の白人労働者らの票を掘り起こしたとされる。
• 党有力者やメディアがこぞってトランプ氏を非難しても、支持率が落ちず候補の座に上り詰めることができたのも「エスタブリッシュメント」と呼ばれる既存の支配層に反発する「声なき多数派」(トランプ氏)を引きつけたからでもある。
• 不祥事に強い候補が、ついに追い詰められるのか。勝負の流れは、9日に開かれる民主党のクリントン候補との第2回討論会が決することになりそうだ。


「有名人なら思いのまま」
トランプ氏、また女性軽視

• 米紙ワシントン・ポスト電子版は7日、米大統領選の共和党候補トランプ氏が2005年にテレビ番組収録に参加した際に録音された会話を公表、トランプ氏は「有名人なら女を思うままにできる」などと女性を蔑視する発言を繰り返していた。
• トランプ氏は、ミスコンテストで優勝した後に体重が増えた女性を「ミス子豚」と呼んだことが最近も問題視されており、女性票離れが加速している。9日の討論会で民主党候補クリントン氏が一連の中傷発言を追及するのは必至で、新たな打撃になりそうだ。
• ポスト紙によると、会話はトランプ氏が番組収録の現場に向かうバスの中で録音された。トランプ氏は「きれいな女には目がない。キスをするのが待ち切れない」と話した後に「スターには女は何でもやらせる。思いのままだ」などと語った。
• ある女性と性交渉をしようと家具を買い与えたが、女性が既婚だと判明したために断念したとのエピソードも紹介した。トランプ氏は当時、メラニア夫人と結婚したばかりだった。
• 報道を受けてトランプ氏は謝罪の声明を発表したが、クリントン氏の夫の元大統領が「ゴルフコースで、もっと悪質な発言をしていた」とも開き直った。一方、クリントン氏はツイッターで「ひどい発言だ。この男を大統領にしてはならない」と批判した。


女性蔑視発言で集中砲火
劣勢トランプ氏に打撃

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が2005年に「有名人なら女を思うままにできる」などと発言していたことが7日発覚した。女性蔑視を含む度重なる暴言で批判されてきた同氏だが、低俗を極めたような今回の発言により党執行部や女性議員からも集中砲火を浴びている。投開票を約1カ月後に控え、挽回不能な打撃となる可能性がある。
• 世論調査で民主党クリントン候補に対し劣勢のトランプ氏はビデオ声明で「間違っていた」と謝罪しつつ、「発言内容は私の人格を反映するものではない」などと釈明。ウィスコンシン州で8日に予定していた党実力者ライアン下院議長の集会への参加を中止し、9日の第2回大統領候補討論会への準備に専念するとも発表した。
• テレビ番組収録中に録音されていた発言は女性の性器にも言及する下品な内容で、イスラム教徒の入国禁止などこれまでの暴言よりも低次元の発言とみなされている。
• 共和党のプリーバス全国委員長は「女性がこのような言葉で表現されるべきでは決してない」と不快感を表明し、ライアン下院議長も「吐き気がする」と突き放した。
• 女性議員からの批判は党派を超えた。カリフォルニア州選出の民主党ボクサー上院議員は「下品でうんざり」と断罪し、ニューハンプシャー州選出の共和党エヨト上院議員は「非常に不適切で侮辱的」とこき下ろした。
• 選挙戦を左右する致命的な発言との見方もある。政治専門サイトのポリティコは「トランプ陣営の破滅を予兆する弔鐘だ」と分析した。
• ロイター通信が7日発表した最新の世論調査結果では、トランプ氏の支持率は38%で、民主党候補クリントン氏を5ポイント下回っている。


米国務省がメール追加公開
クリントン氏の問題で

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官在任時に公務で私用メールを使っていた問題で、国務省は7日、連邦捜査局(FBI)の捜査で新たに見つかったメールのうち75通を公開した。
• クリントン氏は問題発覚を受け、公務に関係があると判断したメール約3万通を国務省に提出し、同省は昨年5月~今年2月に公開した。だが、FBIの捜査でさらに1万5千通が見つかり、ワシントン連邦地裁が8月、国務省に公開を指示した。国務省は私的メールを除く5600通を順次公開する。

「有名人なら思いのまま」
トランプ氏、また女性軽視

• 米紙ワシントン・ポスト電子版は7日、米大統領選の共和党候補トランプ氏が2005年にテレビ番組収録に参加した際に録音された会話を公表、トランプ氏は「有名人なら女を思うままにできる」などと女性を蔑視する発言を繰り返していた。
• トランプ氏は、ミスコンテストで優勝した後に体重が増えた女性を「ミス子豚」と呼んだことが最近も問題視されており、女性票離れが加速している。9日の討論会で民主党候補クリントン氏が一連の中傷発言を追及するのは必至で、新たな打撃になりそうだ。
• ポスト紙によると、会話はトランプ氏が番組収録の現場に向かうバスの中で録音された。トランプ氏は「きれいな女には目がない。キスをするのが待ち切れない」と話した後に「スターには女は何でもやらせる。思いのままだ」などと語った。
• ある女性と性交渉をしようと家具を買い与えたが、女性が既婚だと判明したために断念したとのエピソードも紹介した。トランプ氏は当時、メラニア夫人と結婚したばかりだった。
• 報道を受けてトランプ氏は謝罪の声明を発表したが、クリントン氏の夫の元大統領が「ゴルフコースで、もっと悪質な発言をしていた」とも開き直った。一方、クリントン氏はツイッターで「ひどい発言だ。この男を大統領にしてはならない」と批判した。


女性蔑視発言で集中砲火
劣勢トランプ氏に打撃

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が2005年に「有名人なら女を思うままにできる」などと発言していたことが7日発覚した。女性蔑視を含む度重なる暴言で批判されてきた同氏だが、低俗を極めたような今回の発言により党執行部や女性議員からも集中砲火を浴びている。投開票を約1カ月後に控え、挽回不能な打撃となる可能性がある。
• 世論調査で民主党クリントン候補に対し劣勢のトランプ氏はビデオ声明で「間違っていた」と謝罪しつつ、「発言内容は私の人格を反映するものではない」などと釈明。ウィスコンシン州で8日に予定していた党実力者ライアン下院議長の集会への参加を中止し、9日の第2回大統領候補討論会への準備に専念するとも発表した。
• テレビ番組収録中に録音されていた発言は女性の性器にも言及する下品な内容で、イスラム教徒の入国禁止などこれまでの暴言よりも低次元の発言とみなされている。
• 共和党のプリーバス全国委員長は「女性がこのような言葉で表現されるべきでは決してない」と不快感を表明し、ライアン下院議長も「吐き気がする」と突き放した。
• 女性議員からの批判は党派を超えた。カリフォルニア州選出の民主党ボクサー上院議員は「下品でうんざり」と断罪し、ニューハンプシャー州選出の共和党エヨト上院議員は「非常に不適切で侮辱的」とこき下ろした。
• 選挙戦を左右する致命的な発言との見方もある。政治専門サイトのポリティコは「トランプ陣営の破滅を予兆する弔鐘だ」と分析した。
• ロイター通信が7日発表した最新の世論調査結果では、トランプ氏の支持率は38%で、民主党候補クリントン氏を5ポイント下回っている。


米国務省がメール追加公開
クリントン氏の問題で

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官在任時に公務で私用メールを使っていた問題で、国務省は7日、連邦捜査局(FBI)の捜査で新たに見つかったメールのうち75通を公開した。
• クリントン氏は問題発覚を受け、公務に関係があると判断したメール約3万通を国務省に提出し、同省は昨年5月~今年2月に公開した。だが、FBIの捜査でさらに1万5千通が見つかり、ワシントン連邦地裁が8月、国務省に公開を指示した。国務省は私的メールを除く5600通を順次公開する。

NY州が募金停止命令
トランプ財団、無届け活動

• 米ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官は、大統領選の共和党候補トランプ氏が運営し、同州に本拠を置く慈善団体「トランプ財団」に対し、州への届け出を義務付けた州法に違反したとして、募金活動の即時停止を命じた。主要メディアが3日、一斉に報じた。
• 所得税支払いを免れていたと報じられたり、女性軽視発言が問題視されたりして防戦を強いられているトランプ氏にとって新たな打撃。民主党候補クリントン氏の一族が運営する「クリントン財団」を巡る献金者への便宜供与疑惑を追及してきたトランプ氏だが、逆に批判を浴びそうだ。
• 長官は、9月30日に州法違反を財団に通知した。米メディアによると、非営利団体が年間2万5千ドル(約250万円)以上の寄付を募る場合、州政府に届け出て認可される必要がある。
• 財団は1980年代後半に設立。ワシントン・ポスト紙によると、記録が残る過去10年間だけでも、2万5千ドル以上を集めた年が複数あった。長官は今回の通知書では、2016年分についての無届けを指摘した。
• 長官は民主党員で、クリントン氏を支持する立場。トランプ陣営は「政治的な動機がないか懐疑的だ」とした上で「捜査には協力する」との声明を出した。
• 南部バージニア州ファームビルでは4日夜(日本時間5日午前)、副大統領候補の民主党ケーン氏(58)と共和党ペンス氏(57)の討論会が開かれる。財団を巡る問題をはじめ、互いの陣営の批判合戦となりそうだ。


合法的節税とトランプ氏
税逃れ報道に

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は3日、長年にわたり所得税の支払いを免れていたとの報道について「自分の利益のため、できる限り税金の支払いを少なくする目的で合法的に税法を利用した」と強調し、合法的な節税だと強調した。西部コロラド州での集会で語った。報道の真偽には言及しなかった。
• 民主党候補クリントン氏は中西部オハイオ州での集会で「トランプ氏は国家に何も貢献していない」と猛烈に批判した。トランプ氏支持者らが「税法を知り抜いた天才」と称賛しているのとは対照的に、クリントン氏は「トランプ氏は腐敗した制度そのものを体現している」と指摘した。
• トランプ氏は大統領選の長年の慣習に反して納税申告書の開示を拒み、所得を明らかにしていないため、クリントン氏が攻撃材料としている。

税逃れ報道で防戦 
「成功者」トランプ氏に傷

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏の陣営は2日、同氏が巨額損失を計上し、所得税支払いを免れてきた可能性があるとの報道を受けて防戦に追われた。支持者らは「税法を知り抜いた天才の証拠」と同氏を擁護するが、有権者を引き付けてきたビジネスの成功者の金看板に傷が付きかねない。
• 米紙ニューヨーク・タイムズは1日、トランプ氏が1995年に提出した納税申告書の一部を入手し、事業で約9億1600万ドル(約929億円)の損失を計上したと報道。この損失により毎年5千万ドル以上の税控除が発生し、最大18年間、所得税を支払わずに済んでいた可能性があると指摘した。
• トランプ氏は2日、ツイッターに「過去の大統領候補の誰よりも税法を熟知している」と投稿したが、報道内容は否定しなかった。
• 有力支持者のジュリアーニ元ニューヨーク市長は米メディアに、トランプ氏は税制も利用して利益を生み出す「天才」と主張。政権移行チームを率いるニュージャージー州のクリスティー知事は「トランプ氏が税制改革に最適な人物だと証明された」と釈明した。
• 巨額損失はニューヨークのホテル買収など数々の事業の失敗が原因とみられる。不正な申告はなかったようだが、ビジネスでの実績を前面に出して選挙戦を展開してきたトランプ氏には手痛い失点だ。富裕層に与えられた優遇措置ともいえる制度を利用して税を逃れていたとすれば、労働者層の反感を買う恐れもある。
• トランプ氏が納税申告書の開示を拒否していることを批判してきた民主党のクリントン候補の陣営は、9日に開かれる次回の候補者討論会でもこの問題を追及する構えだ。

巨額損失計上で長年無税?
トランプ氏、米紙が資料

• 米紙ニューヨーク・タイムズは1日の電子版で、米大統領選の共和党候補トランプ氏が1995年に提出した納税申告書類の一部を入手し、トランプ氏が同年に事業で約9億1600万ドル(約929億円)の損失を計上していたことが分かったと報じた。
• 同紙によるとトランプ氏はこの巨額損失計上により、以後最長18年間は毎年5千万ドルの所得があっても、所得税を支払わずに済んでいた可能性がある。
• トランプ氏は米大統領選の長年の慣習に背いて納税申告書の開示を拒み、自らの所得を明らかにしておらず、民主党のクリントン候補をはじめ多方面から批判されている。
• 同紙によると、トランプ氏がニューヨークなど3州に提出した納税申告書の一部3ページ分が先月、同紙の記者あてに郵送された。
• 同紙は95年当時、トランプ氏の税務処理を担当していた人物などに照会して文書が真正だと判断している。
• 同紙によると、トランプ氏は90年代初めにニュージャージー州のカジノ運営やニューヨーク・マンハッタンのプラザホテル買収などで実際に巨額の損失を出していた。
• 税の専門家は、トランプ氏が不正な申告をした痕跡はないが、税制をうまく利用して蓄財に励んだとみている。

対キューバ経済制裁違反か
トランプ氏に疑惑浮上

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が経営していた会社が1990年代後半、キューバでビジネス機会を探るため、コンサルタント会社を通じて約6万8千ドル(約690万円)を使い、米国の対キューバ経済制裁に絡む法律に違反していた疑いがあることが29日分かった。ニューズウィーク誌電子版が報じた。
• 違法行為があったとしても時効が成立し、トランプ氏に刑事訴追の不安はない。しかし、禁輸破りだとして重要州フロリダなどに多いキューバ系移民が反発、支持率に影響する可能性がある。
• トランプ陣営はコンサルタント会社に金を支払ったことを認めた。民主党候補クリントン氏は29日「米国の外交政策をばかにした」とトランプ氏を批判。クリントン陣営は声明で「トランプ氏が常に国益よりもビジネスを優先させることを改めて示した」と非難した。
• ニューズウィークによると、当時は米国人や米企業が米政府の許可を得ずにキューバで金を使うことは禁じられていた。
• トランプ氏の会社は、経済制裁が緩和された場合のカジノ開設をにらみ、米コンサルタント会社に現地調査を依頼。コンサルタント会社は98年にキューバで政府関係者や産業界要人と接触したが、米政府の許可は取っていなかった。トランプ氏の会社は経費として、99年に少なくとも約6万8千ドルを支払った。


「美人でない」解雇要求か
トランプ氏、米紙報道

• 29日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、大統領選共和党候補の実業家トランプ氏が、自身が所有するゴルフクラブなどの従業員について、容姿端麗でないと判断した女性を解雇するようマネジャーらに命じていたと報じた。トランプ氏に対して起こされた訴訟の文書に記された元従業員の証言などによるとしている。
• トランプ氏は過去に女性を「豚や犬」に例えた蔑視発言が問題視され、女性票の取り込みに苦戦しており、さらなる支持低下につながる可能性がある。
• カリフォルニア州のゴルフクラブの元従業員は、年に数回訪れるトランプ氏が「十分に美しくない」と判断した接客係の女性を解雇するよう何度もマネジャーに命じたため、トランプ氏の訪問時は容姿端麗な女性のみを働かせていたと証言。
• 他の元従業員も、若く美形の従業員は優遇され、それ以外の人は経験や能力があっても冷遇されたなどと述べた。トランプ氏の弁護士は「証拠がない」と否定している。
• 26日の討論会で民主党候補のクリントン氏は、トランプ氏がかつて運営したミスコンテスト「ミス・ユニバース」で1996年に優勝後、体重が急増したベネズエラ出身のアリシア・マチャドさんを「ミス子豚」と呼んでいたと非難した。


「第3の候補」また失態
尊敬する外国首脳言えず

• 米大統領選に民主でも共和でもない第3政党のリバタリアン党から出馬しているジョンソン元ニューメキシコ州知事が28日夜のテレビ番組で、尊敬する外国首脳は誰かと聞かれ、名前を一つも挙げられなかった。9月上旬、シリア内戦の激戦地アレッポについて質問された際「アレッポって何?」と無知を露呈したことに続く失態となった。
• 質問を受けたジョンソン氏はしばらくの無言の後、「アレッポの事を聞かれた時みたいだ」とあきらめ顔。「誰でもいいから」とたたみかける司会者に「メキシコの元大統領」と答えたが、名前は出ないまま。「脳みそが凍った」と弁明した。
• 民主党クリントン候補と共和党トランプ候補のどちらも支持できない有権者の受け皿を目指すジョンソン氏だが、各種世論調査の支持率平均値は約7%にとどまっている。

