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更新:3月28日

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米最高裁で少女像訴訟敗訴
日系人の上告退け

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが像の撤去を市に求めた訴訟で、米連邦最高裁は27日、原告の上告を却下し、日系人住民の敗訴が確定した。
• 訴訟を巡っては日本政府も2月22日付で「上告審が認められるべきだ」とする意見書を提出していたが、審理は行われず門前払いとなった。
• 原告の目良浩一代表は「今後は別の方法で(像の)撤去ができるように努力していきます」とする声明文を出した。
• グレンデール市の少女像は、韓国系米国人の団体などが2013年に設置。日系人らは像の設置は連邦政府だけが持つ外交権限を侵害するなどとして提訴した。一審、二審とも原告の訴えは認められず、原告は今年1月に上告していた。
• 原告はカリフォルニアの州裁判所でも訴訟を起こしていたが、昨年12月に二審で敗訴し、上告せずに終了したという。

慰安婦少女像訴訟で意見書 
米連邦最高裁に外務省

• 外務省は28日までに、慰安婦を象徴する少女像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが撤去を求めた訴訟を巡り、米連邦最高裁に「上告審が認められるべきだ」とする意見書を提出した。
• 外務省によると、提出は22日付。政府は韓国・釜山での少女像設置に対抗し駐韓大使を一時帰任させており、こうした立場を明確にするために異例の意見書提出に踏み切ったとみられる。
• 意見書は、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的解決で一致した2015年12月の日韓合意を米国も支持していると指摘。同時に像設置は、国際社会で互いに非難や批判を控えるとした合意の精神に反するとした。
• グレンデール市の少女像は、韓国系米国人の団体などが13年に設置。日系人らが撤去を求めて連邦地裁に提訴したが、一、二審とも認められず、今年1月に上告した。

米南部に慰安婦少女像か
韓国系団体が4月設置

• 韓国系米国人の団体が9日、米南部ジョージア州アトランタで記者会見し、米国の公民権運動や世界の人権問題を扱うアトランタの施設に4月、従軍慰安婦問題を象徴する少女像を設置する予定だと明らかにした。聯合ニュースなどが伝えた。
• 同団体は約3年前から準備を進め、設置する少女像はほぼ完成しているという。会見には、慰安婦問題で日本政府に謝罪を求めてきた日系のマイク・ホンダ前下院議員も同席した。
• 米国ではロサンゼルス近郊に少女像が設置されているほか、サンフランシスコにも9月に設置される予定。

少女像設置を承認
米サンフランシスコ市 

• 米西部カリフォルニア州サンフランシスコ市当局は8日までに、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像と碑文の設置を承認した。地元メディアなどが報じた。同市内の中国人街に9月に設置される予定だという。
• 承認された碑文には「この記念碑は、1931~45年にアジア太平洋の13カ国で婉曲的に『慰安婦』と呼ばれ、日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証人だ」と英語で書かれるという。像は背中合わせに手をつなぐ3人が柱の上に立ち、脇にチマ・チョゴリ姿の女性が立つデザイン。
• 元慰安婦や遺族らは「日本が戦時中の行為について一度も悔い改めていない」として、像は必要だとしている。
• サンフランシスコ市議会は2015年、設置を市当局などに促す決議を採択。市芸術委員会が今月6日に碑文の内容を承認した。芸術委員会には設置に反対を唱える200以上の電子メールが寄せられた。大半は日本からだった。
• 米国では同州ロサンゼルス近郊にも少女像が設置されており、南部バージニア州などには旧日本軍の従軍慰安婦について記した石碑がある。

大使帰任、当面見送り
慰安婦少女像で政府
「韓国の努力」条件

• 日本政府は19日、韓国・釜山の日本総領事館前の慰安婦少女像設置に対抗するため一時帰国させた長嶺安政・駐韓大使の帰任について、当面見送る方針を固めた。韓国が慰安婦問題に関する日韓合意の精神に基づき解決に努めなければ、帰任の条件は整わないと判断した。韓国では日韓合意の破棄を求める声が高まっており、両国のすれ違いは長期化する可能性が出ている。
• 政府筋は9日から日本に滞在する大使の帰任時期に関し「韓国が何もしないのに大使を戻したら、日本国内から何を言われるか分からない。ボールは韓国にある。こちらが帰す時期を決める話ではない」と記者団に強調した。外務省高官も「何も決まっていない。まず韓国が何かしなければいけない」と述べた。朴槿恵大統領の職務停止で機能不全に陥っている韓国が、日本の求めにどこまで応じるかが今後の焦点になる。
• また菅義偉官房長官は記者会見で、釜山の日本総領事館前に建てられた少女像の永久保存を訴えた釜山市東区の朴三碩区長について「極めて遺憾だ。韓国に粘り強く、合意の着実な実施を強く求めたい」と批判した。
• 複数の政府関係者によると、外務省内で19日までに早期帰任を求める声が上がったのに対し、官邸筋が「国民が納得しない」と難色を示した。安倍晋三首相の意向を踏まえた対応とみられる。首相は同日午前、岸田文雄外相と官邸で会談した。
• 外務省では、長嶺氏が一時帰国した直後から「北朝鮮をにらんだ日韓協力に影響しないよう数日中にソウルに戻すべきだ」(同省筋)との意見が出た。一部の幹部は今週までに帰国する可能性に言及していた。

竹島での少女像「不適切」
韓国知事、領有権は強調

• 韓国北西部の京畿道議会の議員らが、従軍慰安婦を象徴する少女像を島根県の竹島(韓国名・独島)に設置する活動を始めたことを巡り、韓国で竹島を管轄する南東部慶尚北道の金寛容知事は18日の記者会見で、島の韓国領有権を主張した上で「設置は不適切だ」と述べた。聯合ニュースが伝えた。
• 金氏は「韓国は独島を実効支配し占有しており、対内外的に韓国領土であることは確認されている」と主張。一方で「少女像の設置推進は良いが、場所は慎重に検討すべきだ。感情的にではなく冷静に対処する必要がある」と指摘、「独島は自然豊かな地域で、そうした点も考慮しなければならない」と述べた。
• 道議らの像設置計画を巡り日本政府は17日、韓国側に強く抗議。岸田文雄外相が「竹島はそもそもわが国固有の領土だ」と反発したのに対し、韓国外務省が「不当な主張だ」と非難する報道官論評を発表した。
• 日本政府は釜山の日本総領事館前の少女像設置を受けて長嶺安政・駐韓大使らを一時帰国させており、韓国側の対応などをみて帰任時期を判断する方針だ。

少女像、竹島に設置計画
韓国の地方議員ら

• 韓国北西部の京畿道議会の超党派議員34人でつくる団体は16日、従軍慰安婦の被害を象徴する少女像を、島根県の竹島(韓国名・独島)と道議会に設置するため募金運動を始めると表明し、道議会に募金箱を設置した。聯合ニュースによると竹島には今年12月の設置を目指す。
• 韓国で竹島を管轄するのは南東部の慶尚北道。京畿道議らの活動が像設置につながるかは不明だが、運動が進めば日韓関係はさらに冷え込むとみられる。
• 活動に取り組む道議は16日、昨年末に在釜山日本総領事館前に少女像が設置され、日本政府が撤去を求めていることに触れ「日本は歴史を隠すことにきゅうきゅうとしているが、深くざんげすべきだ」と主張した。


少女像「永久保存」検討
釜山の地元区長

• 韓国・釜山の日本総領事館前に設置された従軍慰安婦の被害を象徴する少女像を巡り、現場の道路を管轄する釜山市東区の朴三碩区長は17日、像を「永久的に保存・管理する手だてが必要だ」と述べ、設置した市民団体と協議する意向を表明した。聯合ニュースが報じた。
• 東区は昨年12月28日、団体が像を設置しようとした際、「不法設置物」として撤去した。これに抗議が相次ぎ、同30日に一転して設置を認めた。朴氏は保存・管理の方法として現場の防犯カメラの設置を例に挙げた。
• 日本政府は像設置に抗議し、長嶺安政・駐韓大使を今月9日に一時帰国させた。地元自治体が像の「固定化」を目指す立場を鮮明にしたことで問題は長期化しそうだ。
• 聯合ニュースによると、像を設置した団体は、朴氏の表明を歓迎し、保存には法や条例制定が必要だと主張した。

駐韓大使、来週にも帰任
首相帰国後に最終判断
慰安婦像問題で対応促す

• 政府は、韓国・釜山の日本総領事館前の慰安婦少女像設置に対抗して一時帰国させた長嶺安政・駐韓大使について、東南アジアなどを歴訪中の安倍晋三首相が17日に帰国後、今後の対処方針を確認した上で来週にもソウルに帰任させる方向で調整に入った。森本康敬・釜山総領事も同じタイミングで帰任させる。複数の政府関係者が13日、明らかにした。
• 大使は今月9日に帰国した。政府関係者は「召還ではなく、対応を協議するための帰国だ」と説明。韓国側に問題解決に向けた取り組みを促すためにも、駐韓大使の不在長期化は好ましくないと判断しているもようだ。
• 韓国の尹炳世外相は13日、同国国会で「国際社会では外交公館前に施設や造形物を設置するのは望ましくないというのが一般的だ」と述べ、撤去を求める日本側の主張に理解を示した。こうした韓国側の姿勢も考慮したとみられる。
• ただ、政府内では早期帰任に異論も残っているとされ、韓国側で問題解決に逆行する発言や対応があれば、帰任が先延ばしになる可能性もある。
• 日本政府は2012年8月の李明博大統領(当時)による島根県・竹島上陸後にも当時の駐韓大使を一時帰国させた。この際は12日後に帰任させたが、その間に李氏が天皇陛下訪韓に絡み謝罪を求める発言をし、事態が悪化した経緯がある。
• 首相は今月10日のインタビューで大使の帰任時期について「総合的に判断したい」と強調。同時に韓国との安全保障協力の重要性を指摘し「隣国であるが故に問題が起こることもあるが、コントロールしていくことが求められている」と語った。


潘氏、10億円「返還を」 
少女像撤去が条件なら

• 韓国紙、中央日報は13日、同国大統領選に出馬意欲を見せている潘基文・前国連事務総長が、従軍慰安婦問題の日韓合意で日本が韓国に拠出した10億円について、ソウルの日本大使館前の少女像撤去が条件なら「(合意は)間違ったものだ。それならいっそ金は返してやらねば」と述べたと報じた。
• 12日に韓国に移動した機内で語ったという。
• 一方尹炳世外相は13日、国会で「国際社会では外交公館前に施設や造形物を設置するのは望ましくない。韓国の海外公館のそばに造形物などが設置されると、われわれも同じように困ったことになる」と述べ、大使館や釜山の日本総領事館前の像撤去を求める日本側の主張に理解を示した。
• 日本側は韓国が10億円の支払いに対応し大使館前などの像を撤去すべきだとしている。10億円の返還は、大使を一時帰国させた日本政府に反発した最大野党「共に民主党」幹部も主張している。
• 潘氏は2015年末の日韓合意直後、朴槿恵大統領に合意を称賛したが、12日に帰国した空港では、不十分なものだとして追加協議の余地があるとの考えを表明した。
• 尹氏は国会で、日韓合意に「弱い面」があり、今回の像設置で顕在化したと指摘した。
• 韓国政府は合意履行の意思を強調しているが、日本の像撤去要求に応じる態度は見せていない。聯合ニュースによると、元慰安婦らの福祉行政を担う姜女性家族相は12日、釜山の少女像について「政府が法的な枠内で関与する根拠が足りない」と述べた。


潘氏「分裂した国一つに」 
次期大統領選に意欲表明
日韓合意で再協議示唆

• 国連事務総長を退任した潘基文氏(72)が12日、米ニューヨークから韓国に帰国した。仁川国際空港で記者会見し「分裂した国を一つにまとめるのに身を燃やす覚悟だ」と述べ、次期大統領選への出馬意欲を改めて表明。弾劾訴追された朴槿恵大統領(64)に対する退陣要求集会を称賛し、朴氏と距離を置く姿勢を鮮明にした。
• 従軍慰安婦問題での日韓合意に関し「究極的には、おばあさん(元慰安婦)の恨みを解ける水準であるべきだ」と述べ、何らかの追加協議もあり得るとの考えを示唆した。釜山の日本総領事館前の少女像設置を巡る日韓対立で硬化した国内世論を意識したとみられる。
• 次期大統領選は憲法裁判所が朴氏罷免を決定すれば、本来の12月から大幅に前倒しされる可能性がある。潘氏は、弾劾訴追につながった大規模な退陣要求集会を「広場の民心の奇跡だ」とたたえた。どの政党と組むかは明らかにしなかった。
• 最大野党「共に民主党」から出馬を目指す文在寅前代表(63)が勢いを増す中、与党セヌリ党や離党組、第2野党「国民の党」が潘氏擁立を模索、韓国は選挙モードに突入する。潘、文両氏のほか「国民の党」の安哲秀元共同代表(54)、共に民主党の李在明・城南市長(52)らが有力候補と目されている。
• 米司法当局は10日、海外のビル売却に絡み賄賂を贈ろうとしたとして潘氏の弟とおいの起訴を公表、潘氏は悪材料を抱えての帰国となった。故郷の忠清北道訪問や市民との対話などを通じ、親族の不祥事に対する世論の反応や、政局の流れを見極める見通しだ。
• 潘氏自身も過去に裏金を受け取った疑惑が報じられており、共に民主党の報道官は12日、「国民の疑念は大きい。物議を醸す潘氏に、韓国の未来を語る資格があるのか」と批判した。


日韓の防衛協力維持
少女像問題と区別

• 岸田文雄外相は11日、韓国・釜山の日本総領事館前の慰安婦少女像設置に対抗して一時帰国させた長嶺安政・駐韓大使から情勢報告を受けた。政府は北朝鮮対応では韓国と防衛協力を維持する方針。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性を繰り返し示唆しているのを踏まえ、少女像問題と区別して日韓や日米韓の連携を継続したい考えだ。
• 岸田氏は欧州訪問から11日に帰国し、外務省で長嶺氏や森本康敬・釜山総領事と協議した。その後、記者団に「今後の対応については安倍晋三首相も含め、しっかり検討していきたい。総合的に判断したい」と語った。長嶺氏の帰任時期に関しては、少女像に関する韓国側の対応を見極めて判断する。
• 政府は、北朝鮮がICBMの初の発射実験をちらつかせているため警戒を強化。米国が政権移行期に入っており、日韓や日米韓の安全保障面での連携に支障がないようにしたい意向だ。
• 少女像問題では、日韓対立の長期化回避には、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」で一致した2015年末の日韓合意の着実な履行が必要だと求め続ける。
• 首相は10日のインタビューで、韓国との安全保障協力の重要性を指摘。「隣国であるが故に問題が起こることもあるが、コントロールしていくことが求められている」と語った。


大使帰任「総合判断」 
首相、韓国対応見極め
合意破棄要求に懸念

• 安倍晋三首相は10日午後、慰安婦少女像問題を巡る韓国の動向に反発して一時帰国させた長嶺安政・駐韓大使の帰任時期に関し、韓国政府の対応を見極めて判断する意向を明らかにした。共同通信のインタビューに答えた。少女像撤去に向けた韓国の解決努力も盛り込んだ日韓合意を念頭に「総合的に判断したい」と強調。韓国で強まる合意破棄要求に懸念をにじませた。
• 首相は午前、長嶺氏と官邸で面会し、韓国情勢の報告を受けた。今後の対処方針について協議したとみられる。菅義偉官房長官も記者会見で、帰任時期について「今後の諸状況を総合的に判断して検討していきたい」と述べた。
• 日韓合意への取り組みに関し、首相はインタビューで「私たちは誠意を持って約束を実行している。当然韓国側もそうした判断をしてくれると考えている」と述べ、合意を誠実に履行するよう韓国に求めた。日本が支援金10億円を拠出したように、朴槿恵政権も合意の精神を尊重して釜山に新設された少女像を移転すべきだとの認識を示した発言だ。
• 韓国野党などの合意破棄要求に関連し「元に戻してしまえば、お互いの信頼の基礎に関わる問題ともなりかねない」と指摘した。「私も首相として国内的な批判を受ける中でも、約束は実行しようとの決意で実行してきた」と、朴政権に事態打開に努めるよう促した。
• 首相は日韓関係の基礎に置く理念として、幕末から明治時代に活躍した勝海舟の言葉「正心誠意」を挙げた。「権謀術数に優れた勝海舟がたどり着いたのはそこだ。日韓合意についても正心誠意、私たちの義務を果たしたい」と語った。
• 政府は韓国の次期大統領選の有力候補らが合意に反対している現状を受け、韓国情勢の分析を本格化させる。大統領選は朴大統領の弾劾訴追に伴い、大幅に前倒しされる可能性がある。「ポスト朴」政権が合意破棄を宣言する展開も想定し、対処方針の策定を進める考えだ。


駐韓大使が一時帰国
慰安婦少女像設置に対抗
きょうにも首相へ報告
北朝鮮対応、悪影響懸念

• 政府は9日、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦被害を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として、長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事を一時帰国させた。長嶺氏は10日にも安倍晋三首相に現状を報告し、今後の対処方針について指示を受ける見通しだ。両国の対立が長期化すれば、北朝鮮対応のため強化してきた日韓や日米韓の連携に悪影響が出る懸念もあり、首相の判断が焦点となる。
• 大使の一時帰国は召還に次ぐ強い抗議を示す措置。日韓外交筋によると、帰国期間は数日から1週間程度とみられるが、その間に日本政府が求める少女像撤去の動きがある見通しはない。
• 韓国側の新たな措置がないまま長嶺氏が帰任すれば、自民党の保守派などから日本政府への不満が出る可能性もある。
• 長嶺氏は韓国の金浦空港で記者団に少女像設置について「極めて遺憾だ。これから一時帰国し、日本で関係者と打ち合わせを行う」と述べた。長嶺、森本両氏は9日午後、外務省に入り、金杉憲治アジア大洋州局長らと対応を協議した。
• 安倍首相は、釜山とソウルの日本大使館前の像撤去を要求。現状は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年末の日韓合意に反しているとして、朴槿恵政権への姿勢を緩めない考えだ。
• 日米韓の連携を重視する米政府が日韓合意を支持していることを踏まえ、国際社会に対しても「国の信用の問題」(安倍首相)として、韓国の誠意ある対応が必要だと訴える。岸田文雄外相は、訪問先のチェコでの8日(日本時間9日)の記者会見で「世界の多くの国々が高く評価した日韓合意を日本は履行した。韓国に対して少女像の問題も含め合意の着実実施を求めたい」と語った。
• 日本政府は、慰安婦問題とは別に、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止のため、日韓や日米韓の安全保障協力は維持したい考え。だが国会の弾劾訴追で朴氏の職務が停止された韓国は国政がまひ状態で、政府に世論の抵抗が強い像の撤去に乗り出す力はない。日本との防衛協力に否定的な世論も根強くあり、今後の展開次第で北朝鮮対応に支障が出る恐れがある。

少女像問題に介入せず
韓国政府、釜山設置で

• 韓国南部・釜山の日本総領事館前の歩道に昨年末、従軍慰安婦被害を象徴する少女像が設置され、日本政府が撤去を求めていたことに絡み、韓国外務省報道官は3日、「基本的には当該機関で法令に基づき判断しなければならない事案だ」と述べた。撤去に関し政府は介入せず地元の釜山市東区の判断に任せる姿勢を示した。
• 韓国では朴槿恵大統領の職務が停止され国政が事実上まひしており、歴史問題で日本に批判的な市民の行動に行政機関が反対できる空気はない。
• ソウルの大使館に続き釜山でも日本の公館前の少女像が固定化する可能性が高まり、日本政府が反発を強めそうだ。
• 同報道官は「外交公館の保護に関する国際儀礼や慣行の面からも慎重に判断する必要がある」と付け加えたが、政府として釜山市東区に働き掛ける考えは見せなかった。
• 韓国外務省は像の設置直後に「慰安婦問題を歴史の教訓として記憶する上で適切な場所について、知恵を集めることができるよう期待する」と表明し、設置者に再考を求める考えを示していた。
• しかし、釜山の像の設置団体は2015年末の慰安婦問題に関する日韓合意に反発し設置運動を始めており、合意の担当部署の外務省の要請を聞き入れる可能性はない。

