第45回シカゴ双葉会日本語学校全日校運動会
完全燃“笑”~紅白ともに輝く笑顔溢れる運動会~
「完全燃“笑”~紅白ともに輝く笑顔溢れる運動会~」をスローガンに、シカゴ双葉会日本語学校全日校の運動会が6月9日に開催された。今年は好天に恵まれ、輝くような青空の下に小学部1年から中学部3年までの児童・生徒が運動場に整列し、青空に負けない明るい笑顔を見せた。今年は熱中症などの懸念から、午前中のみの11種目のプログラムで実施された。
壇上に立った長谷川雄一校長は「赤組か、白組か、勝つと思う方を言って」と生徒に問いかけると、生徒達は大きな声で自らのチームの色を答え、ときの声を上げた。
長谷川校長は、学校の中心となって運動会の準備や練習にリーダーシップを発揮してくれた中学部の生徒や小学部5、6年生の生徒、また、学年の種目の練習に励んで来た1年生から4年生の生徒に「ありがとう」と感謝の言葉を述べた。
そして、初めての運動会となる1年生、最後の運動会となる中学3年生など、いろいろな思いや立場は違っても「みんなで心を一つにして素晴らしい運動会を作って行きましょう」と児童・生徒を励ました。
来賓を代表して在シカゴ総領事館の星野元宏領事は、子ども達の成長ぶりを見る事ができる運動会の開催を「おめでとうございます」と挨拶した。
そして、高瀬慎一双葉会会長をはじめ学校運営委員会の方々や運動会の準備に尽力して来た長谷川校長をはじめ教職員の方々、関係者の方々へお礼の言葉を述べた。
多くの保護者が集まっている機会に、星野領事は総領事館が提供しているサービスを紹介した。例えば在外に2年連続して居住していれば、日本の消費税10%が免税になり、総領事館ではその証明書を発給してくれる。
また、日本人で永住権を持つ人、永住権が無くともその対象国に10年連続で居住している人は、JRのジャパン・レール・パスを利用することができる。その他、パスポートの更新や各種証明書はオンラインで申請でき、クレジットカードでの支払いも可能となっている。
詳細はhttps://www.chicago.us.emb-japan.go.jp/で。
星野領事は最後に「それでは皆さん、今日は完全燃“笑”で頑張って下さい」と生徒を激励し、挨拶を結んだ。
赤組団長の森彩華さん(中3)と、白組団長の細川仁志さん(中3)が「僕達、私達は、この運動場で転びながらも笑い、勝ちながらも負けながらも笑って全力で戦い、勝ち負けよりも笑顔で帰った方がトロフィーよりも素晴らしい、そんな精神で一日を楽しむ事を誓います」と力強く選手宣誓を行い、いよいよ運動会のプログラムが始まった。
最初は全校生徒による赤白応援合戦。本部席から高瀬慎一双葉会会長をはじめ、星野元宏領事、岸本まゆみ双葉校事務局長、斎藤晴彦補習校校長、木村崇PTA会長らが見守った。
応援合戦で気勢を上げた運動場では、小学3、4年による75m走、小学5、6年生による100m走が行われ、生徒らが俊足を競った。
続いて、いろいろなダンスが組み合わさった小学1、2年生による表現運動「フルパワーでdance! dance! dance!」、中学部による「ソーランベーシック2024 運動会special」、全校生徒による「大玉ころがし」とプログラムが進んだ。
そして全校生徒と保護者が一緒にチャレンジするふれあい種目「Mission玉入れ」が行われた。この種目は、玉を入れるだけでなくラウンドごとに課せられたMissionがある。また、ボーナス点が付くラッキーボールの追加もある。
最初のミッションは児童・生徒と保護者が2人以上の組を作り、それぞれの組のメンバーが手を繋いで球を投げる。赤・白ともに10個ずつのラッキーボールが追加され、第一ラウンドは多くのラッキーボールを籠に入れた白組の勝ち。
第二ラウンドのミッションは、片足ケンケンで動き“Oh my Gosh!” と叫びながら球を入れる。そして、10個のラッキーボールは各100点のボーナス。このラウンドは赤組の勝ち。
第三ラウンドのミッションは“Put it in!”と叫びながら後ろ向きに球を入れる。相手チームの球が籠に入るのを阻止して味方のチームを守るDefenderとして、和田裕之先生(白組)と小林靖幸先生(赤組)が、籠に入って来る相手チームの球を阻んだ。ラッキーボールは各100点。第三ラウンドもラッキーボールがものを言い、赤組が勝った。