トランプ氏突き放せず
討論で優勢のクリントン氏

• ロイター通信は28日、米大統領選の第1回候補者討論会に関する世論調査結果を公表し、民主党のクリントン氏が国民から高い評価を得た一方、共和党のトランプ氏を支持率で突き放せておらず、人気拡大に苦慮していると分析した。
• ロイターが調査会社イプソスと共に27日に2千人以上を対象に実施した調査の結果では、26日の討論会でより評価する候補としてクリントン氏を選んだのは56%で、トランプ氏の方が良かったとしたのは26%にとどまった。
• 候補としての支持率は、クリントン氏が42%でトランプ氏は38%。ロイターは、過去数週間の調査でクリントン氏は4~6ポイントのリードを維持しているとし、討論の出来栄えはクリントン氏の支持率を上げる要因にはなっていないようだと指摘。国民の反応が支持率に反映されるには数日かかるとの見方も示し、今後変動する可能性はあるとした。
• ニューヨーク市郊外で開かれた討論会は、視聴者が過去最多の約8400万人に達するなど大きな注目を集めた。CNNテレビが討論会直後に実施した緊急世論調査では、クリントン氏が勝者との回答が62%、トランプ氏は27%だった。

トランプ氏、焦りと防戦
クリントン氏陣営は余裕

• 2016年米大統領選の最初の候補者討論会から一夜明けた27日、共和党のトランプ候補(70)は民主党のクリントン候補(68)から討論会で指摘された女性蔑視発言の防戦に追われた。司会者の進行に不満を漏らすなど焦りも見える。クリントン陣営は比較的余裕だ。
• 真っ赤なスーツで26日の討論会に臨んだクリントン氏は、トランプ氏がこれまで女性の容姿などをとらえて下品な言葉遣いを続けてきた過去を再度批判する戦術に出た。
• トランプ氏がかつて運営したミスコンテスト「ミス・ユニバース」で1996年に優勝後、体重が急増したベネズエラ出身のアリシア・マチャドさんを「ミス子豚」と呼んでいたと非難した。
• 米テレビ各社は27日、マチャドさんが当時、ダイエットに必死に励む姿を繰り返し伝えた。対応を迫られたトランプ氏は米テレビに「すごく体重が増えた。(運営する立場から)本当に問題だった」と言い訳した。
• 討論会の司会者はNBCテレビの著名アンカー、レスター・ホルト氏が務めた。トランプ氏はクリントン氏寄りの司会進行だったと批判し、マイクも自分の方の音量が小さかったと主張した。
• 米調査会社ニールセンは27日、討論会の視聴者が四大ネットワークを含め計約8400万人に達し、歴代討論会で最多を記録したと明らかにした。
• クリントン氏は27日「マイクに不満を言っている誰かにとって(討論会は)良い夜ではなかったようだ」と皮肉り、陣営幹部のポデスタ氏も「彼は大舞台に対応できないようだ」とあざけった。
• 周囲の助言で初回は自制的発言に努めたトランプ氏だが、残り2回の討論会は攻勢に転じる考えを表明。クリントン元大統領の不倫などを取り上げる考えを示した。


核先制使用に議会承認要求
米法案、トランプ氏警戒

• 米民主党のマーキー上院議員らは27日、議会の承認なしに核兵器の先制使用を禁止する法案を議会に提出した。共和党の大統領候補トランプ氏が当選し、「核のボタン」を握る場面を警戒する意味合いもあるという。
• 法案は、核兵器による先制攻撃は宣戦布告に該当するもので、議会の承認なしに進めるべきでないと指摘。米国が核攻撃を受けた場合を除いて、核使用に関する大統領の権限を制限した。
• マーキー氏らは声明で「核の先制使用は米国を核戦争の連鎖に巻き込む」と指摘。「多くの米国人が信用していない」トランプ氏が大統領候補となったことを受けて、核使用の問題は喫緊の課題だとした。
• 26日に行われたトランプ氏と民主党の大統領候補クリントン氏による討論会でも、核の先制不使用政策の是非が取り上げられた。トランプ氏は「先制使用するつもりはない」とする一方で「全ての選択肢を排除しない」と慎重な発言に終始した。

両候補、初の直接対決
安保など3テーマ
米大統領選、行方占う
NY郊外で討論会

• 米大統領候補の民主党クリントン(68)、共和党トランプ(70)両氏による第1回討論会が26日夜(日本時間27日午前)、ニューヨーク市郊外ヘンプステッドで開かれた。女性初の大統領を目指すクリントン氏と、過激な発言で支持を集めてきたトランプ氏という個性的な候補による初の直接対決は、全米の関心を集めた。
• 11月8日に投票日を迎える大統領選の行方を占う重要な節目となる。会場のホフストラ大で「米国の進路」「繁栄」「安全保障」の三つのテーマを30分ずつ議論。CNNテレビなど米主要各局が生中継し、予想視聴者数は過去最多の1億人。
• 討論会に向けてクリントン氏が陣営内で模擬討論を行うなど準備を重ねたのに対し、トランプ氏はクリントン氏の過去の討論を研究しているものの、練習などは行っていないという。


米国の進路、対立鮮明
クリントン、トランプ両氏
経済、同盟関係で激論
大統領選、第1回討論会

• 米大統領候補の民主党クリントン(68)、共和党トランプ(70)両氏による第1回討論会が26日、ニューヨーク市郊外ヘンプステッドで開かれた。経済や安全保障で激論を交わし、米国の進路を巡る主張の対立が鮮明になった。クリントン氏は公正な経済や日韓などとの同盟関係の重要性を強調。トランプ氏は貿易協定の再交渉を通じて中国などに奪われた雇用を取り戻すと宣言、日本などは自国の防衛に応分の負担をすべきだと主張した。
• CNNテレビは視聴者への世論調査で、クリントン氏が勝利したとの回答が62%、トランプ氏は27%だったと報じた。視聴者は民主党支持者の方が多かったと推定している。女性初の大統領を目指すクリントン氏と、過激な発言で支持を集めてきたトランプ氏の初の直接対決。11月8日投票の大統領選の行方を占う重要な節目となる。主要テレビが生中継し、視聴者は過去最多の1億人とみられている。
• クリントン氏は冒頭で「良質の雇用を創出し、最低賃金を引き上げる」と公約。トランプ氏は中国やメキシコを名指しし「米国の雇用が失われている」と主張、クリントン氏の政策を「機能しない」と批判した。
• 大統領としての資質を巡っても応酬となった。トランプ氏は、クリントン氏が国務長官時代に公務で私用メールを使った問題を取り上げ「違法だ」と攻撃、健康不安を抱える同氏は「スタミナがない」として、自分は「米国を再び偉大にする」と強調した。
• 一方、クリントン氏は、トランプ氏が納税申告書を公開していないことを巡り「何かを隠している」と追及。トランプ氏が過去にオバマ大統領の出生証明書に疑義を示したことなどを取り上げ「人種差別的な言動をしてきた」と非難した。安保政策については、トランプ氏のテロ対策は中身がないと述べた。日本や韓国との同盟関係を「尊重する」と語った。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、世論調査の平均支持率は9月26日時点で2ポイント余りの僅差。
• 両候補の討論会は今回を含めて計3回開かれ、2回目は10月9日、3回目は10月19日に予定されている。


同盟重視か日本負担増か
クリントン、トランプ両氏 
核、TPPでも主張激突

• ニューヨーク市郊外ヘンプステッドで26日行われた米大統領候補の第1回討論会で、民主党クリントン(68)、共和党トランプ(70)両氏は核政策や環太平洋連携協定(TPP)を巡り主張をぶつけ合った。クリントン氏が日本などとの同盟関係を重視する立場を示したのに対し、トランプ氏は同盟国に防衛費の負担増を求める考えを譲らなかった。両氏の外交方針は大きく異なり、今後の議論に世界の関心が高まりそうだ。
• 両氏は互いのスキャンダルや失言も取り上げ、大統領の資質がないと攻撃した。米メディアでは「クリントン氏がジャブを放ち、トランプ氏は守勢に回った」(ワシントン・ポスト紙)などと、クリントン氏が優勢だったとの評価が目立つ。
• 討論会でクリントン氏は、トランプ氏が日本や韓国の核武装を容認する考えを示したことを強く批判した。民主、共和いずれの政権でも「核不拡散に全力を尽くすのが一貫した米国の方針だ」とし、トランプ氏の「核兵器へのぞんざいな態度は極めて問題だ」と述べた。
• 一方、トランプ氏はロシアが核戦力を増強しているのに米国の対応は不十分だと危機感を示し、北朝鮮に対しても「何もできていない」とオバマ政権を非難した。
• 同盟関係を巡っては、クリントン氏が「日本や韓国などの同盟国に相互防衛協定を守ることを確約する」としたのに対し、トランプ氏は「全ての国を防衛したいが、私たちはそのために巨費を投じている」と不満を表明。日本は多くの車を米国に売る大国となったと指摘し、負担増なしに「防衛できない」と述べた。
• 両氏ともTPPに反対の立場を示しているが、トランプ氏は「(TPPを推進した)オバマ大統領が間違っていたというのか」と追及。クリントン氏が「自国にとって何が得策かについてはさまざまな考え方がある」とかわす場面もあった。


トランプ氏劣勢でペソ反発 
メキシコ、米討論会受け

• 27日の外国為替市場で、メキシコの通貨ペソが対ドルで過去最安値から反発した。米大統領候補の民主党クリントン氏と共和党トランプ氏による26日の第1回討論会で、トランプ氏が劣勢だったとの見方が広がったことが要因とみられる。
• 米ブルームバーグ通信によると、ペソは討論会終了後、2%高の1ドル=19・4879ペソをつけ、世界140以上の通貨のうち最大の上昇となったという。討論会前は一時、過去最安値の1ドル=19・9333ペソだった。
• 米国は、メキシコにとって最大の貿易相手国。トランプ氏はメキシコなどとの北米自由貿易協定(NAFTA)について、交渉次第で破棄もあり得るとの考えを示しており、トランプ氏が当選すればメキシコ経済に悪影響が及ぶと不安視されている。


持論前面、議論に熱
米国のかじ取り誰に

• 8年続いたオバマ民主党政権の後、米国民は誰に国のかじ取りを託すのか。ともに知名度の高い民主党のクリントン、共和党のトランプ両大統領候補が26日、初めての直接対決に臨んだ。「米国の雇用を失わせた」「あなたの気質は大統領にふさわしくない」。両者は討論会冒頭から持論を前面に押し出し、激しい応酬となった。
• 真っ赤なパンツスーツのクリントン氏に、スーツに鮮やかな青のネクタイ姿のトランプ氏。壇上に姿を見せた両候補は最初こそにこやかに握手したものの、論戦はすぐに熱を帯びた。
• 「(クリントン氏が関わった貿易自由化政策で)多くの雇用が失われた」「彼女には(政治)経験があるが、悪い経験ばかり」。トランプ氏が右手を振り上げながらクリントン氏をこき下ろす。
• 一方のクリントン氏は、過去にトランプ氏が女性を「豚や犬」に例えて侮辱したり、イスラム教徒に対し差別的な発言をしたりしたことを取り上げて「気質」を問題視。「違う、全然違う」。トランプ氏がクリントン氏の発言を遮ろうとする場面も目立った。
• 会場となったホフストラ大学では、ボランティアで報道関係者の案内をしていたコミュニケーション専攻のケーシー・ラムキンさん(20)が「自分の大学が世界的なイベントの会場になり、とても名誉に思う」と興奮した様子で話した。


日本経済への影響不可避
米大統領候補、強硬姿勢

• 米大統領候補による26日の第1回討論会で、民主党クリントン氏と共和党トランプ氏は、環太平洋連携協定(TPP)反対を改めて表明した。両候補は各国の為替政策にも厳しい態度で臨む方針。どちらが当選しても、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への影響は避けられない。
• 「TPP交渉が妥結したときから反対だ。あなたの発言は正確ではない」。クリントン氏が色をなして反論したのは、トランプ氏が「私がTPPに反対だから、あなたも反対したのだろう」と主張したときだった。
• 米国がカナダ、メキシコと締結した北米自由貿易協定(NAFTA)について、トランプ氏が「最悪の貿易協定だ」と批判すると、クリントン氏は「夫は良いことをした」と強調。政権1期目の1994年にNAFTAを発効させたビル・クリントン元大統領を持ち上げ貿易政策に関する立場の違いを示した。
• 為替政策では、トランプ氏が「中国は人民元を安値に誘導し、ほかの多くの国も似たようなことをしている」と話した。クリントン氏から為替に関する発言はなかったが、両氏とも、これまで日本の為替政策を「円安誘導だ」と批判し、対抗措置をちらつかせている。
• オバマ政権下でTPP発効に不可欠な米議会の承認を得られなかった場合、発効が遠のくのは確実。円安への逆風も強まりそうで、TPPと円安を追い風に輸出拡大を目指すアベノミクスは岐路に立たされる。
• トランプ氏は討論会で法人税率引き下げを柱とする大規模な減税案を誇示。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を「オバマ大統領への政治的配慮で利上げを見送っている」と批判した。
• クリントン氏は「私の提案は富裕層増税。トランプ氏の案では連邦政府の債務残高が5兆ドル(約500兆円)増える」と反撃した。金融政策への言及はなかったが、FRBの独立性を尊重しているとみられる。

2候補初戦、高い関心
討論会、前哨戦も過熱

• 米大統領選の第1回候補者討論会が26日夜(日本時間27日午前)、ニューヨーク州ヘンプステッドで開かれる。女性初の米大統領を目指す民主党のクリントン候補(68)と、政治経験のない共和党のトランプ候補(70)の対決。討論会は10月まで計3回開かれるが、初回の論戦は特に高い関心を集めており、両陣営の前哨戦も過熱している。
• 今回のテーマは「米国の進路」「繁栄」「安全保障」の三つ。外交や経済で両候補がどんな政策を訴えるかに加え、議論の応酬や指導者としての人格など、有権者がさまざまな観点から両候補を比較できる場となる。
• 選挙戦を左右する大一番を前に、両陣営が神経をとがらせるのが司会の進行だ。両候補に質問しながら、発言の機会を公平にするよう努めるなど、討論会での司会者の役割は重い。発言内容の事実関係を追及するか、単純に受け流すかに司会者の個性も表れる。
• クリントン陣営は、イラク戦争の賛否を巡るトランプ氏の発言のぶれや、オバマ大統領を過激派組織「イスラム国」(IS)の創設者と呼んだことなどを攻撃材料にする構え。陣営幹部は、司会者が発言の誤りや矛盾を問いたださなければ「トランプ氏を利するだけ」として、厳しく追及するよう司会者に求めた。
• 対照的にトランプ氏は「進行役に徹しろ」と司会者にくぎを刺す。2012年大統領選の討論会で、共和党ロムニー候補の発言を「間違っている」とただした司会者が、ロムニー氏支持者から非難されたことを挙げ「相当なプレッシャーが司会者にはかかっている。多くの国民が見ているぞ」とけん制した。


エルサレムは「不可分」
トランプ氏、イスラエルに

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は25日、ニューヨークの自宅でイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、「エルサレムは(東エルサレムも含め)イスラエルの不可分で永遠の首都だ」と伝えた。陣営が発表した。
• イスラエルは第1次、第3次中東戦争で西、東エルサレムをそれぞれ獲得し、首都だと主張しているが国際的には未承認。パレスチナ側は東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けている。会談でトランプ氏は「エルサレムは3千年以上の間、ユダヤ人の首都であり続けた」と話し、大統領になった場合は政権として主張を認めると伝えた。
• トランプ氏は、イスラエルが国境付近に建設する分離壁やフェンスがテロ被害を防いでいるとして、成功事例として学ぶ姿勢を見せた。自身は不法移民を防ぐ狙いでメキシコとの国境に壁を建設すると公約している。
• このほか両氏は、イスラエルで急成長するハイテクやバイオテクノロジーの産業、両国の軍事協力や中東の安定化、サイバー攻撃対策などについても話し合ったという。

国民の目光る「面接」
勝負どころの討論会

• 米大統領候補で民主党クリントン、共和党トランプ両氏による最初の討論会が26日夜(日本時間27日午前)に迫った。選挙戦は8月に一時失速したトランプ氏がクリントン氏を追う構図。最大の勝負どころとなる討論会は有権者が大統領候補に目を光らせる「就職面接」(米メディア)とされ、今回は過去最多、米国民の3分の1に当たる1億人が視聴すると見込まれる。
• 大統領候補討論会は計3回。初回はニューヨーク市郊外ヘンプステッドのホフストラ大が会場で、「米国の進路」「繁栄」「安全保障」の三つがテーマとなる。ニューヨークやニュージャージー、ミネソタ各州で爆発事件や刺傷事件が続いたことで、テロ対策や治安を巡る論戦が注目される。
• CNNテレビの世論調査では、外交分野で手腕が期待できる候補はクリントン氏に軍配が上がっている。テロ対策ではクリントン氏45%、トランプ氏51%と逆の結果だった。
• クリントン氏は肺炎の診断で健康不安が広がったほか、トランプ氏支持者を「哀れな集団」と呼んで問題視されるなど難局が続いた。トランプ氏は依然として黒人層への浸透に苦慮している。
• 各種世論調査の全米支持率平均値でクリントン氏は8月にトランプ氏を一時約8ポイントリードしたが、3ポイント差まで縮まった。しかし、本選で取り合う各州の「大統領選挙人」の獲得予想では、カリフォルニアやニューヨークといった大きな州で優位にあるクリントン氏が大きく上回っている。
• 討論会に向けてクリントン氏は、抑制的な態度のトランプ氏と、いじめっ子のように挑発的なトランプ氏の「2人の敵」(米紙)を想定し、準備のため遊説を数日間中止。多くの討論を経験してきたが、今回が「最重要」と意気込んでいる。
• トランプ氏は過度の準備は不要だとの考えで、アドリブ重視の姿勢だという。クリントン氏が敬意を示すなら、自分もそうするとして攻撃的発言を控える可能性を示唆。冷静で中身のある政策論議を展開できれば、評価が高まりそうだ。
• 第2回討論会は10月9日、第3回は同19日。同4日には副大統領候補の討論会も開かれる。