ワシントンで慰安婦像公開
設置場所決まらず

• 聯合ニュースは8日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像が米東部時間の10日、首都ワシントン中心部の緑地帯、ナショナルモールで公開され、記念式典が開かれると伝えた。ただ設置場所はまだ決まっておらず、公開後は別の場所で保管されるという。
• ソウルの日本大使館前の少女像と同じ大きさで、韓国で制作された。少女像設置を進める団体は、ホワイトハウスに近い教会や大学などを当たったが、設置を政治的な問題ととらえる向きがあり、場所探しは難航しているという。
• 朴元淳ソウル市長も、ワシントン市長に書簡を送り、設置場所選定への積極的な支援を求めた。

来週にも元慰安婦支援開始
韓国財団、現金支給へ
生存者過半数が受け入れ

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、日韓合意に基づく元慰安婦支援のため韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」は14日、日本政府が拠出した10億円を財源とする元慰安婦や遺族らへの現金支給を早ければ来週にも始めることを決めた。日韓合意が交わされた昨年12月末時点の生存者46人中、29人が支援を受け入れたという。
• 財団が理事会終了後に発表した。韓国の世論では合意に対し「被害者の声が無視された」との反発が根強いが、生存する当事者の過半数が支援を受け入れたことで一定の理解が進むとみられる。
• ただ一部の元慰安婦は強く反対しており、合意で確認した「最終解決」との認識が広く定着するかは見通せない。
• 支援額については、生存者46人に1人当たり約1億ウォン(約920万円)を支給、故人199人の代理人には同約2千万ウォンとすることで日韓両政府が合意している。
• 発表によると財団は9月末から、合意に反対する支援団体の支援を受けずに個別に暮らす元慰安婦や家族ら計32人を対象に面談を進め、うち面談できた29人全員が支援を受ける意思を示した。
• 財団の金兌玄理事長は14日、受け入れ意思を示した元慰安婦への早期支給に努力するとした上で「財団は全ての被害者や遺族と面談する準備があり、関係者の協力をお願いする」と述べた。
• 韓国では支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」や「ナヌムの家」、両団体と行動を共にする元慰安婦らが合意に強く反対。挺対協は14日、「(財団からの)お金を受け取ったか否かに関係なく、全ての被害者と遺族には賠償を受ける権利がある」との声明を出した。
• 財団は来年6月末を期限に今月11日から支援申請受け付けを始めた。

慰安婦財団が受け付け開始
韓国、現金支給へ

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、日韓合意に基づき韓国で設立された元慰安婦の支援を行う「和解・癒やし財団」が11日、ホームページなどを通じ、元慰安婦や遺族からの支援申請を同日から受け付けると発表した。生存者には1人当たり現金約1億ウォン(約920万円)が支払われる。
• 申請期限は来年6月30日。財団関係者は、今月11日時点の生存者40人のうち、30人弱が合意を受け入れる意向を示していると説明している。韓国では合意への批判が依然根強いため、遺族を含め、申請者がどの程度に上るかが事業の成否の鍵を握りそうだ。
• 財団は、日本政府が8月に拠出した10億円を財源に、韓国政府が元慰安婦と認定した245人やその遺族らに現金を支払う。支給額は、日韓が合意した昨年12月28日時点の生存者46人には1人当たり約1億ウォン、故人199人の代理人には同約2千万ウォンとすることで日韓政府が合意している。
• 申請後、どれぐらいの期間で支給されるかは明らかになっていない。

元慰安婦への手紙拒否
安倍首相、韓国苦境に

• 安倍晋三首相は3日の衆院予算委員会で、昨年12月の従軍慰安婦問題での日韓合意に関連し、追加措置として被害者への「おわびの手紙」を求める声が韓国にあることについて「毛頭考えていない。合意した内容を両国が誠実に実行していくことが求められている。(手紙は)内容の外だ」と述べ、手紙の発出を否定した。
• 朴槿恵政権は、手紙による首相の謝罪は「譲れない」と国内に説明し、合意後も水面下で度々日本に手紙を求めてきた。安倍氏が公の場で拒んだため実現は難しくなり、韓国側は苦しい立場に立たされた。
• 日本大使館前の少女像の撤去を日本から求められている朴政権に対し、国内からも交渉目標を達することができなかったとの批判が高まりそうだ。
• 慰安婦問題では2012年に①首相が政府の責任を認める謝罪の手紙を送る②駐韓大使が元慰安婦の前で手紙を読み上げる③日本政府予算で「償い金」を支払う―の三つの措置を日本がとることを軸に交渉が進んだと、当時の李明博政権の元高官が明らかにしている。
• 朴政権は、日本が国家責任を認め、三つの措置をとる「3プラス1」は譲れないと国内に強調していた。結局「国家責任」を認める文言は合意に入らず、元慰安婦の支援団体の反発を招いた。
• 一方で、1995年に日本政府主導で創設された「アジア女性基金」が歴代首相の「おわびと反省」の手紙を渡してきたことから、「手紙ぐらいは日本も応じるだろう」(韓国外交筋)との楽観的な見方が出ていた。
• 韓国外務省は報道官が9月末、記者会見で「期待」を表明し事実上公式の要求に切り替えたが、安倍首相の発言はこれをはねつけた形だ。

慰安婦問題で追加措置を
韓国報道官、日本に

• 韓国外務省報道官は29日、従軍慰安婦問題での日韓合意に関し「日本側が被害者の心の傷を癒やすような、追加的で心に感じられる措置を取ることを期待している」と述べた。定例記者会見で発言した。韓国政府当局者が昨年末の合意に明示のない「追加措置」を公の場で求めたのは初めて。
• 合意に基づき韓国で設立された「和解・癒やし財団」が求める安倍晋三首相名義による被害女性らへの「おわびの手紙」を念頭に置いた発言とみられる。
• 日本は合意に基づき10億円を8月末に同財団に拠出している。財団はこれを財源に存命の元慰安婦1人当たり約1千万円を支払う方針で、支払いの際に首相の手紙を添えたい意向だ。
• 日本政府当局者は「合意が全てだ」として、合意にない行動には否定的な姿勢を維持している。
• 日本はソウルの日本大使館前にある慰安婦被害を象徴する少女像の撤去を求めているが、見通しがつかない状況が続いている。
• 追加措置については、財団の金兌玄理事長が今月、国会行事で「安倍首相がより心に感じられる謝罪をしなければならない」と述べている。

独の少女像、設置を断念
慰安婦問題、松山市反対で

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像の設置計画を進めていたドイツ南西部フライブルク市の当局者は21日、少女像の設置断念を決めたと共同通信に明らかにした。設置を持ち掛けた姉妹都市の韓国・水原市に断念する意向を伝えた。
• フライブルク市に対しては、同じく姉妹都市の松山市が「設置されれば交流に支障が出る」として、反対の意向を伝えていた。水原市当局者によると、フライブルクのディーター・ザロモン市長が20日、廉泰英・水原市長に電話で「日本の姉妹都市(松山市)の反対が強く(設置は)難しい」と表明した。
• フライブルク市の広報担当者は「ここ数日のやりとりの結果、少女像を設置しないことを決めた。設置計画に(日本を)傷つける意図はなかった」と説明した。
• フライブルク市での設置計画は廉市長が提案し、ザロモン市長が受け入れた。水原市側が費用を負担し、国連が「人権デー」と定める12月10日にたてる予定だった。
• 水原市によると、廉市長は日本が「組織的な反対」を行い「過去を歪曲、隠蔽しようとしている」と批判。日本側に抗議文書を送り、フライブルク市にも遺憾だと伝える方針を明らかにしたという。
• 水原市の市民団体関係者によると、今月7日に75団体が集まって約6千万ウォン(約550万円)を目標にした募金活動の発足式が開かれた。関係者は「日本政府と右翼に妨害された」と主張した。
• 松山市の観光・国際交流課によると、同市はフライブルク市に駐在する松山市出身の民間協力員などを通じて反対の意向を伝えていた。
• 韓国の元慰安婦支援団体によると、少女像は韓国内の40カ所前後のほか、国外では米国、カナダ、オーストラリアの3カ国計4カ所にある。

安倍首相のおわびの手紙を
韓国の慰安婦財団が要請

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、日韓合意に基づき元慰安婦支援のために韓国でつくられた「和解・癒やし財団」が日本政府に対し、安倍晋三首相名義で被害女性らへの「おわびの手紙」を出すよう要請していることが19日、財団関係者の話で分かった。
• 財団は日本が合意に基づいて拠出した10億円から存命の元慰安婦1人当たり約1千万円を支払う方針で、首相の手紙を添えることで合意への理解を求め、受け取る女性が増えることを期待している。日本政府は返答していないといい、合意にない手紙の要請は日本側の韓国側への不信感に拍車を掛ける恐れもある。
• 日本は昨年12月の韓国との合意直後に、岸田文雄外相が記者会見で、慰安婦問題への旧日本軍の関与と責任を認め「安倍首相は日本の首相として、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べている。日本政府筋は「あの表明が全てだ」としており、他の手段で謝罪の意を示すことに否定的な考えを示している。
• 日本は8月末に10億円を拠出。一方、ソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去に見通しが立たないことで、韓国側への不信感もある。
• 慰安婦問題に絡む日本の首相の謝罪表明に関しては、1995年に日本政府主導で創設された「アジア女性基金」が、元慰安婦らに「償い金」と歴代首相の「おわびと反省」の手紙を渡してきた。

教科書に慰安婦記述認める
米加州、日系議員が支持

• 米カリフォルニア州選出の日系下院議員マイク・ホンダ氏が16日、同州サンノゼで記者会見し、同州の歴史教科書に従軍慰安婦についての記述を認めた指針が州教育委員会で採択されたとして「進歩だ」と支持した。ホンダ氏は慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める立場で知られる。
• 7月14日に採択された指針は、「慰安婦」は遠回しな表現だとして、旧日本軍の占領下で起きた「組織的な性奴隷の例」として教えることが可能だとした。また、慰安婦とされた女性の数には諸説あるが、数十万人とも言われていると記述した。指針は同州の公立学校10年生(日本の高校生に相当)の教科書が対象。
• ホンダ氏は「歴史に学ばないと同じことを繰り返す。(採択は)より多くの人に戦時の女性に対する残虐行為を教える上で進歩だ」と述べた。
• 指針には、慰安婦問題を巡る日韓合意を説明する日本外務省のホームページのリンクも記載されたが、ホンダ氏は記載を批判した。

少女像撤去「今は進めず」
韓国、合意を国会が監査

 韓国の林聖男外務第1次官は6日、在韓日本大使館前にある慰安婦問題を象徴する少女像の撤去問題について「国民世論を見ながら政府も動くので、今の状況下で政府が乗り出して推進する考えはない」と述べた。国会外交統一委員会での答弁。
同委は、政府の政策を検証する今月下旬からの「国政監査」で、昨年12月の慰安婦問題での日韓合意を調べることを決定。韓国政府が日本から10億円を受け取る代わりに、日本が求める少女像撤去を約束する裏約束を交わした「疑惑」があるとの野党の要求を受けて行われる。
同委は、合意交渉に関わった当時の韓国外務省の李相得東北アジア局長(現駐シンガポール大使)と、合意を受け元慰安婦の支援を行うため韓国政府が立ち上げた「和解・癒やし財団」の金兌玄理事長を証人として呼ぶことを決めた。合意に反対している元慰安婦の金福童さん(90)も参考人として意見を述べる。
韓国の世論調査機関が2日公表した世論調査では、少女像移転は「認められない」とする答えが76%に上っていた。
林氏は撤去問題に対する韓国政府の立場について「(日韓)合意の以上でも以下でもない」と述べた。昨年末の日韓合意で、少女像について「適切な解決へ向け努力する」と表明したが、その後「民間が建てた像なので政府は撤去できない」と主張している。

慰安婦財団の事業本格化へ
年内現金支給へ意見聴取

• 韓国政府が元従軍慰安婦の支援を目的に設立した「和解・癒やし財団」は5日、日本政府が拠出した10億円が財団に振り込まれたことを受け、現金を支給する時期や方法について9~10月に元慰安婦らから希望を聴くと発表した。財団の事業が本格的に始まる。
• 財団は年内にも現金支給を完了させたい考え。関係者は、野党が慰安婦問題の解決に関する日韓合意の破棄を求める声を強めていることなどを念頭に「事業は年末までに一定の『完成』を示す必要がある」と話す。
• 韓国は年末の段階で、来年12月の大統領選まで約1年となる。年明けから与野党内で候補者選びが本格化し、合意履行に注力する朴槿恵政権の影響力が落ちる可能性がある。最近の世論調査では、日本と再交渉すべきだと答えた人が63%に上るなど合意への不満が浮き彫りとなっている。野党陣営は世論を背景に、合意破棄の主張をさらに強める見通しだ。
• 財団は、合意が発表された昨年末の時点での生存者46人を対象に1人当たり約1千万円を、故人199人については代理人に約200万円を上限に、それぞれ現金支給する方針。
• 財団の金兌玄理事長は5日、「遺族を含む被害者の意思を最大限尊重する。(元慰安婦が)一人でも多く存命中に事業が実施されるよう、最善を尽くす」と表明した。

少女像、働き掛け強化
政府、年内撤去を期待

• 政府は、ソウルの日本大使館前にある慰安婦被害を象徴する少女像の早期撤去に向け、韓国側への働き掛けを強める構えだ。安倍晋三首相が年内の日本開催に意欲を示す日中韓3カ国首脳会談で韓国の朴槿恵大統領が来日するまでの実現に期待している。
• 昨年末に合意した慰安婦に関する日韓合意の履行を巡って、日本政府は24日に元慰安婦を支援する韓国財団への10億円拠出を閣議決定した。関係者によると、今月中に送金手続きが完了する方向で、次は少女像撤去に向けた韓国側の取り組みが焦点となる。
• 政府高官は「既にボールは投げた。あとは韓国に頑張ってもらうだけだ」と語った。
• 10億円拠出の閣議決定を受け、外務省は25日、自民党外交部会などの合同会議で、韓国財団から元慰安婦側に1人当たり最高1千万円程度の現金が支給される事業内容を説明した。
• 出席議員の一部からは、現金支給について「賠償と受け取られかねない」との声が出た。中曽根弘文元外相は少女像に関して「日本は速やかな撤去を再三要求しているが、まだ実現していない」と指摘した。
• 日本政府は日韓双方の国内世論の反応を注視しつつ、韓国側に合意の履行を促したい考えだ。

元慰安婦に1人1千万円
245人へ現金、故人も
10億円拠出で外務省発表
日韓外相、未来志向確認

• 外務省は24日、元慰安婦支援を目的に韓国財団に拠出する10億円の支出内容を発表した。財団が死亡者を含む元慰安婦245人に現金を支払う。医療や介護などに関する費用を想定している。日韓が合意した昨年末時点の生存者46人に1人当たり約1千万円、同時点の故人199人の代理人に約200万円を上限として渡す。岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は午後、外務省で会談し、未来志向の両国関係を推進する考えで一致した。
• 10億円拠出に関し、日韓両政府は「全ての慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復および心の傷の癒やしのための事業」への支出と表現した。法的責任はなく賠償金に当たらないとする日本と、賠償金としての性格を印象付けたい韓国の双方が、互いに受け入れ可能な言い回しにした形だ。安倍政権は今回の措置を受け、核兵器開発を進める北朝鮮をにらんだ日韓協力の前進を図る。
• 政府は24日、10億円拠出を閣議決定した。2016年度予算の予備費から近く支出する。菅義偉官房長官は記者会見で「資金の支出が完了すれば日韓合意に基づく日本側の責務は果たしたことになる」と述べた。
• 外務省によると、財団は慰安婦や代理人の要望を聞き、問題の最終解決を確認した昨年12月の日韓合意を踏まえて資金を支出する。使途には死亡者を対象とした葬儀関係費や親族の奨学金も含まれる見通し。
• 事業は個人のほか、元慰安婦全体を対象に実施する。財団は実施状況を日韓両政府に定期的に通知する。財団は「癒やし金」として元慰安婦や遺族に現金を支給する方向で検討を進めていた。日本がこれに応じた。国内の一部には、日本政府の資金が個人に支給されると、賠償金と受け取られかねないとの慎重論も出ていた。
• 両外相は会談で、昨年末の日韓合意を双方が着実に履行する方針を改めて確認した。岸田氏は合意を踏まえ、日本が撤去を求めているソウルの日本大使館前の少女像に関し「適切な解決への努力」を要請した。10億円拠出に関し、岸田氏は24日に閣議決定したことを伝えた。韓国の超党派国会議員団が8月15日に島根県・竹島に上陸した問題に触れ、抗議した。
• 北朝鮮対応では、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射を巡り意見調整。日韓間で緊密に連携を図る方針で一致した。日韓外相会談は7月のラオス以来で、今年2回目。


元慰安婦支援を閣議決定
政府、10億円拠出へ

• 政府は24日午前、元従軍慰安婦を支援する韓国財団への10億円拠出を閣議決定した。2016年度予算の予備費から近く支出する。慰安婦問題の最終解決の在り方に関する昨年12月の日韓合意を踏まえた措置。岸田文雄外相は午後に予定する尹炳世韓国外相との会談で内容を伝える見通しだ。
• 決定を踏まえ、政府は「未来志向の日韓関係」構築を目指す。北朝鮮の核、ミサイル、拉致問題を巡り、どこまで協力関係を強化できるかが焦点。ソウルの日本大使館前に設置された少女像について、日本の撤去要求に韓国側がどう対応するのかも課題となる。
• 菅義偉官房長官は記者会見で「資金の支出が完了すれば、日韓合意に基づく日本側の責務は果たしたことになる。少女像の問題解決に向けた努力を含め、韓国側に合意の着実な実施を求めていきたい」と述べた。
• 政府筋によると、財団に拠出する10億円は、内閣の判断で使える予備費約3500億円から充当する。速やかに支出するためには、国会審議を必要としない予備費からの支出が望ましいと判断したとみられる。
• 使途について、日本政府は医療や介護目的を想定。財団は元慰安婦や遺族に対し「癒やし金」などの名目での現金支給も検討している。
• 10億円拠出を巡り岸田氏は今月12日、尹氏との電話会談で、速やかに手続きを進める方針で一致していた。

「屈辱的合意」と破棄要求
韓国の慰安婦支援団体集会

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題の解決をうたった昨年末の日韓合意に反対し、破棄を訴える元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」などの約1500人が14日、ソウルの日本大使館前で抗議集会を開き「屈辱的な合意を無効にすべきだ」と声を上げた。
• 挺対協は、韓国で慰安婦だったと最初に名乗り出た故金学順さんが初めて被害を語ったのが1991年8月14日だったとして、同日を「世界連帯行動の日」とする。挺対協によると、連携する国内外の市民団体が14日、各地で集会を開いたという。
• 日韓外相は12日に電話会談し、元慰安婦の支援事業に充てる10億円を日本政府が速やかに拠出する方向で一致したが、元慰安婦の金福童さん(90)は集会で、日韓合意は「私たちに何の話もない勝手な合意。安倍(晋三首相)の謝罪一つなく、許せない」と述べ、参加者らの拍手を浴びた。
• 15日は日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」で、韓国で民族意識が高まる時期でもある。挺対協によると8月中に国内約10カ所で、慰安婦問題を象徴する少女像の除幕式が行われる。

