第47回シカゴ双葉会日本語学校補習校運動会

心を燃やして一つになれ! 行くぞ双葉、勝利をつかめ!

 シカゴ双葉会日本語学校補習校の第47回運動会が5月27日、アーリントンハイツにあるクリスチャン・ライブラリー・アカデミーの運動場で開催された。今年のスローガンは「心を燃やして一つになれ! 行くぞ双葉、勝利をつかめ!」。当日は爽やかに広がる青空の下、幼稚部から高等部までの園児、児童、生徒達が待ちに待った4年ぶりの運動会に元気いっぱいの笑顔で臨んだ。

  4月に着任した斎藤晴彦校長は、コロナ禍で3年間開催できなかった運動会が4年ぶりに青空の下で開催できることを皆さんと一緒に喜びたいと述べ、「皆さんは毎週土曜日にしか会えないお友達ですが、今日の運動会をこれまでよりもっと仲良くなって友情の輪を広げる大切な機会にして欲しい。皆で最後まで力を合わせて、この運動会が大成功になるように、ケガをしないように気を付けて頑張りましょう」と整列した全校生徒を励ました。

 また、ブリーチャーで子供達を見守る保護者に向かい「少ない時間で運動会の準備や練習に一生懸命に頑張って来た生徒達が、力を合わせて一つの運動会を作り上げる姿をご覧いただきたい」と呼び掛けた。また、「運動会を迎えるに当たり、多くの皆様のご協力に感謝申し上げたい」と語った。

 

 来賓代表の星野元宏在シカゴ領事は「スローガンに、日本人の和を尊ぶ気持ち『一つになれ!』が入っていて、本当に感心しています」と生徒達に話しかけた。

 そして、「今日は32種目があると聞いています。自分自身の限界、またはチームとしての限界にチャレンジしてみて下さい。皆さんの将来の心や身体の育成に、必ず良い切っ掛けになると思います」と生徒達を鼓舞した。

  また、星野領事は保護者席に向かい、「シカゴの大都市圏において1000人以上の日本の方々、そして日本を愛する方々のご家族が一堂に会する大規模な行事と聞き、感動しています。赤組の応援歌の『太陽のように』、白組の応援歌の『白い稲妻』のようになって、楽しい運動会の一日にして下さい」と話し、「補習校の運営に支援、ご尽力を頂いている総ての方々に感謝申し上げます」と挨拶を結んだ。

 

 高等部3年潘泉美さん(赤組)と、高等部3年柳原コールさん(白組)が「私達園児・児童・生徒一同は、このシカゴの広い空の下、仲間と共に力を合わせ、最高の思い出となるよう、優勝を果たせるよう、励まし合い、力の限り競技することを誓います」と力強く選手宣誓を行い、いよいよ競技が始まった。

 本部席で星野元宏領事、大塚優双葉会会長、長谷川雄一全日校校長らが見守る中、運動会は全校生徒参加の大玉送り「~心を1つにゴールへ繋げ~」で戦いの火ぶたを切った。

 続いて中学部1年生の100m走、幼稚部の40m走「よーい、どん!」、小学部1、2年生による「紅白玉入れ」、中学部2、3年生の100m走、小学3、4年生のつな引き「おたすけマン」と続き、全校生徒による応援合戦第一弾で紅白両チームが士気を盛り上げた。

  小学1年生の50m走、小学5、6年生の二人三脚ラグビー、小学2年生の70m走、幼稚部の園児と保護者が一緒に走る「りゅうぐうじょうへいこう!」とプログラムが進み、お楽しみのお昼ご飯の時間となった。

  午前の部が終わった時点で赤組210点、白組174点と赤組がリード。果たして白組は挽回できるか。

 

 午後の部は高等部の団体競技「巨大オセロゲーム」で始まり、一枚でも相手のオセロをひっくり返そうと赤組・白組の生徒がそれぞれ一丸となってゲームに臨んだ。

 続いて小学3年生の80m走、中学部1、2、3年生が力を合わせる「走れ!綱引き」、小学5年生の80m走、中学2年生の「逆玉入れ」、小学6年生の100m走とプログラムが進み、生徒達は午後の爽やかな風を切ってゴールを駆け抜けた。