難民は「毒入り菓子」
トランプ氏息子、強い批判

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア氏が22日までに、米国に入国するシリア難民の一部を「毒入りキャンディー」に例えるメッセージをツイッターに投稿、ネット上で強い批判を浴びている。
• トランプ候補は、シリアなどから入国するイスラム教徒の難民・移民にはテロリストが交じっている可能性があるとして、イスラム教徒の厳格な入国審査を訴えている。
• 投稿は米東部時間19日。ボウルに入ったリグレー社製のキャンディー「スキットルズ」の写真と共に「この中の3個は食べたら死ぬとして、一握り食べますか。これが私たちが抱えるシリア難民問題です」とツイート。
• リグレー社は「スキットルズはキャンディーで、難民は人間だ」との声明を出し、強い不快感を表明。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は「こうした表現は非人間的で、危険だ」とコメントし、民主党のクリントン陣営の報道担当者も「吐き気をもよおす」と非難した。
• ジュニア氏は、トランプ氏の娘イバンカ氏と並び、トランプ氏の言動や選挙運動に大きな影響力を持つ。トランプ陣営は「ジュニア氏は選挙運動にとりかけがえのない存在だ」と擁護、クリントン候補が提案するシリア難民の米国受け入れ増こそが「米国民の命を危険にさらす」と反論した。

日米同盟の重要性確認
TPPは見解相違
首相とクリントン氏会談

• 安倍晋三首相は19日午後(日本時間20日午前)、米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン氏とニューヨーク市内のホテルで会談し、アジア太平洋地域の平和と安定の実現に向けた日米同盟の重要性を確認した。首相は、環太平洋連携協定(TPP)を巡り、早期発効へ国会承認を急ぐ方針を伝達。クリントン氏はTPPに慎重姿勢を示し、見解の違いが浮かんだ格好だ。
• 首相は日米同盟について「アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中、重要性は高まっている。希望の同盟であり、強化していきたい」と強調。クリントン氏も「アジアだけでなく、世界の平和と繁栄を実現していく上で必要だ」と応じた。
• 首相は核実験など挑発行為を繰り返す北朝鮮の動向にも触れ、国際社会が断固として対応を示し圧力を強化すべきだと提起。中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題に関しては、法の支配の重要性を訴えた。
• TPPを巡る双方のやりとりについて、日本政府は「おのおのが周知の基本的立場を述べ合った」と説明するにとどめた。クリントン氏はこれまでTPPに関し、米国内での雇用に影響するとして反対の意向を表明。首相は成長戦略の柱と位置付けている。オバマ米大統領は任期内の米議会承認を目指す立場だ。
• 会談時間は約50分。首相にとって、11月の大統領選でクリントン氏が勝利し次期大統領となる場合に備え、関係を深める狙いがありそうだ。会談はクリントン氏側が要請し、首相が応じた。クリントン氏は2009年1月から約4年間、米国務長官を務めた。


“首脳外交”で存在感競う
国連舞台に両候補

• 米大統領選の民主党クリントン候補は19日、国連総会が開かれているニューヨークで安倍晋三首相やウクライナのポロシェンコ大統領らと相次ぎ会談した。共和党のトランプ候補もエジプトのシシ大統領と会談、各国首脳が集う国際舞台で存在感を競い合った。
• クリントン氏は安倍首相との会談冒頭「日米関係はアジアだけでなく世界の安定や繁栄に極めて重要だ」と訴えた。国務長官時代にオバマ政権のアジア重視政策を進めた一人として、日本に駐留米軍経費の負担増などを迫るトランプ氏と対照的に「同盟国が安心できる大統領」のイメージを強調した。
• ポロシェンコ大統領にも「ロシアの脅威について協議したい」と伝達。このほかシシ大統領とも会談、アジア、欧州、中東の3カ国首脳との会談をこなし「高い外交力」(CNNテレビ)を印象付けた。
• 一方、外交経験の乏しいトランプ氏はシシ大統領との会談で、エジプト国民の大半がイスラム教徒であることを踏まえ「平和を愛するイスラム教徒を尊重する」と伝えた。イスラム教徒への敵対的な発言が目立っていたが、次期大統領候補として慎重な振る舞いに徹したようだ。


「テロの原因つくった」 
大統領選候補が非難合戦

• 米ニューヨークなどで起きた爆発事件でテロ対策が大統領選の争点として改めて注目される中、民主党候補クリントン氏と共和党候補トランプ氏は19日、イスラム過激派増長の原因をつくったとお互いを非難、自分こそが有効なテロ対策ができる指導者だと主張した。選挙の勝負どころとなる最初の討論会が1週間後に迫り、舌戦は熱を帯びている。
• クリントン氏は記者会見で、トランプ氏のイスラム教徒への敵対的な発言が「過激派組織『イスラム国』(IS)による戦闘員の勧誘材料に使われている」と主張。「追い詰めるべきなのはテロリストであり、宗教ではない」と批判した。
• 国務長官時代に、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害作戦に関わった実績を踏まえ「私は困難な判断を下したことがある」と述べ、自分が大統領にふさわしいと自信を示した。
• トランプ氏は声明で「クリントン氏が国務長官時代に見せた弱腰姿勢が、世界中のテロリストを勢いづかせた」と主張し、新たなリーダーが必要だと訴えた。FOXニュースで、イスラム教徒を念頭に置いた警察による監視が必要だとの認識を重ねて示した。

首相、ヒラリー氏会談へ
米大統領選民主党候補

• 訪米中の安倍晋三首相は19日午後(日本時間20日朝)、米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン氏とニューヨーク市内のホテルで会談する。日本政府が18日発表した。11月の大統領選でクリントン氏が勝利し、次期大統領となる場合に備え、関係を深める狙いがありそうだ。
• 日米同盟の重要性を確認するほか、北朝鮮の核・ミサイル開発問題や、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題などを巡り議論。首相が掲げる「女性活躍社会」の実現に向けた取り組み状況を巡っても意見交換するとみられる。
• 首相は2014年9月のニューヨーク訪問の際にも、女性関連イベントでクリントン氏と対談した

クリントン氏襲撃促す?
トランプ氏また暴言

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は16日、南部フロリダ州マイアミでの集会で、銃規制強化を訴える民主党候補クリントン氏の警備要員から「銃を取り上げよう」と提案し「彼女に何が起きるか見ようじゃないか。とても危険なことになる」と述べた。クリントン氏への襲撃を促すような暴言として物議を醸した。
• トランプ氏は8月にもクリントン氏が、銃を保有する権利の根拠とされる合衆国憲法修正2条を廃止したがっているとし「修正2条の人々(銃を持つ人々)には手段があるかもしれない」と主張。銃所持者に何らかの行動を起こすようけしかけるような発言だと批判を浴びた。
• クリントン陣営は16日、「トランプ氏は人々を暴力に駆り立てる傾向がある。容認できない」との声明を発表し、大統領候補はこうした発言をすべきではないと強調。共和党指導部に「公然と非難すべきだ」と訴えた。
• トランプ氏はマイアミでの演説でも「クリントン氏は修正2条を廃止したがっている」と主張し「彼女の警備要員は銃を持つのをやめるべきだ。銃を取り上げよう」と述べた。クリントン氏は銃規制推進派だが、修正2条撤廃を表明したことはない。


オバマ氏は米出生と認める
トランプ氏、謝罪はせず

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は16日、ワシントンで行った演説でオバマ大統領が外国生まれで大統領資格がない可能性があるとする過去の主張を撤回し、「オバマ大統領は米国で生まれた」と認めた。撤回理由の説明やオバマ氏に対する謝罪などはしなかった。
• 民主党候補クリントン氏は16日、「トランプ氏はオバマ氏と米国民に謝罪すべきだ」と非難。トランプ氏が「常軌を逸したうそ」をついた過去は消せないと述べた。
• クリントン氏に健康不安が持ち上がり、トランプ氏が支持率で追い上げる中、クリントン氏はトランプ氏への批判を強める構えだ。
• ただ、トランプ陣営は16日の声明で、2008年の大統領選の際にクリントン陣営が「オバマ氏の出生に関するうわさ」を広めていたことをクリントン陣営幹部が認め、職員が辞めさせられたと指摘。「クリントン氏は真実を語っていない」としており、非難合戦が激しくなりそうだ。08年大統領選ではオバマ氏とクリントン氏が民主党の候補指名を争った。
• オバマ氏はハワイ生まれだが、トランプ氏は前回大統領選に先立つ11年、オバマ氏の出生地に「疑惑がある」と繰り返し主張。オバマ氏は出生証明書の公開を迫られた。
• オバマ氏のミシェル夫人は16日、「夫が米国生まれかどうか疑問を呈する人がいたが、夫はしっかり答えてきた」と述べた。
• トランプ氏の陣営は15日「トランプ氏はオバマ氏が米国生まれと信じている」との声明を発表していた。


迷える有権者が標的
受け皿狙うリバタリアン党

• 民主党のクリントン、共和党のトランプ両候補ともに不人気が際立つ米大統領選。投票先に悩む有権者は多い。注目を集めているのが「小さな政府」を旗印にするリバタリアン党だ。「第3の選択肢」として迷える有権者を標的に党勢拡大を目指している。
• 「トランプやクリントンを選んで政治が良くなると思うかい」。同党候補のゲーリー・ジョンソン元ニューメキシコ州知事(63)が13日、中西部インディアナ州ウェストラフィエットでの対話集会で自身への投票を呼び掛けると、聴衆約1300人が歓声で応えた。
• 元共和党員のジョンソン氏は2012年の大統領選でもリバタリアン党候補として戦ったが、得票率はわずか1%。だが今回は世論調査で10%弱の支持率を得ている。
• 26日に開かれる第1回の大統領候補討論会への参加条件こそ満たせなかったが、二大政党以外で全米50州と首都ワシントンの全てで投票用紙に名前が印刷される唯一の候補。一定の支持と組織力がある証しで、第3候補としては1996年以来の快挙だ。
• 「われわれの主張が突如魅力的になったわけではない」。リバタリアン党のインディアナ州支部代表ジョー・ハウプトマンさん(63)は、二大候補の不人気の影響だと話す。「トランプ氏に勝たせないためにクリントン氏に投票する人やその逆は多い」と指摘。そんな有権者の受け皿になれば勝機はあると強調した。
• 集会に参加した研究員マッケイ・イーストンさん(30)は前回大統領選で共和党候補を支持した。今回は「トランプ氏の判断力は信用できない。クリントン氏の政策には共感しない」。分断が進む米政治を憂い、党派を超えた協力を重視するジョンソン氏に魅力を感じている。
• 同氏自身も「超党派協力」に強い意欲を示す。民主党予備選で善戦したサンダース上院議員とは反戦や既得権益打破など「多くの主張で相通じる」とも述べ、同議員支持者にも秋波を送った。
• ただ、第3候補に投票しても死に票になるだけだとの考えは根強い上、既存政治の否定という点でトランプ氏の主張と重なる弱みはある。ハウプトマンさんは、二大政党以外に投票すること自体が「既存政治への自分の意思表示になる」と反論した。

クリントン氏、復帰宣言
健康不安の払拭急ぐ

• 体調不良で一時休養していた米大統領選の民主党候補クリントン氏(68)が15日、ノースカロライナ州で選挙遊説を再開した。肺炎と診断されたが、せき込むこともなく演説を終えた。11月8日の投票日まで2カ月を切り、「家にいるなんて最もしたくなかったこと」と完全復帰を宣言した。
• 共和党候補トランプ氏(70)が支持率で追い上げており、クリントン氏は勝負どころとなる最初の候補者討論会を今月26日に控え、精力的な遊説で健康不安を早期に払拭したい思惑がある。
• クリントン氏は11日の米中枢同時テロ15年式典を途中退席。国務長官時代にも頭部に血栓が見つかって入院しており、健康問題が改めて大統領選の争点に浮上した。
• クリントン氏は15日の集会では薄い赤色のジャケット姿で「これからどんな困難が待ち受けても私は逃げ出さない」と述べ、終盤の選挙戦に全力で臨む決意を強調した。
• 演説後の記者会見で、病名の公表が遅れた理由を問われ「多くの人が乗り切っている病気だ。選挙活動を中断したくなかった」と釈明した。クリントン氏は9日に肺炎と診断されていたが、公表は11日だった。
• 米メディアによると、クリントン氏は来週、ニューヨークでの国連総会に合わせ、エジプトのシシ大統領やウクライナのポロシェンコ大統領ら各国首脳と会談する予定。前国務長官として、外交分野の手腕を前面に打ち出す構えだ。
• 一方、トランプ氏の陣営は15日、今月9日の診断の結果、同氏の健康は「優れた状態」とする主治医の意見書を公表。当選すれば1期目就任時点で最高齢大統領となる同氏はテレビ番組で「30歳の時と同じように気分がいい」とアピールした。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計する各種世論調査では、トランプ氏の支持率は上昇傾向で、リードしているクリントン氏との差は狭まっている。


健康不安払拭急ぐ 
復帰のクリントン氏

• 肺炎と診断され、3日間の休養後、15日に選挙戦に復帰した米大統領選の民主党候補クリントン氏(68)には、勝負どころとなる最初の候補者討論会を26日に控え、精力的な遊説で健康不安を早めに払拭したい思惑がある。
• 11月8日の投票まで2カ月を切り、共和党候補トランプ氏(70)が支持率で再び追い上げる中、クリントン氏の健康への懸念は残るとみられ、今後の行動が鍵となる。
• 12~14日を休養に充てたクリントン氏は15日、記者団に「すっかり回復したわ。ありがとう」と満面の笑み。南部ノースカロライナ州での集会では「気分は最高」と繰り返すソウル歌手ジェームズ・ブラウンの代表曲に合わせて登場した。首都ワシントンでも演説し、復帰初日からフル稼働して回復をアピールした。
• クリントン氏は9日に肺炎と診断された。11日にニューヨークで開かれた米中枢同時テロの犠牲者追悼式に出席したが、体調を崩して途中で退席。よろめいてスタッフに支えられ車に乗り込む様子を捉えた映像が話題となった。
• 米メディアによると、クリントン氏は来週、ニューヨークでの国連総会に合わせ、エジプトのシシ大統領やウクライナのポロシェンコ大統領ら各国首脳と会談する予定。前国務長官として、外交分野の手腕を前面に打ち出す構えだ。
• 一方、トランプ氏は15日、健康状態について「優れた状態」とする主治医の意見書を公表。ファストフードが好きで身長約190センチ、体重約107キロと太めなだけに「少しはやせたい」と話したが、たばこも酒もやらない自分は健康だと豪語した。
• 健康に関する情報は公開したトランプ氏だが、大統領候補には慣例の所得公開は拒否している。クリントン陣営幹部は「悪い知らせを隠しているのではないか」と述べ、攻勢を強める構えだ。


トランプ氏が“疑惑”一掃
人気番組で髪触らせる

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が15日、NBCテレビの人気深夜トーク番組「トゥナイトショー」に出演し、司会者に頭髪をいじらせるパフォーマンスを見せた。不自然な髪形でかつらをかぶっているとの“疑惑”がつきまとうトランプ氏は、これまでも支持者らに髪を触らせたことがある。
• 「髪をむちゃくちゃにしてもいいですか」。司会を務めるコメディアンのジミー・ファロン氏の頼みに、トランプ氏は苦笑いしながら「答えはイエスだ」と快諾した。
• ファロン氏が身を乗り出しながらトランプ氏の頭を何度も強くなでるようにして髪を乱すと、会場の観客は大興奮。終始笑顔ながら、すっかり髪形が乱れたトランプ氏を、爆笑と喝采が包んだ。