慰安婦支援10億円近く拠出
日韓、使途は医療・介護
両外相が電話会談で合意
少女像撤去前提とせず

• 岸田文雄外相は12日夕、韓国の尹炳世外相と電話会談し、昨年末の合意に基づき、日本側が元従軍慰安婦を支援する財団に拠出する10億円について、速やかに手続きを進めることで合意した。近く支出する。使途は医療や介護目的を想定。ソウルの日本大使館前に設置された少女像撤去を前提としないものの、韓国側が解決への努力を続ける方針も確認した。昨年末の合意は履行に向け、大きく前進した。
• 日本政府は当初、少女像移転を拠出の条件とする意向だったが、昨年末の合意に基づく日本側の義務を果たし、韓国側に取り組みを求める方が得策だと判断した。北朝鮮の核・ミサイル開発問題などに対応するため、日韓や日米韓の連携を強化する狙いもある。
• 電話会談後、岸田氏は記者団に「財団が元慰安婦や家族のニーズを調査し、日韓が合意する使途の範囲内で資金が支出される」と説明。少女像問題に関しては「昨年末の合意に基づき適切な解決を求めており、今後も合意の着実な実施を求め続ける」と述べた。
• 日本政府の拠出を受け、財団は元慰安婦や遺族に対し「癒やし金」などの名目で現金の支給を検討する。日本外務省幹部は「支出目的は明確でなければならない」としており、日韓当局間で具体的な支出方法について調整を進める方向だ。
• これに関し、韓国外務省は今回の合意についての発表で、具体的な事業内容を説明しなかった。
• 過去の請求権問題を巡っては、解決済みとの日本の立場を踏まえ、両国の事務レベルで拠出金は賠償金には当たらないと確認したもようだ。岸田氏は記者団に「法的に解決済みとの立場は全く変わりない」と述べた。
• 電話会談で両外相は、北朝鮮問題や日中韓3カ国協力についても協議した。会談後、岸田氏は「日韓、日米韓の緊密連携は非常に重要だ」と記者団に強調した。
• 慰安婦合意を巡り日韓両政府は、韓国側による7月末の財団設立を受け、今月9日にソウルで外務省局長協議を開催。事業内容などに関し、最終調整を進めていた。


安保優先で拠出先行
元慰安婦財団への10億円

• 【解説】日本政府が、ソウルの日本大使館前に設置された少女像撤去のめどが立たないまま10億円拠出を先行させるのは、北朝鮮の核・ミサイル開発問題などで厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、日韓関係の進展を優先させたためだ。安倍晋三首相は当初、移転を拠出の条件としていたが、方針を転換。「大局を見据えた政治判断」(政府筋)に踏み切った。
• ただ韓国は、少女像問題について「適切解決へ努力する」と約束したが事態に変化はなく、日本国内では自民党や保守層の一部に10億円拠出への反対論がくすぶる。慰安婦問題の「最終解決」への道筋をどのように付けるのか、首相が問われるのは間違いない。
• 日本政府関係者は「首相は昨年末の合意後、少女像移転が拠出の条件だと譲らなかった」と話す。ところが、北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射を受け「拠出を先行し、日韓や日米韓の連携強化を急ぐべきだ」とする政権幹部の意見に傾いていったという。
• 岸田文雄外相は今回の合意を受け、記者団に「支出が完了すれば、日本側の責務は果たしたことになる」と述べ、今後は韓国側の取り組みを注視する考えを強調したが、国内世論の理解を得られるかは見通せない。


「日本介入」印象を警戒
韓国、具体的使途明かさず

• 元従軍慰安婦らの支援を目的に韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」の事業を巡り、韓国政府は国内で「(事業を行う資金の)全額が日本政府予算から出ることに意味がある」と理解を求めてきた。同時に、日本側が拠出金10億円の使途に過度に介入したとの印象を与えれば世論の反発を招きかねないと警戒、対応に苦慮している。
• 韓国外務省が12日の日韓外相電話会談の結果に関する発表で、岸田文雄外相が「医療や介護」と言及した拠出金の具体的使途に一切触れなかったのはこうした事情があるとみられる。
• 財団の金兌玄理事長は12日、共同通信に対し、10億円について「事実上の賠償の性格を感じている」と言明。使途について「もう少し議論しなければならない」と述べ、さらに調整が必要との認識を示した。
• 日本政府が要求するソウルの日本大使館前の少女像撤去についても韓国政府は世論を意識し、慎重姿勢を貫いている。韓国外務省当局者は9日の日韓局長協議後、少女像は「重要な焦点にはならなかった」と強調。まずは支援事業を開始し、世論を見極める構えだ。
• 一方、元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」などは14日を慰安婦問題の記念日と位置付け、日韓合意への反対運動を展開。今月だけで国内の約10カ所で、同様の少女像の除幕式が行われるとしている。

日韓、10億円使途「前進」
慰安婦問題で局長協議

• 日韓両政府は9日、ソウルで従軍慰安婦問題に関する外務省局長協議を行った。終了後、金杉憲治外務省アジア大洋州局長は、韓国が7月末に設立し、日本が拠出する10億円で元慰安婦の支援を行う財団の事業に関し「一定の前進があった」と述べた。日韓は昨年12月の合意で日本が拠出すると決めた10億円の使途について考えの違いがあったが、意見が接近したもようだ。
• 韓国外務省当局者も「相当な進展があった」と述べた。双方とも具体的な内容は明らかにしていない。
• 金杉氏は、協議結果を日韓が政権上層部に報告し「最終的な判断」を出すと述べた。10億円の拠出時期は未定だとしたが、日韓が目標とする8月中に実現する可能性がありそうだ。
• 一方、ソウルの日本大使館前の少女像に関し、金杉氏は撤去へ向けた「韓国側の努力」について意見交換したと述べた。日本は撤去を10億円拠出の条件とはしない方針だが、改めて撤去を求めたもようだ。
• 財団は「元慰安婦の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やし事業」を行うと定められている。韓国は元慰安婦や遺族に「癒やし金」として現金を支給することを検討。日本は、資金が賠償金のように映ることは認められず、「未来志向の日韓関係」を象徴する事業にも使うことを希望している。
• また金杉氏は韓国の最大野党「共に民主党」前代表の文在寅氏が竹島(韓国名・独島)に7月に上陸したことについて韓国側に抗議した。協議には韓国から鄭炳元・東北アジア局長が出席した。

元慰安婦「疲れている」
不満だが合意と財団理事長

• 従軍慰安婦問題で日韓合意に基づき韓国が設立した「和解・癒やし財団」の金兌玄理事長は7日、聯合ニュースが報じたインタビューで、元慰安婦の被害女性らは大多数が疲れ切っており「もう(問題が)終わってほしい」との思いから、満足ではないが合意を受け入れようとする人が多いと話した。
• 金氏は、日本が被害者の尊厳や名誉を回復させる目的で財団に拠出する10億円は、被害に見合わない少額だと感じたとしながら、合意を白紙にしてもこれ以上のものを引き出すことは難しいと指摘。合意の履行で、この問題を終結させるべきだと訴えた。
• その上で「絶対に謝りそうになかった安倍晋三首相が合意でおわびと反省を表明した」と強調し、合意の意義を訴えた。
• 日本から10億円拠出と絡めソウルの日本大使館前の少女像移転を求める声が出ていることについて、金氏は、二つは別個の問題だと日韓両政府がともに認識していると主張。日本から資金拠出と絡めた撤去要求が出れば理事長職を辞すると述べ、日本側をけん制した。
• 日韓両政府は週内に外務省局長級協議を開き、10億円の拠出時期や使途を詰める見通しだ。

慰安婦で来週日韓局長協議
日本、留学生支援を提案へ

• 日韓両政府は5日、従軍慰安婦問題に関する外務省局長協議を来週前半にソウルで開催する方針を固めた。韓国が7月末に設立した元慰安婦支援財団が行う事業内容を確認。日本側は、韓国から日本への留学生支援など「未来志向」の事業も実施するよう提案する見通しだ。日本政府関係者が明らかにした。
• 開催は7日か9日で調整している。日本側は、日韓間で過去の請求権問題は解決済みとして、財団へ拠出する10億円は「賠償金には当たらない」との確認も求める。財団の事業内容を含め、安倍晋三首相が妥当だと判断すれば8月中にも10億円を支出する。協議がまとまらず拠出が9月にずれ込む可能性もある。
• 関係者によると、日本側は協議で、昨年末の日韓合意で「元慰安婦の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やし事業を行う」と定めた財団の今後の活動方針について説明を要請。留学生支援や両国の若者交流などの事業実施も求め、財団の事業内容を定めた規約を政府間で確認したい意向だ。
• 日本側が撤去を求めるソウルの日本大使館前に設置された少女像については、日韓合意で韓国側が約束した「適切解決への努力」が行われているのか説明を求める。
• 協議には、金杉憲治アジア大洋州局長と鄭炳元東北アジア局長が出席する。鄭氏は財団理事を兼ねている。


米慰安婦像訴訟二審も敗訴
日系人住民ら

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが、像の撤去を市に求めた訴訟で、カリフォルニア州の連邦高裁は4日、原告の訴えを棄却した。2014年の一審判決に続き二審でも日系人住民が敗訴した。
• 原告側は、グレンデール市による像設置は連邦政府だけが持つ外交権限を侵害すると主張したが、同高裁は、像を設置するかどうかは市の管轄権に属し、連邦政府の外交権は侵害しないと判断。像の設置が日米の外交関係に悪影響を及ぼすとの原告の主張も退けた。
• 像は13年にグレンデール市議会が市有地の公園への設置計画を賛成多数で承認し、韓国系米国人の団体などが建立した。
• 原告は「(日本政府が)これらの犯罪の歴史的責任を受け入れるよう求める」などと書いた像の碑文についても、市議会審議を経ておらず違法だとしてカリフォルニア州地裁に提訴し、現在係争中。

慰安婦登録、ソウル市支援
政府中断で乗り出す

• 韓国・ソウル市は2日までに、旧日本軍の従軍慰安婦問題で関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録する運動を進めている韓国の民間団体に財政支援を行うことを決め、事業申請の受け付けを始めた。
• 登録推進事業は昨年まで、韓国政府の女性家族省が中心になって進めたが、今年から手を引いた。これに対し慰安婦問題に積極的な朴元淳ソウル市長は6月に「政府がやらないのでソウル市がやる」と述べ、市が支援する方針を打ち出していた。
• ソウル市によると、年内の事業への支援に9千万ウォン(約830万円)を支出する。
• 日韓は昨年12月の慰安婦問題の合意で、日本が韓国に10億円を支出することを決め、これらの措置を前提に韓国も国際社会で慰安婦問題での非難を控えると約束した。
• 姜〓(外字、王ヘンの右に恩、ウン)姫女性家族相は登録推進事業の支援をやめたことについて「事業は民間が推進することが基本。政府はこれ以上支援する必要がない」と説明している。実際は合意の履行へ向けた環境づくりを行うため支援をやめたとの見方が強い。

「賠償に当たらず」確認へ
慰安婦10億円で日本政府
韓国と玉虫色決着も

• 日本政府は31日、元従軍慰安婦を支援する韓国の財団に拠出する10億円について「賠償金に当たらない」との認識を確認する方針を固めた。過去の請求権を互いに放棄した1965年の日韓請求権協定に基づいているとの立場を明確にする必要があると判断した。複数の日本政府筋が明らかにした。だが賠償の性格を反映させたい韓国が全面的に応じる展開は想定しにくく、「玉虫色」決着を図る可能性もある。
• 慰安婦問題に関する日韓合意に基づく10億円拠出を巡っては、与野党や保守層の一部から「日本が法的責任を認め、賠償金を支払ったとの印象を与える」との声が出ている。一方の韓国では、日本の法的責任追及を求める世論がくすぶる。韓国政府は世論動向を意識しており、両国間でどこまで共通見解を明確化できるかが焦点になる。8月中にソウルで開く韓国との外務省局長協議で調整を進める。
• 日本政府筋は「10億円は賠償金ではない。そう受け止められないようにしなければいけない。韓国とは協議中だ」と述べた。別の政府関係者は「未来志向の日韓関係を築くという観点が盛り込まれてもいいのではないか」と強調した。
• 慰安婦問題についての受け止めに関し、岸田文雄外相は昨年12月の日韓合意で「日本政府は責任を痛感している」と表明した。この「責任」が法的責任を意味しないとの立場を韓国で共有できるかどうかも、協議では課題になる。安倍晋三首相は今年1月の参院本会議で「日韓請求権協定により法的には完全かつ最終的に解決済みだとの立場は、今回の(日韓)合意でも何ら変更はない」と述べ、法的責任を事実上否定している。

韓国、慰安婦財団が発足
「癒やし金」遺族にも
日本10億円拠出へ

• 従軍慰安婦問題の解決に関する昨年末の日韓合意に基づき、韓国政府は28日、元慰安婦支援などに取り組む「和解・癒やし財団」を設立した。日本政府は8月中にも10億円を拠出する。関係者によると、財団は韓国政府認定の元慰安婦238人全員(存命は40人)を対象として「癒やし金」名目で現金を支給する方向で調整している。故人については遺族に支払う。
• 財団発足で合意は履行段階に入り、両国の長年の懸案となってきた慰安婦問題は「最終的解決」に向け一歩前進した。財団側は「癒やし金」の年内支給を目指している。ただ、韓国内では合意への反発が根強く、曲折も予想される。日本側が求めているソウルの日本大使館前の少女像撤去のめどは立っていない。
• ソウルで28日開かれた初の理事会で金兌玄・誠信女子大名誉教授が理事長に就任した。抗議の市民らが記者会見場に乱入、終了後には金氏が男に催涙スプレーのようなものを吹き付けられ、救急搬送される波乱のスタートとなった。
• 岸田文雄外相は訪問先の米ニューヨークで記者団に対し、財団設立に関し「(日韓)それぞれが誠実に努力してきた結果だ」と語った。少女像については「韓国が適切に対処すると認識している」と述べ、移転に向けた努力に期待を示した。
• 財団は元慰安婦らの「名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やし」のため活動し、追悼事業なども行う見通し。理事会には韓国外務省の担当局長ら政府当局者も加わり、今後、元慰安婦の意見を聞いて事業内容を詰める。
• 元慰安婦は高齢となっており、合意後だけで6人が亡くなった。財団関係者は多数の元慰安婦が財団の趣旨に賛同していると話している。
• 一方、元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」や「ナヌムの家」は合意に反対。両団体と行動を共にする元慰安婦は財団の支援は受けない姿勢を示している。
• 慰安婦問題を巡っては日本政府主導で1995年に「アジア女性基金」が創設され、元慰安婦らに「償い金」を支給したが、問題解決にはつながらなかった。


慰安婦報道、慰謝料認めず
朝日新聞への2万人訴訟

• 朝日新聞の従軍慰安婦報道で誤った事実が国際社会に広まり、日本国民の人格権や名誉が傷つけられたとして、渡部昇一上智大名誉教授ら約2万5千人が1人1万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を朝日新聞社に求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、請求をすべて棄却した。
• 脇博人裁判長は「旧日本軍についての誤った報道で、日本政府への批判的な評価が生まれたとしても、個人の人格権が侵害されたと解するには飛躍がある」と指摘した。
• 記事の掲載は1982~94年で、提訴した2015年時点で損害賠償請求権が消滅する20年が経過していたとも述べた。
• 判決によると、朝日新聞は、山口県労務報国会下関支部動員部長だった故吉田清治氏の証言を基に「従軍慰安婦にするため、朝鮮半島から女性を強制連行した」とする記事を掲載。14年8月、これらの証言は虚偽だったとして記事の取り消しを表明した。
• 朝日新聞社広報部は「弊社の主張が全面的に認められたと受け止めている」とのコメントを発表した。

慰安婦合意を着実実施
日韓外相、財団設立踏まえ

• 岸田文雄外相は25日、韓国の尹炳世外相とラオスで会談した。旧日本軍による従軍慰安婦問題に関し、韓国が元慰安婦支援のための財団を今週設立する予定なのを踏まえ、昨年末の日韓合意を双方が誠実かつ着実に実施する方針を確認した。
• 北朝鮮の弾道ミサイル発射や、5回目の核実験の動きに連携して対処する考えでも一致した。岸田氏は米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備方針を支持すると伝えた。
• 会談は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」で合意した昨年12月のソウル以来。岸田氏は「合意以来、両国関係は前向きに進展している。北朝鮮のミサイル発射にも円滑に意思疎通できた」と述べた。
• 財団には、合意に基づき日本側が10億円を拠出することになっている。尹氏は財団設立の準備状況を説明した。双方は拠出時期について話し合った可能性がある。
• ソウルの日本大使館前にある慰安婦被害を象徴する少女像撤去も懸案となる。韓国政府筋によると、この問題は議論されなかった。日本では、撤去は拠出の条件とされるが、韓国側は「適切解決に努力する」との姿勢にとどめている。
• 会談では、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題について意見交換。中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の判断を踏まえ、紛争の平和解決に向けて日韓が協力することで一致した。北朝鮮による拉致問題解決への協力も確認した。


「被害者無視」と財団批判
韓国の慰安婦支援団体

• 旧日本軍の元従軍慰安婦らを支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」などは25日、昨年の日韓合意に基づき韓国政府が今週設立する見通しの元慰安婦支援の財団に反対する記者会見をソウル中心部で開き「被害者の声を無視した財団設立は中断すべきだ」と声を上げた。
• 挺対協は、政府が財団設立に当たり、元慰安婦らを招いた食事会を企画しているとして「皆が賛成しているように見せかける小細工。被害者を利用している」と批判した。
• 韓国紙ハンギョレや市民団体は、女性家族省が元慰安婦らに電話で「食事会に出席すれば、お金を支給する」と連絡してきたと指摘。同省は「財団発足式への出席の可否を問い合わせたが、お金の話はしていない」と即座に否定するなど、財団設立を控え一部で情報が錯綜している。

慰安婦財団、設立申請提出
韓国政府、準備急ピッチ

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、昨年末の日韓合意に基づく韓国政府の財団設立準備が急ピッチで進んでいる。設立準備委員会は24日までに女性家族省に設立申請書を提出した。韓国政府は財団設立に当たり、女性らを昼食会に招待しているという。
• 準備委幹部によると、女性家族省は週明けにも設立申請を承認する方向。ただ当初27日を予定していた財団発足の日取りについて、幹部は「細部の準備が整わず、28日に延期する見通しになった」と述べた。
• また元慰安婦の李容洙さん(87)によると、韓国政府は財団設立に当たり27日に元慰安婦らとの昼食会を計画している。
• 李さんは財団に反対する立場で出席しない構えだが、準備委は多くの元慰安婦が財団に賛同しているとしており、出席者らに謝意を示す場とするとみられる。
• 元慰安婦の支援施設「ナヌムの家」の所長で、財団に反対する安信権氏は昼食会について「連絡を受けていない。(政府が元慰安婦らに)個別に連絡を取っているようだ」と話している。

慰安婦合意の着実履行確認
日韓次官、ハワイで会談

• 外務省は14日、杉山晋輔事務次官と韓国の林聖男外務第1次官が米ハワイで会談し、従軍慰安婦問題の「最終解決」で一致した昨年12月末の日韓合意の着実な履行を目指す方針を確認したと発表した。北朝鮮対応での日韓、日米韓の連携強化も申し合わせた。
• 林氏は、日本人が犠牲になったバングラデシュの飲食店襲撃テロについて弔意を伝えた。
• 杉山、林両氏は、現地時間の14日から始まる日米韓の外務次官協議に先立って個別に会談した。

