ジャパン・フェスティバル、4年ぶりにシカゴで開催
日本文化づくしの展示や実演、華やかなパフォーマンスも
ジャパン・フェスティバル・シカゴ2023が8月19日、シカゴ・カルチャラル・センターで終日行われた。同フェスティバルは2019年にアーリントンハイツからシカゴに移り、カルチャラル・センターとミレニアム・パークの2会場で盛大に行われ成功を収めたが、COVID-19によるパンデミックに阻まれ、4年ぶりの開催となった。
同フェスティバルの開催は、シカゴ日系人評議会とその傘下にあるシカゴ日本商工会議所、シカゴ日米協会、シカゴ日本人会、定住者会、シカゴ市民協会、シカゴ歴史協会、共済会、二世ポスト1183部隊などの団体が協力し運営している。今年のジャパン・フェスティバルはシカゴ・カルチャラル・センター内の2会場で行われた。
展示と実演
プレストン・ブラッドリー・ホールでは、数々の日本文化や食文化の展示、実演、試食、販売が行われた。
出展者は、シカゴ日本映画コレクティブ、シカゴ日系人歴史協会、シカゴ市民協会、シカゴ姉妹都市インターナショナル・大阪委員会、大阪社会福祉交流委員会、在シカゴ総領事館、生花インターナショナルシカゴ支部#27、シカゴ日米協会、JETROシカゴ。
また、キッコーマンやミツカンによる製品紹介や試食も行われた。50周年を祝ったばかりの姉妹都市大阪委員会では、氷の彫刻で知られる水内康夫氏が50ポンドのチーズを削って大阪城を製作し展示した。
実演者は、アニメ・シカゴによるコスプレイ・コンテスト、オリガミ・グループ・ケイオスによる折紙、マリコ・カリスターさんによる手打ちそば、裏千家シカゴ支部による茶道など。
また、グレイン・セオリー・ケンダマによるけん玉の実演と販売、ヒドン・トレジャーズやジャパニーズ・アーティザンズによる和風小物販売、タンジェリン・マウンテンズによる着物の展示販売も行われた。
人気の日本食を販売したのはガイジン・レストラン、Mスクエア・ケイタリング、ムラサキ酒ラウンジ、オニギリ・コロリン、2dレストラン。寿司はもちろん、唐揚げ、たこ焼き、黒豚ソーセージ、オニギリ、モチ・ドーナッツ、かき氷など、いろいろな日本食を楽しむ事ができた。
ステージ・パフォーマンス
もう一つの会場、キャシディ・シアターでは、次から次へと13のパフォーマンスや武道のデモンストレーションが行われた。司会はもちろん、ウィッティなバイリンガル・トークで知られるダナ・ゲルリッチさん。
出演者はシカゴ箏グループ、無外流シカゴによる居合道、双葉会コーラス・グループによるコーラス、シカゴ沖縄県人会による沖縄の踊り、シカゴ-大阪姉妹都市提携50周年祝賀の一環として宝塚OGによる特別パフォーマンス、JKAシカゴによる空手、水木歌寿女さんと若見匠祐助さんによる日本舞踊(京の四季、北洲、祭)、シカゴ剣道道場による剣道、阿波踊りシカゴ美湖連による阿波踊り、同じく姉妹都市提携50周年祝賀の一環として特別のLAチーム河内音頭による盆踊り(河内音頭や炭坑節)、合気道アソシエーション・アメリカによる合気道、相良なみさんや高成田純さんらのバンド「Pika Pika」によるアニメ・ソング、そして最後はコスプレイ・コンテストの授賞式が行われた。
岸直哉首席領事挨拶
挨拶に立った岸直哉在シカゴ首席領事は、シカゴで4年ぶりに再開されたジャパン・フェスティバルを喜び、これだけ内容の濃い日本祭りを可能にしてくれた総ての関係者やボランティア達に称賛の拍手を贈った。
そして「皆さんの日本祭り開催への努力は『どんなに厳しいチャレンジでも、常に次の段階に進むことができる』という金言を私に思い出させてくれる」と話した。
岸首席領事は「多くのパフォーマンスに加え、シカゴ-大阪姉妹都市50周年を記念して宝塚スターのOGやLAチーム河内音頭による特別パフォーマンスもあるので、大いに楽しみ、日本のおもてなしや相手を敬う気持ち、多種・多民族の中のハーモニーを感じ、コラボレーションを祝いましょう」と来客に呼び掛けた。また、多くの日本文化の中から好みに合うものを見つけて欲しいと語った。
コスプレイ・コンテスト
華やかなパフォーマンスが行われたキャシディ・シアターでは最後のプログラム、コスプレイ・コンテストの授賞式が行われた。
同コンテストを運営したアニメ・シカゴ(非営利団体)のプレジデントで創始者のジェイミー・サンチェス氏によると、同会では毎月6回から8回のイベントを行っており、3,000人以上のメンバーがMeetupで繋がっているという。アニメ・シカゴのウェブサイトは、https://animechicago.com/
コスプレイ・コンテストで優勝したのは、鬼滅の刃の禰豆子の衣装をまとったティファニー・エリクソンさん。
アイオワ出身のエリクソンさんが初めてコスプレイをしたのは2017年のアニメ・アイオワだった。今回の禰豆子の衣装は、禰豆子の公式衣装を完璧に再現しようとプロフェッショナルな仕事に迫った。
エリクソンさんは友人と共に、シャンバーグにあるタンジェリン・マウンテンズを訪れ、禰豆子の着物にできるものを一枚一枚見て行った。色や柄だけでなく、手触りも吟味した。
実のところ、鬼滅の刃の時代背景となっている大正時代の着物を揃えたいと思った。羽織はかなり禰豆子の羽織に近い大正時代のものを見つける事ができたが、着物はもう少し現代に近いものを使う事にした。時代は少し新しいが、着物の色や伝統的な「あさのは」の模様は同じだった。帯締めや帯揚げも禰豆子のものに合わせて選んだ。
市松模様の帯は手に入らなかったが、エリクソンさんは帯の上に赤い四角を一つ一つ塗り、禰豆子の帯を作っていった。
ジャパン・フェスティバルでの優勝の陰には、この様な努力があった。
Q:アニメ・シカゴのメンバーですか?
エリクソン:アニメ・シカゴの事を初めて知ったんですよ。ホントにこれから家に帰ったら、第一にアニメ・シカゴのことを見てみようと思って。
だけど、タンジェリン・マウンテンズの展示の片付けも手伝わないと。私は今日の展示の一部を担当しているんです。展示は1700年代の日本の着物でした。アメリカよりも古いんですよ!
でも、今晩に真っ先にやることは、やはりこの素晴らしい交友関係のこと、アニメ・シカゴを調べてみます。
Q:ありがとうございました。