「オバマ氏は米国生まれ」
トランプ陣営が声明

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏の陣営は15日、オバマ大統領の出生地について「トランプ氏はオバマ氏が米国生まれと信じている」との声明を発表した。トランプ氏は前回大統領選に先立つ2011年、オバマ氏の出生地に「疑惑がある」と指摘し、物議を醸した。
• オバマ氏はハワイ生まれであることが立証されており、今もトランプ氏の発言の信ぴょう性を疑う事例に使われるため、問題の幕引きを図ったとみられる。
• トランプ氏がワシントン・ポスト紙の最新インタビューでオバマ氏の米国生まれを認めなかったことについて、民主党候補クリントン氏は15日「一体、いつ偏見をやめるのか。これこそがトランプ氏だ」と批判した。
• これを受け声明は、クリントン氏の周辺が「この問題を08年の大統領選でオバマ氏を中傷するために取り上げた。トランプ氏が最初ではない」と強調。
• また、トランプ氏が追及したことで、オバマ氏がハワイ州の出生証明書を公表して「この見苦しい問題を決着させた」と説明している。

トランプ氏は「国家の恥」
元国務長官のメール流出

• パウエル元米国務長官が6月に元側近に宛てたメールが流出し、米大統領選の共和党候補トランプ氏を「国家の恥であり、国際社会の最下層民だ」と酷評していたことが14日、分かった。複数の米メディアが報じた。
• パウエル氏側は、流出したメールが同氏のものだと認めた上で、サイバー攻撃を受けたとしている。
• 今回流出が判明した別の8月のメールでも、人種差別を助長しているとトランプ氏を批判し「共和党と貧しい白人層の最も悪質な部分にアピールしている」と指摘した。
• 民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官についても手厳しく、昨年8月のメールで「その傲慢さで全てを駄目にしている」と指摘した。
• 長官在任時のメール問題を追及されたクリントン氏が、パウエル氏から私用メールを使うよう助言を受けたと話していることに関して「私を巻き込むなとヒラリー(・クリントン氏)の取り巻き連中にはあれほど言ったのに」と不快感をあらわにした。


主治医が「健康」と太鼓判
クリントン氏遊説再開前に

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)の陣営は14日、健康不安が広がるクリントン氏の医療記録を公表した。肺炎から回復し「大統領の職務をこなすことができる」と主治医が太鼓判を押している。
• 共和党候補トランプ氏(70)とともに、当選すれば就任時点で歴代1、2位を争う高齢の大統領となるため、健康問題は争点の一つ。クリントン氏は9日に肺炎と診断されたのにすぐに公表せず、メディアに「情報隠し」と指摘された。15日の遊説再開を前に、健康不安説を払拭し、透明性を確保する狙いがクリントン氏陣営にある。
• 医療記録によると、クリントン氏の血圧やコレステロール値は正常値だった。国務長官在任中に起こした脳振とうの再発を防ぐ薬や甲状腺、アレルギーに関する薬を服用している。
• 健康問題を克服しても、クリントン氏は公務で私用メールを使っていた問題から有権者の不信感を買っている。ロイター通信の最新の世論調査では、46%がメール問題について「強く懸念している」と回答した。
• トランプ氏も近く自身の健康記録を公表する意向を示している。


各国首脳と会談へ
クリントン氏、経験強調

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官の陣営は14日、クリントン氏がニューヨークでの国連総会に合わせて来週、エジプトのシシ大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領と会談すると明らかにした。
• 共和党のトランプ候補と直接対決する26日の候補者討論会を前に、豊富な外交経験をアピールする狙いがありそうだ。他にも複数国の首脳らとの会談を調整中だという。
• トランプ氏は先月、メキシコのペニャニエト大統領と会談。公約とする同国との国境の壁建設について話し合った。

米GDP百兆円下振れも
トランプ氏当選で試算

• 英調査機関オックスフォード・エコノミクスは、11月の米大統領選で共和党のトランプ候補が当選した場合、2021年の米国の国内総生産(GDP)が1兆ドル(約103兆円)下振れする可能性があるとの試算をまとめた。GDPが5%減る計算。ロイター通信が13日伝えた。
• オックスフォード・エコノミクスは、大統領選で民主党のクリントン候補が当選し、議会では民主、共和両党が権限を分け合う「基本シナリオ」の下でなら、米経済は17年以降、年2%のペースで拡大し、21年にはGDPが18兆5千億ドルに達すると予測した。
• トランプ氏が当選しても、選挙戦で訴えた通商や移民政策を巡る主張は骨抜きにされる可能性があるとする一方、政策遂行に成功すれば害が大きいとも指摘。その場合、成長ペースは鈍り、19年にはほぼゼロ成長に落ち込むと予想した。GDPは基本シナリオよりも5%少ない17兆5千億ドルにとどまるとみている。
• オックスフォード・エコノミクスは「世界経済の回復を弱めることになる」と警鐘を鳴らした。
• トランプ氏は、環太平洋連携協定(TPP)に強く反対しているほか、メキシコ国境での壁建設など不法移民対策で強硬路線を唱えている。
• 基本シナリオは、議会で民主党が上院を、共和党が下院をそれぞれ掌握する環境を前提にしている。


NY州、トランプ財団捜査
フロリダ司法長官への献金

• 米ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官は13日、大統領選共和党候補のトランプ氏が運営する団体「トランプ財団」が、非営利団体の活動を定めた州法に違反した行為がなかったか捜査を始めたと明らかにした。
• 強引な勧誘で知られたトランプ氏の不動産セミナー「トランプ大学」に絡み、財団が2013年、法的措置を検討しているとされたフロリダ州のボンディ司法長官側に献金した2万5千ドル(約260万円)の妥当性が捜査の焦点になる。
• 受講生からフロリダ州に「詐欺だ」との批判が当時寄せられ、献金は懐柔のためだったのではないかとの疑惑が浮上していた。トランプ氏支持を打ち出したボンディ氏は不正を否定し、法的措置も取らなかった。
• 民主党候補のクリントン氏側が運営する慈善団体「クリントン財団」も、大口献金者に対する特別な取り計らいが表面化し、批判を浴びている。
• ニューヨーク州の捜査についてトランプ陣営は「クリントン財団には目をつぶる(民主党員の)シュナイダーマン氏の党利党略だ」と非難した。

クリントン氏勝率が急低下
健康不安、選挙戦に波及も

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)が肺炎と診断されたことを受けて、オンラインの賭けサイトでは12日までに、11月に行われる選挙での同氏の予想勝率が大幅に低下した。共和党候補トランプ氏(70)が健康問題を争点化する考えを表明する中、残り2カ月の選挙戦に影響が広がる可能性もある。
• 賭けサイト「プレディクトイット」によると、クリントン氏の病状が明らかになった11日、大統領選で同氏が勝利する確率は7ポイント低下の64%に。1日の落ち込みとしては最大となった。トランプ氏の予想勝率は、3ポイント上昇し34%となった。
• クリントン氏は11日、米中枢同時テロの追悼式典で体調不良を訴え、途中で退席。会場を立ち去る際、歩行も困難な様子でよろめきながら乗車する姿を撮影した映像が流れると、同氏の勝率が低下したという。ロイター通信によると、別の賭けサイトの予想でもクリントン氏の勝率が8ポイント低下する一方、トランプ氏は7ポイント上昇した。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計する各種世論調査の支持率平均は、12日時点で民主党候補クリントン氏が45・9%、トランプ氏が42・9%。差は3ポイントで、最近はトランプ氏が追い上げている。
• クリントン氏の一族が運営する慈善団体「クリントン財団」を巡る献金者への便宜供与疑惑や長官時代のメール問題への批判が再燃したことが原因とみられる。
• クリントン氏の陣営は12日、同氏の詳しい医療記録を週内に追加公開すると明らかにした。トランプ氏も12日、「健康問題は選挙戦の争点だ」と述べ、自身の健康記録を近く公表する考えを示した。


医療記録、追加公表へ
健康不安でクリントン氏

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)の陣営は12日、肺炎と診断されたクリントン氏の詳しい医療記録を週内に追加公開すると明らかにした。同氏の健康不安が拡大する中、陣営は火消しに追われている。
• クリントン陣営の広報担当者は12日のインタビューで「(クリントン氏の)病状に関する懸念を長引かせたくない」として医療記録を追加公表すると説明した。同氏はツイッターに「気分はいいわ。快方に向かっている」と投稿。週半ばには遊説を再開する見通しだ。
• クリントン氏は9日に肺炎の診断を受けたが、公表は11日午後。その間、記者会見で北朝鮮政策などについて語ったが、自身の健康状態については言及しなかった。
• 病状をすぐに公表しなかったことで「都合の悪い情報を隠した」との批判も高まっており、透明性に対する疑念が再燃しそうな気配だ。共和党のトランプ候補(70)は12日、「健康問題は選挙戦の争点だ」と述べ、自身の健康記録を近く公表する考えを示した。
• クリントン氏が公務で私用メールを使っていた問題などを踏まえ、オバマ大統領の選対幹部を務めたアクセルロッド氏は「抗生物質で肺炎は治せても、プライバシーに固執する不健康な習慣の治療薬を探すのは困難だ」とやゆしている。

クリントン氏、肺炎と診断
暑さで同時テロ式典退席
選挙運動一時取りやめ

• 米メディアは11日、大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)が9日に肺炎と診断されていたと一斉に報じた。クリントン氏は11日にニューヨークで米中枢同時テロ15年の式典に参列したが、不調を訴えて途中退席した。投票を11月に控え、健康不安が拡大するのは必至で、選挙戦への影響が懸念される。
• クリントン氏は静養のため、12~13日に予定していたカリフォルニア州での運動日程を取りやめた。
• ニューヨーク州の自宅に戻ったクリントン氏を診察した主治医は声明で「暑さにより脱水症状を起こしたが、順調に回復している」と説明した。最近、せき込むことが多く、9日の診断で肺炎と判明し、抗生物質を飲んでいたという。主治医は「休息するよう進言した」と述べた。
• インターネット上に投稿された動画には、式典会場を後にしたクリントン氏がよろめき、周囲のスタッフに支えられながら車に乗り込む様子が映っている。
• クリントン氏は娘のチェルシーさん宅で休息した後に姿を見せ、報道陣に手を振って「気分はとてもいいわ」と語った。
• AP通信は一般論として、肺炎は抗生物質を使って数日間で治療できるとの複数の専門家の見方を伝えた。一方でクリントン氏は高齢のため、回復に1週間以上かかる可能性もあると指摘した。共和党のトランプ候補(70)はこれまで、クリントン氏について「スタミナがない」と主張してきた。
• ロイター通信によると、11日の会場周辺の気温は約27度だった。


クリントン氏の健康焦点に
トランプ氏情報公開で攻勢
 

• 米大統領選で11日、民主党候補クリントン前国務長官(68)が肺炎と診断されていたことが分かり、健康状態が改めて選挙戦の焦点に浮上した。11月8日の投票まで2カ月を切り、有権者やメディアの目は厳しさを増している。民主党内外からは、無用な臆測を呼ばないために積極的な情報公開で透明性を確保すべきだとの声が上がった。
• 共和党のトランプ候補(70)は、クリントン氏が肺炎だったことや、中枢同時テロ15年の式典を途中退席し、よろめきながら車に乗り込んだ様子に関し沈黙。テロ犠牲者追悼のため、11日は党派対立を避ける伝統から攻撃を自粛した。だが、12日には自身の健康状態に関する新たな情報を公開する考えを示し、健康問題を争点化する構えを見せた。
• クリントン氏が万が一選挙戦を撤退した場合は、党全国委員長が招集する特別会合で新たな候補を選ぶという規定があるが、米メディアによると、二大政党の指名大統領候補が選挙前に撤退した前例はなく、相当な混乱が予想される。
• メディアからは、9日に肺炎の診断を受けながら、すぐに公表しなかったことで「隠していたのではないか」と批判も出た。クリントン氏は好感度の低さが悩みだが、「信用できない」との印象が深まる懸念も抱えた。
• 民主党関係者は「陣営はクリントン氏の健康状態を包み隠さず公開していくべきだ」と話した。政治評論家は、注目が集まる26日の第1回候補者討論会までに、健康不安を払拭することが望ましいとの考えを示した。
• 2008年大統領選では、08年5月に当時71歳だった共和党のマケイン候補が千ページ以上の健康診断記録を公表した。
• クリントン氏は長官在任中、頭部の血栓のため入院したこともある。
• クリントン氏は9日、トランプ氏の支持者について「半分は人種差別主義者で哀れな集団」と呼び猛反発を浴びた。失言との受け止めが広がり、10日に釈明に追い込まれた。健康不安と併せて苦しい局面が続いている。


トランプ支持者「哀れ」
クリントン氏が失言

• 米大統領選で民主党のクリントン候補が、共和党のトランプ候補の支持者を「半分が人種差別主義者で哀れな集団」と呼び、猛反発を浴びた。メディアでは失言との受け止めが広がり、クリントン氏は釈明に追われている。
• クリントン氏は9日、ニューヨークでの選挙資金集めのイベントで「一般論」と前置きして発言。トランプ氏支持者の半分が「同性愛者嫌い、外国人嫌い、イスラム教嫌い」と列挙し「救いようがない」と非難した。
• トランプ氏は「(自身の支持者である)何百万人もの勤勉な労働者を侮辱した」とツイッターで怒りをぶちまけ、陣営からはクリントン氏に謝罪を求める声が上がった。
• クリントン氏は10日の声明で「後悔している」と表明。しかし、明確な謝罪はせず、トランプ氏が偏見や妄想に基づいて暴言を繰り返しているのが「哀れ」と言いたかったと説明した。
• クリントン陣営では、トランプ氏に支持率で大きなリードを確保できていないことに懸念が強まっている。普段はトランプ氏の失言をやり玉に挙げるクリントン氏だが、防戦を強いられている。


核ミサイル保有許さず
対北朝鮮でクリントン氏

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官は11日放映のCNNテレビのインタビューで、5回目の核実験をした北朝鮮について、大統領になった場合には核ミサイルの保有を断固阻止する政策を貫く考えを強調した。核開発を迫る上で中国と協力する方針も示した。
• クリントン氏は「核兵器の発射能力を持つことを米国は許さない」とし「それが私の政権の政策になる」と表明。北朝鮮に流入するぜいたく品を完全に遮断できていないとも指摘し、経済制裁を履行する上で中国の取り組みには「穴がある」と述べた。
• 中国は日本や韓国と外交を展開する上で、北朝鮮に対する自国の影響力を「カードにしてきた」と指摘。「戦略的な計算」から北朝鮮への圧力強化に本腰を入れてこなかったと語った。北朝鮮の核問題は「中国も望んでいないはずだ」として、中国の協力確保に力を入れる考えを示した。

対北朝鮮政策見直す
クリントン氏日韓防衛強調

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官は9日、5回目の核実験をした北朝鮮に関し「戦略の再検討が必要なのは明白だ」と述べ、大統領になった場合に対北朝鮮政策を見直す考えを示した。
• 「同盟国を無防備にはしない」として日本や韓国の防衛への決意を強調した。超党派の国家安全保障専門家らと会合した後の記者会見で語った。
• 一方、共和党のトランプ候補はワシントンでの演説で、北朝鮮の核実験は「クリントン氏が国務長官になった後では4回目」と指摘。核実験を阻止できていないのは「クリントン氏が国務長官としてひどく失敗したことの一例だ」と批判した。大統領として北朝鮮とどう向き合うかは言及しなかった。
• クリントン氏は北朝鮮に対する「制裁は不十分だ」とし、圧力強化のため北朝鮮に影響力を持つ中国から協力を引き出す意欲を表明。同盟国防衛のためミサイル防衛システムの構築を進めると語った。

トランプ氏、軍拡に意欲
日韓には負担増要求

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は7日、東部フィラデルフィアで演説し、軍拡に意欲を表明した。当選すれば国防費増額で兵士や戦闘機、軍艦などを増やし「軍を立て直す」と宣言。米軍が駐留する日本や韓国、ドイツ、サウジアラビアに対し「米国が提供する安全保障について、さらに負担を求める」との方針を改めて示した。
• トランプ氏の外交・安保政策を巡っては同盟国を遠ざけるとして共和党内からも懸念が出ているが、6日には米軍の元将官ら88人が「トランプ氏の軍再建を支持する」との声明を発表。トランプ氏は自身が米軍の最高司令官にふさわしいとアピールし、支持拡大を図る考えだ。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計する各種世論調査の支持率平均は、7日時点で民主党候補クリントン氏が45・9%、トランプ氏が42・8%。差は3・1ポイントで、このところトランプ氏が追い上げている。
• 演説では、厳しい財政事情から設定されている国防費歳出の強制削減枠を撤廃すると表明。陸軍は2015年に49万人だった兵力を18年9月末までに45万人規模に縮小する方針だが、トランプ氏は「防衛力を弱めることになる」と批判し、54万人に拡大すると述べた。
• 「米国の揺るぎない軍事的優位を通じて紛争を防ぐ」と強調。過激派組織「イスラム国」(IS)を壊滅させる計画を大統領就任30日以内に策定するとも述べた。


「駐留経費は日米合意」 
菅氏、トランプ氏発言に

• 菅義偉官房長官は8日の記者会見で、米大統領選の共和党候補トランプ氏が東部フィラデルフィアでの演説で、日本などに駐留米軍経費の負担増を求める考えを示したことに関し「(日本の負担額は)日米両政府が合意している」と強調した。
• 同時に「トランプ氏は候補者で、大統領ではない。選挙中の発言に一つ一つコメントすることは控えたい」と述べた。2016年度から5年間の日本の負担額は約9465億円となる見込み。