慰安婦「記憶の場」起工式
ソウル市長も出席

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を永く記憶しようと、韓国の民間団体などが造成計画を進める広場「記憶の場」の起工式が29日、ソウル市中心部の南山で行われた。来年の大統領選で野党系候補の一人と目される朴元淳ソウル市長も出席。慰安婦問題への国民の関心を改めて呼びそうだ。
• 朴氏は「元慰安婦の傷を癒やし、若い世代の歴史教育も可能な場だ」とあいさつ。元慰安婦の金福童さんは「(女性らが)連行され犠牲になることが繰り返されてはならない」と述べた。
• 計画には、慰安婦問題解決をうたった昨年末の日韓合意に反対する支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」など民間団体のほか、ソウル市幹部や国会議員らも参加。日本が朝鮮半島支配の過程で設置した韓国統監官邸の跡地で現在ソウル市が管理する敷地に、広場を造成する。
• 朴氏はあいさつで、別の民間団体が慰安婦問題関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録するよう申請していることにも言及し「政府がやらないのでソウル市がやる」と市予算拠出を表明、政府に批判的な姿勢を示した。
• 女性家族省は最近、登録推進の取り組みから手を引き、韓国内では日韓合意を受けた措置ではないかとの指摘も出ている。韓国政府は「合意とは無関係」としている。

ミニ特集「慰安婦合意から半年」
根強い抵抗、履行曲折も
韓国、7月に財団発足へ

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡る日韓合意から28日で半年。韓国政府は日本政府が拠出する10億円を基に元慰安婦女性の「心の傷の癒やし」に取り組む財団を7月に発足させる構えだ。だが反対派が独自の財団設立を準備するなど抵抗は根強い。朴槿恵政権の残る任期は約1年8カ月。ソウルの日本大使館前にある少女像の撤去見通しも立たず、合意履行は曲折も予想される。
• 韓国政府が元慰安婦と認定した韓国人女性238人のうち、存命の人は41人。昨年末の合意後も5人が亡くなった。政府側財団の設立準備委の金兌玄委員長は元慰安婦を一人一人訪ね、合意内容や財団事業の説明を続けている。同委関係者は「好意的な反応が多い」と強調する。
• 一方、「被害者の頭越しの合意だ」と反発する支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」などは今月9日「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」設立構想を打ち上げ、最大野党「共に民主党」は1億ウォン(約870万円)を寄付した。同党は4月の総選挙で与党セヌリ党に勝利、国会外交統一委員長ポストを握った。就任した沈載権議員は今月24日「日本との再交渉」に言及した。
• 日本が撤去を求め、合意で「適切な解決」への努力を韓国が表明した少女像の前では「像を守る」とする学生らの座り込みが合意直後から続く。
• 政府側の財団設立準備委関係者は「韓国では合意で日本に屈したという誤解や反発が拡散している。合意への賛否は当初半々に近かったが、今は反対が7割程度と感じている」と述べ、合意への逆風はむしろ強まっていると指摘。少女像の撤去も「現段階では時期尚早だ」と述べ、韓国政府が動く気配はない。


従軍慰安婦に関する合意

• 従軍慰安婦に関する合意 日韓両国が従軍慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した昨年12月28日の合意。岸田文雄外相が訪韓し、尹炳世外相と共同発表した。日本政府が軍の関与と政府責任を認め、韓国が設立する元慰安婦の支援財団に10億円を拠出。「元慰安婦の名誉や尊厳の回復、心の傷の癒やしを行う」ことを決めた。韓国政府は、日本が撤去を求めるソウルの日本大使館前の少女像について、設置団体と協議するなど「適切に解決されるよう努力する」とした。


10億円拠出時期探る
政府、保守層の反発警戒

• 日本政府は、従軍慰安婦問題を巡る日韓合意の履行を目指し、韓国側と水面下交渉を通じ、元慰安婦を支援する財団への10億円拠出時期を慎重に探っている。2年を切った朴槿恵大統領の任期中に実行できなければ「合意がご破算になりかねない」(外務省幹部)との判断もある。ただ、焦点であるソウルの日本大使館前の少女像撤去については見通しが立たず、参院選に入り、保守層の反発を警戒している。
• 世耕弘成官房副長官は27日の記者会見で、少女像が撤去されなくても10億円を出すのか問われ「日韓両外相が昨年末、発表した合意内容に尽きる」と述べるにとどめ、少女像と支出との関連について言及を避けた。
• 政府は、少女像問題が手つかずのまま拠出に踏み切れば「安倍政権を支持する保守層の反発を招く」(高官)と懸念。一方で、朴氏の任期中に合意が履行できない場合、慰安婦問題の「最終解決が遠のく」(同)とのジレンマを抱えている。
• 今年は日本が日中韓首脳会談の議長国を務めることから、今秋以降の朴氏の来日を想定。日本政府はこの時期までに、合意履行へ一定のめどをつけ、関係改善の流れを確実なものにしたい意向だ。参院選後に世論を見極めながら、10億円の拠出時期を決めるとみられる。
• 少女像問題では、韓国側に「日本の世論が納得できる形」(日韓外交筋)で進展を図るよう、拠出金問題の協議と並行して働き掛けている。


早期の支援開始が重要
柳明桓・元外交通商相

• 駐日大使などを歴任し、日韓合意に基づく財団設立を中心になって進める柳明桓・元外交通商相の話 財団は準備会合を既に2回行い7月には設立できると期待している。事業は定款で元慰安婦女性の「名誉や尊厳の回復、心の傷の癒やし」を行うとだけ記し、具体的には個別の要望に応じて実施することになる。
• 日韓合意は日本が責任を認め、政府予算から10億円を支出することが柱だ。財団を早期に設立し女性らの個別の要望をくみ取って支援を始めることが重要で、より多くの女性が財団の事業を受け入れるよう説得しなければならない。
• 存命の元慰安婦(41人)のうち、合意に反対する市民団体と行動を共にする13人以外は、ほぼ財団の事業に理解を示している。全体の3分の2以上が財団の支援を受け入れれば事業は成功と言える。市民団体側も財団の理事に加わってほしい。
• 個人的には、合意内容を記した日本の首相の手紙を、日本大使が女性らに直接届け言葉をかけてほしい。女性らの癒やしになり、財団事業への理解も深まるだろう。
• 支援が軌道に乗れば被害女性の心は和らぎ、ソウルの日本大使館前にある少女像移転の機運が自然に生まれる。反対に、支援開始前に移転問題が強調されれば、10億円が少女像移転のための金だと誤解され、合意の道徳的な基盤が傷つく。今は像のことに触れるべきではない。


国家犯罪認定へ再交渉を
李相姫弁護士

• 韓国政府主導の財団に対抗する独自財団構想に関わる李相姫弁護士の話 私たちが求めているのは慰安婦問題が国家犯罪だという「事実認定」を前提とした謝罪と賠償だ。「謝罪します」の一言では済まない。真相究明や元慰安婦らの名誉回復、歴史教育など相応の措置を日本側が取るべきだ。合意は破棄し再交渉しなければならない。
• 独自財団では元慰安婦らの生活支援や真相究明などを他の支援団体と共に行う計画だ。問題を記憶し慰霊する事業の一環として国内外で少女像や追悼碑設置も推進する。
• 韓国政府は合意で日本政府が責任を認め、予算を拠出する点を成果と強調するが、強制連行を認めない日本の態度は事実認定とはほど遠い。韓国政府側が元慰安婦らにこうした点まで説明しているのか疑問で、元慰安婦らの分断を図るのではないかと懸念している。
• 日韓は「国際社会での非難、批判を控える」と合意した。政府は民間の活動は縛らないと言うが、国際社会における問題提起を民間任せにするのは国家責任の放棄に等しい。戦時の性暴力問題として国連でも扱ってきた事案が曖昧にされれば、今までの努力が水の泡だ。人類への罪を負う。
• 日本大使館前の少女像は、日本にとっては不快だろうが、植民地支配下で行われた犯罪の象徴だ。過去の記憶と現在をつなぐ市民の大切な財産となっており、最後まで守り抜く。

「日本は犯罪と認めた」
慰安婦問題で韓国委員長

• 従軍慰安婦問題で、昨年末の日韓合意に基づき日本が拠出する10億円でつくられる財団の設立準備委員会の委員長に就任した金兌玄・誠信女子大名誉教授は1日、財団が活動の中心に据えることを想定する給付金は、日本が「(慰安婦の動員を)国家の犯罪だと認めたため」に支払うものだと述べた。
• 韓国のラジオとのインタビューで述べたと聯合ニュースが報じた。
• 金氏は5月31日の記者会見で、日本の拠出金を基に財団が被害者に行うことが想定される現金支給は「癒やし金であり、賠償ではない」と発言し、韓国メディアから日本の責任を問わないのかとの批判を浴びていた。ラジオでの発言は前日の言及と大きく食い違っており、批判をかわすため軌道修正を図った形だ。
• 合意で日本政府は「慰安婦問題は軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題で、責任を痛感している」と表明。元慰安婦女性の「名誉と尊厳の回復、心の傷を癒やすための事業」を行う韓国の財団に資金を出すことを決めた。


韓国で独自財団設立へ総会
慰安婦問題、日韓合意反対

• 韓国で元従軍慰安婦の女性らを支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香常任代表は1日、昨年末の日韓合意に基づき韓国政府がつくる財団に対抗し、独自の財団の設立へ向けた総会を6月9日に開くと明らかにした。日韓合意に行動で反対していく姿勢を鮮明にした。
• 独自の財団は、ソウルの日本大使館前のものと同様の少女像を新たに国内外で建てたり、被害女性を支援したりするとしている。同大使館前で日本に解決を要求する定例の「水曜集会」で話した。
• 挺対協などは日本が拠出する10億円を基に韓国政府がつくる財団の事業を拒むとし、1月に独自財団構想を発表。これまでに約8億ウォン(約7400万円)の資金が募金などで集まったという。尹代表によると少女像は現在、韓国と米国、カナダに計約30あり、8月6日にオーストラリアのシドニーでも新たにつくられるという。
• 日韓合意に基づく財団は5月31日に、設立準備委員会が発足した。


慰安婦資料を登録申請
記憶遺産、中韓などの団体

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題の関連資料について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産への登録を目指す韓国の民間団体は1日、資料計約2700件を、日本や中国、オランダなどの市民団体と共に5月31日に登録申請したと明らかにした。「登録が実現すれば、全世界での歴史教育に役立つ」と強調している。
• 登録を目指す主体は日中韓やフィリピンなどの市民団体が昨年5月に結成し、韓国に事務局を置く「国際連帯委員会」。元慰安婦らの証言録や写真、市民団体による調査資料や運動の記録などを「日本軍『慰安婦』の声」として登録を目指す。
• 一方、元従軍慰安婦を支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は1日、昨年末の日韓合意に基づき韓国政府がつくる財団に対抗して、独自の財団の設立へ向けた総会を6月9日に開くと明らかにした。
• ソウルの日本大使館前のものと同様の少女像を国内外で新たに建てたり、被害女性を支援したりするとしている。
• 慰安婦関連資料は、中国が昨年の記憶遺産登録に向け申請したが、実現しなかった。中国外務省は5月31日、申請の動きを「支持する」と表明した。
• 韓国政府は2014年の業務計画で17年までの登録を目指す方針を示したが、日韓合意の後は関与をやめている。

慰安婦財団準備委が初会合
韓国、6月中の設立目指す
合意履行へ具体化

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、昨年末の日韓両政府の合意に基づき、元慰安婦の女性らを支援するため韓国が設置する財団の設立準備委員会が31日、ソウルで第1回会合を開催し、委員長に金兌玄・誠信女子大名誉教授(66)を選出した。韓国政府は合意から約半年となる6月末までの財団設立を目指している。
• 韓国の元慰安婦支援団体や野党が合意に反発する中、日韓両政府が急ぐ合意の履行に向けた動きがようやく具体化し始めた。
• 金氏は会合後の記者会見で、元慰安婦らにとって「何が最も適切な事業か考えていく。(合意に反対する)関連団体の参加を歓迎する」と述べた。金氏は財団の理事長にも就く見通し。
• 金氏は韓国女性学会会長などを歴任し、2012年の大統領選挙で当選した朴槿恵陣営の女性本部長も務めた。
• 日本政府は合意に基づき財団に10億円を拠出、日韓両政府が元慰安婦の「名誉や尊厳の回復、心の癒やしのための事業」を行う。
• 日本が撤去を求め、韓国が合意で「適切な解決への努力」を表明した日本大使館前の少女像について、日本側には撤去と10億円拠出をセットにすべきだとの主張もあるが、金氏は「民間団体が設置したもので、10億円拠出と少女像は関係ない」と述べた。
• 最大野党「共に民主党」は30日、「被害者を支援する財団の必要性には共感するが、日本が免罪符を受ける代わりに出すお金で設立すべきではない」と、政府を批判した。


「韓国政府に絶望と怒り」
財団準備委発足で挺対協

• 従軍慰安婦問題を巡る昨年末の日韓政府間合意に基づき、元慰安婦を支援する財団の設立準備委員会が発足したことに対し、民間の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は31日、「反対の声を無視し、独断で財団設立を強行する政府に深い絶望と怒りを感じる」とする立場を表明した。
• 挺対協は日韓合意を「賠償でもないお金で被害者の口を封じ、歴史を消そうとする企てだ」と改めて批判。「国民の意思をないがしろにした、誤った合意の強行を中断しろ」と要求した。
• また4月の総選挙での与党セヌリ党敗北を強調し、今国会で「(野党を中心に)合意の無効を確認し、韓日両政府が再交渉を進めるよう求める決議案が上程される予定だ」と主張した。


慰安婦資料の共同申請支持
世界記憶遺産、中国外務省

• 中国外務省は31日、旧日本軍による従軍慰安婦問題の国連教育科学文化機関(ユネスコ)への世界記憶遺産登録について「現在、被害国の民間組織が共同申請を検討しており、われわれはこれを支持する」と表明した。中国と韓国による共同申請に前向きな姿勢を明確にしたとみられる。
• 共同通信の問い合わせに回答した。登録申請は5月末が締め切りで、韓国民間団体が登録申請を目指していた。
• 中国は昨年の記憶遺産登録で、従軍慰安婦問題の資料を登録申請していたが、登録は見送られていた。
• 中国外務省は、慰安婦問題について「日本軍国主義による重大な犯罪」とした上で「世界記憶遺産への登録は各国人民が戦争の残酷さを知り歴史を記憶することに役立つ」と強調した。

「韓国政府と対立関係に」
慰安婦問題で支援団体

• 旧日本軍の従軍慰安婦だった女性らを支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香常任代表は19日、慰安婦問題解決をうたった昨年末の日韓合意により「挺対協と韓国政府は対立関係になった」と強調した。
• 中国やフィリピンなど各国の支援団体が集い、ソウルで開かれた「日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」で述べた。
• 尹氏は、合意を受けて朴槿恵大統領が述べた「二十数年、進まなかった慰安婦問題を現政権が進展させた」との趣旨の発言は「(長く活動を続けている)挺対協への悪感情を示している」と批判した。
• 尹氏は合意について「(慰安婦問題が)日本政府による組織的犯罪で、本質は性奴隷である点を認めていない」と批判。今後も各国で問題を訴え、慰安婦を示す少女像の設置や故人の追悼行事などの活動を強化すると表明した。
• また挺対協は18日、朴氏の父の朴正煕政権時、政府の管理下に置かれた韓国人女性らが在韓米軍の兵士を相手に売春に従事させられていたとして人権問題と訴える団体を「女性の人権問題に積極的に取り組んだ」として表彰した。


慰安婦合意履行へ協議加速
日韓の外務省局長

• 日韓両政府は17日、外務省局長協議を東京都内の外務省で開催し、昨年12月の従軍慰安婦問題を巡る両国合意の履行に向け、協議を加速させる方針で一致した。元慰安婦を支援する財団を韓国が早期に設立し、年内に日本で開催する日中韓首脳会談に合わせた朴槿恵大統領の初来日につなげ、関係改善の流れを定着させたい意向だ。
• 日本側は石兼公博アジア大洋州局長、韓国から鄭炳元・東北アジア局長が出席。韓国政府は財団設立に向けて5月中にも準備委員会を発足させる方針で、取り組み状況について説明。日本が求めるソウルの日本大使館前の少女像撤去問題についても協議したもようだ。
• 鄭氏は協議後、記者団に「双方の関心事について幅広い意見交換をした。慰安婦合意を迅速に履行することで一致したが、具体的な内容は説明できない」と述べた。
• 菅義偉官房長官は17日の記者会見で、4月の韓国総選挙で与党セヌリ党が惨敗した影響について「国内事情に関係なく、誠実に合意を履行することが極めて大事だ」と表明した。岸田文雄外相は会見で、知日派の李丙琪・韓国大統領秘書室長が交代した人事に関し「日韓合意に対する韓国政府の姿勢は全く変わっていない」と強調した。
• 日韓合意は、韓国が設立する財団に日本が10億円を拠出する内容が盛り込まれた。少女像撤去については韓国が「適切に解決できるよう努力する」とした。

「日韓合意は違憲」と提訴
韓国憲法裁に元慰安婦ら

• 韓国の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」は27日、従軍慰安婦問題に関する昨年末の日韓合意について、韓国の元慰安婦らが財産権などを保障した憲法に違反するとの訴えをソウルの憲法裁判所に起こしたと発表した。元慰安婦らが合意を違憲だと訴えるのは初めて。
• 訴えは、韓国政府が元慰安婦らの対日賠償請求権行使の道を妨げ、元慰安婦らのために何の努力もしていないと指摘している。
• 発表によると、提訴したのは元慰安婦らのうち存命中の29人と故人8人の遺族ら。民主社会のための弁護士会は「おばあさん(元慰安婦)らは財産権や人間としての尊厳、国から外交的な保護を受ける権利を侵害された」と主張している。
• また多くの慰安婦らは他国で死亡・失踪するか、帰国できても偏見などにより正当な支援を受ける機会を失い、家族や遺族らも被害者だと指摘。合意が家族らに言及していない点も問題だとしている。
• 民主社会のための弁護士会は2月、日韓合意に至る両国間の交渉内容を記録した文書の開示を韓国外務省に求める情報公開請求訴訟を、ソウル行政裁判所に起こした。

慰安婦に「申し訳ない」
米で小野寺元防衛相

• 小野寺五典元防衛相は14日、米ロサンゼルス郊外のシンクタンク、ランド研究所で講演し、旧日本軍による従軍慰安婦問題について、被害者に「大変申し訳なく思っている」と述べた。
• 小野寺氏は「私の意見」と前置きした上で「軍による強制性があったにせよ、なかったにせよ、人権上決してあってはならないこと。今の価値観でみれば、筆舌に尽くしがたい事態」と指摘した。
• その上で、従軍慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意に至る日本政府の判断は「正しかったと思う」と評価した。
• 小野寺氏は北朝鮮のミサイル発射への対応について参加者から質問され「北朝鮮が大きな代償を払うことを常に伝える必要がある」などと答えた。

潘氏、元慰安婦と初会談
「被害者の声が重要」

• 国連の潘基文事務総長は11日、国連本部を訪問した韓国人の元従軍慰安婦吉元玉さん(87)や支援者と会談し「吉さんが受けた苦しみや痛みに同情する。被害者の声に耳を傾けるのが重要だ」と述べた。事務総長報道官によると、韓国人の潘氏が2007年に現職に就いて以来、元慰安婦と面会するのは初めて。
• 潘氏は会談で、慰安婦問題の日韓合意が誠実に履行されることに期待を示し「包括的な解決に向けて関係者が対話を続けることを求めている」と語った。
• 元慰安婦らの支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は12日、会談内容を公表。事務総長就任前に韓国政府で外交通商相などを務めた経験を持つ潘氏は合意をめぐり、自身が政府にいた当時に比べ「(日本の対応に)進展があった」との考えを示した。
• 元慰安婦らは潘氏が昨年末、合意を歓迎する声明を出したことに不満を示しているが、潘氏は会談で「国連は世界の多くの問題を扱っており、解決への過程で出される小さな合意でも歓迎している」と理解を求めた。
• 日韓合意で安倍晋三首相は朴槿恵大統領に電話で元慰安婦への「おわびと反省」の気持ちを表明したが、元慰安婦や支援団体は「公式謝罪ではない」として不満を強めている。
• 挺対協の尹美香常任代表は潘氏に「合意は、重大な人権侵害は被害者中心に解決すべきだとする、国連と国際社会が確立した原則を無視している」と強調。合意は問題の解決にはならないとする声明を手渡した。