  続く高等部の団体競技は「宅配便リレー」。走者の頭より高く積み上げられた箱を上手くバランスを取ながら運び次の走者に渡す団体競技に、観客席もハラハラドキドキ。見守る生徒や保護者から盛んに声援が飛んだ。

  固唾を呑んだ団体競技の次は小学4年生の80m走、続いて全校生徒による応援合戦第二弾が行われ、運動会は中学部と高等部による「選抜リレー」でクライマックスを迎えた。緊張が張り詰めるスタートライン、絶妙なタイミングのバトンタッチ、力を振り絞る走者に、耳をつんざくばかりの声援が飛び交った。また、紅白の応援旗がトラック内に翻えり、紅白のポンポンがさざ波のように揺れて走者を励ました。

 

 熱戦が繰り広げられた結果、赤組444点、白組390点で赤組が勝利した。一方、競技で獲得する点数は赤組に及ばなかったものの、応援で赤組に劣らず頑張った白組に、応援優秀賞が贈られた。

 また、田中怜亜さん(中3)が今年のスローガンに、蓮沼凛南さん(中3)がプログラムの表紙絵に、杉山璃桜さん(中2)が挿入絵に選ばれ、午前の部終了後に斎藤校長より表彰状が贈られた。

  齋藤校長は全校生徒に向かい「今日はとっても素晴らしい運動会になりましたね。本当に短い練習期間だったのに、最後まで皆さんは諦めずに良く頑張りました。赤組も白組も、心を一つにして最後まで協力して頑張ることができたと思います。皆さんの頑張りにとっても感動しました」と話し、生徒の努力を称賛した。

 そして、「この運動会を通して、皆さん一人一人が感じた事を大事にして、これから協力して力を合わせることができる補習校にしていきたいと思います」と生徒達に呼び掛けた。

 

 同運動会はクリスチャン・ライブラリー・アカデミーの運動場を借りて開催された。運動会終了後は中学部と高等部の生徒が残り、補習校に戻る最後のバスが出るまでグラウンドの清掃を行った。

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齋藤晴彦補習校校長

  後日、斎藤晴彦校長はシカゴ新報の依頼に応じ、次のように所感を述べた。

 ー5月27日に開催した運動会では、公私共にご多用のところ、在シカゴ日本国総領事館領事 星野元宏様をはじめとしたご来賓の皆様にご臨席を賜り、園児児童生徒の競技にご声援をいただきました。お陰様で、爽やかな青空の下、子供たちは伸び伸びと競技に取り組み、充実感や達成感を味わうことができました。

バスの運行にご尽力いただいたPTA交通部の皆様、園児児童生徒へのご声援や送迎にご協力をいただいた保護者の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。

 今年度の運動会は、コロナ禍を経て4年振りに全校一斉で実施され、補習校が心を一つにする機会になりました。競技に参加した子供たち一人一人の頑張りに加え、係として運営に携わった高等部と中学部の生徒の活躍も際立っていました。子供たちが自分の持っている力を発揮するための場とすることができたと思いますー。

 

斎藤晴彦校長紹介:

  齋藤校長は今年4月にシカゴ双葉会日本語学校補習校校長として着任した。

 齋藤校長は宮城県栗原市出身で、近年紅葉の名山として知られるようになった栗駒山の麓で育った。

1985年に宮城県の教員として採用されて以来38年間勤務し、今年3月に仙台市立小学校を定年退職した。その間、1996年から3年間をシンガポール日本人学校で勤務、帰国後は少年自然の家や市民センターでの社会教育に携わり、市立校以外でも豊富な教育経験を持つ。

 齋藤校長は「シカゴでは、学校と保護者が一体となって子供達の育ちを支えて行く学校運営をしていきたい」と抱負を語った。

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