アジア系狙うクリントン氏
党勢拡大にも先行投資

• 米大統領選で、民主党のクリントン候補が中国系やフィリピン系などアジア系の票の掘り起こしを進めている。共和党のトランプ候補に差をつけると同時に、将来の民主党の勢力拡大へ先行投資する狙いもありそうだ。
• アジア系は米国の人口に占める比率は小さいが、国勢調査局によると最も急速に増加しているマイノリティー。ウォールストリート・ジャーナル紙は、アジア系は有権者の約4%だが存在感は高まる一方だと指摘する。
• ピュー・リサーチ・センターは昨年10月に発表した調査で、アジア系は2065年には黒人と数で肩を並べる人種グループになると予測した。
• クリントン陣営が特に重視するのは激戦が見込まれるネバダ、バージニア、ペンシルベニアの3州。アジアのさまざまな言語によるウェブサイトや広告、運動員による電話を通じ「かつてない規模」(陣営関係者)で支持を呼び掛けている。
• 有権者登録の促進も課題だ。アジア系には民主党支持者が多いとされるが、白人や黒人に比べて実際に投票所に足を運ぶ人が少ない。国勢調査局によると、前回の大統領選が実施された12年11月に登録していたアジア系は6割未満。いずれも7割超だった黒人や白人を下回った。
• 陣営は8月28日、バージニア州アーリントンで有権者登録を促すイベントを実施。ボランティアのメラニー・ベリーさん(25)は「アジア系もできるだけ取り込みたい」と意気込んでいた。


トランプ氏、黒人教会訪問
支持獲得へアピール

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は3日、中西部ミシガン州デトロイトの黒人キリスト教会を訪れた。信者らを前に「黒人が差別に苦しんできたことを十分理解している。あなたたちの訴えを聞きにきた」とアピールした。
• 共和党候補に正式指名された後、黒人が集まった場で演説するのは初めて。人種や宗教などで差別主義的な発言が目立つトランプ氏は、黒人からの支持率が極めて低く、最近はヒスパニック(中南米系)も含めた少数派からの支持獲得に力を入れる方針に転換した。陣営や共和党指導部の危機感が背景にあるようだ。
• 教会前には数百人が抗議に集まり、「人種差別主義者」などと書いたプラカードを掲げて「トランプ氏はいらない」などと連呼した。
• 民間団体「パブリック・ポリシー・ポーリング」が8月30日に発表した調査では、民主党候補のクリントン氏を「好ましい」と答えた黒人は83%だったのに対し、トランプ氏は0%。11月8日の本選まで約2カ月しかなく、効果はほとんど期待できないとみられる。
• トランプ氏は演説草稿から脱線して即興で話すのを好み、挑発的な発言をしては批判を受けるサイクルを繰り返してきた。この日は頻繁に草稿に視線を落とし、そのまま読んでいるようだった。
• スピーチ前、教会の信者らと携帯電話で「自撮り」したり、赤ん坊を抱き上げたりして「黒人に優しい」イメージを演出。歌に合わせて軽く体を揺すって一緒に踊るパフォーマンスも見せた。
• メリーランド州立モーガン大のジョンソン教授はCNNテレビに、票獲得のための演出にすぎず「出来の悪い宣伝番組のようだ」と酷評した。


聴取に「覚えてない」連発
クリントン氏、メール問題

• 米連邦捜査局(FBI)は2日、大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官時代に公務で私用メールを使っていた問題の捜査報告書の一部を公表した。クリントン氏はFBIの聴取で機密情報のやりとりや管理方法について「覚えていない」を連発するなどずさんな対応が浮き彫りになった。
• ニューヨーク・タイムズ紙が昨年、最初に問題を報道した直後、メールが消去されていたことも判明した。クリントン氏は訴追を免れているが、共和党候補トランプ氏は声明で「なぜ訴追されないのか分からない」と批判を強めており、今後の選挙戦でさらなる攻撃材料となりそうだ。
• 報告書によると、クリントン氏は聴取で、国務省側から機密情報の扱い方について受けた説明を「覚えていない」と答え、どのように文書の機密度が決まるのかも例示できなかった。メールに記された機密情報を指す印の意味も分からなかったと語った。
• メールを送ってきた国務省職員の判断をうのみにしていたほか、私用メールを使うべきではないと注意喚起されたことがあるかどうかも「覚えていない」と述べた。
• 報告書は、オバマ政権が計画していた中東でのテロ掃討作戦のための無人機による空爆に関してもメールでやりとりしていたが、クリントン氏は機密情報かどうか全く気にしなかったとも指摘した。

「トランプ氏は差別主義」
クリントン氏と非難合戦

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏は25日、共和党候補トランプ氏を「長く人種差別を続けてきた男」と痛烈に批判した。トランプ氏もクリントン氏が黒人の権利擁護を訴えながら何もしていないとして「偽善者だ」とやり返し、両者は激しい非難合戦を繰り広げた。
• クリントン氏は同日、白人至上主義の団体がトランプ氏を支持しているとする動画を公開。西部ネバダ州の集会では、こうした支持者を「人種差別的な思想をあおる極右団体だ」と強調した。
• トランプ氏について「憎悪をあおる団体を共和党の主流派にし、過激派が党を乗っ取るのを手助けしている」と述べ、共和党員らに投票先を考え直すように迫った。
• トランプ氏は25日にヒスパニック(中南米系)や黒人の代表者とニューヨークで面会して人種差別対策に取り組む姿勢をアピールするなど、マイノリティー(少数派)票の掘り起こしに余念がない。クリントン氏はトランプ氏に人種差別主義者とのレッテルを貼り「イメージ低下を狙った」(ワシントン・ポスト紙)ようだ。
• トランプ氏は同日放映のCNNテレビで、民主党が都市部で多くの支持を得ているものの、そこに住む黒人は貧困生活を強いられているとして、クリントン氏は「偽善者だ」と攻撃した。
• 東部ニューハンプシャー州での集会では、クリントン氏が私用メール問題を抱えながら自分を攻撃していることに「恥を知れ」と繰り返した。


米地裁が新たに公開命令
クリントン氏メール問題

• 米フロリダ州の連邦地裁は25日、2012年にリビア東部ベンガジで起きた米領事館襲撃事件以降、当時国務長官を務めていた民主党大統領候補クリントン氏がホワイトハウスとやりとりした全てのメールを、9月13日までに公開するよう国務省に命じた。ロイター通信が伝えた。
• これとは別に、ワシントン連邦地裁は今月22日、新たに見つかった約1万5千通のメールを10月中旬までに順次公開するように国務省に命令している。
• クリントン氏が国務長官時代に公務で私用メールを使った問題で、クリントン氏は既に国務省に提出した約3万通のメール以外に、個人的な内容の約3万通を消去したと説明。連邦捜査局(FBI)が復元し国務省に渡しており、両地裁で公開が命じられたメールがこの中に含まれている可能性がある。

クリントン氏に批判強まる
財団疑惑、トランプ氏攻勢

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏の一族が運営する慈善団体「クリントン財団」を巡る献金者への便宜供与疑惑に、批判が強まっている。支持率で劣る共和党のトランプ候補は巻き返しの好機とみて攻勢。民主党でもクリントン氏に苦言を呈する声が出た。
• 財団はこれまでも、外国政府から巨額の寄付を得ていたなどとして倫理上の問題が指摘されていた。AP通信が23日、クリントン氏が国務長官当時に面会するなどした民間人154人のうち85人が財団に大口の献金をしていたと報じ、国内外の献金者に国務省が便宜を図ったのではないかとの疑念に拍車を掛けた。
• クリントン氏を「信用できない」と批判してきたトランプ氏は、24日も「彼女は金と引き換えに便宜を図った」と主張。共和党のライアン下院議長も、「堕落した」クリントン氏が大統領になれば「米国の民主主義が毒で侵される」と訴えた。
• クリントン陣営は「不正はない」と強調するが、民主党内には困惑が広がる。同党のレンデル元ペンシルベニア州知事は、疑惑はクリントン氏の「心証を悪くする」と懸念を示している。
• 24日付のワシントン・ポスト紙は「クリントン氏は、財団に近づけば政府に接近できるとの印象を与える余地を残した。有害だ」と戒めた。
• クリントン財団を「最も不道徳な組織」と非難するトランプ氏だが、自身も過去に少なくとも10万ドル(約1千万円)を財団に寄付していた。トランプ陣営は「見返り狙いではない」としている。
• 財団はクリントン氏の夫の元大統領が主宰し、貧困やエイズの対策などに取り組んでいる。クリントン氏は昨年の出馬に合わせ理事職から退いた。

献金は面会の対価か
クリントン氏に新たな火種

• AP通信は23日、米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官在任中に面会したり、電話で話したりした民間人154人のうち少なくとも85人が、同氏が一族で運営する慈善団体「クリントン財団」に献金したと報じた。献金が面会などの対価となっていたとの見方が強まったとしており、クリントン氏は新たな火種を抱えた形だ。
• 総額は1億5600万ドル(約156億5千万円)に上るという。APは面会者らの半数以上が献金していたことについて「異常な割合」とし、大統領になった場合に倫理上の問題を生じさせる可能性があると指摘した。
• 財団を巡っては、多額の寄付をしている人物が米政府関係者に会えるよう、財団幹部がクリントン氏側近に依頼したなどとの癒着疑惑が既に取り沙汰されている。
• 共和党候補のトランプ氏は23日夜、テキサス州での演説で「公職を金もうけの道具にしていた」とクリントン氏を非難し「汚職だ」として特別検察官による捜査が必要と訴えた。
• 85人には、貧困層に無担保で少額融資を行う銀行を創設し、2006年にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス氏も含まれていた。
• ユヌス氏は銀行に絡む不正資金疑惑などが浮上して総裁を解任される過程で、クリントン氏に助けを求めていた。クリントン氏は側近に支援を探るよう指示したという。
• APは2009~13年に国務長官を務めたクリントン氏の任期前半を分析。クリントン陣営は分析について「不正確だ」と反論している。


「健康不安説」ジョークに
TV番組でクリントン氏

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏(68)は22日放送のテレビのトークショーに出演し、「私が生きているか確認してちょうだい」と司会者に脈を取らせるなど、共和党候補トランプ氏(70)が取り上げる「健康不安説」を一笑に付すパフォーマンスを披露した。
• 赤いジャケット姿で舞台に登場したクリントン氏は、トランプ陣営が健康状態を問題視する発言を繰り返していることについて「根拠がない。とっぴな選挙戦略だ」と批判。トランプ氏らの主張を反映した大衆紙の報道が真実なら「私は今ごろ死んでいるわね」と話した。
• 十分なエネルギーがあるか見せてほしいとの司会者の求めに応じ、瓶詰のふたを開けてみせると、会場から歓声が湧いた。
• トランプ氏は、クリントン氏には「この国の課題に立ち向かうスタミナがない」と言及。トランプ氏の有力支持者らもクリントン氏が国務長官在任時に脳振とうを起こしたことなどを根拠に、深刻な健康不安があると主張している。

新たなメール公開を指示
地裁、クリントン氏に影響

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官在任時に公務で私用メールを使っていた問題で、メール約1万5千通が新たに見つかり、ワシントン連邦地裁は22日、10月中旬までに順次公開するよう国務省に指示した。米メディアが報じた。
• クリントン氏は、公務に使った私用メールは約3万通だとしてきたが、連邦捜査局(FBI)の捜査で新たなメールの存在が判明した。共和党はクリントン氏側が隠蔽を図ったとして批判を強める構えだ。
• クリントン氏は支持率で共和党のトランプ候補をリード、選挙戦を有利に進めているが、11月の投票日を目前にメールが公開されれば、選挙情勢に影響する恐れもある。
• 米メディアによると、FBIは7月、捜査に用いたクリントン氏のメールを収めたディスクを国務省に返還。今回問題になっているメールはその中に含まれていた。コミーFBI長官は、クリントン氏の情報管理を「極めて軽率」と批判したが、訴追は求めなかった。
• 一方、トランプ氏は22日、中西部オハイオ州での集会で「FBIや司法省は信頼できない」と批判。クリントン氏が一族で運営する慈善団体「クリントン財団」と大口献金者との癒着疑惑について「犯罪だ」と述べ、特別検察官による独自捜査が「今すぐ必要だ」と訴えた。
• 国務省は昨年5月~今年2月、長官在任時のクリントン氏のメール約3万通を公開した。今回の司法判断を受け、同省は新たなメールの公開手続きについて9月に裁判所と協議するとしている。
• 今回の司法判断は、クリントン氏に情報公開を求めた保守系市民団体の訴訟に関連して出された。


「クリントン氏捜査を」 
トランプ氏、財団疑惑で

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は22日、中西部オハイオ州での集会で、民主党候補のクリントン前国務長官が一族で運営する慈善団体「クリントン財団」と大口献金者との癒着疑惑について「犯罪だ」と述べ、「特別検察官による捜査が今すぐ必要だ」と訴えた。
• 支持率で後れを取るトランプ氏は癒着疑惑を材料に、国民からの信頼度の低さに悩むクリントン氏に攻勢をかける構え。
• 疑惑はクリントン氏が国務長官だった2009年、財団の幹部がクリントン氏の側近に、多額の寄付をしている人物が米政府関係者に会えるよう依頼したなどとされる。クリントン陣営は不正行為を否定している。
• トランプ氏は集会で、クリントン氏が長官在任中に私用メールを使っていた問題で訴追されなかったことから「連邦捜査局(FBI)や司法省は信頼できない」と述べ、癒着疑惑に関しては特別検察官による独自捜査を要求した。
• トランプ陣営は22日、クリントン財団を「米政治史上、最も不道徳な組織」と非難し、即刻解散しなければならないとする声明を発表した。

米各地にトランプ裸像
「落選を期待」と声明

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏に批判的なアーティストらのグループがニューヨークのマンハッタンなど米各地でトランプ氏の全裸像を設置し、話題となった。グループはトランプ氏の落選を期待するとの声明を出したが、像は当局に無許可で設置されたため撤去が相次ぎ、トランプ陣営は静観している。
• トランプ氏の等身大という全裸像は「根性なしの帝王」と題し、米国の5都市で18日に設置された。トランプ氏が険しい表情で真正面を向き、垂れた腹の上で両手を組んでいる。
• 米メディアによると、像を設置したアーティストらのグループは声明で「米国で最も悪名高い政治家の恐ろしい魂」を表現したと説明。「大統領の座を獲得するというトランプ氏のたくらみの失敗を願う」と表明した。
• 像が設置されたニューヨークの公園ユニオンスクエアでは通行人が写真撮影のため集まるなどしたが、市当局がその日のうちに撤去。トランプ氏を大統領選候補に指名した共和党大会が開かれたオハイオ州クリーブランドでも設置されたが、撤去された。
• ロサンゼルスのハリウッドでは公共の場から私有地に移動された。
• アーティストらのグループは粘土のような素材で全裸像をつくっている映像をウェブサイトで公開している。


不法移民政策の軟化検討か
トランプ氏、選対幹部示唆

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏の選対本部長コンウェー氏は21日、トランプ氏が厳しい不法移民政策を軟化させる可能性を示唆した。トランプ氏はこれまで不法移民の強制送還を徹底する方針を示し、メキシコ国境に壁を建設すると表明。重要政策とアピールしてきたため、軌道修正するかどうか注目されている。
• コンウェー氏はCNNテレビに対し、トランプ氏が具体的な不法移民政策を数週間以内に発表すると明らかにした上で、強制送還徹底の方針が盛り込まれるかどうかは「まだ決まっていない」と発言。米国に住むヒスパニック(中南米系)を中心とした約1100万人の不法移民に対して「公正で人間味のある」対応を目指しているとも述べた。
• トランプ氏は20日、ヒスパニックの政策アドバイザーら約20人から意見を聞く会議を開催。会議の場でトランプ氏が移民対策は「人道的で効果的に行わなければならない」と述べたとの報道もあり、不法移民の合法的な滞在を可能にすることが検討されているとの見方が出ている。
• 強硬な政策への批判が共和党内でも強いことから軌道修正を図り、共和党支持者でありながらトランプ氏への投票に消極的な層に支持を訴える狙いとの指摘がある。ただ、強硬策を支持してきた人たちを失望させるリスクもあるため、トランプ氏の決断に関心が集まっている。
• 世論調査で劣勢が伝えられるトランプ氏は17日、コンウェー氏を選対本部長に昇格させるなど陣営を刷新。19日の演説では黒人のために働くと述べるなど、民主党支持者が多いマイノリティー(少数派)を意識した発言が目立っている。