「ひざまずいて謝罪」訴え
元慰安婦、日本大使館前で

• 韓国人で元従軍慰安婦の吉元玉さん(87)と支援者が9日、ワシントンの日本大使館前で、慰安婦問題の日韓合意に抗議する集会を開いた。吉さんは「(日本側が)ひざまずいて謝罪する時が来ると信じている」と訴えた。
• 集会では、元慰安婦との協議なしに日韓が合意したことを批判し、日本政府が軍や官憲による強制連行を認めるべきだと主張する声明が読み上げられた。支援者が大使館側に声明文を手渡した。

政府、国連委見解に反発
日韓合意「各国が歓迎」

• 日本政府は8日、従軍慰安婦問題の日韓合意を批判した国連女性差別撤廃委員会の見解に反発した。菅義偉官房長官は記者会見で「米国、英国なども合意を歓迎している」と強調し、国連事務局に遺憾の意を申し入れたことを明らかにした。合意に反対する声が韓国で広がり、問題の蒸し返しにつながりかねないとの懸念が背景にある。
• 委員会が7日に公表した見解は、日本から韓国財団への10億円拠出などを柱とする日韓合意について「元慰安婦らを中心としたアプローチを完全には取っていない」と指摘。合意に盛り込まれなかった元慰安婦への公式謝罪や賠償を日本に勧告している。日本政府内では「委員会のメンバーは元慰安婦を支援する団体の主張をうのみにしている」(外務省筋)との観測が出ている。
• 官邸筋は「メンバーには中国出身者もいる。見解からは、この問題で日本をけん制したい中国の思惑が感じられる」と分析した。
• 菅氏は会見で、日韓合意を歓迎している人物として、韓国出身の潘基文国連事務総長の名も挙げた。国連事務局のトップが支持している事実を委員会側に認識させ、再考を促す狙いがあるとみられる。
• 外務省筋によると、日本のジュネーブ国際機関代表部は現地時間の7日午後、国連事務局を通じ「見解は受け入れられない」と申し入れた。岸田文雄外相も8日の会見で、日韓合意に対する委員会の評価に関し「国際社会の受け止めと懸け離れている」と述べ、不快感をあらわにした。
• 日本政府が警戒するのは、合意に反対する韓国国内の野党や関係団体が今回の見解を受け、朴槿恵政権への「対日弱腰批判」を一段と強める展開だ。政権側が突き上げに抗しきれず、合意を履行できない事態に陥った場合、両国関係が再び冷え込むとの見方は根強い。
• 委員会を批判しすぎると、かえって国際社会の反感を買いかねないとのジレンマも日本政府は抱えている。


元慰安婦に十分配慮を
国連委、日本に勧告

• 国連の女性差別撤廃委員会は7日、ジュネーブで2月16日に開かれた対日審査会合に関する「最終見解」を公表した。旧日本軍の従軍慰安婦問題について、日本政府の取り組みはなお不十分と指摘。昨年末の日韓合意を実行に移す際には元慰安婦の意見に十分配慮するよう日本政府に勧告した。
• 委員会は2009年の前回会合で、元慰安婦らへの賠償や加害者の訴追などを含む慰安婦問題の「持続的な解決」を探る努力をするよう日本政府に勧告。7日の最終見解は日本がこうした過去の勧告を依然として実行していないとして「遺憾の意」を示した。
• 昨年末の日韓合意については「元慰安婦らを中心としたアプローチを完全には取っていない」と指摘、元慰安婦らの「真実、正義、償いを求める権利」を保証し、彼女らの立場に寄り添った解決を目指すよう求めた。
• また元慰安婦らを傷つけることになるとして、指導的立場にある人物や公人が慰安婦問題の責任を軽くしようとする発言をやめるよう要求。学校教科書で慰安婦問題を適切に取り上げ、子どもたちに歴史的事実を客観的に示すことも求めた。
• 日韓両政府は昨年末、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した。
• 2月16日の会合では、日本政府は「政府が発見した資料には、軍や官憲による強制連行を確認するものはなかった」と説明。韓国外務省は翌17日「慰安婦動員の強制性は、国際社会が既に判定を下した歴史的事実だ」と反論した。最終見解には「強制性」に関する言及はなかった。
• 委員会は各国の女性差別撤廃条約の履行状況を監視するのが役割。勧告に法的拘束力はない。

慰安婦支援団体が3月訪米
日韓合意の無効訴え

• 旧日本軍の元従軍慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は19日、ソウルで韓国メディアとの懇談会を開き、3月末にワシントンで開かれる核安全保障サミットに合わせて訪米し、慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意の無効を訴える運動を展開すると明らかにした。韓国メディアが伝えた。
• 米国滞在中、合意の問題点を指摘する書簡を国連の潘基文事務総長に直接手渡す計画もあるとしている。

 

慰安婦「強制確認されず」
国連委で日本政府説明

• 国連の女性差別撤廃委員会の対日審査会合が16日、ジュネーブの国連欧州本部で開かれた。日本政府からは杉山晋輔外務審議官が出席、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「政府が発見した資料には、軍や官憲による強制連行を確認するものはなかった」と説明した。韓国は強制性があったとの立場で、同国が反発する可能性もある。
• 杉山氏は、慰安婦が強制連行されたとの見方が広く流布されたのは「済州島(現・韓国)で強制連行した」との故・吉田清治氏の虚偽の証言が原因で、事実として報道した朝日新聞社は2014年に誤りを認めたなどと説明した。
• その上で、昨年12月に日韓両政府は慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることで合意した」と強調、両国が合意内容を誠実に実行へと移すべく取り組んでいるところだと述べた。
• 杉山氏は会合冒頭「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を胸に刻み続け、21世紀こそ女性の人権が傷つけられることのない世紀とするためリードしていく」と語った。
• 日本政府は今年1月、委員会からの22項目の質問状に対する回答書を提出。慰安婦の強制連行に関する質問に「強制連行は確認できなかった」と回答している。
• これに対し、韓国外務省報道官は1月末「慰安婦の強制性は否定できない歴史的事実だ」と反発し、昨年12月の日韓両政府による合意の精神を損なう言動を控えるよう求めていた。
• 委員会は各国の女性差別撤廃条約の履行状況を監視するのが役割。16日の議論を踏まえ、3月7日に最終見解を公表する見通し。前回審査会合は2009年に行われた。

慰安婦合意は「重大過失」
保守系団体、都内で集会

• 日韓両政府による昨年末の従軍慰安婦問題合意を受け、保守系市民団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」が7日、東京都内で集会を開いた。同委員会の水島総幹事長は「(旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の)河野洋平官房長官談話と比較にならないほど国家的な重大過失だ」と合意を批判した。
• 水島氏は「『慰安婦は性奴隷だった』といった韓国の主張を日本政府が公式に追認したと理解されても仕方ない。海外の報道機関でもそのように報道されている」と指摘。安倍晋三首相が韓国側に伝えた「心からのおわびと反省」は何に対するものなのかなどについて、説明を求める首相宛ての要望書を、参加した自民党の長尾敬衆院議員に手渡した。
• 日本のこころを大切にする党の中山恭子代表は「(合意を問題視する観点から)国会で取り上げる議員がいない。世界から、日本が獣のように残酷な国だと見られないようにしなければならない」と強調した。
• 集会には約450人が参加した。

 

従軍慰安婦合意1カ月
少女像で解釈食い違い
最終解決へ依然高い壁

• 日韓両政府が従軍慰安婦問題の「最終解決」で合意してから28日で1カ月を迎えた。双方は「誠意を持って約束を実行する」(安倍晋三首相)考えで一致するが、日本から韓国の財団への10億円拠出も、日本が求めるソウルの日本大使館前の少女像撤去も手つかずの状態。撤去に関して韓国が「約束はない」(当局者)と主張するなど、合意をめぐる解釈の食い違いが表面化。乗り越えるべき壁は依然高い。
▽ 静観
• 「日韓両政府が責任を持って合意を実施していくことが重要だ」。世耕弘成官房副長官は27日の記者会見で、合意をあらためて評価した上で両政府の「責任」を強調した。少女像撤去の見通しに関しては「韓国政府が適切に対処する」と述べるにとどめた。
• 合意のうち解釈の違いを招いているのは、少女像撤去を求める日本の要求を念頭に「韓国政府が関連団体と協議し、適切に解決されるよう努力する」とした部分だ。
• 首相は12日の衆院予算委員会で「移転されると理解している」と答えたが、朴槿恵大統領は13日の会見で「政府がどうこう言える問題ではない」と発言した。首脳間の認識の不一致は明白だ。
• 自民党は26日の外交部会などの合同会議で早期撤去を求める決議をまとめるなど、不満を募らせるが、政府は「収まった摩擦が再燃する」(首相周辺)として韓国の取り組みを静観する構えだ。合意を後押しした米国を含めた3カ国で、北朝鮮による核実験対応で結束をアピールする必要があるとの事情もある。
▽ 火種
• 10億円拠出への道も険しい。元慰安婦の支援団体が「法的責任を明言しない日本から10億円を受け取っても、国家賠償を勝ち取ったことにはならない」として、受け皿となる財団の設立に反対しているためだ。
• 外交筋によると、日本政府は「財団が発足しなければ、金を支払えない」(政府筋)との立場を韓国側に伝えている。韓国政府が国内世論対策に手間取ればその分、履行は遠のくことになる。
• 少女像撤去と10億円拠出を実施する順番も決まっておらず、展開次第では日韓間の新たな火種となる可能性もある。
▽ 漂流
• 夏の参院選をにらむ安倍政権が日韓合意を外交成果と位置付け、自らの手で完全決着を演出したいのは間違いない。昨年12月24日、岸田氏は官邸で、首相に「年内に解決しないと日韓関係は漂流する」と切り出し、最終解決に向けた28日の訪韓に理解を求めた。
• 解決時期について、首相は「年明け以降」(政府高官)と想定していたが、「安倍外交」を支えてきた岸田氏の意思を尊重し「分かった」と返答。28日の日韓合意発表への流れが決まった。
• だが合意履行の在り方を話し合う日韓外務省局長協議の日程は決まらないままだ。安全保障や経済分野の協力も、目立った進展は見られず、このままでは「本当に漂流する」(日韓外交筋)との懸念も出る。
• 日本外務省幹部は「4月の総選挙が終わらなければ、朴氏は身動きが取れない。進展の兆しが見えるのは早くても5月以降だ」と予測した。


16人が日韓合意に肯定的
生存の元慰安婦、韓国

• 韓国外務省当局者は4日、旧日本軍の元従軍慰安婦だった韓国人女性で、支援の市民団体の施設で生活していない21人のうち、昨年12月の日韓合意を肯定的に受け止めている人が16人に上ったと明らかにした。
• 日韓合意に対しては、元慰安婦の生活支援をしている二つの市民団体や研究者グループが強く反発。今回こうした団体施設で暮らす元慰安婦からは意見を聞いていない。
• 韓国政府はこれまで韓国人女性238人を元慰安婦と認定し、うち生存者は46人。韓国外務省はこのうち、韓国に暮らす18人と中国に住む3人について、本人や保護者と接触した。肯定的な意見の人は、合意後の共同記者会見で岸田文雄外相が「日本政府は責任を痛感している」などと表明したことなどを理由に挙げたという。
• 合意では韓国政府が設立する財団に日本政府が10億円を拠出し、元慰安婦の「名誉と尊厳の回復、心の傷を癒やすための事業」を行うと定めた。当局者は、この拠出金の使途は検討課題としながら、生存者の医療費支援などに使われ、亡くなった人の追悼事業には充てられないとの見通しを示した。

 

慰安婦合意「非常に貴重」
韓国、履行を重視

• 韓国外務省報道官は2日、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる昨年12月の日韓合意は「難題中の難題を両国の決断で妥結に導いたもので、非常に貴重な合意だ」と述べ、履行を進める重要性を強調した。定例記者会見で語った。
• 韓国メディアからは会見で、慰安婦連行の強制性を否定する日本側の言動が続いているとして「合意は破棄しなければならない」との指摘も出た。報道官は「合意を傷つけかねない言動」を控えるよう日本に求めながら、履行のための雰囲気づくりが重要だと述べた。
• 韓国では、安倍晋三首相が1月18日の参院予算委員会で軍や官憲による強制連行を直接示す資料は見当たらないと主張したことと、日本外務省が国連機関に同様の説明をしたことが最近報じられたことで、日本が慰安婦問題の責任回避を図っているとの不満がくすぶっている。
• 韓国外務省は、林聖男第1次官が今月1日、別所浩郎駐韓大使と協議し、日本側の言動に「憂慮」を表明したと自国メディアに説明。批判が朴槿恵政権に向かわないようガス抜きを図っている。

 

「帝国の慰安婦」無料公開
朴教授、ウェブサイトで

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱った著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦らの名誉を傷つけたとして名誉毀損罪で在宅起訴された朴裕河・世宗大教授が31日、同書の韓国語版を無料でダウンロードできるウェブサイトを開設した。
• 公開したのは、元慰安婦らが同書の出版禁止などを求めた仮処分申請を一部認定した韓国裁判所の決定を受け、34カ所を伏せ字とした修正版。
• 朴氏は在宅起訴した検察の判断に「誤解や曲解がある」と反発、世論の理解を求めるため無料公開を決めた。朴氏は31日、自身のフェイスブックで「慰安婦問題解決の一助となるよう望み、この本を書いた」と強調した。

地元区長が少女像撤去拒否
ソウル、慰安婦問題の象徴

• 韓国ソウルの日本大使館前にある従軍慰安婦問題を象徴する少女像について、所在地の歩道を管理する地元鍾路区の金永椶区長は29日までに、撤去は「あり得ない」と述べ、仮に朴槿恵政権から要請があったとしても拒む姿勢を明確にした。ソウル新聞のインタビューに答えた。
• 選挙で選ばれた地元区長が撤去拒否の姿勢を明確にしたことで、像の移転問題は一層複雑になりそうだ。
• 少女像は日本政府が撤去を求め、昨年12月28日の日韓外相会談後の共同記者発表で尹炳世外相が「適切に解決されるよう努力する」と述べた。日本は韓国が撤去を約束したと捉えている。
• 金氏は、像は道路占有許可が必要な施設物ではなく「芸術作品」だとし「美学的価値があり、歩行にもまったく支障を来していない」と述べた。
• 金氏は建築家出身で、元慰安婦女性の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が2011年に像を建てる前に、慰安婦問題を象徴するものとして「碑石よりも芸術作品の少女像がいい」などと関係者に助言していたという。
• 韓国政府は、民間団体が建てた像には関与できないとの立場を維持。像の扱いは、日本による韓国への10億円拠出を決めた合意履行の可否を左右する問題になっている。

合意適切か「判断」要求
国連に韓国の慰安婦団体

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意に反発する韓国の元慰安婦支援団体と、弁護士団体「民主社会のための弁護士会」は28日、複数の国連機関に合意内容が適切かどうかについて判断を求める請願書を提出すると明らかにした。
• 両団体は、合意は日本政府に賠償や公式謝罪などを促した過去の国連の勧告に沿わないと主張。請願書は元慰安婦ら10人の連名で、女性差別撤廃委員会などに送る。
• 記者会見した弁護士は「被害者(の立場)を中心とする原則に立って、再び問題解決を図ることを日韓両政府に勧告するよう求める」と説明した。
• 弁護士は「被害者らが賠償を受ける権利が尊重されているかを検討することが重要だ」と指摘。合意で安倍晋三首相が表明した「おわびと反省」は「公式謝罪ではない」とも批判した。
• 慰安婦問題では1996年、国連人権委員会のクマラスワミ特別報告者(当時)の報告書が日本政府に法的責任の受け入れや賠償、公式謝罪などを勧告。2014年には人権委が人権侵害行為の調査や、加害者の刑事責任追及などを勧告した。
• 元慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の尹美香・常任代表は会見で「合意は被害者の声を完全に無視しており、無効だ」と述べた。


政権と反対派綱引き続く
慰安婦問題合意1カ月

• 従軍慰安婦問題の日韓合意から28日で1カ月。元慰安婦支援のための財団設立など、日本との合意の履行には国民世論の支持が不可欠な朴槿恵政権と反対派との間で綱引きが続いている。政権は、年明けの北朝鮮の核実験を受け日本との連携強化の必要性をアピールするが、一部の元慰安婦や支援団体、野党は「合意破棄」への世論形成を狙う。
• ソウルの日本大使館前の慰安婦問題を象徴する少女像周辺では27日、水曜恒例の抗議集会に数百人が集まり「韓国政府は合意無効を宣言しろ」と声を上げた。日本が求める像撤去に反発する学生らが、昨年末に始めた座り込みも継続中だ。
• 支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」は合意後、各地での少女像増設を打ち出すなど活動を拡大。釜山の日本総領事館前に地元団体が少女像を建てる計画も浮上した。
• 最大野党「共に民主党」はこうした動きに呼応、文在寅代表(当時)が年末に元慰安婦らと会い「共闘」を誓ったほか、1月に入って4月の総選挙での争点化を示唆した。
• 韓国政府は、少女像撤去をせかすような日本側の姿勢や「(慰安婦は)職業としての売春婦だった」との政治家発言で国内世論を刺激され、対応に追われた。韓国政府は「合意履行が最重要」と繰り返し、抑制的な姿勢を保つが、有識者の一人は「日本側は韓国の事情に配慮すべきだ」と訴える。
• 合意直後に韓国外務省高官が元慰安婦を訪問、尹炳世外相が直接会って理解を求めることも検討中で、日本政府関係者は「合意を守ろうとの韓国側の意思を感じる」という。ただ「いろいろなことは、高ぶった世論が落ち着いてから進めようとの認識が日韓双方にある」と、合意履行には時間がかかるとの見方を示す。
• 韓国政府にとっては財団設立が当面の課題。支援団体側が、財団に入る日本政府予算による支援を拒否するため「国民募金」を展開する一方で、韓国ではこうした動きに冷淡な見方もある。


「被害者後回しの合意」
韓国人元慰安婦が批判

• 昨年末に日韓両政府が従軍慰安婦問題の解決で合意したことを受け、元慰安婦の韓国人女性2人が来日し26日、国会内で記者会見した。女性たちは「被害者を後回しにした合意だ」と批判し、あらためて公式謝罪と賠償を求めた。
• 2人は李玉善さん(88)と姜日出さん(87)で、元慰安婦が集まるソウル郊外の施設「ナヌムの家」で暮らしている。李さんは「被害者に相談なく政府間で合意した。政府は被害者の口を封じ、われわれの死を待っているようだ」と話した。
• 姜さんは「日本が韓国を侵略して私は中国の慰安所に連れていかれた。日本政府がきちんと謝罪しなかったこの合意は成立しない」と怒りをぶつけ、「安倍晋三首相が直接謝罪してほしい」と訴えた。
• 2人は会見後、国会内で開かれた集会に参加。李さんは、終戦後に日本軍に見捨てられ、中国で約60年間暮らさざるを得なかったと回想し「日本政府は賠償をしないばかりか、強制連行はなかったと事実の歪曲をして、(ソウルの日本大使館前の)少女像撤去まで求めている」と声を震わせ非難した。
• 姜さんは「父母恋しさに泣けば殴られた」と今も頭に残る傷を見せ「戦争で傷つくのは国民だ。日本と韓国はお互いに侵略せず、仲良くしてほしい」と呼び掛けた。
• 日韓両政府は昨年12月28日、「最終的な解決」で合意。日本が軍の関与と政府の責任を認めて韓国の財団に10億円を拠出し、韓国は少女像撤去に関し「適切に解決できるよう努力する」とした。