このふれあい種目は、競技をしている生徒と保護者だけでなく、見ている人達も大いに楽しんだ。
プログラムは3、4年生の表現運動「運命の出逢い~双葉LOVE~」へと進んだ。いろいろな動きを見せながら最後は双葉会の「ロゴ」「双」「葉」「❤」という文字やマークを描き出した。
続く表現運動は、小学5、6年生による「25人の軌跡」黒いコスチュームに身を包んだ生徒達は赤い旗を持ったり、アクロバティックなポーズを決めたりしながら、クライマックスは25人が一丸となり、赤い旗を横に繋げながら大きなウェーブを創り出した。さすがに上級生の表現運動だった。
続いて小学1、2年生の50m走があり、児童たちはゴールに向かって力いっぱい走った。
いよいよプログラムのクライマックスは中学部によるリレー「~繋げ魂のバトン~」。緊張が走るスタートライン、一瞬を争うバトンタッチ、そして懸命に走るランナー達に、張り裂けんばかりの声援が飛び交い、紅白の応援旗がひるがえった。そして、赤組のランナーがテープを切ってゴールを駆け抜けた。
力を出し切った全校児童・生徒は、運動場に整列して結果発表を待った。結果は赤組136点、白組133点。3点の小差で赤組が優勝を勝ち取った。そして、白組が準優勝となり、長谷川校長よりそれぞれのチームにトロフィーと表彰状が授与された。
また、成績発表の前には、プログラム表紙絵に応募した吉田千夏さん(小6)に、プログラム表紙絵大賞が長谷川校長から授与された。吉田さんの作品とイラスト賞を受賞した15人の作品は、プログラムの両面に印刷されていた。
児童・生徒挨拶で、吉田千夏さん(小6)は「運動会のスローガンをみんなで達成できたことをとても嬉しく思います。最上級生としての今回の運動会は私を大きく成長させてくれた運動会でした」と話した。
吉田さんは下級生のお手本となり、リーダーとして引っ張る事に取り組む中、次の行動を考え、任された仕事に責任を持ち、それ以外にできる事はないかと考えて動くことができるようになったという。「この運動会で学んだ事を生活の中でも生かして行きたい」と話し、運動会に来てくれた来賓や保護者の方々にお礼の言葉を述べた。
赤組の応援団長の森彩華さん(中3)は、赤組の優勝を喜び、準優勝の白組の健闘を称えた。そして森さんは「スローガンを意識して取り組みましたか?」と児童・生徒に問いかけ、「皆さんが笑顔を忘れず全力で他の学年を応援し、他の組の仲間も応援する姿が印象に残りました」と話した。
森さんは「昨年の運動会以上の魂を半日の運動会に込めたような充実した時間だったと私は思います。応援合戦の後の個々の競技、表現は、どの学年も気合が入っていましたね」と振り返り、「今日は皆さんゆっくり休んで下さい」と笑顔で頑張ったみんなをねぎらった。
最後に森さんは保護者や来賓の方々にお礼の言葉を述べ、今後のサポートや応援を呼び掛けた。
木村崇PTA会長は「勝利した赤組、ちょっと届かなった白組、いろいろな思いがあると思いますが、冒頭の選手宣誓、スローガンにもある通り、笑顔でやることが一番大切だと思います」と話し、「ケガ無くご自宅まで帰って下さい」と、運動会で力いっぱい頑張った児童・生徒の気を引き締めた。
そして、早朝から運動会を準備した教職員や学校関係者の方々に感謝の言葉を述べ、保護者の方々には本部席のテントの片付けの手伝いを呼び掛けた。
長谷川雄一校長は、練習の時は白が圧倒的かと思ったが、赤組の大逆転となったと話し「これからの長ーい人生に、こういう事がいっぱいある。勝つと思っていたことが、ひっくり返る。『勝って兜の緒を締めよ』という日本の古い言葉もある。今日はいっぱい勉強したね」と児童・生徒に語りかけた。
そして、長谷川校長は運動会の成功について「まず誰に感謝の言葉を言いたい?」とみんなに問いかけ、「お父さんお母さん、家族、一緒に頑張った仲間、去年の運動会終了後すぐに今年の運動会の準備を始めてくれた運動会責任者の長渕大樹先生、先生方、地域の皆さん、そして最後に自分自身にありがとうと褒めてやれ」と話し、生徒達と一緒にシカゴの青い空に向かい「ありがとうございました!」と大声で感謝を気持ちを表した。