TPP反対なら対案示せ 

• 21日付の米紙ワシントン・ポストは、環太平洋連携協定(TPP)に反対している大統領選の共和党候補トランプ氏と民主党候補のクリントン氏に対し、TPPに代わる外交政策上の対案を示すよう求める社説を掲載した。
• 社説はTPPがアジアでの米国の存在感を高め、経済だけでなく安全保障上も重要だと指摘。TPPを排除するなら、別の枠組みがその役割を果たす必要があるとし、「次期大統領は戦略上の空白だけを生むようなことをしてはならない」とくぎを刺した。
• TPP参加国は「アジアを権威主義で支配しようとする中国のもくろみを平和的に抑えつけるという目標を共有している」として、米国はアジアに関与を続けるべきだと主張。米議会にTPPの承認を促したが、議会多数派の共和党は審議に応じない構えで、「承認の見込みは次第に遠のいている」と悲観的な見方を示した。

トランプ氏「黒人投票を」
支持率1%に危機感

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は19日、中西部ミシガン州で演説し、大統領に就任すれば黒人のために働くと述べ、人種差別対策を重視する姿勢を強調した。白人労働者層を支持基盤とするトランプ氏は、最近の演説で黒人に投票を訴えることが多くなっている。黒人の間で支持率が極端に低く、危機感を強めているとみられる。
• ウォールストリート・ジャーナル紙とNBCテレビが今月初旬に伝えた世論調査によると、黒人のトランプ氏支持はわずか1%で、民主党候補クリントン氏の91%と圧倒的な差がついている。
• 演説でトランプ氏は「民主党は黒人を票として利用しているだけで、選挙が終わったら何もしない」と主張。自身が大統領になれば、黒人やヒスパニック(中南米系)など少数派の雇用対策を強化し、4年間の任期を迎えた時には「黒人から95%の支持率を獲得してみせる」と豪語した。
• トランプ氏は「黒人は貧しく、学校も良くない。仕事もない。トランプのような新しいものを試して、失うものがあるのか」と投票を呼び掛けた。これに対し、クリントン氏は「黒人のことを何も知らない」とツイッターで批判した。
• トランプ氏は19日の演説で、ミシガン州の自動車産業など米国の製造業が悪化したのは、民主党政権が推進した貿易自由化が原因だと主張。オバマ政権が推進した環太平洋連携協定(TPP)を「絶対に承認しない」と強調した。

トランプ氏、過激発言謝罪
「後悔している」と初反省

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は18日の集会で、批判を呼ぶ自身の過激発言について「後悔している」と述べ、謝罪した。AP通信によると、強気な姿勢が売りのトランプ氏が選挙戦で反省の言葉を口にするのは初めて。
• トランプ氏は問題発言が響いて苦戦しており、てこ入れのため、17日に陣営を刷新したばかり。新たに選対本部長に就いたコンウェー氏は18日「トランプ氏らしさ」を維持しながら選挙戦を立て直す考えを示していた。
• トランプ氏は南部ノースカロライナ州での集会で「白熱した議論の中で、言葉遣いを誤ったり間違ったことを言ったりすることがある」と発言。「私もやったことがあり、後悔している。誰かに痛みを与えたとすればなおさらだ」と述べたが、具体的にどの発言に後悔しているのか言及しなかった。
• ただ、民主党のクリントン候補については「史上最悪のうそつきの一人だ」と批判し「私は常に本当のことを言う」と強調。クリントン候補への攻撃姿勢は崩さなかった。
• クリントン陣営は声明を出し、トランプ氏の謝罪の言葉はスピーチライターによる「良く書けたフレーズでしかない」と批判。トランプ氏が振る舞いを全面的に改めるべきだと訴えた。


トランプ陣営標的か
運動員にサイバー攻撃

• ロイター通信は18日、米大統領選の共和党候補トランプ氏の陣営がサイバー攻撃の標的になっていたと報じた。少なくとも運動員1人の電子メールアカウントが昨年、マルウエア(悪意のあるソフト)に感染し、同僚に悪意のあるメールが送られたという。
• トランプ氏の選対のコンピューターが侵入されたかどうかは分かっていない。
• 米大統領選を巡ってはこれまで、民主党候補クリントン前国務長官の陣営や民主党全国委員会、同党下院選挙対策委員会へのサイバー攻撃が判明しており、ロシアの関与が指摘されている。


トランプ氏の「口撃」警戒
討論会向けクリントン陣営

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)の陣営は共和党候補トランプ氏(70)が過激な選挙戦に打って出ると警戒し、両氏が直接対決する9月からの討論会での「口撃」を迎え撃つ準備を本格化させている。
• トランプ氏は17日に発表した選対本部の人事刷新で、クリントン氏を激しく攻撃してきた保守系メディアのトップを最高責任者に起用。戦闘的な選挙スタイルを強化するとみられている。
• 米メディアによると、クリントン陣営は既に模擬討論の準備に着手。長官在任時の私用メール問題やクリントン氏が一族で運営する慈善団体「クリントン財団」と大口献金先との癒着疑惑などを追及されることを想定した問答を作成しているという。
• 夫である元大統領の現職時代の不倫スキャンダルも持ち出しかねないと予想している。クリントン氏にとって最も触れてほしくない話題の一つだが、討論会は11月の投票日に向けて局面を大きく変え得るだけに、陣営は受けて立つようだ。
• 一方のトランプ氏は18日の集会で、批判を呼ぶ自身の過激な言動について「白熱した議論の中で、言葉遣いを誤ったり間違ったことを言ったりすることがある」と発言。「後悔している。誰かに痛みを与えたとすればなおさらだ」と語った。
• AP通信によると、トランプ氏が選挙戦で反省の言葉を口にするのは初めてだが、クリントン候補については「史上最悪のうそつきの一人だ」と批判、攻撃姿勢を崩さなかった。
• 政治専門サイト「ポリティコ」は模擬討論について、想定外の発言を繰り出すトランプ氏の役を務められる「スパーリング」相手を見つけるのは容易でないとの見方を紹介している。

トランプ陣営、また刷新
原点回帰、自己流貫く

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は17日、選対本部の最高責任者に保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」の会長スティーブン・バノン氏を起用し、陣営で顧問を務めてきた女性のケリーアン・コンウェー氏を選対本部長に昇格させたと発表した。
• 陣営の一部刷新は過去2カ月で2回目で、劣勢が伝えられる選挙戦を立て直す狙い。民主党のクリントン候補に支持率で後れを取る中、政治アウトサイダーとして徹底的な既存体制批判の原点に回帰するための人事とみられている。
• 最近の支持率低下を受け、振る舞いを変えるかどうかが注目されているトランプ氏は17日までに「私は私だ。変わりたいとは思わない」と発言。あくまでも自分流を貫く考えを示した。
• 選対本部で参謀を務めてきたポール・マナフォート氏は、幅広い支持獲得のため穏健姿勢に転じるようトランプ氏に進言してきたが、最近はトランプ氏から疎んじられていたとされる。
• マナフォート氏を巡っては、ウクライナで失脚したヤヌコビッチ前大統領の与党から米ロビー企業への220万ドル(約2億2千万円)の送金に関わったとAP通信が報道。選対本部で現在の肩書を維持するが「役割は縮小する」(ワシントン・ポスト紙)との見方が支配的だ。
• バノン氏は「けんか上手」(CNNテレビ)と評される。共和党主流派への遠慮ない批判など戦闘的な姿勢で知られ、既存政治に不満を持つ有権者の支持を固められそうだ。
• コンウェー氏は「控えめ」(ロイター通信)なタイプとされ、女性や無党派層の掘り起こしへの貢献が期待されている。

アジアでの地位、破滅的に
米専門家、トランプ氏拒否

• 米共和党のアジア専門家8人は15日、大統領選で同党候補のトランプ氏が当選すれば、アジア諸国が米国から中国寄りへと政策変更を余儀なくされ、核武装を追求する国も出るなど、アジアでの米国の「破滅的な」地位低下につながると警告する声明を発表した。大統領選ではトランプ氏でなく、民主党候補のクリントン氏に投票すると表明した。
• 声明を出したのは、ブッシュ前政権で国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏ら。
• 今月8日には、グリーン氏やヘイデン元中央情報局(CIA)長官ら共和党政権で安全保障政策に携わった元高官ら50人がトランプ氏に「投票しない」と宣言する書簡を公表している。
• 今回の声明は、中国との戦略上の競争が激化する中、トランプ氏という「何のビジョンも持たない不安定な素人を選ぶのは絶対に誤りだ」と強調。同氏が大統領になればアジア諸国が米国でなく「中国が決めたルールに従わざるを得ないようになる」とした。
• トランプ氏は日本や韓国の核武装容認や環太平洋連携協定(TPP)からの脱退を表明するなど、アジアの秩序を巡り独自の主張を展開している。

NATOと対テロ連携重視
トランプ氏、批判受け転換

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は15日、オハイオ州で演説し、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討に向けた国際的な協調体制を構築するため、北大西洋条約機構(NATO)と「緊密に連携する」と強調した。米国でのテロを防ぐため移民への「徹底した身元調査」を行う方針も示した。
• トランプ氏はNATO加盟国の財政負担が小さいとして加盟国防衛への関与を縮小する考えを示し、国内外で非難されていた。党内からも厳しく批判されたことから、選挙で協力を得るため姿勢を転換したとみられる。
• トランプ氏は演説で、オバマ大統領と民主党の大統領選候補クリントン氏が「ISの台頭を招いた」と批判した。自身が大統領になれば、イスラム過激派のネットワークなどを調査する委員会を真っ先に立ち上げると述べた。
• 対テロ戦では、イスラエルやエジプトのほか、ロシアとも協力する意向を表明。「軍事、サイバー、金融」各分野で戦うことが必要だと訴え、ISなどテロ組織によるインターネットでの戦闘員の募集阻止に向けたネット規制の必要性にも言及した。
• また、移民への徹底した身元調査の実施に関しては「現在の米国への流入規模は大き過ぎる」と主張。米国に敵対的な国や地域を選び、査証(ビザ)審査を一時中止する考えを示した。
• 一方、ブッシュ前政権で国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏ら共和党のアジア専門家8人は15日、声明を発表した。
• トランプ氏が当選すれば、アジア諸国が米国から中国寄りへと政策変更を余儀なくされ、核武装を追求する国も出るなど、アジアでの米国の「破滅的な」地位低下につながると警告し、トランプ氏でなくクリントン氏に投票すると表明した。

トランプ氏がメディア敵視
支持率低迷、責任転嫁

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が自身に批判的な報道を繰り返すメディアに敵意をむき出しにしている。民主党候補クリントン前国務長官に支持率で差を広げられる中、低迷の責任をメディアに転嫁する姿が目立つ。
• ニューヨーク・タイムズ紙は13日、トランプ氏が6月に側近から懇願され、攻撃的なスタイルを改めると約束したのに、約2カ月たっても変化がなく「失敗したのは明らか」と指摘。関係者の話として私生活でも不機嫌だと内幕を描いた。
• トランプ氏は同日の東部コネティカット州の集会で誤報だと猛反発。「私の敵はクリントン氏ではない。メディアだ」と不満をぶちまけた。
• 怒りが収まらないのか14日もツイッターに「完全な誤報でも、何でも好きなように報じることは『報道の自由』とは言わない」と投稿、自身の発言が曲解されて伝えられていると訴えた。
• トランプ氏は今月に入り、銃規制に絡んでクリントン氏の暗殺をほのめかしたことや、オバマ大統領を過激派組織「イスラム国」(IS)の「創設者」と呼んだことがメディアで大々的に取り上げられ、大統領としての資質を問題視されている。

トランプ氏に悲観論強まる
暴言に離反、弱気発言も

• 米大統領選の共和党候補、トランプ氏の勝利に悲観的な見方が強まっている。暴言の連発で党内の離反が相次ぎ、支持率は上向かない。強気一辺倒だった本人からも敗北の可能性を示唆する弱気な発言が出始めた。
• AP通信によると、共和党の元議員や党全国委員会の元職員など、党関係者がプリーバス全国委員長に支援をやめるよう求める動きは拡大し、賛同者は100人を超えた。党内有力者の間では、敗北は確定的との見方も出始め、ブッシュ前大統領の政治顧問は、これまでの戦いぶりを見る限り「勝ち目はない」と言い切った。
• 世論調査は、民主党候補のクリントン前国務長官の優勢で推移している。NBCテレビが9日に発表した支持率調査ではクリントン氏51%、トランプ氏41%で10ポイントの差がついた。政治専門サイトが集計した各種調査の平均でも12日現在、6・8ポイント差でクリントン氏がリードする。
• トランプ氏は11日のCNBCテレビのインタビューで、戦略を変えるつもりはないと強調する一方、「最後の段階で、それがうまく行っているか、あるいはとても素晴らしい長い休暇をもらっているかのいずれかだ」と述べ、敗北の可能性に触れた。
• イラクで戦死した米兵遺族を中傷したことで激しい批判を招いたのに続き、最近もクリントン氏の暗殺を認めるかのような発言をしたほか、オバマ大統領を過激派組織「イスラム国」(IS)の「創設者」と呼んだことでも物議を醸した。予備選段階では面白がられた暴言にも、有権者は食傷気味だ。
• 11月の投開票まで3カ月を切った。ニューヨーク・タイムズ紙によると、陣営幹部は選挙戦の立て直しが時間切れになりつつあるとの認識とされるが、9月以降は候補者討論会など局面を大きく変えうる機会があるため、トランプ氏に発言と態度を改めるよう強く促した。

オバマ氏批判で釈明
「皮肉」とトランプ氏

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は12日、過激派組織「イスラム国」(IS)は「オバマ大統領が創設した」との主張を繰り返したことについて、ツイッターに「皮肉が分からないのか」と投稿し、真剣に言ったわけではないと釈明した。事実関係を無視した挑発的な発言が批判を集めており、火消しに努めた。
• トランプ氏は7月にもロシアにハッキングを促した発言が問題視された際に「もちろん皮肉を言っただけだ」と打ち消したことがある。ニューヨーク・タイムズ紙電子版は「国民に対するコミュニケーション能力に疑問を抱かせる」と指摘した。
• トランプ氏は10、11両日、オバマ氏の中東政策を批判しながら「オバマ氏はIS創設者。共同創設者は『いかさまヒラリー・クリントン氏』だ」「本当の事を言っているだけだ」と語り、民主党候補クリントン氏と合わせて批判した。


クリントン夫妻年収10億円
未公開のトランプ氏に圧力

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏は12日、夫のクリントン元大統領と合わせた2015年の年収が約1060万ドル(約10億円)だったとする納税申告書を公開した。透明性をアピールすることで、まだ所得公開していない共和党候補トランプ氏に圧力をかける狙いだ。
• 大統領候補が所得公開するのは米国の慣例。トランプ氏は公開しない理由を「米内国歳入庁(IRS)の監査が続いているため」と説明しているが、クリントン陣営は声明で「うその言い訳だ」と批判した。
• 申告書によると、クリントン夫妻の15年の税率は連邦、地方分を合わせて43・2%。収入から約100万ドルを慈善事業に寄付した。
• 党指名争い中にサンダース上院議員から批判された、大企業などから受け取った13年分の講演料も公表。クリントン候補だけで米金融大手ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど41社から計968万ドルを受け取り、夫の分と合わせると約2300万ドルに上った。
• 12年の大統領選の共和党候補ロムニー氏は多額の年収に比べて税率が一般国民の半分程度の14・1%と低かったため、批判の的になった。


所得公開拒否に批判集中
トランプ氏対応で米紙

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が、慣例となっている所得公開になかなか応じず、批判にさらされている。黒人のオバマ大統領に出生証明書の提示を迫った過去とは打って変わった消極姿勢に、主要紙は「何を隠しているのか」と疑問を投げ掛けた。
• ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ氏が所得公開に応じない理由について「本人の説明より稼ぎが少ない」「ビジネスに問題がある」可能性を指摘した。
• ほかにも「税金を一切支払っていない」「慈善事業に寄付金を出し惜しんでいる」ことが暴露されるのを恐れているとの臆測も飛び交っている。
• トランプ氏は2011年、12年の大統領選に絡んでオバマ氏の出生地や学歴を疑う論争をあおった張本人。ワシントン・ポスト紙は、スロベニア生まれのトランプ氏の夫人メラニアさんが永住資格を取得した経過資料を公開するように求めているが、回答がないと批判的に報じた。
• 民主党候補のクリントン氏は12日、機先を制するように15年の納税申告書を公表。未公開のトランプ氏に圧力をかける狙いが明白だったが、トランプ陣営は、クリントン氏が自身の国務長官時代の私用メール問題から「注意をそらそうとしている」と取り合わない姿勢を見せた。