「被害者後回しの合意」
韓国人元慰安婦、会見で

• 昨年末に日韓両政府が従軍慰安婦問題の解決で合意したことを受け、元慰安婦の韓国人女性2人が来日し26日、国会内で記者会見した。女性らは「被害者を後回しにした合意だ」と批判し、あらためて公式謝罪と賠償を求めた。
• 2人は李玉善さん(88)と姜日出さん(87)で、元慰安婦が集まるソウル郊外の施設「ナヌムの家」で暮らしている。李さんは「被害者に相談なく政府間で合意した。政府は被害者の口を封じ、われわれの死を待っているようだ」と話した。
• 姜さんは「日本が韓国を侵略して私は中国に連れて行かれた。日本政府がきちんと謝罪しなかったこの合意は成立しない」と怒りをぶつけ、「日本国民に罪はない。安倍晋三首相が直接謝罪してほしい」と訴えた。
• 日韓両政府は昨年12月28日、「最終的かつ不可逆的な解決」で合意。日本が軍の関与と政府の責任を認めて韓国の財団に10億円を拠出し、韓国はソウルの日本大使館前の少女像撤去に関し「適切に解決できるよう努力する」とした。

朴裕河教授側が無罪主張
元慰安婦名誉毀損の初公判

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱った著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦らの名誉を傷つけたとして、名誉毀損罪で在宅起訴された朴裕河・世宗大教授の初公判が20日、ソウル東部地裁で開かれた。検察側は朴氏が同書で「強制動員を否定し、慰安婦と日本軍が同志的関係だったとの虚偽事実で名誉を傷つけた」と指摘。朴教授側は無罪を主張した。
• 朴氏は19日、日本の裁判員裁判に近い「国民参与裁判」の実施を申請。地裁は20日、実施するかどうかは後日判断するとした。初公判は参与裁判申請を受け「公判準備手続き」として行われた。
• 元慰安婦らが2014年6月に朴氏を刑事告訴し、ソウル東部地検が15年11月に在宅起訴した。
• これに対し朴氏は「検察側の解釈には誤読、曲解がある。名誉を傷つける意図はない」としていた。
• 在宅起訴を受け日韓の有識者は「学問の自由が侵されつつある」などとする抗議声明を発表。地検は起訴の発表資料で、学問などの自由は「秩序維持や公共福利のため必要な場合(一定の範囲内で)制限できる」としている。
• 今月13日には、元慰安婦らが同書で名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めた訴訟の判決で、ソウル東部地裁は訴えを認め、朴氏に計9千万ウォン(約870万円)の支払いを命じた。朴氏は19日、控訴した。

首相「安保上も意義」
慰安婦問題の日韓合意
参院予算委

• 安倍晋三首相は18日の参院予算委員会で、従軍慰安婦問題での日韓両政府合意を受けて北朝鮮問題での連携対応が可能になったとし「今回の合意は日本の安全保障においても大きな意義があった」と強調した。合意の履行に関しては「お互いが誠意を持って約束したことを実行していくと確信している」と語った。
• 従軍慰安婦問題について「政府がこれまでに発見した資料の中では、軍や官憲による強制連行を直接示すような資料は見当たらなかったという立場に何ら変更はない」と説明。同時に「戦争犯罪に当たる類いのものを認めたわけではない」とも述べた。
• 岸田文雄外相は「『性奴隷』との言葉は事実に反するので使用すべきではない。韓国政府からも、公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』だけだとあらためて確認している」と指摘した。

従軍慰安婦は「売春婦」
自民・桜田氏、後で撤回

• 自民党本部で14日朝開かれた外交・経済連携本部などの合同会議で、同党の桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が従軍慰安婦について「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言した。与野党から苦言や批判が相次ぎ、午後になって「誤解を招くところがあった。迷惑を掛けた関係者の皆さまに心よりおわび申し上げる」と、発言を撤回するコメントを出した。
• 日韓両政府は昨年12月末、慰安婦問題に関し、日本が軍の関与や政府の責任を認める内容で合意している。菅義偉官房長官は午後の記者会見で「政府や党の(慰安婦問題への)考え方は決まっている。自民党の国会議員であれば、そうしたことを踏まえて発言してほしい」と苦言を呈した。
• 日韓議員連盟会長を務める自民党の額賀福志郎元財務相は「日韓で暖かい風が吹き始めている時に、何が一番大切か考えてほしい。信じられない」と記者団に語った。
• 桜田氏は合同会議で、売春防止法が第2次大戦後に施行されるまで売春は仕事だったとした上で「売春婦だったということを遠慮して(言わないから)、間違ったことが日本や韓国でも広まっているのではないか」とも述べた。会議には議員約10人が出席した。
• 会合では、「南京大虐殺」に関する中国の資料が世界記憶遺産に登録されたことに関し、外務省幹部が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に制度改善を求めていると説明。桜田氏は、ユネスコへの拠出金を減らすべきだと主張した後、従軍慰安婦問題に言及した。


「無知蒙昧な妄言」
韓国、桜田氏を強く非難

• 韓国外務省報道官は14日、定例記者会見で、従軍慰安婦について「職業としての売春婦だった」とした自民党の桜田義孝元文部科学副大臣の発言を「無知蒙昧な妄言」と強く非難した。
• その上で、昨年末の日韓合意に基づく措置について「円満で着実に進める雰囲気と環境づくりが大事だ」と日本側に発言の自制を求め、合意内容の履行を重視する考えを示した。
• 報道官は発言について「歴史の前で恥も知らない国会議員の妄言に、いちいち言い返す価値も感じない」と不快感を表明。慰安婦問題は「日本の帝国主義膨張の過程で、強制的に連れて行かれた女性を対象に広範囲に行われた戦時の性暴力であり重大な人権侵害で、国際社会の共通認識だ」と指摘した。
• 慰安婦問題は、韓国が蒸し返しているとの日本の見方に対し、韓国では配慮を欠いた日本側の言動が原因でこれまで決着しなかったとの認識がある。このため韓国では、桜田氏の発言が、日韓合意がうたった「最終的かつ不可逆的な解決」を揺るがすものと見なされる可能性もある。


大使館前の抗議活動を捜査
韓国警察、無届けの学生ら

• ソウル地方警察庁は14日、従軍慰安婦問題の日韓合意に反対する大学生らが昨年12月~今年1月に、ソウルの日本大使館付近で実施した一部の抗議活動について、無届けの違法な集会と見なし、管轄する鍾路署が捜査していると明らかにした。
• 学生らは「文化祭」と称して集まったが、プラカードを掲げたりシュプレヒコールを上げたりするなど示威行動があった。同署が出頭を求めた男女8人の学生は14日現在、応じていない。
• 大使館前に設置された慰安婦の被害を象徴する少女像の周辺では昨年12月30日以降、日本政府が求める像の撤去に対する反対を訴え、学生らが、交代で座り込みを継続している。解散を命じる警察と学生がにらみ合う事態が散発的に起きていた。


「日韓合意無効」訴え強化
元慰安婦支援団体が会見

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、最終的な解決を約束した昨年末の日韓合意は無効と反発する元慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」などがソウルで14日記者会見した。日韓の再協議を求める世論を国内外で形成し、慰安婦を象徴する少女像の増設などの「全国行動」を始めると表明した。
• 各界の計約380団体と個人約340人が賛同。日本が10億円を拠出し韓国が設立する財団を通じた元慰安婦らに対する支援は「体を張って拒否する」とし、国民の募金などで独自の財団を立ち上げると発表した。
• 慰安婦問題に関する台湾やフィリピンなどの団体による「日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」の会合を2月に開き連携を強めるほか、3月には米国でシンポジウムを開くなどして同国の市民団体との協力関係も強化するとしている。
• 一方、自民党の桜田義孝元文部科学副大臣が従軍慰安婦について「職業としての売春婦」と発言したことに対し、挺対協の尹美香常任代表は記者団に「日本政府が、国家責任と歴史的事実を明確に認定していないために出た発言だ」と批判した。

韓国、元慰安婦に個別接触
合意への理解求め政府

• 韓国外務省報道官は12日の定例会見で、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる昨年12月の日韓合意を受け、同省担当者らが元慰安婦らの自宅を訪れ、合意への理解を求めていると明らかにした。一部の元慰安婦や支援団体が合意に反発の声を上げており、報道官は「被害者の意見を聴く努力を続ける」と述べた。
• 韓国外務省は合意発表の翌日の昨年12月29日、林聖男第1次官らを元慰安婦の支援施設2カ所に送り、合意内容を説明。元慰安婦らは「まだ解決していない」などと反発した。報道官は他の元慰安婦らにも「政府が直接説明し、理解を求める必要がある」と述べ、その後も訪問を続けていることを明らかにした。
• 国内対立の克服を目指す政府の「国民大統合委員会」の韓光玉委員長らも11日、ソウル郊外の支援施設「ナヌムの家」を訪れ、元慰安婦らに合意への理解を求めた。
• 一方、韓国紙ハンギョレは12日、支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香・常任代表が「個別に会っておばあさん(元慰安婦)たちを分裂させようとしている」と非難したと伝えた。


韓国政府、登録推進中止か
記憶遺産は「民間事業」
慰安婦問題の合意受け

• 韓国女性家族省は11日、旧日本軍の従軍慰安婦問題の関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録する手続きについて「民間団体が進めている」と表明した。女性家族省は遺産登録を昨年12月の日韓合意まで同省の「業務」としてきたが、合意を受けて方針転換、政府としては登録推進事業から手を引いたとみられる。
• 女性家族省は、日韓が「国連など国際社会で慰安婦問題について互いに非難、批判を控える」とした合意とは無関係だと主張しているが、登録の動きが止まれば国内世論の批判を浴びるため、民間主導の運動だと強調していく方針とみられる。
• 韓国政府が登録推進の主体でなくなれば、登録実現に向けた各国への働き掛けも弱まりそうだ。
• ソウル新聞は11日、女性家族省が登録へ向けた活動を民間団体に委託する手続きを進めていたが、日韓合意後に撤回したと報じた。
• 女性家族省当局者は「登録には多様な団体が関与しており、支援の方法を検討中だ」と述べた。元慰安婦の女性らを支援する団体が登録活動に関わる場合は費用を支援することもできると説明している。
• 日韓合意直後、岸田文雄外相は、韓国は今後登録申請に加わらないとの見通しを示したが、韓国外務省報道官は「事実無根」と否定。韓国の大学教授らが日韓合意とは無関係に、ことし5月末の締め切りまでに登録申請手続きを行う意向を示している。

オバマ氏、慰安婦合意評価
「首相の勇気に祝意」

• オバマ米大統領は7日の安倍晋三首相との電話会談で、昨年末の従軍慰安婦問題をめぐる日韓合意について「首相の勇気と決断に祝意を申し上げる」と評価した。同時に今回の合意で、北朝鮮の核実験を受けた日米韓の緊密連携が可能になったとの認識を示した。
• 首相は会談で、日韓合意に関し「最終的、不可逆的な解決を確認できた。これまでの米側の理解と協力に感謝する」と述べた。オバマ氏は「首相の決断によって、日米韓の協力が(進み)平和と安定に大きく貢献できる。国連の場でもさらなる力を発揮できる」と強調した。
• 慰安婦問題では、北朝鮮情勢をめぐる日韓協力の障害になりかねないとして、米側が懸念を示し、日韓両国に関係改善を求めてきた経緯がある。

慰安婦合意の履行支援
米、韓国に表明

• オバマ米大統領は7日、韓国の朴槿恵大統領との電話会談で、旧日本軍の従軍慰安婦問題での日韓合意の履行を米国として「積極的に支援していく」と表明した。韓国大統領府が明らかにした。
• オバマ氏は朴氏の決断を評価。合意が日米韓の対北朝鮮対応に寄与すると表明した。

慰安婦合意に協力表明
米アジア上級部長

• 米国家安全保障会議(NSC)のクリテンブリンク・アジア上級部長は5日、従軍慰安婦問題をめぐる日韓両政府の合意履行に向け、米政府として今後も協力すると表明した。河井克行首相補佐官が会談後、記者団に明らかにした。
• 河井氏によると、クリテンブリンク氏は「国際社会と市民社会が今回の決着を支持することを願っている」とした上で「合意を実施していく過程で米国政府としてできることがあれば何でも協力する」と述べた。
• 河井氏は、韓国系団体による米国での従軍慰安婦少女像設置に関し「これからも注視していく」と伝え、米政府による対処を促した。会談にはNSCのジョンストン日本部長が同席した。

慰安婦白書、発刊へ
韓国「合意と無関係」
日本政府は対応注視

• 韓国外務省報道官は5日、韓国女性家族省が昨年から準備を進めている「日本軍慰安婦白書」の発刊は、慰安婦問題での日韓合意とは「無関係」として予定通り出版されると述べた。時期には言及しなかった。
• 女性家族省の当局者は海外での翻訳版発刊について「政府の関係部署で検討中」と説明し、否定しなかった。菅義偉官房長官は5日の記者会見で、韓国政府の対応を注視する考えを示した。
• 日本外務省幹部は取材に対し「出版を止めることはできないが、白書の内容があまりにひどい場合、韓国側に日本の考えをしっかりと伝えなければいけない」と話した。
• 岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は、昨年12月28日の会談後の共同記者発表で、日韓が今後「国連など国際社会で慰安婦問題について互いに非難、批判を控える」と表明。これまで女性家族省は英語や日本語、中国語の翻訳版も計画していると説明しており、この方針通りに発刊されれば、日本政府は合意違反と反発するとみられる。
• 韓国では朴槿恵大統領が合意を外交成果と強調しているが、日本に譲歩したとの見方が広がれば、元慰安婦らの反発に共感が広がり履行が難しくなると憂慮。従来の施策を変えない姿勢もアピールする必要に迫られている。
• 外務省報道官は、日本が撤去を求めているソウルの日本大使館前の少女像についても「民間(団体)が設置したもので、政府がああしろ、こうしろとは言えない」と述べ、政府は撤去できないと強調。被害者の意見を聞かずに合意したとの批判が出ていることに対し「2015年に15回にわたり被害者や(支援)団体と接触し意見を聞いてきた」と主張した。
• 元慰安婦を支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香・常任代表は「外務省高官があいさつに来たが、マスコミ向けに努力を強調するパフォーマンスで、意見を聞かれたことなどない」と反発した。


「誤解誘発の言動」と韓国
少女像移転の岸田氏認識に

• ソウルの日本大使館前にある従軍慰安婦問題を象徴する少女像について、岸田文雄外相が4日、日韓合意に基づき移設されるとの認識をあらためて示したことに対し、韓国外務省当局者は同日「合意の円満な履行のため、誤解を誘発しかねない日本側の言動がこれ以上あってはならない」との立場を示した。
• 韓国世論の一段の反発を避けるため、日本側により慎重な発言を求めたとみられる。
• 当局者は少女像について「民間団体が設置したもので、政府があれこれ言える事案でない」との従来の立場を強調。「被害者の名誉と尊厳回復のため、日本側は誠実に合意を履行する姿勢を見せるべきだ」としている。
• 岸田外相は4日の記者会見で、少女像問題について「適切に移設されると認識している。その認識は変わらない」と述べた。


韓国政府に努力要請
菅氏、少女像移転で

• 菅義偉官房長官は5日の記者会見で、韓国・ソウルの日本大使館前にある従軍慰安婦問題を象徴する少女像について、韓国政府に移転への努力を重ねて求めた。昨年末の日韓合意に触れ「韓国政府として適切に解決されるよう努力するとの表明があった。韓国側が努力すると認識している」と述べた。
• 一方、台湾政府が慰安婦問題で1月に日本政府と協議するとした台湾の通信社報道に関しては「言われたような事実はない」と否定した。


慰安婦合意を朴氏が自賛
韓国、世論は懐疑的

• 韓国の朴槿恵大統領は5日、旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する日本との合意を「過去の政権が手を付けられなかった難題」の一つに挙げ、その解決に全力を挙げてきたと強調し成果を自賛した。閣議での発言として大統領府が明らかにした。
• 一方、5日付の韓国紙、中央日報は世論調査の結果として、日韓が合意で慰安婦問題が「不可逆的」に解決したとうたったことに、同意しないとの回答者が58・2%で、同意するとした37・3%を上回ったと報じた。
• 日本がソウルの大使館前の少女像撤去を求めていることに関し、移転に反対する回答は74・4%。安倍晋三首相の「おわび」に誠意がないと感じる人も76・6%に上り、合意を懐疑的に見る空気が優勢だ。

日米韓が次官級協議へ
東京で今月中旬開催

• 日本と米国、韓国3カ国政府は、今月中旬に外務次官級協議を東京都内で開く方針を固めた。複数の外交筋が4日、明らかにした。日韓間の懸案だった従軍慰安婦問題の「最終解決」をてこに、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発で重みを増す日米韓の安全保障協力の推進を目指す。
• 日米は、中国が南シナ海に建設した飛行場で航空機を試験飛行させたことに懸念を強めている。対中配慮を優先し、中国の海洋進出批判に消極的な韓国に対し、積極的な対応を促す構えだ。
• 協議には斎木昭隆外務事務次官、米国のブリンケン国務副長官、韓国外務省の林聖男第1次官が出席する。
• 日韓は昨年末、慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的」な解決で合意したが、日韓双方の一部世論は「外交的敗北だ」などと反発している。米国は協議で合意への支持をあらためて表明し、問題の蒸し返し回避を求めるとみられる。
• 協議では、北朝鮮の核・ミサイル問題に連携して取り組む重要性を確認する方向だ。停滞している日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の早期締結や、自衛隊と韓国軍の間で物資などを融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)も議題になる公算が大きい。
• 米ワシントンで3月31日から開かれる核安全保障サミットに合わせて日米韓首脳会談を開催する案についても意見を交わす可能性がある。


日韓関係「新時代」
首相、衆参で外交報告

• 安倍晋三首相は4日、衆参両院本会議で外交報告を行った。従軍慰安婦問題をめぐる日韓両政府の「最終的かつ不可逆的な解決」での合意について「日韓関係が未来志向の新時代に入ることを確認した」と明言した。
• 日本が議長国を務める5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に触れ「日本外交が世界を引っ張る年だ。世界と緊密に協力し、リーダーシップを発揮していく」と表明した。
• 昨年11月にトルコで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合など一連の国際会議での成果も説明。パリ同時多発テロを踏まえ「テロとの戦いに国際社会が手を携えていく明確なメッセージを発信できた」と強調した。
• 南シナ海での中国の海洋進出を念頭に「武力の威嚇や力による現状変更を行ってはならないという原則が、着実に国際社会に浸透しつつある」とした。インドと原則合意した原子力協定に関し「インドが核実験を行う場合、日本の協力は停止する」と理解を求めた。
• 外交報告は、政権が首相の外交日程を主な理由にして昨年秋の臨時国会召集を見送ったため、野党が通常国会冒頭での実施を求めていた。


日韓合意、他に適用せず
慰安婦問題で菅氏

• 菅義偉官房長官は4日夜のBSフジ番組で、従軍慰安婦問題をめぐる日韓両政府の合意を踏まえ、台湾などで謝罪や賠償を求める動きが出ていることに関し、韓国と同様の対応はしない考えを示した。「今日まで誠実に対応している。今回はあくまでも日韓の長年の問題について両政府が最大限の努力の末、解決を確認した」と述べた。
• 台湾政府は、元慰安婦らの具体的要求を集約し、日本政府と協議に入ろうとしている。

 

日韓、月内にも再協議
慰安婦合意、履行議題に
10億円拠出で難航も

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する昨年12月28日の日韓合意を受け、両国はこれまでこの問題を扱ってきた外務省局長協議を継続し、合意の履行手順について話し合うことを決めた。日韓外交筋が3日明らかにした。両国は1月中にも次回協議を開催したい考えだ。
• 合意で定めた日本政府による韓国への10億円拠出に関し、ソウルの日本大使館前にある少女像の撤去を条件とするかどうかで日韓はそれぞれ異なった説明をしており、協議は難航する可能性もある。
• 一方、韓国女性家族省当局者は、日本の資金で運用する財団設立について外務当局と協議を始めたと明らかにした。
• 慰安婦の被害を象徴する少女像の撤去は日韓の合意事項には含まれていないものの、日本は撤去なしに資金拠出はしない意向だ。
• 韓国では12月28日、日韓外相会談後の共同記者発表で尹炳世外相が「適切に解決されるよう努力する」と述べ、政府当局者は「撤去の約束はない」と説明している。
• 像を設置した「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は合意に反発し、像は移転できないと主張している。韓国では、朴槿恵政権が被害者の意見を聞かずに日本と合意したことで像の撤去に否定的な空気が生まれている。合意翌日に韓国外務省の次官2人が元慰安婦らと会い説得を試みたが、受け入れを拒まれた。
• 韓国政府筋によると、政権内では説得役を閣僚に格上げすることも検討されているが、世論の一層の悪化を招きかねないとの慎重論もある。大統領が説得に乗り出すべきだとの声も保守派から出ている。

日韓合意への抗議集会続く
警察と学生もみ合いも

• 従軍慰安婦問題の日韓合意に反発する韓国の大学生や市民らの団体が2日、ソウルの日本大使館の敷地前で合意の破棄を求める集会を相次ぎ開いた。学生らが現場に設置しようとした舞台を警察が無許可だとして撤去し、抗議する学生らともみ合いになるなど一時騒然となった。
• 大使館前にある慰安婦を表す少女像周辺では、昨年12月30日から学生らが座り込みを継続。学生らは、元慰安婦の生活支援のため韓国が設立する新団体に日本が拠出する10億円の受け取り拒否も主張し、募金活動を始めた。
• 2日の集会は元慰安婦の金福童さん(89)も訪れ「(日本は)心から謝罪し賠償しなければならない」と主張。支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の尹美香・常任代表は「日本軍の全面的な関与の下、女性を強制連行し性奴隷にした犯罪である点を認めるよう要求する」などと強調した。
• 参加者らは「日本は10億円で反人道的な犯罪をなかったことにしようとした」「安倍(晋三首相)がひざまずき涙を流して謝罪するまで闘う」などと声を上げ、韓国政府に対しても「親日」「売国」などと非難した。
• 大使館が建て替えのため移転した隣のビル内で12月31日に抗議活動を行い建造物侵入容疑などで警察に拘束された学生らが2日、釈放され、集会現場を訪れ警察に抗議。他の学生らは「英雄」などとたたえた。


日韓合意で経済効果に期待
「外交成果」と朴大統領

• 韓国の朴槿恵大統領は1日、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる日本との合意を、自由貿易協定(FTA)の拡大と並べて「外交成果」として挙げ「(これらの成果が)実際に経済の活性化につながり、国民がより大きな恵みを得ることが何よりも重要だ」と述べた。閣僚らとの朝食会での発言と大統領府が発表した。
• 朴氏は成果の第1位に日本との合意を挙げており、対日関係改善による経済効果に大きな期待を寄せていることを示した形だ。
• 一方与党、セヌリ党の元裕哲院内代表は同日、ソウル郊外の元慰安婦女性の支援施設「ナヌムの家」を訪れ、女性らに「(合意が)気に入らないかもしれないが、安倍(晋三)首相が謝罪し、幾つかの合意をした。セヌリ党議員は合意が守られるよう(日本に)求め、監督していく」と述べた。聯合ニュースが報じた。女性らの反応は伝えていない。


少女像撤去が10億円の条件
政府、慰安婦支援の新財団
韓国側は合意への理解要請

• 元従軍慰安婦の支援を目的に韓国が設立する新財団への支出に関し、日本政府が被害女性を象徴するソウルの日本大使館前の少女像が撤去されなければ、韓国と合意した10億円を拠出しない意向であることが31日までに分かった。韓国大統領府は31日、国内で日韓合意への反発が高まっている現状を踏まえ、国民に理解を求める談話を発表した。これに対し、韓国最大野党「共に民主党」は「日本から必ず謝罪と賠償を勝ち取る」などと攻勢を強めた。
• 日本としては少女像問題が未解決のまま財政負担に踏み切れば、国内世論の理解が得られないと判断。政府筋は、安倍晋三首相の「強い意志」の反映だとしている。韓国側の世論が硬化するのは避けられず、両政府の取り組みや、拠出を含めた合意の履行に影響を与える可能性がある。
• 韓国大統領府は談話で、日本との交渉では「国益を守るため崖っぷちに立った気持ちで臨んだ」と強調し、「国民や元慰安婦のおばあさんは大局的な観点から理解し、国家の未来のため力を合わせてほしい」と呼び掛けた。その上で「政府が最善を尽くした結果を『受け入れ不可能』と主張するなら、今後どの政権も難題に手を出さなくなる」と訴えた。
• これに対し、共に民主党の文在寅代表は31日、ソウル郊外の元慰安婦支援施設「ナヌムの家」を訪問。合意に不満を示す元慰安婦らに「わが党は日本の法的責任を問う」などと「共闘」をアピールした。
• 世論調査機関リアルメーターが同日発表した調査結果では、合意に肯定的な意見が約43%、否定的は約51%。文氏はこうした世論を背景に政権批判を本格化させ、日本政府が拠出する元慰安婦支援の10億円の受け取り拒否を主張し、代わりに「100億ウォン(約10億円)の国民募金運動を開始する」とも宣言した。
• 尹炳世外相は31日、与党セヌリ党の議員総会に出席し「元慰安婦の被害者らが存命中に妥結すべき緊急性があった」と説明した。同党の徐清源・韓日議員連盟会長は同日、日韓議連の額賀福志郎会長(自民党)が近く訪韓し、元慰安婦の女性らを訪れて慰労するとの見通しを明かした。


少女像「国内外で増設」
韓国団体、撤去拒否
慰安婦合意に影響も

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、28日の日韓合意に反発している韓国の元慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は30日、ソウルの日本大使館前に建てたものと同種の少女像を韓国内外で増設する運動を展開すると宣言した。
• 日本は慰安婦被害を象徴する少女像を大使館前から撤去するよう求めており、韓国側が応じるかどうかは韓国が設立する財団への10億円拠出を含めた合意の履行に影響する見通し。挺対協は撤去に応じない考えも鮮明にしており、撤去が実現しないまま別の場所で像が設置され続ければ、日本政府は態度を硬化させそうだ。
• 韓国の尹炳世外相は30日、合意に絡み「誤解を招きかねない日本の言行」の自制を望むと韓国記者団に話した。日本で像の撤去を資金拠出の前提にするよう求める声が出ているとの報道を念頭に置いたものとみられる。
• 挺対協によると、少女像は現在韓国に27体、米国など海外に3体設置されている。
• 挺対協は30日、慰安婦問題で日本に抗議する定例の「水曜集会」を日本大使館前で開き、少女像を増設する方針を表明。同集会の開催は日韓合意後初めてで、今年亡くなった9人の元慰安婦の追悼式も行った。警察推計で約700人が参加した。
• 挺対協は日韓合意が日本の法的責任や賠償義務に触れず、合意前に被害者との協議もなかったとして無効を主張し、朴槿恵政権への反発も強めている。集会で元慰安婦の李容洙さん(87)が「最後まで戦う」と話すと参加者から拍手が起きた。
• 大使館前の少女像について、尹氏は合意発表時に「適切に解決されるよう」努力すると表明。像は公道上にあり使用許可は得ていないが、設置した挺対協の同意なしに強制撤去に踏み切れば世論の反発は避けられず、合意後、韓国当局者は「(撤去の)約束はしていない」と主張した。
• 日韓合意を米政府は歓迎。韓国各紙も合意をおおむね歓迎する論調で報じている。朴政権寄りの保守系メディアは朴氏自身が世論を説得すべきだと求めている。


「少女像動かさない」
合意に反発、700人集会

• 「屈辱的な韓日合意を糾弾する」「少女像は動かさない」。旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐりソウルの日本大使館前で毎週開かれている「水曜集会」。今年最後の開催となった30日、日韓合意に反発する元慰安婦女性や支持者らが声を上げた。
• 集会は元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が主導し、約700人が集結、車道の約半分を埋め尽くした。
• 元慰安婦の李容洙さん(87)は「最後まで戦い、謝罪と法的賠償を勝ち取る」と強調。「1965年(の日韓請求権協定)で解決済みとは話にならない。反省しない日本をこのままにしていいのか」と叫び、参加者らは「駄目だ」などと呼応した。
• 日本政府が撤去を求め韓国政府が「解決への努力」を約束した、慰安婦被害を象徴する少女像のはだしの両足首にマフラーを何重にも巻き付け、参加者らは「撤去反対」の意思を示した。
• 挺対協の尹美香・常任代表が少女像を国内外で増設する運動の展開を宣言すると、募金箱を持った若い女性らが参加者の間を回り、多くの人が紙幣を投じた。
• 取材中の韓国誌記者は「韓日合意は国民の納得にはほど遠い」と一言。一方で「政府間の合意は重い」とも口にした。尹代表は、通常応じていた集会後のメディアの取材を受け付けず、早々に車に乗り込んだ。


少女像撤去見極め拠出
政府、新財団への10億円

• 日本政府は、従軍慰安婦問題を象徴するソウルの日本大使館前の少女像に関し、韓国政府が撤去を実現できるか見極めた上で、元慰安婦の支援を目的に設立される新財団への10億円拠出の時期を最終判断する構えだ。
• 日本が求める少女像撤去は28日の日韓外相会談の合意に含まれていない。このため日本政府は、撤去されないまま財政支出に踏み切れば国内世論の反発を受けると判断。引き続き韓国政府に撤去を要請する方針だ。
• 少女像は、安倍晋三首相が支持基盤とする保守層にとっては「日本をおとしめたい韓国民間団体の意志そのもの」(自民党閣僚経験者)と映る。
• 韓国政府が民間団体を説得できるかは見通せないが、少女像問題で日韓双方の世論が納得する道筋が示されなければ、慰安婦問題の「最終かつ不可逆的解決」で一致した合意の履行そのものが難しくなりかねない。
• 日韓両政府は年明けから、新財団の体制や事業の具体的内容、10億円の拠出方法などについて意思疎通を図る。日本側には財源確保に加え、世論の理解をどう得るかなどの課題が残っている。
• 日本政府筋は、少女像問題について「韓国側から撤去を担保されたわけではない。難しい問題だが、大使館から見えない場所に移転してもらわないと意味がない」と話している。


「2016台湾総統選」
慰安婦問題で意見一致
台湾総統3候補、対日要求

• 来年1月の台湾総統選に立候補した3候補が、従軍慰安婦問題をめぐる日韓両政府の合意を受け、謝罪や賠償を日本に求める意向を示した台湾政府への支持をそろって表明した。8年ぶりの政権交代に向けて優勢な最大野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文主席(59)も「全面的な支持」を示しており、今後の日本側の対応が注目されそうだ。
• 国民党の馬英九政権は日中戦争で日本と戦った中国の「正統な政権」との立場から、慰安婦問題を含む旧日本軍の責任を追及する姿勢が鮮明。台湾の「本土政党」を自任する民進党の蔡氏は、立場は異なるが、29日に「不当な扱いを受けた女性に補償すべきだ」と述べ、同様に対日協議を求めた。
• 国民党の朱立倫主席(54)は同日の経済団体との会合で「(日本政府は)台湾人に説明すべきだ」と語り、日本が韓国とだけ合意したことに「遺憾」を表明。野党、親民党の宋楚瑜主席(73)も、日本による「差別待遇」と批判した。
• 台湾では元慰安婦とされる女性4人が存命。今年は女性らの記録映画も上映された。映画に出資した人権団体は、慰安婦をテーマにした台湾初の博物館を来年つくる計画だ。
• 3候補は30日、中央選挙委員会主催の2回目のテレビ政見発表会に参加。

日韓、慰安婦「最終解決」
10億円財団、首相がおわび
外相合意、両首脳で確認
尹氏、少女像は適切対処

• 日韓両政府は28日、外相会談をソウルで開催し、従軍慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した。日本は軍の関与と政府の責任を認めるとともに、元慰安婦への支援を目的に韓国政府が設立する財団に10億円を拠出する。この後、安倍晋三首相は朴槿恵大統領と電話で会談し「心からのおわびと反省の気持ち」を伝えた。合意内容も確認した。
• 被害女性を象徴するソウルの日本大使館前の少女像をめぐる日本の撤去要求について、韓国の尹炳世外相は岸田文雄外相との共同記者発表で「関連団体と協議し適切に解決できるよう努力する」と述べた。
• 日韓間における懸案の一つである慰安婦問題が、国交正常化50年の今年中に決着で合意したことで、両国関係は改善へ大きく前進した。
• 首相は電話会談で「元慰安婦の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみを思うと心が痛む」と表明。朴氏は元慰安婦に伝えるとした。電話会談後、首相は官邸で記者団に「両国が力を合わせて新しい時代を切り開くきっかけとしたい」と述べた。
• 外相会談では、国連など国際社会で慰安婦問題をめぐり互いに非難や批判を控えることで一致。財団の事業については「両政府が協力し、元慰安婦の名誉や尊厳の回復、心の傷の癒やしを行う」と位置付けた。
• 岸田氏は記者発表で「日本政府は責任を痛感している」と強調。記者団には、政府の責任に関し「歴代内閣の立場を踏まえたものだ。日韓間の請求権に関する日本の法的立場は何ら変わらない」と説明した。10億円の拠出については「協力して事業を行うもので、賠償ではない」とした。
• 少女像に関しては「適切に移転されるものと認識している」と述べた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産への慰安婦問題に関する資料登録をめぐって、韓国は申請に加わらないとの見方を示した。
• 日本側は、韓国側に共同基金の創設と応分の支出を求めていたが、韓国が財団を新設し、拠出金は日本が全額を負担することになった。
• 岸田氏は、北朝鮮問題や中国の軍備増強を念頭に「日韓、日米韓の安全保障協力が前進する素地ができた。国益に大きく資する」とも述べた。青少年交流の推進が重要だと訴えた。会談後、大統領府で朴氏を表敬した。
• 元慰安婦の生存者は50人弱。韓国側は日韓請求権協定の対象外として、国家による法的責任の明確化と賠償を要求。11月のソウルでの首脳会談では「早期妥結」を目指す方針で一致していた。


求められる真の和解
日韓慰安婦問題合意

• 【解説】日韓両政府が従軍慰安婦問題の決着で合意したのは、国交正常化50年の節目にもかかわらず、泥沼化した対立を放置すれば、関係改善の機会を失うとの危機感があったためだ。北朝鮮の核開発や軍拡を進める中国をにらみ、日米韓3カ国の連携が機能不全に陥りかねないとの懸念も強かった。苦心の末に得た成果を、真の日韓和解と協力へつなげる努力が互いに求められる。
• 韓国の朴槿恵政権は2013年の発足以来、元慰安婦対応をめぐる厳しい自国世論に押される形で強硬姿勢を堅持してきた。安倍政権も国内受けを意識し、韓国に強気の態度を誇示してきた感がある。国民間の感情的対立も際立ってきた。
• いずれの国内でも相手を卑しめる言葉が飛び交い、インターネットでは憎悪表現があふれている。日韓関係の悪化が北東アジア情勢を不安定化させかねないのは明白だ。歴史問題でもめれば、北朝鮮や中国は韓国と同じ側で日本をけん制し、分断を図れることになる。
• こうした状況への危惧を強める米国は、オバマ大統領自ら日韓両国に関係改善を強く要請。安倍晋三首相も朴氏も、指導者として決断を下す必要性を感じていたのは想像に難くない。
• 外相会談後、首相は「子や孫に謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」と記者団に表明。朴氏は首相との電話会談で「最終合意がなされて良かった」と率直な心情を吐露した。
• 民主主義の価値観を共有する日韓が協力を深め、国際社会の平和と安定に貢献するか、その力量が問われている。


少女像なお持ち越し
世論対策で痛み分け

• 日韓両政府は、28日に合意した旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる交渉で、国内世論の反発回避に腐心してきた。日本政府の法的責任や安倍晋三首相の「おわび」表明など両国の主張が隔たる点について「双方が都合よく解釈し、国内に説明できる内容」(日韓外交筋)となるよう痛み分けを図った形だ。ソウルの日本大使館前の被害女性を象徴する少女像の撤去問題ではあいまいな点が残り、最終的な決着はなお持ち越しとなった。
• 焦点の少女像について、日本は撤去が決着の条件と主張。韓国は民間団体が設置したことなどを理由に「問題が最終決着すれば自然とそうなる」と慎重な姿勢だった。
• 韓国の尹炳世外相は28日、岸田文雄外相と会談した後の共同記者発表で「韓国政府が関連団体と協議し、適切に解決されるよう努力する」と明言。日本外務省によると、外相会談で韓国側は米国などへの少女像設置でも「韓国政府は支援しない」との認識を示した。ただ、撤去や移転に対して韓国の国民が反発する可能性も否定できず、実現するかどうかは見通せない状況だ。
• 最大の対立点だった請求権問題で、日本は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」との立場だ。これに対し、韓国は慰安婦について「協定の適用対象外」として、国家責任の明確化や賠償を求めてきた。
• 岸田氏は共同記者発表で、93年の河野洋平官房長官談話などの表現を踏襲し「軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と述べた上で「日本政府は責任を痛感している」と語った。
• 慰安婦について「胸が痛む」(安倍首相)などとしていた従来の表現から一歩踏み込んだ印象も受ける。岸田氏は記者団に「請求権に関する日本の法的立場は何ら変わらない」と述べ、慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決した」と強調した。
• 元慰安婦への支援事業に関しては、日本は元慰安婦に「償い金」を支払った「アジア女性基金」(2007年解散)が十分な理解と協力を得られなかった反省から、日韓共同の新基金を設立して韓国政府が関与する形式にこだわった。政府予算から1億円超を拠出する案を打診、韓国は10億円以上の拠出を求めた。
• その結果、韓国が財団を設立し、日本は約10億円を拠出。日韓が協力して元慰安婦の支援事業を実施することで合意した。


合意実施の重要性確認
首相、朴氏に来日要請

• 安倍晋三首相と韓国の朴槿恵大統領は28日に電話会談し、従軍慰安婦問題の解決に向けた日韓合意の着実な実施が重要だと確認した。未来志向の関係を目指し、安全保障分野で連携を強化する考えでも一致した。首相は来年の日中韓首脳会談に合わせた来日を要請した。「訪日を心待ちにしている」と述べた。
• 首相は合意に関し「首脳(同士)が責任を持って実施することを確認したい」と強調。朴氏は、元慰安婦の支援事業に触れ「実施されれば、この問題が再び議論されることはない。両国の最終合意がなされて良かった」と明言した。来日要請には「感謝する。しっかりと検討したい」と述べた。
• 今後の日韓関係をめぐり、首相は「安保協力を重視している。具体的に進めたい」と意欲を示した。朴氏は「重要性を共有する」と応じた。
• 首相は会談後、官邸で記者団に「最終的、不可逆的な解決を(戦後)70年目の節目にすることができた。子や孫に謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない。その決意を実行に移すための合意だ」と訴えた。
• 自らが8月に発表した戦後70年談話に触れ「歴代内閣は反省とおわびの気持ちを表明してきた。その思いに揺るぎはない」と説明した。