クリントン氏に新たな疑惑
直系団体が国務省に口利き

• 米大統領選の民主党候補クリントン氏が一族で運営する慈善団体「クリントン財団」の幹部が、大口献金者らのために国務省に口利きをした疑惑が持ち上がった。保守系市民団体が同省に情報公開請求して11日までに判明。さらに追及する構えでクリントン氏は新たな問題を抱えた。
• 疑惑は、クリントン氏が国務長官に在任していた当時、財団側が大口献金者の利益のために、クリントン氏側近や国務省に同省幹部との面会や職の世話を働き掛けていたというもの。
• 2009年4月には、財団幹部が側近らにメールを送り、ナイジェリア系の富豪で同財団に多額の寄付をしている人物が国務省高官に会えるよう依頼したなどとされる。
• メールを入手した市民団体は、クリントン氏が長官在任中は財団の業務に関与しないとした誓約に反し「不適切だ」と批判。CNNは財団と国務省の関係が「なれ合い」だったのではないかと問題視した。共和党のトランプ候補も11日、口利きには大口献金が必要なのだろうと皮肉り「違法だ」と切り込んだ。
• クリントン陣営は口利きへのクリントン氏本人の関与を否定。国務省のトルドー報道部長も11日の記者会見で「不適切だとは考えていない」と擁護した。
• 市民団体はさらなるメールが情報公開請求で出てくるのを待ち、次の手を打つ考えだ。疑惑のやりとりは、クリントン氏がこれまで国務省に全て提出したと説明していた公務に関するメールには含まれていなかった。


TPP反対、選挙後も不変
クリントン氏「職奪う」

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)は11日、中西部ミシガン州で演説し「環太平洋連携協定(TPP)は職を奪う。選挙が終わって大統領になっても反対だ」と強調した。共和党候補のトランプ氏(70)が「クリントン氏は大統領に就任すれば賛成に転じる」としていることに反論した。
• トランプ氏は8日に同じミシガン州で減税などの経済政策を発表した。これについてクリントン氏は「大企業やトランプ氏のような金持ちを対象にした大規模減税だ。米国を景気後退に引き戻す」と非難した。
• 大統領選の鍵を握る激戦州の一つであるミシガン州は、自動車などの製造業が集まる地域だが、企業の海外移転で空洞化が進み、所得水準は全米平均より低い。
• クリントン氏は「大学を卒業することが給料の高い仕事に就く唯一の道であってはならない」と話し、低所得者の職業訓練などにも力を入れると訴えた。富裕層に対する課税を強め、企業に従業員の給料引き上げを促すよう税制改革に取り組むことも改めて表明した。


大統領がイスラム国創設?
トランプ氏がオバマ氏批判

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が、過激派組織「イスラム国」(IS)は「オバマ大統領が創設した」と繰り返し発言している。オバマ政権の失策がISの台頭を招いたと批判する狙いだが、事実関係を無視した挑発的な物言いは、改めて物議を醸しそうだ。
• 民主党有力者のペロシ下院院内総務は11日の記者会見で「信じられない」と述べ、「注目を浴びるためのたわ言だ」と非難。民主党候補クリントン前国務長官の陣営は「トランプ氏が、またもくだらない発言をした。真実を嫌う無知な大統領候補だ」との声明を発表した。
• トランプ氏は10日の演説で、オバマ氏が中東情勢を混乱させたとした上で「オバマ氏はIS創設者。共同創設者は『いかさまヒラリー・クリントン氏』だ」と語り、クリントン氏と合わせて批判した。
• 11日の米テレビのインタビューでも同様の発言を繰り返し、「そう言って何か問題があるのか。本当の事を言っているだけだ」と、悪びれる様子もなかった。
• 11日のワシントン・ポスト紙電子版によると、米共和党の元議員ら75人以上が、共和党が大統領候補トランプ氏と「一緒に溺死するのを回避」するため、同氏支援ではなく11月の大統領選と同時実施の上下両院選での勝利に全力を注ぐようプリーバス全国委員長に求める公開書簡に署名した。


「トランプ氏と溺死」回避 
共和党元議員ら75人が書簡

• 米共和党の元議員や全国委員会元職員ら75人以上が、共和党が大統領候補トランプ氏と「一緒に溺死するのを回避」するため、同氏支援ではなく、11月の大統領選と同時実施の上下両院選での勝利に全力を注ぐようプリーバス全国委員長に求める公開書簡に署名した。ワシントン・ポスト紙電子版が11日報じた。書簡は来週、届けられるという。
• トランプ氏を批判する書簡を最近、民主党のオルブライト元国務長官を含む両党の37人や、ヘイデン元中央情報局(CIA)長官ら共和党政権で安全保障政策に携わった元高官ら50人が相次いで公開。新たな書簡でトランプ氏への逆風が強まった。
• 今回の書簡はトランプ氏の挑発的な発言が有権者を遠ざけていると問題視。「トランプ氏が大統領選で勝利する可能性は日ごとに蒸発している」とし「無能で不人気なトランプ氏が民主党に地滑り的勝利をもたらす可能性がある」と指摘した。

共和切り崩しに専門チーム
クリントン氏、離反組狙い 

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)の陣営は10日、共和党候補のトランプ氏(70)に批判的な同党の有力者に支持を呼び掛ける専門チームを立ち上げると明らかにし、共和党政権の閣僚や政府高官を含む約50人の支持者リストを公表した。
• イラクで戦死した米兵遺族と対立し、暴言が止まらないトランプ氏に反発した共和党員の離反が相次いでいる。クリントン氏側は、反トランプ派を取り込んで共和党の切り崩しを進める考えだ。
• リストには、元閣僚3人や政府高官約20人のほか議員、財界有力者らが名を連ねた。
• 既にクリントン氏支持を表明していたポールソン元財務長官やコンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)らのほか、グティエレス元商務長官やネグロポンテ元国務副長官、父親のブッシュ政権で通商代表を務めたカーラ・ヒルズ氏が新たに加わった。
• クリントン陣営は、トランプ氏には最高司令官に必要な資質が欠如していると批判、「各界のリーダーは党派を超えて国益を優先させる考えだ」として支持拡大に自信を示した。

トランプ氏止まらぬ暴言
失点続き、激戦州で劣勢

• 米共和党大統領候補のトランプ氏から9日、民主党候補クリントン前国務長官の暗殺を促すような暴言が飛び出した。すぐに打ち消したが、批判が相次いだ米兵遺族との対立に続く失点となりそうだ。党内の造反の動きも止まらず、激戦州のほか共和党色が強い州も切り崩され始めている。
• トランプ氏は9日、南部ノースカロライナ州の集会で、銃規制推進派のクリントン氏は武器保有の権利を認めた合衆国憲法修正第2条を廃止したがっていると指摘。クリントン氏が大統領になれば「修正第2条の人々(銃を持つ人々)には手段があるかもしれない」と訴えかけた。
• 米メディアはクリントン氏に対する暴力や暗殺をせき立てる問題発言だとして一斉に報じた。
• トランプ氏は米兵遺族との対立が響き支持率が低迷。8日に経済政策を打ち出し、巻き返しを図るはずだったが、米主要紙に「毒薬」などと酷評され不発に終わった。
• 追い打ちを掛けるように共和党穏健派でベテランのスーザン・コリンズ上院議員が不支持を表明。同党のジェフ・フレーク上院議員は「今のままでは勝てない」と公言した。共和党政権の元高官など相次ぐ造反にトランプ氏は「こんな人たちの支持はいらない」と強気だが、挙党態勢のイメージとは程遠い。
• 11月の本選での重要州を対象としたNBCテレビの世論調査で、クリントン氏は東部ペンシルベニアで11ポイント、中西部のオハイオで5ポイント、アイオワで4ポイントリードした。別の調査では1996年の大統領選以来、共和党が勝っている南部ジョージア州でトランプ氏を逆転。党重鎮マケイン上院議員の地元、西部アリゾナ州での勝利も狙っている。
• ニューヨーク・タイムズ紙電子版は9日、本選でクリントン氏が勝つ確率を86%と分析。「トランプ氏のホワイトハウスへの道は厳しい」と予想した。

トランプ大統領は「危険」
共和党元高官50人が不支持

• 米国のヘイデン元中央情報局(CIA)長官ら共和党政権で安全保障政策に携わった元高官ら50人が8日、党大統領候補トランプ氏は「危険」であり、当選すれば「米国史上、最も無謀な大統領になる」として、11月の本選で「投票しない」と宣言する書簡を公開した。
• 書簡の署名者には、国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏や通商代表部(USTR)の元代表、カーラ・ヒルズ氏らが名を連ねている。
• 書簡はトランプ氏について、規律や思慮深さ、感情の抑制など大統領や軍最高司令官に必要な資質を何一つ持っていないと指摘。「真実とうそを見分けられず、自己抑制に欠け、批判を許容できない」と問題点を列挙し、米軍駐留経費の負担増を迫るなど「同盟国を脅す」姿勢は「常軌を逸した振る舞い」だとした。
• 民主党候補のクリントン氏についても「われわれの多くが疑問を持っている」としつつ、トランプ氏は米国が直面する困難な課題に対する「答えにならない」と強調した。
• 今月4日には、オルブライト元国務長官ら安保分野の専門家ら37人が同様にトランプ氏を批判する書簡を公開した。


所得税ゼロの勤労者増やす
格差是正、雇用創出訴え
トランプ氏が経済政策

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は8日、中西部ミシガン州デトロイトで演説し、所得税の制度を大幅に簡素化し「多くの勤労者の税率をゼロにする」と表明した。低所得層の底上げを公約に掲げる民主党のクリントン前国務長官に対抗し、減税を通じた格差是正や雇用創出をアピールした。
• トランプ氏は「給料の高い雇用を創出する」と強調。環太平洋連携協定(TPP)からの脱退も改めて表明し、クリントン氏を「仕事を奪う巨額の増税を計画している」と厳しく批判した。
• これに対し、クリントン氏は8日、南部フロリダ州での演説で「トランプ氏は大企業と金持ちをとんでもなく優遇している」とやり返した。
• 米国の所得税率は現在、所得額に応じて最低10%から最高39・6%まで7段階。トランプ氏の案は12%、25%、33%の3段階に税率を整理する。12%が適用される所得額を高めに設定し、税金を納めなくても良い勤労者を増やす方針だ。
• これまでは税率を最低10%、最高25%にするとしていたが「富裕層優遇」との批判をかわすために修正したとみられる。ただ、制度の詳細は明らかでなく、格差是正につながるかは不透明だ。
• トランプ氏は現在35%の連邦法人税率を15%に下げることや、相続税の廃止も掲げた。減税による経済活性化を目指すが、税収が落ち込み、財政赤字が一段と増える可能性もある。
• このほか、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの脱退を改めて表明。エネルギー産業への過剰な規制の撤廃や、オバマ大統領の医療保険制度改革(オバマケア)の廃止も訴えた。


トランプ氏、格差是正強調
米選挙、混乱解消は不透明

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏(70)は8日、中西部ミシガン州デトロイトで演説し、所得税の制度を大幅に簡素化し「多くの勤労者の税率をゼロにする」と表明した。低所得層の底上げを公約に掲げる民主党のクリントン前国務長官(68)に対抗し、減税を通じた格差是正や雇用創出をアピールした。
• 格差是正にも強い新生トランプを打ち出そうとした形だ。ただし、具体性に乏しく、戦死米兵遺族との対立を巡り混乱した選挙戦をリセットできるかどうか見通せない。
• 演説は抗議する聴衆に何度も遮られたが、トランプ氏は終始冷静に対処した。毒舌を封じて草稿を読み上げた姿には、11月の本選に向けて態勢立て直しを急ぐ思惑がにじんだ。
• トランプ氏は先月の民主党大会で登壇した戦死米兵遺族に「何一つ貢献していない」と批判され、猛反論。米社会のタブーとされる遺族批判に踏み込んだことで支持率は低下し、共和党からはクリントン氏に乗り換える造反者が相次いだ。
• しかし、満を持して発表した経済政策の評価はいまひとつだ。米メディアは育児費控除などの恩恵を受けるのは一握りと指摘。インフラ支出や減税を賄う財源への言及もなく、政治専門サイト「ポリティコ」は「米国が抱える問題の処方箋は示されなかった」との専門家の話を引用した。


米投資家がトランプ氏接近
献金増で影響力確保か 

• 巨額資金を操る米国の投資家らが、米大統領選の共和党候補トランプ氏に接近し始めた。距離を置いてきた従来の姿勢を一転させ、共和党候補の指名獲得に前後してヘッジファンドが献金を増やしたほか、著名投資家らが経済政策の参謀に就任した。トランプ政権が誕生した場合に政策決定で影響力を持てるようにする狙いがありそうだ。
• 政治資金監視団体「センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス」によると、6月末時点でのファンドによる両陣営への献金額は、民主党候補のクリントン氏が2560万ドル(約26億円)だったのに対し、トランプ氏はわずか2054ドルにすぎなかったという。
• ところが、トランプ氏が指名を獲得した7月に入ると状況に変化が出てきた。トランプ陣営は米経済誌フォーチュンの取材に、7月の献金額は全体で前月比3割増の7千万ドルに増えたと説明。このうち2割は複数のファンドからの献金だといい、急増したもようだ。
• 今月5日に発表したトランプ氏の経済顧問団のメンバーには、著名投資家ジョン・ポールソン氏らファンド関係者が名を連ねた。主に自己資金と個人献金で選挙資金を賄ってきたトランプ氏にとって、ファンドは心強い援軍になるとみられる。
• ただ、トランプ氏は「ウォール街に所有されている」などとクリントン氏がファンドから多額の献金を受けていることを批判してきた。トランプ氏がファンドとの関係を深めれば、自らの発言との整合性を問われる可能性もある。
• クリントン氏は、著名投資家ジョージ・ソロス氏など限られた大富豪からの大口献金に頼っている。「資金面でウォール街に大きく依存している」と言えるかどうかは議論の余地がありそうだ。

トランプ氏、党混乱が拡大
切り崩し狙うクリントン氏

• 11月8日の米大統領選が3カ月後に迫った。ホワイトハウス入りを懸けた二大政党の攻防が本格化する中、共和党のトランプ候補(70)は自らの過激な言動が党内の混乱拡大を招き、大きくつまずいた。支持率で優位に立つ民主党のクリントン候補(68)は反トランプ派の取り込みで共和党の切り崩しを図るが、陣営からのメール流出という不安材料を抱える。
• CNNなど大手メディアの最新世論調査では、クリントン氏は支持率でトランプ氏を10ポイント程度突き放す。政治専門サイトが集計する支持率平均は6日時点でクリントン氏が47・3%と、トランプ氏の40・4%をリード。
• トランプ氏はイラクで戦死したイスラム教徒の米兵の両親を侮辱したとして非難された問題が痛手となった。
• 共和党では、この問題を巡るライアン下院議長ら有力者の苦言にトランプ氏が反発し、対立が激化。「トランプ氏を候補にしたのは歴史的な過ち」(元下院議員)と反感が広がり、投票拒否を表明する動きが加速した。
• クリントン氏への投票を公言する議員まで現れ、党重鎮は「トランプ氏はこのままでは大統領になれない」と断言、選挙戦の立て直しを求める。
• 一方、民主党は早くも当選後の閣僚人事のうわさが漏れ、余裕がうかがえる。クリントン氏は夫が大統領に当選した1992年も実施した「バスツアー」で激戦州を回り、トランプ氏支持者が多い労働者層を中心に票を掘り起こす。選対関係者はトランプ氏支持をためらう共和党員に造反を促し、さらなるリードを狙う。
• 民主党の悩みはロシアが関与したとされるサイバー攻撃で、党内のメールが大量流出した問題。一部を内部告発サイト「ウィキリークス」が公開し、党幹部が、候補指名争いの過程でクリントン氏に肩入れしていたことを示唆する内容が含まれていたため全国委委員長が辞任に追い込まれた。同サイト代表のアサンジ容疑者は今後も情報を暴露する構えで、内容次第でクリントン氏が打撃を受ける恐れがある。
• 両候補が顔を合わせる討論会は9月26日から3回予定され、直接対決に全米の関心が集まる。

共和党の不満組取り込みへ
クリントン陣営が誘い水

• 米民主党大統領候補のクリントン前国務長官が、共和党候補トランプ氏に嫌気がさしている共和党有力者の取り込みに力を入れ始めた。トランプ氏が米兵の遺族と対立して批判にさらされているため、党内からの離反を促す好機とみているようだ。ただ依然としてクリントン氏への有権者の不信感は根強く、支持拡大につながるかは不透明だ。
• クリントン氏は5日、首都ワシントンでの講演で、トランプ氏について「分断と憤りを強調してばかりで、米国民の思いを代弁していない」と訴え、大統領にするのは危険だと指摘した。
• トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)への関与縮小や移民への排斥主義的な発言が共和党内で不興を買った。クリントン陣営はトランプ氏の外交、経済政策を公然と批判している共和党有力者を探し、支持を呼び掛ける専門チームを本格始動させた。
• クリントン氏本人も共和党の大口献金者でコンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)に電話をかけ、支持取り付けに成功。ホイットマン氏は「安定感のある希望に満ちた指導者が必要だ」と強調した。
• 共和党有力者ではこれまでに、ポールソン元財務長官やアーミテージ元国務副長官もクリントン氏支持を打ち出した。
• 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した世論調査では、両候補の8月5日時点の支持率の平均で、クリントン氏がリードを6・8ポイントに広げた。
• 共和党関係者はワシントン・ポスト紙に、党内のクリントン氏嫌いも根強く「共和党員からは多くの票は得られないだろう」と指摘。一方でクリントン陣営関係者は同紙に、支持層を従来以上に拡大できる可能性があり、これに「全力を挙げる」と述べた。


共和党有力者を一転支持
トランプ氏

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏は5日、11月の上下両院選で改選を迎える党有力者ライアン下院議長と党重鎮のマケイン上院軍事委員長を候補として支持すると表明した。これまで支持を拒否していたが、態度を一変させた。
• 党内からトランプ氏に批判が噴出し、支持率が下降するなど影響が出たためとみられる。
• トランプ氏は中西部ウィスコンシン州での演説で「われわれは団結しなければならない」としつつ「友人として意見の相違はある」とも述べた。ライアン氏は同州が地元だが、演説会場に姿を見せなかった。両氏の間にはまだしこりが残っているとみられる。


元高官がトランプ氏批判
「米国の安全脅かす」

• モレル元米中央情報局(CIA)副長官は5日付のニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、共和党の大統領候補トランプ氏は「大統領に不適格なだけでなく、米国の安全保障を脅かしかねない」とし、11月の大統領選では民主党候補のクリントン前国務長官を全力で支持すると表明した。
• オルブライト元国務長官ら民主、共和両党の元閣僚や元政府高官ら37人がトランプ氏を厳しく批判する書簡を4日に公開したばかり。同氏への風当たりが強まっている。
• 民主、共和両政権の大統領に仕えてきたモレル氏は「政府当局者として大統領の好みを口にしたことはなかったが、それも終わりだ」とし、クリントン氏は「大統領になるための非常に優れた資質を持っている」と評価した。


信頼欠如、深刻に受け止め
クリントン氏、回復に努力

• 米民主党大統領候補のクリントン氏は5日、国務長官時代の私用メール問題が響き世論調査で「信頼できない」との回答が多いことについて、「深刻に受け止めている。そう言われることに良い気はしない」と述べ、11月の本選に向けて信頼回復に努める考えを強調した。
• 首都ワシントンで黒人とヒスパニック(中南米系)のジャーナリスト協会が合同で主催した会合で語った。
• クリントン氏は、大統領選での勝利に自信を示し、就任すれば移民制度改革を最優先事項に掲げて、できるだけ早く関連法案を議会に提出すると説明。大統領選と同時実施の上下両院選で民主党の議席数を伸ばし、共和党に採決を迫りたいとした。

トランプ氏は「恥ずべき」
安保政策で元長官ら書簡

• 米国のオルブライト元国務長官やパネッタ元国防長官など安全保障の専門家ら37人が4日、大統領選の共和党候補トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)防衛への関与を縮小する考えを示したことを問題視し、公開書簡で「恥ずべきだ」と厳しく批判した。
• 民主党の両元長官のほか、共和党のブッシュ前政権の高官も含まれ、トランプ氏の見識や指導者の資質を疑う声の広がりを示した。
• トランプ氏は先月、米国も加盟するNATOのメンバー国が攻撃を受けても米国が必ず防衛義務を果たすわけではないとの考えを表明。ロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に編入したことを容認するような発言もして物議を醸した。
• 37人はこうした姿勢のほか、民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを使った問題でトランプ氏がロシアにハッキングを呼び掛けたことも非難した。
• 書簡は「トランプ氏の発言は極めて浅はかだ」と批判。「両党の歴代大統領が支持してきた価値観や安全保障上の国益に背く」と訴えた。


トランプ氏に核委ねられず
オバマ氏、再び痛烈批判

• オバマ米大統領は4日、共和党の大統領候補トランプ氏が米軍最高司令官として核兵器を委ねられる人物かを問われ、「彼の発言を聞いて、核を管理する能力があるか考えることだ」と指摘、同氏の資質にあらためて疑問を呈した。
• 過激派組織「イスラム国」(IS)対策を協議する国家安全保障会議(NSC)開催後の記者会見で述べた。オバマ氏は2日もトランプ氏について「大統領として不適格。情けないほど準備ができていない」と痛烈に批判していた。
• オバマ氏は4日の会見で、トランプ氏と、オバマ氏が支持を表明した民主党候補クリントン氏について「1人を私は大変高く評価している。もう1人についてはそうではない」と説明した。
• その上で、大統領職は「真剣な仕事だ」と強調。核政策を大統領に報告する国防長官や軍高官らは「米国を守るための気質を持ち、的確な判断ができる人物を必要としている」と述べた。
• また、トランプ氏が米情報機関による機密情報の説明を受けることに関しては、「大統領らしく振る舞うのなら、説明の内容を話して回らないはずだ」と皮肉った。

重鎮がトランプ氏に苦言
共和党内で不安拡大

• 米大統領選の共和党候補トランプ氏が米兵の遺族と対立している問題で、党重鎮のギングリッチ元下院議長は3日、民主党候補のクリントン前国務長官を利するだけだと苦言を呈した。トランプ氏の資質に対する不安が共和党内で拡大している。
• ギングリッチ氏は、米メディアに対し「今のトランプ氏は自滅的だ」と指摘。「クリントン氏の勝利に手を貸している。今のままでは大統領になれない」と強調した。
• 8年ぶりの政権奪還の目標に打撃を与えかねないトランプ氏の振る舞いに、共和党全国委員会のプリーバス委員長もいら立ちを募らせ、ABCテレビによると2日には電話で直接不満を伝えた。
• 大統領選と同時実施の上下両院選で再選を目指す党有力者ライアン下院議長や党重鎮マケイン上院議員をトランプ氏が現時点では支持しない考えを示したことも問題視されている。副大統領候補のペンス氏は3日、ライアン氏支持を表明したが、党内の不満を和らげられるかは見通せない。
• ただ、トランプ氏だけでなくクリントン氏も好感度は低く、支持に消極的な市民が多い。このため、両党候補ではない「第3の選択肢」として注目を集めるのが、小さな政府を提唱するリバタリアン党だ。有権者の受け皿になれば選挙戦に影響を与える可能性もある。
• リバタリアン党大統領候補のジョンソン元ニューメキシコ州知事は3日、CNNテレビ主催の対話集会で「トランプ氏とクリントン氏のどちらが当選しても米国はかつてないほど分断するだろう」と支持を呼び掛けた。
• ジョンソン氏は2012年の前回大統領選にも出馬した。得票率は約1%にとどまったが、今回の大統領選ではFOXニュースの最近の世論調査で12%の支持を得るなど存在感を増している。


「トランプ商品は中国製」 
クリントン氏が批判

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官は3日、西部コロラド州のネクタイ製造会社を訪問し、共和党候補のトランプ氏が「職を取り戻す」と訴えながら自社製品は海外拠点で製造していると批判。「なぜトランプ・ブランドのネクタイは中国でつくられているのか」とやゆした。
• クリントン氏は、トランプ・ブランドのネクタイを掲げ、「米国を再び偉大にすると言うなら、米国で物をつくることから始めるべきだ」と指摘。米国の労働者の雇用機会を奪っていると主張した。
• 一方のトランプ氏は南部フロリダ州の集会で、過激派組織「イスラム国」(IS)の「創始者」とクリントン氏を非難した。数日前には同氏を「悪魔」にたとえていただけに、米紙はトランプ氏の暴言が「トーンダウンした」と報じた。

米軍批判に「心底嫌気」
大統領、トランプ氏に反論

• オバマ米大統領は1日、南部ジョージア州での退役軍人との集会で「最高司令官として、米軍や部隊をけなす人々に心底嫌気がさしている」と述べ、共和党の次期大統領候補に指名され、米軍や戦死者遺族を批判して波紋を広げているトランプ氏(70)を非難した。
• トランプ氏は米軍を「劣化している」と批判したほか、先月開催の民主党大会で、国のために同氏は「何一つ犠牲にしていない」と指摘した戦死者遺族に反論して対立。遺族は共和党に指名撤回を求めている。
• オバマ氏は1日の集会で「戦死者遺族ほど自由と安全のために犠牲を払っている人々はいない」と強調。「何千人もの雇用を生んだ」と自らも犠牲をささげているとのトランプ氏の主張を否定した。
• 米国社会のタブーとされる戦死者遺族との対立を招いたことで「党がトランプ氏を大統領候補に指名したからといって、不当に(戦死者遺族の)名誉を傷つけてよいわけではない」(党重鎮のマケイン上院議員)と党内からも指導者の資質を疑う声が相次いでいる。
• 一方、民主党候補クリントン前国務長官(68)への風当たりも強い。長官時代の私用メール問題で「私が誠実だと連邦捜査局(FBI)も認めた」と“強弁”し、批判が再燃。「結束は力」を訴えた党大会の効果で支持率は上昇したが、好感度は低調で、不信感払拭の道は険しい。
• CNNテレビが1日発表した最新の世論調査によると、クリントン氏の支持率は52%でトランプ氏の43%を9ポイント上回り、共和党大会後に一時リードを許していたトランプ氏を抜き返した。
• ただ、クリントン氏を「好ましくない」と答えたのは53%で、前回と比べわずか2ポイント減にとどまった。「信用できない」としたのは4ポイント減の64%で、さほど大きな党大会効果は認められない。
• トランプ氏に好意を持てないと回答したのは61%。より嫌われている対立候補の敵失に救われている面もありそうだ。


かかとの損傷、徴兵免除
ベトナム戦争でトランプ氏

• 米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は1日、米大統領選共和党候補の実業家トランプ氏がベトナム戦争中の1960年代後半、かかとに生じた骨の損傷を理由に徴兵を免除されていたと報じた。
• 徴兵逃れを示す証拠はないが、深刻な病気だった様子もない。トランプ氏は、米陸軍大尉だった次男(27)=当時=をイラクで亡くした夫婦を中傷したとして批判を浴びている。詳しい実態が明らかになれば、大統領としての資質を問う声が出てくる可能性もある。
• 同紙によると、トランプ氏はベトナム戦争中、計5回徴兵を延期された。うち4回は高等教育機関に在学中であることを理由にしたが、68年に大学を卒業した際、かかとの骨の損傷を訴えた。トランプ氏は医師から診断書をもらったと明らかにしている。
• だが、痛みについて「一時的で、軽症」だったと説明し、診断書を書いた医師の名前は覚えていないと主張した。同紙は医師の診断書を見せるよう求めたが、トランプ氏側は応じていない。


クリントン氏は「悪魔」
トランプ氏が暴言 

• 米大統領選共和党候補の実業家トランプ氏は1日、東部ペンシルベニア州での集会で、民主党候補のクリントン前国務長官を「悪魔」と呼んだ。数々の暴言で知られるトランプ氏だが、AP通信によるとクリントン氏自身を悪魔に例えるのは初めて。
• トランプ氏は演説で、クリントン氏と民主党指名争いを最後まで競ったサンダース上院議員に言及。クリントン氏支持を表明したことについて「彼は悪魔と取引した。彼女(クリントン氏)は悪魔だ」と、繰り返し痛烈に批判した。
• トランプ氏は、本選を約3カ月後に控え、攻撃をエスカレート。高校の体育館であった集会には支持者らが詰め掛け、場外にも人があふれた。


クリントン氏に批判再燃
メール問題、好感度は低調

• 米大統領選の民主党候補クリントン前国務長官(68)が長官時代の私用メール問題で「私が誠実だと連邦捜査局(FBI)も認めた」と“強弁”し、批判が再燃している。「結束は力」を訴えた党大会の効果で支持率は上昇したが、好感度は低調。共和党候補のトランプ氏(70)と対決する本選まで約3カ月。不信感払拭の道は険しい。
• クリントン氏は7月31日の米FOXテレビのインタビューに登場した。長官在任時に私用メールで機密を送受信したことが「重要情報をやりとりしていない」とした以前の主張と矛盾することを問われ、当時は機密扱いでなかったと釈明。調査に当たったFBIも、同氏が一貫した説明をしてきたと理解していると強気の表情で語った。
• 起訴こそしなかったが、実際にはFBIのコミー長官が7月の記者会見で「極めて軽率」とクリントン氏の対応を疑問視。議会公聴会でも同氏の説明は「真実ではない」と断言していた。
• 米紙ワシントン・ポストは、クリントン氏の対応を「ご都合主義」と批判。うそつき度を示す「ピノキオ・マーク」を最多の四つ付与した。

「憲法読んだか」で大波紋
イスラム系戦死米兵遺族
トランプ氏批判、党内にも

• 「憲法を読んだことがあるか。なければ私の一冊をお貸ししよう」。米民主党大会閉幕の7月28日、右手にポケット版の米国憲法を掲げ、共和党の大統領候補トランプ氏を真っ向から批判した無名の男性が、選挙戦に大きな波紋を広げている。
• 南部バージニア州の60代の法律家キズル・カーンさん。2004年6月に陸軍大尉だった次男(27)=当時=をイラクで亡くした。パキスタンから1980年に移住後、米国籍を取得。移民やイスラム教徒などに差別的なトランプ氏は自由と平等など米国の基本的な価値観を理解しておらず、息子を亡くした自分と異なり国のために「何一つ犠牲を払っていない」と非難した。
▽ 侮辱
• トランプ氏は7月30日の米ABCテレビで「懸命に働き、何千人もの雇用を生んだ」と反論。それが国にささげた犠牲かと問われると「犠牲だと思う」と述べた。さらに、カーンさんの妻ガザラさんが党大会の場で何も語らなかったことに、女性が抑圧されているとの印象が強いイスラム社会を念頭に「しゃべるなと言われていたのではないか」と疑問を提示。これがソーシャルメディアなどで広まり、戦死者の遺族に対する侮辱と受け止められた。
• ガザラさんは同31日、米紙ワシントン・ポストに寄稿し「会場で息子の大きな映像を見て、自分を抑えられなくなった」と無言の理由を説明。「トランプ氏はイスラムを語ると無知をさらけ出す。犠牲という言葉の意味も知らない」とこき下ろした。
• カーンさんも米CNNテレビで「道徳的な指針と思いやり。トランプ氏には指導者に不可欠な要素が二つとも欠けている。どす黒い心の持ち主だ」と述べ、米共和党指導部に指名撤回を求めた。
▽ 疑問
• 同紙によると、共和党の重鎮グラム上院議員は「米国政治には聖域があり、戦死者遺族の批判はしないことになっていた」と述べるなど、党内にもトランプ氏の資質を改めて疑問視し、距離を置く声が広がっている。
• トランプ氏は「見ず知らずの人に筋違いの批判をされるいわれはない」と強気の姿勢を崩していない。だがニューヨーク・タイムズ紙は、戦死者遺族との対立を招いたことは、民主党のクリントン候補と互角となっている大統領選の「風向きを変える発火点になり得る」と分析した。


トランプ氏、日程変更要求
テレビ討論会巡り神経戦

• 11月の米大統領選を前に、民主党候補クリントン氏と共和党候補トランプ氏が直接対決するテレビ討論会の日程を巡り、トランプ氏陣営が変更を要求、主催する超党派の委員会が突っぱねる騒ぎになっている。日程は約1年前に決まっており、トランプ氏は神経戦を仕掛ける意図もありそうだ。
• 両党の元幹部や引退した政治家でつくる主催委員会は昨年9月、討論会を今年9月26日と10月9日、同19日の計3回実施すると発表。その後、初回と2回目が米プロフットボールNFLの試合日とたまたま重なった。
• トランプ氏は最近になって、この日程では討論会を見る人が減り「やる気が出ない」などと主張。共和党全国委員会のプリーバス委員長らは主催委側と日程再考を協議する意向を示した。
• これに対し主催委は7月31日、「全てのスポーツ行事を避けて日程調整するのは困難」と変更を拒否。トランプ氏陣営は、日程変更を求めないクリントン氏は多くの人が討論会を見るのを望んでいないなどと挑発したが、クリントン氏は取り合わず31日、討論会に「出席する」と明言した。


「ロシアがサイバー攻撃」
クリントン氏断言 

• 米民主党大統領候補クリントン氏の陣営が使用するコンピューターがサイバー攻撃を受けたことに関連し、同氏は「ロシアの情報機関が民主党全国委員会をハッキングしたことを私たちは知っている」と述べ、ロシア政府の関与だと断言した。31日放送のFOXニュースのインタビューで語った。
• この問題では連邦捜査局(FBI)や司法省が捜査に着手。情報当局が、ロシア政府が関与している可能性が高いとホワイトハウスに報告したとの報道があるが、米政府はロシアを公然とは非難していない。
• クリントン氏はロシアが大統領選に影響を与えることに警戒感を示すとともに、共和党候補のトランプ氏がロシアのプーチン大統領を称賛してきたとして不快感を表明した。


ドナルド・トランプ氏

ヒラリー・クリントン氏
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