日韓関係改善に期待
与野党が合意歓迎

• 与野党は28日、従軍慰安婦問題の日韓合意について「双方の喉に刺さったとげが取れた」(二階俊博自民党総務会長)と歓迎、関係改善につながると期待が広がった。
• 二階氏は、国会内で記者団に「合意を契機に両国が円満な外交を展開し、安全保障や貿易の問題が進展することを期待する」と述べた。日韓親善協会会長の河村建夫元官房長官は「お互いが問題を解決し、次は本格的な未来志向で進もうと誓い合った意義は大きい」と強調した。
• 稲田朋美政調会長は、日本が要求している被害女性を象徴するソウルの日本大使館前の少女像撤去について「韓国政府が撤去を含め、速やかに具体的な対応を取ることを求める」とのコメントを出した。
• 公明党の山口那津男代表は元慰安婦を念頭に「人道的な見地から苦しむ人がおり、政治的に解決を図るのは当然だ。妥当な結果だ」と語った。
• 野党各党は談話を発表した。民主党の長島昭久元防衛副大臣は「未来志向の合意だ。日韓両政府に対し、合意内容を着実、誠実に実施するよう求める」と訴えた。
• 共産党の志位和夫委員長は「問題解決に向けての前進と評価できる。今回の合意が、元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復につながることを願う」とした。
• 維新の党の今井雅人幹事長は「少女像の撤去はまさに試金石だ。成否を注視したい」と韓国側の取り組みを見守る考えを示した。
• 社民党の又市征治幹事長は「合意は一歩前進だが、問題が大きくこじれたのは安倍政権の歴史認識によるところが大きい」と指摘した。


個別決着に困惑、批判
アジア、対日協議要求も

• 日韓が従軍慰安婦問題の決着で合意したことについて、元慰安婦がいるアジアの国々や地域からは28日、日韓の関係改善を歓迎する一方、韓国と個別に最終的な決着を確認したことに批判的な意見や困惑の声も出た。台湾は日本に協議を求めることを決定。同様の動きが相次ぐ可能性がある。
• 中国外務省の陸慷報道局長は定例記者会見で「両国関係の改善がこの地域の安定と発展に寄与することを希望する」と歓迎の意向を表明。慰安婦問題は「日本軍国主義が犯した反人道的犯罪。日本は侵略の歴史を直視し、責任を持って関連の問題を処理していくべきだ」と述べた。
• 慰安婦問題を研究している上海師範大の蘇智良教授は「(日本政府は)中国や台湾、東南アジアなどの元慰安婦も(韓国の元慰安婦と)平等に処遇、謝罪し賠償すべきだ」と指摘した。
• 元慰安婦とされる女性が4人存命する台湾の中央通信社によると、台湾外交部(外務省)は日韓合意を受け、日本政府に台湾政府との協議にも直ちに応じるよう求めることを決め、台北駐日経済文化代表処(駐日代表部に相当)に協議要求を指示した。
• フィリピンの元慰安婦支援団体「リラ・ピリピーナ」のレチルダ・エクストレマドゥラ事務局長は「フィリピンの元慰安婦が同じような合意内容を受け入れられるかどうか、分からない」と述べ、日韓の合意に困惑した様子を見せた。
• 旧日本軍が第2次大戦中に慰安所を設置したインドネシアの外務省報道官は、日韓合意について「内容を確認する」と話す一方、「対話を歓迎する」と述べ、日韓関係の改善に期待感を示した。


「賠償を」と反発相次ぐ
元慰安婦、受け入れの声も

• 日韓両外相が28日、旧日本軍の従軍慰安婦問題の決着で合意したことについて、元慰安婦や支援団体からは「賠償するべきだ」「野合だ」と財団設立による支援策などに対する反発が相次いだ一方、「政府に従う」と合意を受け入れる声も聞かれた。
• 元慰安婦が暮らすソウル郊外の施設「ナヌムの家」で記者会見した李玉善さん(87)は「賠償と公式の謝罪は(日本から)必ず受けなければならない」と述べ、日本政府の拠出が賠償でないことに反発。「苦労して待ったのに(韓国)政府(の対応)は残念だ」と不満を口にした。
• ナヌムの家の安信権所長は、合意に日本の「法的責任」が明示されていないと指摘し、「被害者を除外した韓日両政府の拙速な野合だ」と批判した。
• 一方、元慰安婦の柳喜男さん(87)は「満足はできない」としつつも「政府が年内に解決しようとしているので、尽力している方々のことも考え政府のやる通りに従う」と合意を受け入れる考えを示した。
• ソウルの日本大使館前にある被害女性を象徴する少女像の設置を主導した元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)は、関連団体と連名で声明を発表した。「被害者や関連団体に相談もなかった」とし、「被害者や国民の願いを裏切った外交的談合だ」と合意を非難。韓国政府が解決に努力すると表明した少女像の移転問題についても「韓国政府が移転をうんぬんしたり介入したりすることはあり得ない」と反発した。
• ソウルの挺対協事務所で記者会見した元慰安婦の李容洙さん(87)は「罪に対する公式の賠償をするべきだ」と訴え、合意内容について「全部無視する」と述べた。


「新しい日韓関係」を歓迎
最終決着、不安の声も

• 「新しい日韓関係を」「本当に幕引きになるのか」。日韓両国の外相が従軍慰安婦問題の決着で合意したことについて、国内各地からは好意的な声が上がる一方、最終的な決着を不安視する意見も出た。
• 東京都練馬区の無職河村邦泰さん(70)は「長引けば長引くほど幕引きは難しくなる。これで解決して新しい日韓関係を築いてほしい」と両国関係の進展に期待した。
• JR名古屋駅で待ち合わせをしていた旅行関係の会社で働く愛知県一宮市の男性(23)は「日韓関係が落ち着くなら悪いことじゃない。今後どうなるのか分からない部分があるので見守っていきたい」と話した。
• 鹿児島県の会社員の男性(32)は「決着は良いこと。韓国としては、日本たたきによる『嫌韓』で経済へのマイナスが大きくなっていたから、早く折り合いを付けたかったというのが本音ではないか」と受け止めた。
• 一方、東京都内に住むジュエリーデザイナーの女性(56)は「韓国は本当に幕引きするのか。日本は甘く考え過ぎなのではないか」と指摘した。


日韓、3月米国で会談案
両首脳、慰安婦最終確認へ
新基金の共同出資検討
大幅増額求め隔たり

• 日韓両政府が決着を目指す従軍慰安婦問題について、28日の外相会談で合意した場合、来年3月に米国での国際会議に合わせて首脳会談を行い、最終決着を確認した上で共同文書を発表する案が浮上していることが26日分かった。元慰安婦の生活を支援する新基金について、日韓出資の共同基金とする方向で調整が進む一方、韓国側が日本側に10億円以上の拠出を求めていることも判明。日本が検討する1億円超とは大幅に隔たりがあり、27日の外務省局長協議で増額が可能か探る。
• 安倍晋三首相と朴槿恵大統領の首脳会談に関し、日本側は外相会談が合意に至れば朴氏の早期訪日を要請する意向だが、合意への韓国世論の反発を懸念。米国で首脳会談を開催し、米政府に歓迎の声明を出してもらうことで最終決着を担保する狙いがある。基金の増額については、日本側に検討の動きもあり、規模が拡大する可能性がある。
• 日韓外交筋によると、両政府は、来年の早い時期の実施を模索する首脳会談について、元慰安婦の支援団体などから朴氏の訪日自体に反発が出る場合を想定。3月31日から米首都ワシントンで2日間の日程で開かれる第4回核安全保障サミットの際に、首脳会談を開催する案が浮上した。
• 米国が日韓に関係改善を促してきた経緯から、オバマ米大統領と3カ国首脳会談を行う案も取り沙汰されている。
• 基金は、元慰安婦に「償い金」を支払った「アジア女性基金」(2007年解散)のフォローアップ事業を引き継ぎ、生活支援をする目的。韓国も生活費を支給するなどの元慰安婦の支援事業を実施していることから、日韓両政府内で二つの事業を一体化させる構想が検討されている。
• 日本外務省によると、アジア女性基金は、民間の募金約6億円も原資に含め、総額約17億円の事業を行った。日韓外交筋は、新基金の規模に関し「この金額は参考になる」と話している。
• 両政府は27日にソウルで局長協議を実施。岸田文雄外相が28日に訪韓し、尹炳世外相と午後に会談する予定だ。

 

少女像移転、韓国が検討
慰安婦問題の妥結条件
国際社会での非難自制も
28日外相会談で協議

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で日韓が妥結した場合、ソウルの日本大使館前に設置された被害女性を象徴する少女像について、韓国政府が別の場所への移転を検討していることが26日分かった。韓国政府筋が明らかにした。
• 日韓外相は28日にソウルで会談し、この問題も協議する見通し。韓国政府は、朴槿恵大統領が第三国の首脳と会談する際に慰安婦問題を取り上げることを含め、他国での日本非難活動を日本の要求通り自制することも検討している。
• ただ聯合ニュースによると、少女像を設置した元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香・常任代表は26日「少女像は既に公の存在であり、撤去や移転は不可能だ」と反発した。今後、移転に関し韓国政府の説得が通じるかどうかは不透明だ。
• 韓国政府筋は、韓国側が受け入れ可能な対応を日本が取ると表明し、協議が妥結した場合に、「パッケージ」の一環として韓国側が取る措置だと強調している。
• 少女像は、挺対協が慰安婦問題での日本の対応を要求し1992年に大使館前で始めた「水曜集会」が2011年12月に千回を迎えた際、大使館前の歩道に設置された。
• 日本政府は、外交公館の品位を保護することを義務づけた「外交関係に関するウィーン条約」に違反するとして韓国政府に撤去を求めてきた。撤去に応じれば世論の批判を免れないとみる韓国政府は、像は「平和的」で品位を損ねないと主張し、日本の求めを拒んできた。


従軍慰安婦少女像の行方
「象徴」移転、早くも壁
国内対立の焦点に浮上か

• 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、韓国政府が日本との妥結を条件に、ソウルの日本大使館前に市民団体が設置した被害女性を象徴する少女像移転の検討に入ったことが分かった。団体側は猛反発し移転の「壁」が早くも顕在化。像の存在は、日本との妥結をめぐる韓国政府と団体側との意見対立の焦点に浮上しそうだ。
▽ 「公のもの」
• 「少女像は既に公のものだ。韓国政府が撤去できるものでもない」
• 像を設置した元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香・常任代表は、これまでこうした主張を展開。日本の撤去要求をけん制してきた。
• 聯合ニュースによると、韓国政府が移転の検討を始めたと報じられた26日、尹氏は報道が事実なら「国論分裂」を招く重大な誤りだと強く反発。「移転は不可能だ」と断言した。
• 設置直後の2011年12月、京都で日韓首脳会談が行われた。像の撤去を迫る野田佳彦首相(当時)に対し、李明博大統領(同)は「誠意ある対応がないならば第2、第3の像ができる」とやり返した。尹氏は李氏の発言を挙げ「(像設置は)国家が支持した」とも訴えていた。
• 実際に韓国政府は、像が当局の許可を得ずに道路に設置されても黙認。だが、昨春から日韓の局長級協議が続く中で像の撤去は韓国の“外交カード”に転じた。
▽ 意思疎通なし?
• 日韓関係筋によると、日本は少女像の撤去のほか、韓国政府が慰安婦について「性奴隷」との表現を使うのをやめることなども求めている。これに対し、韓国は、日本が法的責任を認めることを最重点の要求とする。
• 慰安婦動員に強制性があったと主張する韓国政府が、性奴隷との表現の使用自制を表明することは難しいとみられる。ただ、これ以外の要求については、日本の出方を見極め判断することとし、韓国が受け入れられる形で「責任」の所在に日本が触れれば像の移転にも応じる―。関係者は韓国政府がこうした検討を始めたと話す。
• 尹氏は28日の日韓外相会談を前に、韓国政府と連絡を取り合っていないことを示唆。ほかの支援団体も最近政府とは協議していないという。韓国政府は世論形成に影響力がある支援団体の意向抜きに妥結を目指している可能性があり、日韓が政府間で折り合っても世論が支持するかは不透明だ。


少女像報道で日本に抗議
韓国、元慰安婦側は反発

• 韓国外務省当局者は26日、旧日本軍の従軍慰安婦問題で、ソウルの日本大使館前に設置された被害女性を象徴する少女像移転を韓国政府が検討しているとの日本メディアの報道について、在韓国日本大使館幹部を呼び抗議したと明らかにした。
• 韓国外務省当局者は「少女像は民間(団体)が建てたもので、政府があれこれ言えるものではない」と主張。また同省報道官は「根拠のない報道が日本で続いている」と述べ「日本が誠意を持って会談に臨むのかも疑わしい」と強い不快感を示した。
• 一方、少女像を建てた元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香・常任代表は同日、聯合ニュースに「少女像は既に公のもので、移転は不可能だ。日本政府に解決の意思があるなら、駐韓日本大使が少女像の前で(元慰安婦らを)追悼することが筋だ」と述べ、反発した。
• 聯合ニュースによると、ソウル郊外の元慰安婦の支援施設「ナヌムの家」は、日韓両政府が何らかの妥結に達しても、元慰安婦の生存者46人全員が同意しなければ、日本政府の措置は受け入れないと表明した。


慰安婦新基金に1億円拠出
政府、文書に決着明記要求
日韓外相、28日に会談

• 政府は25日、ソウルで28日に開かれる従軍慰安婦問題に関する日韓外相会談で、日本が1億円超を拠出し新たな基金を創設すると提案する方針を固めた。元慰安婦の生活支援を行う。他からも相応の負担を得たい考え。日本側が、外相会談後に想定する首脳会談での合意文書で、朴槿恵大統領から慰安婦問題が最終決着したとする「確約」の明記を求める意向であることも判明。いずれも韓国側が応じるかが焦点になる。岸田文雄外相は25日、尹炳世外相と28日に会談すると発表した。
• 岸田氏は外務省で記者団に「ぎりぎりの調整を行いたい。日韓関係を前進させるべく全力を尽くしたい」と述べた。日韓両政府は、27日にソウルで外務省局長協議を実施し、外相会談に向けた最終調整を行う。
• 菅義偉官房長官は会見で「日韓の国交正常化50周年という中で、慰安婦問題という懸案について、さまざまな角度から協議している」と話した。
• 妥結案としては、安倍晋三首相が手紙で元慰安婦におわびの言葉を伝える案も検討中。苦難への「責任」を「痛感する」などの表現や、首相の戦後70年談話を踏まえ「多くの女性の名誉や尊厳が傷つけられた」との記述が取り沙汰されている。
• 日韓外交筋によると、新基金は、一部の元慰安婦を定期巡回し、医療や福祉面で支援する現在の支援事業を基にしている。元慰安婦に「償い金」を支払った「アジア女性基金」(2007年解散)のフォローアップ事業で、15年度予算で韓国分としては約1120万円を支出。これを10倍程度に増額し原資にする。他からも拠出を得る方向で調整する。原資分を対象者全員にまず一括支給する案も出ている。
• 韓国側が慰安婦問題を再提起しない確約の明記に関しては、日本側は外相会談で大筋合意に至れば、朴氏に来年早期の来日を要請。首脳会談で取りまとめる合意文書に盛り込みたい考え。米国などに歓迎の声明を出してもらい、合意を担保する案も出ている。
• 日本側は、ソウルの日本大使館前に設置された被害女性を象徴する少女像の撤去も求めている。


フォローアップ事業

• アジア女性基金フォローアップ事業 2007年に解散したアジア女性基金で「償い金」支給の対象になった元従軍慰安婦に対し、日本政府が実施している医療や福祉面での支援事業。韓国やフィリピンなどで、高齢となった元慰安婦を巡回訪問し、近況を確認している。女性基金とつながりがあった各国関係者との人脈を活用し、個人や団体に業務を委託している。08年度からスタートし、15年度には韓国や台湾など全対象地域の関連費用として約1500万円の予算を充てた。


外相訪韓報道に遺憾表明か
朴政権、日本外務省に

• 聯合ニュースは25日、旧日本軍の従軍慰安婦問題の決着を目指す岸田文雄外相の訪韓を、正式発表前の24日に日本メディアが報じたことについて、韓国政府が日本外務省に「遺憾を表明した」と伝えた。
• 同ニュースは、日本政府が意図的に情報を流した可能性に触れるなど批判的に伝えた。一方で「韓国政府は慰安婦問題の重要性を考慮し、予定通り会談を行う」とした。
• また「岸田氏は解決案のパッケージを提示するだろうが、それを韓国側が消化する時間が必要ではないか」との韓国政府関係者の言葉を紹介、朴槿恵政権内部に早期妥結への慎重論も出ていることを伝えた。


妥結案で名誉回復できず
韓国、元慰安婦の支援者

• 旧日本軍による従軍慰安婦問題の決着を目指した岸田文雄外相の訪韓をめぐり、ソウル郊外にある元慰安婦の支援施設「ナヌムの家」の安信権所長は25日、日本政府が検討している医療・福祉支援の拡充などの妥結案では「名誉回復にならない」と否定的な見解を示した。
• 安氏は「韓国政府から連絡がなく気掛かりだ」とした上で、支援予算の増額案について「既に韓国政府の生活支援金を受けている。金額の問題ではない」と指摘。
• 25日の韓国紙、朝鮮日報は、日本が政府予算を投じれば元慰安婦らが求める「法的責任」を事実上認めたとの解釈も可能だと伝えたが、安氏は「人によって解釈に違いが出るようなら問題再燃は避けられない」とした。
• 安倍晋三首相が元慰安婦らに、苦難に対する日本の「責任」を「痛感する」などとのメッセージを送る案が出ていることについては「安倍氏が首相官邸でメディアを通じ謝罪の意思を世界に発信するべきだ」と述べた。
• 南東部大邱の支援団体「挺身隊ハルモニと共にする市民の会」の安李貞善代表は「日本が慰安婦問題は日韓請求権協定で解決済みとの立場を崩さず、人道支援で問題の矮小化を図る姿勢が根本的に変わっていない現状では、どんな妥結案も受け入れ難い」と語った。
• 一方、慰安婦問題に詳しい有識者は「支援団体も従来の(強硬)姿勢は維持できないと分かっているはずで、悩みながら内部で議論しているのではないか」と指摘した

「和解・癒やし財団」の設立に反対し、記者会見場に乱入、警察官に連行される市民団体メンバー=28日、ソウル


「和解・癒やし財団」の開所式で笑顔の金兌玄理事長。左は韓国の尹炳世外相=28日、ソウル

米、安保協力加速を期待
水面下で最終決着促す

• オバマ米政権は日韓両国が従軍慰安婦問題の決着で合意したことを歓迎、北朝鮮の核・ミサイル開発などに対処するため、日米韓3カ国の安全保障協力に弾みがつくことを期待している。
• オバマ政権は戦後70年の今年、慰安婦問題の解決に道筋をつける絶好の機会として日韓双方に歩み寄りを促すと同時に、対立を再燃させないため「最終決着とすることが重要」(米政府当局者)と水面下で伝えてきた。
• 慰安婦問題の解決を重視するのは「甚だしい人権侵害」(オバマ大統領)との認識だけでなく、米国の国益に直結するアジアの安定のためには、いずれも米国の同盟国である日韓の協力が不可欠だからだ。
• 北朝鮮は金正恩体制下で核・ミサイル能力を増強。外交解決の糸口が見えない中、ミサイル防衛(MD)や有事の作戦計画整備など軍事的な備えだけは進めておきたいというのが米国の本音だ。急速に力をつける中国に国際規範を順守させる上でも、日米韓が足並みをそろえる必要がある。
• オバマ氏は昨年3月、安倍晋三首相と韓国の朴槿恵大統領の間を取り持つため、オランダ・ハーグでの核安全保障サミットの際に日米韓3カ国首脳会談を開催。米政府はその後も陰に陽に仲介外交を展開してきた。
• 日本には受け身にならず積極的に打開案を探るよう求める一方、韓国に対しては政権交代のたびに歴史問題が蒸し返されたことを念頭に「合意するなら、その場しのぎでない完全な恒久的解決とする必要がある」(米政府当局者)と働き掛けていた

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